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(旧:アヴァンの物語の館)ギリシア神話的世界観で人魚ナオミとヴァンパイアのマクミラが魔性たちと戦うファンタジー的SF小説

第三部闘龍孔明篇 第6章−4 眠眠の夢

2018-08-31 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

「儂は修行の結果、無我の境地から自己催眠に入れるようになったのじゃ」
「むがのきょうち?」
「頭の中を空っぽにすることじゃ」
「修行などしなくても、人の頭の中など元々空っぽではないのか?」
「口の悪いお嬢ちゃんじゃ。人の頭の中は煩悩でいっぱいなのじゃ」
「お嬢ちゃんではないと言ったであろう。おしゃべりしている時間はないし、年寄りの冷や水はやめておくことよ」
「情けをかけてくれるとは感心だが、こんな予言を知っておるかね。

 白面の神が黒い龍と出会う刻
 呪われた風が生まれて、多くの命が失われ
 失われた多くの命が、新たな強大な国を生み出す
 黒い龍が青い龍を日が昇る国に送り出す刻
 三角形のパワースポットがその命を守り
 白い龍が生まれ、その家族の命は残酷な運命によって失われて
 青い龍が紅い龍を育てる刻
 操るものが、銀狼の夢に現れ
 天罰を与えるものが、雷獣の夢に現れ
 引きつけるものが、深紅の龍の夢に現れ
 踊り回るものが、目覚めたまま夢見る娘の夢に現れる刻
 鏡が反転して、闘いが始まり
 再び妃が現れ、五人の夢魔が無意識の底に消える刻
 『夢見るもの』が目覚めの刻を迎え
 祭一族の呪いが解ける

儂が父から聞いたアポロノミカンの予言じゃよ」
「この出会いを予測していたとでも言いたいか? お主等のデッドスリープ(死んだように眠る)の使命を受けているがスリープデット(眠りの中で死ぬ)でもたいした違いはない」
「まだ質問に答えておらんぞ。何の用でお出ましかね?」
「冥土の土産に教えてやろう。夢の中で、ごまかしなどしては沽券にかかわる。『夢は無意識への王道』とフロイトは言ったが、無意識は精神世界への王道。魔界反乱軍の指導者たち『虚無をかかえるもの』ビザード、『殲滅しつくすもの』ジェノサイダス、『誘いをかけるもの』夢魔の女王“ジル”・シュリリスが結界を破り、夢の世界から精神世界へ、精神世界から物質世界へと支配に乗り出される。現実世界と非現実世界がついに一つになるのだ」

     

「なんとも険呑なことじゃ」
「お主の孫と友人たちは我らが障害になりかねぬ。真に目覚める前に、夢に閉じ込めるように仰せつかった」
「聞き捨てならんな。若者の修行の妨げとは無粋なこと」
「我ら夢魔は淫魔の眷属だ。真面目にがんばる相手にこそ燃える。邪魔立てするならご老人でも遠慮せぬぞ」
「あわてるではない。今日は孫がお相手じゃ。さあ、鏡をご覧。それとも覗くのはおそろしいかね?」
「メデューサの眷属でもあるまいし」サマンザが鏡に映る自らの姿を見た。「何、これは!?」
 鏡の中には紅いチャイナ服を着た娘がいた。
 だが、その全身は包帯に包まれたミイラ女だった。


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