地方の三文小説家「東義久」の独白

東義久のブログです。

東義久の作品紹介②『小説山城国一揆』

2006-06-21 18:27:22 | 文学の部屋
★小説山城国一揆
 1990年(文理閣刊 )2500円
 この作品は、ぼくの2冊目の出版物です。最初、書き上げたときは400字詰め原稿用紙で1600枚ほどの量となり、どこの出版社も出すことを許可してくれませんでした。
 落胆し、これは自費出版しかないと思っていたら、400枚ほど削れば出してやると、文理閣という殊勝な出版社が現れたのでした。
 ぼくは、その話に飛びついたのです。
 今思えば、よくもまあこれだけの長編を書いたものだと、自分でも驚きです。
 怖いもの知らずということでしょう。
 活字の小さな2段組みの本が売れるとは、正直、ぼくも出版社も思っていなかったのですが、宇治市の主催する紫式部市民文化賞を受賞したりして、地方の作家、地方の出版社の手がけた本としては、めずらしく第2版が出ました。
 これはにはぼくも驚き、山城国一揆が意外にも多くの隠れファンを獲得していたのだ、ということを改めて確認した次第でした。
 山城国一揆は地域史ではなく日本の歴史であるということを知らされました。
 内容は、山城国一揆の成立する少し前から、山城国一揆が解体する稲屋妻城の攻防までを描いています。
 山城国一揆に興味のある方はぜひ読んでください。
 長編ですので、夜、眠れないひとには、かっこうの睡眠薬がわりになるかもしれませんし、2、3冊買っていただければ枕がわりになるかもしれません。
 今から約500年前に南山城で「自治と平和の闘い」があったということを、知ってもらうためにも、ぜひ読んでください。
 山城国一揆の概要などについては、別の章で書いてみたいと思っています。

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ゴ~~ル! (絵夢)
2007-04-23 01:57:54
鬼さま

読みました。
沢山の参考文献を繙かれ読み物として完成して下さった事に感謝です☆
それぞれの境涯から見据える先には愛すべき人や地を守ろうとする気概が溢れていました。それぞれに感情移入してしまい涙が自然と流れました。決戦で果てる一人一人を思い出しまた泣けました。様々な感情に掻き乱されながらも、読み終えると一人として無駄な死は無かったのではないかと思えて不思議です。そう思わせる力作ですよね。素晴らしかったです。最後の最後まで“生”とは何かと再度突き付けられるのですよね…
戦は戦場だけでなく自分との戦いでもありました。私はしばしば睡魔と戦い、申し訳なく感じました。でも、しっかり読みました。読みたい気持ちに駆られました。

削られた400枚が気になります。
文中、槇島氏が登場しましたが、あのプレーボーズさんとは縁があるのでしょうか…

明日からは駆けてきた『絵がたり』を読ませていただきます♪
こんな時間…でもドーナツは食べてません…あれ以来(笑)お休みなさいzzz

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ほめてあげてください (絵夢さまへ)
2007-04-23 23:17:58
よくもまあ、読んでくれました。
あの長い長い物語を、睡魔と闘いながら、本当にご苦労さんでした。
長距離走破、自分で自分をほめてあげてください。
絵夢、えらーいぞ。(からだもえらいぞ!)
そして、こんな長い物語を書いた鬼いさんを許してやってください。
当時は、書いても書いても書くことがいっぱいあって、あれはなんだったのか、と不思議に思ってしまいます。若さだとすれば、戻りたいような戻りたくないような……。
ともあれ、そんな作品を、今でも読んでくれるひとがいるのだから、文学とはやはり力があるのかな、と勇気づけられ、なんとか書き続けようと、改めて思わせてもらいました。
ありがたいです。
填島は坊さんが勤務している大学のある場所です。そこにむかし填島城があり、填島氏がいましたが、プレー坊主とは関係がありません。でも、鋭い!
長い苦行に耐えた絵夢殿、しばらくはドーナツ解禁、お風呂での居眠りも許してあげます。
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おほほ。 (絵夢)
2007-04-24 23:10:38
鬼さま

お褒めに与り光栄ですm(_ _)m
文学・芸術・音楽は永遠に色褪せることは無いと思います。
鬼いさんは世の宝です!もっと、多くの人に読んでほしいと思います。
相変わらずページの角を折る癖に加えて鉛筆でラインまで引いてしまいました。ぞんざいに扱ってご免なさい。何年か経ってまた読んだ時(根性!)「ああ、あの時の自分はここに感動したんだな」って思う事でしょう。

