財部剣人の館『マーメイド クロニクルズ』「第一部」幻冬舎より出版中!「第二部」朝日出版社より刊行!

(旧:アヴァンの物語の館)ギリシア神話的世界観で人魚ナオミとヴァンパイアのマクミラが魔性たちと戦うファンタジー的SF小説

マーメイド クロニクルズ 第二部 第6章−10 さかさまジョージからのファックス(再編集版)

2020-10-30 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

 アストロラーベが言葉を返す。「たしかにお主がペルセリアスの時代に、第一次神界大戦で闘ったことがある。あのときは敵味方だったが、今度は共に闘うことになるであろう」
「スカルラーベだ。俺様が来たからには、勝負はすでに決まったようなもんだ。暴れさせてもらうぜ。腕がなるぜ。それにマクミラの育ての親ジェフと恋人のダニエルにも会えてうれしいぜ」
 めずらしくマクミラがあわてて否定する。「恋人だなんて・・・・・・」
「違うのか?」
「ダニエルは、貴重な戦力よ」それだけ言うと、マクミラは黙ってしまう。
 いままで黙っていたミスティラが、言いにくそうに話に加わる。
「あの〜、話し合わなくてはいけないことがあると思うのですが」
 ジェフが言う。「おお、そうでした。ミスティラ様、初めてお目にかかります。マクミラ様の妹君だけあって、さすがお美しい」
「それよりも問題は狩られる側じゃなく、どうやって狩る側に回るかだろう」ダニエルが言う。「何も相手のことがわかってないんじゃ、不利すぎる」
「その件ですが」ジェフがおずおずという感じで言う。「さきほど言いかけた気になる点ですが、マッドからおかしなファックスが入っております」
「マッドから?」
 ジェフが、ふところからファックスを取り出した。

 清らかなる魂と
 邪なる魂が出会う
 百年に一度のブリザードの吹き荒れるクリスマスの夜
 四人の魔女と神官の闘いが幕を開ける時
 血しぶきの海に獅子が立ち上がり
 マーメイドの命を救う・・・・・・

「アポロノミカン・ランドで解読させていた文書の一部です。アポロノミカンの予言がはずれることはありませんので、魔女たちはクリスマスのイベントに関わってくるものと思われます」
「マーメイドのナオミも関わってくるのね。だけど、おかしなファックスっていう理由は?」
「ファックスの最後に、子供の落書きのような字で判読しにくいのですが『ダブルクロス*のさかさまジョージより』とサインが入っていたのです」

* ダブルクロスは、double clothなら「二重織り」で、double-crossなら「(祖国を裏切る)二重スパイ」の意味。どちらの意味かはお読みの皆様のご想像におまかせです。


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