財部剣人の館「マーメイド クロニクルズ 第三部」配信中!「第一部 神々がダイスを振る刻」幻冬舎より出版中「第二部 完結」

(旧:アヴァンの物語の館)ギリシア神話的世界観で人魚ナオミとヴァンパイアのマクミラが魔性たちと戦うファンタジー的SF小説

第三部闘龍孔明篇 第9章—6 コールド・デー・イン・ヘル

2018-12-31 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

(他人よりも自分のことを心配しろ。チャンスは一度切りだ。バレンタインデーのニューヨーク中の冷気を集めるから、ミックスト・ブレッシングをかましてくれ)
(簡単に言ってくれるな。まあいい、マクミラを救うためだ。異存はない)
(頼んだぞ! 将軍殿の本体はガイコツだから問題ないが、マクミラはあまり長い時間冷気に耐えられない)
(了解だ! かますタイミングはどうする?)
(フッ)アストロラーベが不敵に微笑んだ。(さかさまジョージが凍り付いたところで頼む)アストロラーベは、よたりながらかろうじて呪文を唱える用意を整えた。
 まったく軍師ともあろうものが、この姿。とうてい部下達には見せられんな。このままでは、我も呪文さえ唱えられなくなるまで長いことはない。フフフ、そんなことになったらアフロンディーヌに笑われるわ。

 地上の精霊たちよ
 我が呼びかけの刻は来たり
 とらわれの身のスカルラーベとマクミラを救う手助けをするがよい
 さすれば必ずや冥主のご加護を賜るであろう
 獲物を求める青き炎の3つ首ドラゴンよ
 我が呼びかけに答える刻は来たり
 燃える2つの首を輪廻の大蛇の首に絡みつかせるがよい
 バレンタイン・ナイトの冷気が獲物の血潮の熱を奪う刻
 残った首は輪廻の蛇の輪廻を断ち切るがよい
 ウロボロスは新たな輪廻の蛇となるがよい
 そしてコールド・デー・イン・ヘルが訪れる

 アストロラーベの呪文を聞いて、さかさまジョージ中で取り込まれたはずの青き炎の3首ドラゴンがスカルラーベから分離して叫び声を上げた。前もってかけておいた魔術なら、ヒエラポリス神殿の前でも効果を発揮できるのだ。
 獅子身中の虫ならぬ大蛇身中の虫となった3首ドラゴンは、さかさまジョージの腹を食い破り外に飛び出した。2つの首は、輪廻の蛇の各々の首に絡みついた。たちまち輪廻の蛇2匹の血潮が沸き立った。体内の血潮が蒸発し始め、気化熱が発生した。気化熱は液体が気体になる時に周囲から吸収する熱であり、液体が接しているものから熱を奪う。
「ケッケッケッ、これで攻撃したつもり? まったく効いてないんだけど」だが、この攻撃は注意をそぐためのものだった。3番目のドラゴンの首が隙をついてさかさまジョージの腹を切り裂くと、中からマクミラ、スカルラーベ、そしてアストロラーベが飛び出してきた。

     


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第三部闘龍孔明篇 第9章—5 ダニエル猛攻

2018-12-28 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

 深夜のタワーの周りにはビル風が吹いて凍えるほどだったが、それがダニエルには幸いした。市街地では、通常、風は建物の高さの0.2~0.25乗に比例する。例えば、地上1メートルでの高さの風速を1とすると、高さ100mでは2.5~3.1程度となる。高層建築ほど受ける風のエネルギーは大きくなり、その結果、強いビル風を発生させる。ビル風に乗ってダニエルは一気に屋上に達した。

     

