ねーさんとバンビーナの毎日

「静」→ 「淡」→ 「戻」→ 「無」→「休」→「解・涛」→「涛・停」→「抜」→24年「歩」 最終章序章スタート!

毛利元就より。

2009年09月08日 18時15分35秒 | 考えるねーさん
敵は、我らの数倍の人数。平場での戦いは不利。不利な戦いは、これを避けるというのも武略でござる。

おれでさえ負けたのだから、おまえなどが…、といいたげな亀井の口振りであった。

「なるほど、仰せごもっとも…」と、元就は、むかっとした顔を隠さなかった。

「しかし、地の理にくらい遠国衆を先に立たせ、地の理に明るい当国衆が後方に遊んでいたとあっては、富国の御大将への聞えもいかがなものであろうか…。安芸、備後の侍どもは大内がおそろしゅうて居〇んでいたのか、とお叱りも必死。よし、されば、陣を固めて守る分にはこれ程の人数は不要でござろう。それがし、ただいまより帰陣いたす…」

この元就の思い切った言葉に、亀井はもちろん、並居る武将も驚いた。

「同じお叱りを受けるなら、不自由な戦陣で待つより、我が家へ帰り、酒など食らって首の座を洗って待ち申そう」

元就は、席を立ちかけた。

「待たれよ…」

宍戸元源が、元就に声をかけてから一座を見回した。

「毛利殿のご意見、それがしも合点いたした。亀井殿、いま一度、我らに合戦の機会を与えてくださらぬか。それがしも同じくお叱りを受けるならば、おもいきりよく戦ってからお叱りを受けたい」

宍戸元源は最年長である。年長者の言葉には、重みがあった。つづいて吉川経世が賛成した。中には余計なことをいい出したと思うものもいたろうが、反対もできず、備後・安芸の侍たちも同意した。

亀井は、長老がそのように仰せられるならばと、しぶしぶながら承知した。

「されば、吉田の殿、さっそくに軍評定じゃ」

宍戸元源は、元就をうながした。

元源は無愛想な老人である。取っ付きにくい男であったが、頼りになる人物ではなかろうかと、元就は思った。




うむうむ。
ちょいと人物を置き換えて想像してみよ~っと。
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