読み進めながら、感じた事や思った事が沢山ありました。これまで読んできた全てのご本に国一揆の面影が残されていますよね?書ききれなかった思いは現代に飛び火して現代作品の根底に忍んでいるように思えます。
史実・国一揆が現世をもたらしたのかな…だから死が無駄ではなかったのだと思えたのですよね。
あれも書こう、こんな事も書こう、そう思いながら読んでいたのに、いざ読み終わると“無我の境地でした…気持ちがまっさらでした。不思議なくらい穏やかでした。祈りは正しく怒りですね。その怒りを祈りに変えるのは愛ですね。たった一人の為で良い。たった一人への思いが束になって大きな力となる。何れのご本にもそれは共通していますよね。そこが鬼いさんの素敵なところです。そして全く驕りを感じないのです。(不適切な表現がありましたら、お許し下さい…)

後から沸々と湧いてくるのですよね~
読んだことが自分の自信に繋がっているようで心地よいのです。

500年前に星になった彼らが放った矢が鬼いさんを射たのよね…「書け~」とね。

確かに槇島という地名がありますね。お坊様は佐々木様でした。

私は3食きちっと食べますので、あまり間食をしません。あの時は夢か現か…嬉しさのあまり湯船にぼーっと浸かり、おまけに眠れぬ深夜にたまたまあったドーナツをペロリと食べるという奇異な行動をしておりました^^;

しかし、お風呂で寝るのは茶飯事です。気をつけます。

今夜はお酒をちょっぴりにいたします。大作を読んだご褒美に(笑)強くも無ければ飲んべえでもありませんので!

5時半起床の絵夢より
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山城を訪ねて・・・ (絵夢)
2007-05-29 19:52:16
鬼 さま

紀行文とは大袈裟な 絵夢の拙い旅日記が昨夜完成いたしました。
本日 投函いたしましたので明日には届くでしょうか。
立て続けに 押しつけをしてしまいご免なさい。
山城を訪ねた事も含め ご報告するのは もっと先にしようと思っておりましたが、
不意に遭遇したことについて早くお伝えしたくて 心がザワザワしておりました。

とても素晴らしい所でした。自己陶酔してしまいました。
ほんの小さな出逢いから500年も遡る旅をしてしまった
輪廻転生があるならば、私はきっと500年前のその地に思いを残した一人なのかもしれないと思ったり・・・

一区切りがついたかなと思っています。マイペースです。
まだまだ 鬼いさんの世界は私の裡で広がってゆきますが、暫くは鬼いさんを解放してあげます(笑)新作に集中していただかないと!念・念・念!

絵夢

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見たよ (鬼より絵夢さまへ)
2007-06-01 04:02:42
見たよ。
驚いています。
こちらに来られたんですね。
ぼくと同じ双子座ですね。日が近づいている…焦る。
少しの猶予を。
今、ようやく第1校が終わりました。
手紙を書いています。
ごめんなさいね。お礼が遅れて。
それから、解放しないでください。
鬼より。
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お疲れさまでした☆ (絵夢)
2007-06-02 08:36:49
鬼さま

お忙しい中 読んで下さって 有難う御座いますm(_ _)m
タイミングが計れなくて お邪魔ばかりで…

第1校が無事進んで良かったです。
徹夜?されましたか?
私への手紙など 後回しにして 体を労って下さい!
猶予は5年も10年も100年もあります^^v

『本の力』って素晴らしいですね。
過去にも行ってしまえるし、未来への展望も開ける。
過去を辿ることによって この後1000年経っても また1000年前を辿って
「この 今」を思ってくれる未来人がいるのだろうな。
歴史は勿論そうだとしても 私のようなちっぽけな旅人が きっと 遠い未来にもいる。

山城・小説の世界は魅力がいっぱい詰まっていて 一日では辿れませんね。
それでも 鬼いさんが 書いて 伝えたかった思いは そこここに溢れていて 頭で理解するというよりも直接ハートに届きました。
何だろうな~不思議な 不思議な 旅でした。

私の押し付けからは しばし しばし 解放ですから(笑
ブログの更新や 進捗状況については 常に敏感に対応いたします!
コメントを読んでいただける だけ でも感謝です。

絵夢

そうそう 最近 「鬼の中に居る私 私の中に居る鬼」の解釈が出来つつあります。


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