 一瞬にして,状況を把握したダニエルは急襲を決心した。天使の羽は猛禽類の羽。当然、足の指には鋭い爪が生えている。さかさまジョージは、アストロラーベを呑み込んで有頂天になっていた。
 イケる! そう思ったダニエルだったが、真横から大蛇の尻尾が富んできた。
「ケッケッケッ、だてに蛇の目は横についてないんだ。こっそり近づこうったってダメ、ダメ、ダメ」実際、爬虫類は両眼視野が狭いために周りをよく見るには首を回さなくてはならない。だが、顔の横に目がついている蛇は前方視野こそ20〜46度と狭いが、爬虫類の中では最も広い単眼視野を持っている。
 屋上の外まではじき出されたダニエルだが、6枚の翼を全力で羽ばたいて体制を整える。今度はゆっくりと着地すると、ジェフを下ろす。「大丈夫か?」
「だ、大丈夫でございます。それより早くマクミラ様をお救いください」
 さて、どうするか? トリックスターとなったさかさまジョージには小細工は通用しない。おそらく俺がミックスト・ブレッシングを出せるのは一回切りだろう。それ以上はなさけない話だが、もう身体が持たない気がする・・・・・・
 その時、アストロラーベからテレパシーが伝わってきた。
(ペリセリアスよ、我の思念が分かるか?)
(その名はもう忘れた。今は堕天使ダニエルと呼んでくれ。なぜお前は人間界で肉を持つ存在になっても、思念を使えるんだ?)
(さかさまジョージの腹の中には冥界から来たものの力を封じるヒエラポリス神殿があった。呑み込まれた将軍殿とマクミラは見つけたが、二人ともすでに死んだようになって眠っている。我も本来ならここでは力を使えないが、神殿をサーバー代わりにお前に思念を送ってる)
(最近はやりだしたインターネットみたいなもんか?)
(我はまだ使ったことがないが、たぶんそうだ。それより万が一に備えて我は地上の精霊たちの力を借りてコールド・デー・イン・ヘルが使えるようあらかじめ魔術を用意しておいた)
(さすが冥界一のネクロマンサーだな。だが、大丈夫か? そんな名前の魔術)
*コールド・デー・イン・ヘル(cold day in hell)は、英語では「業火であふれた地獄が冷える日」が転じて、ありえないことの意。


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第三部闘龍孔明篇 第9章—4 堕天使ダニエルの復活

2018-12-24 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

 思念を打ち切った後で、アフロンディーヌは人知れず涙を流した。
 いまでも彼への愛を考えると胸が張り裂けそうだった。アストロラーベ様、あなたに運命を伝えることは巫女の立場上、許されない。ですが、神殿を思念のネットワークとして使えることが手助けになれば・・・・・・
 自身が神々の一員であり最高位の巫女であるアフロンディーヌが祈るなど、ジョークでしかなかった。それでもアフロンディーヌはアストロラーベに最高神のご加護があるように。さらに、もし神々を作った存在がいたならばその存在が彼を守ってくれるよう祈らずにはおられなかった。
 ああ、どうかアストロラーベ様に予言の意味を読み取らせてください。
 星へ困難な道を(Ad astra per aspera)・・・・・・

 ジェフはエレベータが66階に着いてドアが開くと、664号室に向かって駆けだした。フロア全体がマクミラとダニエルのためのフロアになっており、661号室がマクミラのオフィスで、662号室が不老不死研究を行うゾンビ—ランドから上がってきた資料を整理する部屋、663号室が軍事研究を行うノーマンズランドから上がってきた資料を整理する部屋、664号室が精神世界研究を行うナイトメアランドから上がってきた資料を整理する部屋、665号室が魔術と神話研究を行うアポロノミカンランドから上がってきた資料を整理する部屋、666号室にはマクミラとダニエルの棺が置かれていた。
 ジェフが言葉をかける時間さえもどかしく棺の蓋に飛びつこうとした。
 その時。棺の蓋が持ち上がり、セラフィム(織天使)だけが持つ6枚の羽を広げて宙に浮かび上がった。その姿は、精神世界で闘った時の右半身が金色の鷲ペルセリアスに戻り、左半身が暗黒の墮天使のままであった。
「屋上の波動で目が覚めた。あれだけの大騒ぎしたら不能の天使だって目を覚ます。だが、眠っていた間も意識がなかったわけじゃない。ずっと考えていた。マクミラの美しさは、過去、現在、そして未来にもトラブルの種だ。おまけにあの気の強さ。そんなあいつを誰が守ってやれる? 大分、時間を無駄にして悪かった。さあ、マクミラを助けに行くぞ」
「ダニエル、大丈夫か?」
「心配するなと言いたいが、織天使、堕天使、ヴァンパイアの力が混ざって、身体の中で殴り合いの大喧嘩をしている。あとどれだけ正気を維持できるか、自分でも分からない」
「こっちもムリするなと言ってやりたいが、マクミラ様がトリックスターに呑み込まれた。アストロラーベ様が、今、闘ってくれている」
「超特急で行くぜ!」もしもトム・クルーズが見ていたならば、次の『ミッション・インポッシブル』で使いたくなるような場面だった。
 ジェフを小脇に抱えると、ダニエルは窓を破ってタワーの外に飛び出した。一瞬急降下した後、急上昇で二人が屋上に向かっていく。
 マクミラよ、待ってろよ。命に代えても救ってやる。そうつぶやくダニエルは、本当に自分の命がかかっているとは夢にも思っていなかった。


     


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第三部闘龍孔明篇 第9章—3 アフロンディーヌとの再会

2018-12-21 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

(気の迷いではございませぬ、軍師様)思念を放ってきたのはかつての婚約者アフロンディーヌの霊体だった。
 人間界では思念の使えないはずのアストロラーベがつぶやく。(こんなことが・・・・・・いったい我はトリックスターの魔術にかかっているのか?)
(そう思われるのもムリはございませんが、私も海神界最高位の巫女。およそ神殿と名の付く場所なら、霊体を送り込むことくらいはできます。神殿は人間界においては、思念を通じてコミュニケーションを取るためのサーバーの役目を果たします)
(そうだったのか。たしかに、神殿に巫女はつきものだな。アア、この波動に間違いはない。さかさまジョージも最後に粋な計らいをしてくれたことになる。死ぬ前に美しき巫女に再び会えてもう思い残すことはない)
(思い残すことはないなど、軍師様とも思えぬセリフ。こんな死に場所で悔いは本当にないのですか?)
(確かに・・・・・・まだ死ぬわけにはいかぬ。軍師たるもの闘いを率い、闘いの中でこそ死に花を咲かせられるというもの)
(その通りでございます。今は神殿の力によって思考能力を奪われているだけ。「操るもの」に戻って準備していてください。しばらくすればペルセリアス様が助けに来てくれます)
(ペルセリアスが?)
(今は、堕天使ダニエルという名になっておりますが、さらなるご進化の刻がもうそこまで来ております)
(分かった。将軍殿とマクミラを捜して、ここを抜け出す準備をしよう)
(それでこそ軍師様。私が愛したお方・・・・・・)
 アストロラーベが微笑みを浮かべているのに、アフロンディーヌは気づいた。(何か、おかしいことが?)
(美しき巫女よ、もう二度と会うまいと思っていたが、しばらく会わぬうちに強くなったものよな)
(私などのことより、どうか究極の予言をお忘れ無きように。

 道化師(clown)が冠を抱くもの(crown)に変わり
 十三の白きものと黒きものが一つになる刻
 切り裂かれた天使が純粋な悪を生み出し
 緑の霧を巡る兄の子等と弟の軍団の闘いの
 幕が切って落とされる
 マーメイドとヴァンパイアの縛めが魔術師によって解かれ
 生きるために愛し合うことを求める者たちと
 生きるために殺し合うことを求める者たちの
 最後の審判が下り
 母なる星の希望と絶望が始まる

 私は、いつも陰からナオミたちの闘いを見守っております)
     
     


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第三部闘龍孔明篇 第9章—2 さかさまジョージの攻撃

2018-12-17 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

「ケケケッケッケッ、ボクのお腹の中には髑髏兄貴がいたのを忘れたのかい? 最大限一万度の炎を出せるガイコツ兄ちゃんが、青い炎のドラゴンは栄養にしてくれたんだ。さあ、今度はこっちから攻撃させてもらうよ」
 黄色い目を爛々と輝かせながら、赤い下をチロチロさせながら、さかさまジョージが迫ってきた。ヒエラポリス神殿を体内に持つ大蛇に対し、アストロラーベが使える魔術は限られていた。
 とりあえずはプル—トゥ様直々に賜った槍で、できるところまで闘ってみるか。
 アストロラーベの姿が、槍をユラリユラリと動かす内にだんだんと半透明になっていった。異次元空間に移動しようとした刹那に、さかさまジョージが噛みついた。「異次元空間には行かせないよ。アポロノミカンのおかげで、ボクは精神世界と現実世界を行ったり来たりできるようになっただけじゃなくて、別世界の入り口も分かるようになったんだ、ケケケッケッケッ」
「フッフッフッ、これを待っていた」
「何っ?」
「巨大な蛇のお前を倒すのに、身体の一部を傷つけても倒すことはできない。将軍殿やマクミラのように呑み込まれないように、お前に噛みつかせるタイミングを計っていたのだ。蛇を倒すには頭を潰せだ!」言うが早いか、アストロラーベの槍を遙か上空に放り投げた。槍は虚空から落ちてくると、一直線にさかさまジョージの頭からアゴの下まで深々と貫いた。
 のたうち回って苦しむさかさまジョージの返り血を浴びて、真っ赤になったアストロラーベが微笑んだ。「ノータリンだと思っていたが、こいつにも脳みそはあったか。さあ、次は腹を割いて二人を助け出さなくては」
 次の瞬間、アストロラーベは人間界に来て以来、初の恐怖を味わった。
 さかさまジョージが魔神スネールの尻尾に噛みつくと、同時に魔神スネールがさかさまジョージの尻尾に噛みついた。二匹はぐるぐる回り出すと、再び脱皮が始まり先ほどより一回り巨大な2匹のウロボロスとなった。「ケッケッケッ、魔神スネールはもはや意思を失いつつある。さあ、色男兄貴も呑み込んで、完全体になったトリックスターの恐ろしさをボクが見せてやるよ〜」

     

 アストロラーベは、なすすべなくさかさまジョージに呑み込まれてしまった。生暖かい体内に入ると、目の前にヒエラポリス神殿が目の前にあった。
 フッ、今度こそ万事休すか・・・・・・だが、アストロラーベはありえないはずの波動を感じた。これは、まさか気の迷いか!?


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第三部闘龍孔明篇 第9章—1 アストロラーベ対さかさまジョージ

2018-12-14 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

 アストロラーベは、3つ首ドラゴンを操った。サラマンダーの血を引く弟妹たちに、炎を使った攻撃をしても何も心配はいらない。
 だが、今やトリックスターとなったさかさまジョージと対峙するには・・・・・・念には念を入れておかねば。
 蛇こそ神導書アポロノミカンを作った「癒やすもの」アスクレピオスの使い魔だった。死者を蘇らせる秘術を行使するために、彼はいつも蛇が巻き付いた杖を持ち歩いていた。それは、冥主プル—トゥが持つ輪廻の蛇二匹がからみつく杖を模したものであった。
 蛇は呑み込み、脱皮をするが、それは生命再生の象徴であった。
 アポロノミカンを精神世界で見せられて、魔神スネールと合体したさかさまジョージには、何かしらアスクレピオスの力が宿っていると考えた方がよい。
 油断は大敵と気を引き締めると、アストロラーベは呪文を唱え始めた。

 地上の精霊たちよ
 我が呼びかけに答え
 とらわれの身のスカルラーベとマクミラを救う手助けをするがよい
 さすれば必ずや冥主のご加護を賜るであろう
 獲物を求める青き炎の3つ首ドラゴンよ
 我が呼びかけに答え
 燃える2つの首を輪廻の大蛇の首に絡みつかせるがよい
 バレンタイン・ナイトの冷気が獲物の血潮の熱を奪う刻
 残った首は輪廻の蛇の輪廻を断ち切るがよい
 ウロボロスは新たな輪廻の蛇となるがよい
 そしてコールド・デー・イン・ヘルが訪れる
 
 3つ首ドラゴンは、叫び声を上げるとさかさまジョージに向かっていった。ドラゴンの3つの首が大蛇となったトリックスターの首に絡みついた。
「ケケケッケッケ、い〜ね。青い炎。マクミラ姉ちゃんの出せる炎は、たしか摂氏三千度だった? 色男兄貴は、髑髏兄貴の九千度には負けるけど、六千度の炎を出せるんだっけ。だけど、いつまでもこのままじゃ、ボクの身体も燃え尽きちゃう。ちょっと本気出させてもらおうか」
 いうが早いか、さかさまジョージは脱皮した。古い皮をスルリと抜け出した大蛇は、青い炎の3つ首ドラゴンをアングリと大口を開けて呑み込んでしまう。
 バカな、六千度の炎を呑み込んでしまえば内部から燃え尽きてしまうぞと、アストロラーベが思った瞬間。ふくらんださかさまジョージの腹がへこんで、3つ首ドラゴンが消化されてしまった。

     


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第三部闘龍孔明篇 序章と第1〜8章のバックナンバー(第二部も読めます)

2018-12-10 08:07:01 | 私が作家・芸術家・芸人

 財部剣人です! 以前、第5章まで書いてほったらかしになっていた第三部も順調に第6,7,8章が終わりました。次回から第9章がんばります。なお、タイトルは第三部のバックナンバーとなっていますが、下の方に第二部のバックナンバーもありますので、冥界のメンバーがお好きな方はどうぞ、そちらもお楽しみください!

「第三部闘龍孔明篇 序章」

「第1章−1 茨城のパワースポット・トライアングル」
「第1章−2 チャイニーズフリーメーソン 洪門」
「第1章−3 「海底」の秘密」
「第1章−4 アポロノミカンの予言
「第1章ー5 太古の龍」 
「第1章-6 神獣たちの闘い」
「第1章-7 龍神対孔明」
「第1章-8  龍が再び眠る時」
「第1章-9 精神世界へ紛れ込む魔性たち」

「第2章−1 四次元空間エリュシオンのゆがみ」
「第2章−2 3つの鏡」
「第2章−3 ヤヌスの鏡と3人の魔王」
「第2章−4 ゲームは変わる」
「第2章−5 パンドラの筺は二度開く」
「第2章−6 魔界の気まぐれ」
「第2章−7 ヤヌスの鏡を閉じる」
「第2章−8 冥界の会議」

「第3章−1 絶対悪」
「第3章− 2 ヴラド・”ドラクール”・ツェペシュの名」
「第3章−3 パラケルススの名」
「第3章−4 神導書アポロノミカン」
「第3章−5 ヴラドとラドウ」
「第3章−6 ヴラド・”ドラクール”・ツェペシュの誕生」
「第3章−7 地獄によって地獄を救う」
「第3章−8 血の契りの儀式」
「第3章−9 エリザードの誕生」

「第4章−1 エリザードの愛と死」
「第4章−2 エリザードの野望」
「第4章−3 愛ゆえに」
「第4章−4 "ドラクール"対エリザード」
「第4章−5 冥主プルートゥの決定」
「第4章−6 ドラクールの願い」
「第4章−7 海神界の議論」
「第4章−8 王子トリトンの決意」

「第5章−1 ナオミの夢」
「第5章−2 ナオミの誕生日」
「第5章−3 ディベートの審査哲学」
「第5章−4 ディベートの審査哲学に関する論争」
「第5章−5 宇宙開発を巡るディベート」
「第5章−6 『地球外知的生物探索』というプラン」
「第5章−7 なぜディベートの試合で勝てないんでしょう?」
「第5章−8 利益と不利益の比較」
「第5章−9 奇跡的リバタルの秘密」

「第6章−1 孔明たちへの襲撃」
「第6章−2 夢の続き」
「第6章−3 青龍と夢魔サマンザ」
「第6章−4 眠眠の夢」
「第6章−5 眠眠の戦い」
「第6章−6 三重の呪い」
「第6章−7 夢魔樹里の決断」
「第6章−8 孔明と眠眠」
「第6章−9 覚醒しながら眠り、眠りながら覚醒する娘」
「第6章−10 深層世界に入る」

「第7章−1 マクミラの不安」
「第7章−2 振り子の原理」
「第7章−3 アウトサイダー」
「第7章−4 アメリカの悪夢」
「第7章−5 冥界の神々降臨」
「第7章−6 輪廻の蛇ウロボロス」
「第7章−7 逃げ出した魔性と魔獣たち」
「第7章−8 魔神スネールの告白」
「第7章−9 ダニエルの復活?」
「第7章−10 ヒエラポリス神殿」

「第8章−1 黒龍対七色の神の化身たち」
「第8章−2 十八般の第二の武器対ドリームカリバー」
「第8章−3 天使たちの夢に潜り込む」
「第8章−4 眠眠対夢魔ヒビキム」
「第8章−5 悪魔姫ドルガ降臨!」
「第8章−6 眠眠対夢魔オーシャム」
「第8章−7 子宮への届く扉」
「第8章−8 惨劇の夜」
「第8章−9 母娘の闘いの末に」
「第8章−10 ミシガン山中への誘い」


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 第一部と第二部がお読みになりたい方は、以下のリンクをクリックしてください。

  

「第一部 神々がダイスを振る刻」をお読みになりたい方へ

「第二部 序章」

「第二部 第1章−1 ビックアップルの都市伝説」
「第二部 第1章−2 深夜のドライブ」
「第二部 第1章−3 子ども扱い」
「第二部 第1章−4 堕天使ダニエル」
「第二部 第1章−5 マクミラの仲間たち」
「第二部 第1章−6 ケネスからの電話」
「第二部 第1章−7 襲撃の目的」
「第二部 第1章−8 MIA」
「第二部 第1章−9 オン・ザ・ジョブ・トレーニング」

「第二部 第2章−1 神々の議論、再び!」
「第二部 第2章−2 四人の魔女たち」
「第二部 第2章−3 プル−トゥの提案」
「第二部 第2章−4 タンタロス・リデンプション」
「第二部 第2章−5 さらばタンタロス」
「第二部 第2章−6 アストロラーベの回想」
「第二部 第2章−7 裁かれるミスティラ」
「第二部 第2章−8 愛とは何か?」

「第二部 第3章−1 スカルラーベの回想」
「第二部 第3章−2 ローラの告白」
「第二部 第3章−3 閻魔帳」
「第二部 第3章−4 異母兄弟姉妹」
「第二部 第3章−5 ルールは変わる」
「第二部 第3章−6 トラブル・シューター」
「第二部 第3章−7 天界の議論」
「第二部 第3章−8 魔神スネール」
「第二部 第3章−9 金色の鷲」

「第二部 第4章−1 ミシガン山中」
「第二部 第4章−2 ポシー・コミタータス」
「第二部 第4章−3 不条理という条理」
「第二部 第4章−4 引き抜き」
「第二部 第4章−5 血の契りの儀式」
「第二部 第4章−6 神導書アポロノミカン」
「第二部 第4章−7 走れマクミラ」
「第二部 第4章−8 堕天使ダニエル生誕」
「第二部 第4章−9 四人の魔女、人間界へ」

「第二部 第5章−1 ナオミの憂鬱」
「第二部 第5章−2 全米ディベート選手権」
「第二部 第5章−3 トーミ」
「第二部 第5章−4 アイ・ディド・ナッシング」
「第二部 第5章−5 保守派とリベラル派の前提条件」
「第二部 第5章−6 保守派の言い分」
「第二部 第5章−7 データのマジック」
「第二部 第5章−8 何が善と悪を決めるのか」
「第二部 第5章−9 ユートピアとエデンの園」

「第二部 第6章−1 魔女軍団、ゾンビ−ランド襲来!」
「第二部 第6章−2 ミリタリー・アーティフィシャル・インテリジェンス(MAI)」
「第二部 第6章−3 リギスの唄」
「第二部 第6章−4 トリックスターのさかさまジョージ」
「第二部 第6章−5 マクミラ不眠不休で学習する」
「第二部 第6章−6 ジェフの語るパフォーマンス研究」
「第二部 第6章−7 支配する側とされる側」
「第二部 第6章−8 プルートゥ、再降臨」
「第二部 第6章−9 アストロラーベ、スカルラーベ、ミスティラ」
「第二部 第6章ー10 さかさまジョージからのファックス」

「第二部 第7章ー1 イヤー・オブ・ブリザード」
「第二部 第7章ー2 3年目のシーズン」
「第二部 第7章ー3 決勝ラウンド」
「第二部 第7章ー4 再会」
「第二部 第7章ー5 もうひとつの再会」
「第二部 第7章ー6 夏海と魔神スネール」
「第二部 第7章ー7 夏海の願い」
「第二部 第7章ー8 夏海とケネス」
「第二部 第7章ー9 男と女の勘違い」

「第二部 第8章ー1 魔女たちの二十四時」
「第二部 第8章ー2 レッスン会場の魔女たち」
「第二部 第8章ー3 ベリーダンスの歴史」
「第二部 第8章ー4 トミー、託児所を抜け出す」
「第二部 第8章ー5 ドルガとトミー」
「第二部 第8章ー6 キャストたち」
「第二部 第8章ー7 絡み合う運命」
「第二部 第8章ー8 格差社会−−上位1%とその他99%」
「第二部 第8章ー9 政治とは何か?」
「第二部 第8章ー10 民主主義という悲劇」

「第二部 第9章ー1 パフォーマンス開演迫る」
「第二部 第9章ー2 パフォーマンス・フェスティバル開幕!」
「第二部 第9章ー3 太陽神と月の女神登場!」
「第二部 第9章ー4 奇妙な剣舞」
「第二部 第9章ー5 何かが変だ?」
「第二部 第9章ー6 回り舞台」
「第二部 第9章ー7 魔女たちの正体」
「第二部 第9章ー8 マクミラたちの作戦」
「第二部 第9章ー9 健忘症の堕天使」

「第二部 第10章ー1 魔女たちの目的」
「第二部 第10章ー2 人類は善か、悪か?」
「第二部 第10章ー3 軍師アストロラーベの策略」
「第二部 第10章ー4 メギリヌ対ナオミと・・・・・・」
「第二部 第10章ー5 最初の部屋」
「第二部 第10章ー6 ペンタグラム」
「第二部 第10章ー7 ナオミの復活」
「第二部 第10章ー8 返り討ち」
「第二部 第10章ー9 最悪の組み合わせ?」

「第二部 第11章ー1 鬼神シンガパウム」
「第二部 第11章ー2 氷天使メギリヌの告白」
「第二部 第11章ー3 最後の闘いの決着」
「第二部 第11章ー4 氷と水」
「第二部 第11章ー5 第二の部屋」
「第二部 第11章ー6 不死身の蛇姫ライム」
「第二部 第11章ー7 蛇姫ライムの告白」
「第二部 第11章ー8 さあ、奴らの罪を数えろ!」
「第二部 第11章ー9 ライムの受けた呪い」

「第二部 第12章ー1 ライムとスカルラーベの闘いの果て」
「第二部 第12章ー2 責任の神の娘」
「第二部 第12章ー3 リギスの戯れ唄」
「第二部 第12章ー4 唄にのせた真実」
「第二部 第12章ー5 アストロラーベの回想」
「第二部 第12章ー6 勝負開始」
「第二部 第12章ー7 逆襲、アストロラーベ!」
「第二部 第12章ー8 スーパー・バックドラフト」
「第二部 第12章ー9 さかさまジョージの魔術」

「第二部 最終章ー1 魔神スネール再臨」
「第二部 最終章ー2 ドルガのチョイスはトラジック?」
「第二部 最終章ー3 ナインライヴス」
「第二部 最終章ー4 ドルガの告白」
「第二部 最終章ー5 分離するダニエル」
「第二部 最終章ー6 ドルガの回想」
「第二部 最終章ー7 ドルガの提案」
「第二部 最終章ー8 ドルガの約束」
「第二部 最終章ー9 ドルガの最後?」

「第二部 エピローグ 神官マクミラの告白」
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第三部闘龍孔明篇 第8章—10 ミシガン山中への誘い

2018-12-07 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

 気づくと目の前に青龍とドルガが立っていた。ビルは、まだオーシャムに与えられた夢の余韻が残っているのか、目を覚ます様子がない。夢が覚めても、眠眠は傾国の美女姿に変わったままだった。もっとも彼女にとっては夢こそがまことなのだから、夢から覚めて夢を見る状態に戻ったようなものだが。
「おお、あでやかな姿じゃ。まるで天女のような」青龍が目尻を下げて言った。「オーシャムは、お前に業を破られた瞬間にドリームカリバーに吸い込まれてしまったようじゃ。だが・・・・・・」
 眠眠が聞き返す。「だが、どうしたの?」
「孔明がおらん。どうやら最初から夢魔たちの狙いは、孔明じゃったようじゃ」
「いったい、どういうこと。お兄ちゃんに何があったの?」
「こんなメモが残されておった。

コーネリアスはあずからせてもらったわ♥
ミシガン山中で会いましょう♡
どうぞお仲間もご一緒に♥
『惹き付けるもの』ミホシム

おそらく孔明が以前言っておったマクミラという魔女が作った4つのテーマパークのことじゃと思う」
「眠眠、すぐにお兄ちゃんを助けに行く」
「そうあせるものではない。『急いては事をし損じる』じゃ。儂に考えがある。こうしたこともあろうかと孔明を救う仲間に出す手紙を用意しておいた。夢魔が言っているお仲間とは、おそらくナオミのことじゃ。古い仲間を頼ることになるの。よいか、儂にはもうこの筑波の屋敷を出る力は残っておらん。だが、このおそろしく強いお嬢さんが味方になってくれるじゃろ。
 よいか、まだ予言は残っている。

     操るものが、銀狼の夢に現れ
     天罰を与えるものが、雷獣の夢に現れ
     引きつけるものが、深紅の龍の夢に現れ
     踊り回るものが、目覚めたまま夢見る娘の夢に現れる刻
     鏡が反転して、闘いが始まり
     再び妃が現れ、五人の夢魔が無意識の底に消える刻
     『夢見るもの』が目覚めの刻を迎え
     祭一族の呪いが解ける

 まだ夢魔は、三人しか無意識の底に消えておらん。眠眠、夢魔スレイヤーとして残り二人と闘い我が一族の呪いを解くのじゃ」

     


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第三部闘龍孔明篇 第8章—9 母娘の戦いの末に

2018-12-03 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

「娘と闘うことも、私の天罰の内。私を倒すことでしか、お前はオーシャムの夢から抜け出すことはできない。いい、全力で闘いなさい! そうすれば必ず呪いを解くための一歩を踏み出せる」
 妖剣の先から白い鎖が伸びてきた。鎖は眠眠を締め上げてきただけでなく、柔肌にまで食い込んできた。血が羊水にしたたり落ち、赤い水滴を作った。
「何をしている? 魔術ザ・チェーンから抜け出るほどの力さえもないなら、一族の呪いを晴らすなど夢のまた夢」
 ウッ、ウッ。身もだえる眠眠であったが、若返ったために身体が小さくなりほんの少し隙間が出来た。思い切って飛翔すると、空中で一回転する。
 ダメ、羊水につかるとまた若返っちゃう。
 精神を集中させると、水面に降り立った。
 赤龍の化身、孔明直伝の「水面浮揚の業」であった。
 カンフーの達人なら「水面歩行の業」ができる。水中にある物体に重力とは逆方向に働く浮力がある以上は、沈むまでわずかな時間差がある。それなら、理論上は沈む前に片足を踏み出し続ければ水面を歩くことができる。
 達人中の達人は、水に浮かべた紙に立つと言われるが、眠眠が見せているのはさらに奇跡に近い水面浮揚である。
 よし、これでこれ以上、若返る危険はとりあえずなくなった。
「見事と褒めて上げたいところだけど、あなたも夢魔の血を引くもの。その程度の技は見せてもらわないとね」鬼妃が不敵に笑う。
 次の瞬間、白い鎖がまっすぐ伸びてきて、眠眠の右腕を貫いた。
 叫び声を上げる暇もなく、鎖は元に戻ると今度は左腕を貫く。
「しばるだけと思っていたら甘い。ザ・チェーンの鎖は刺さるのよ」
 マズイ。このままでは、秘剣ドリームカリバーを持っていても振えなくなる。待てよ、下にあるのはただの水じゃない・・・・・・
 眠眠は、何を思ったか今度は足下に飛び込んだ。
「絶望して身投げでもした? 口ほどにもない」
 数秒後、羊水に一度沈んで、傾国の美女に生まれ変わった眠眠が飛び出した。深紅の振り袖に身を包んだその右手には、ドリームカリバーが握られている。
「鬼姫参上、眠眠は夢魔の血を引く夢魔スレイヤー! ここなら何でもできる」
 そのまま秘剣ドリームカリバーを、唐竹割りに切り下ろす。
 七色の虹と共に、鬼妃が真っ二つに裂けていく。
 その中から額から血を流した薛妃が現れた。
「見事よ。あなたの最終進化形が見られてよかった。さあ、もう一つの扉を開けて青龍様を助けに行きなさい。覚えておきなさい。
 さめない夢ことまこと・・・
 永久に続くまことのうつし世・・・」

          


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