財部剣人の館「マーメイド クロニクルズ 第三部」配信中!「第一部 神々がダイスを振る刻」幻冬舎より出版中「第二部 完結」

(旧:アヴァンの物語の館)ギリシア神話的世界観で人魚ナオミとヴァンパイアのマクミラが魔性たちと戦うファンタジー的SF小説

第三部闘龍孔明篇 第9章—2 さかさまジョージの攻撃

2018-12-17 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

「ケケケッケッケッ、ボクのお腹の中には髑髏兄貴がいたのを忘れたのかい? 最大限一万度の炎を出せるガイコツ兄ちゃんが、青い炎のドラゴンは栄養にしてくれたんだ。さあ、今度はこっちから攻撃させてもらうよ」
 黄色い目を爛々と輝かせながら、赤い下をチロチロさせながら、さかさまジョージが迫ってきた。ヒエラポリス神殿を体内に持つ大蛇に対し、アストロラーベが使える魔術は限られていた。
 まだまだプル—トゥ様直々に賜った槍で、できるところまで闘ってみるか。
 アストロラーベの姿が、槍をユラリユラリと動かす内にだんだんと半透明になっていった。異次元空間に移動しようとした刹那に、さかさまジョージが噛みついた。「異次元空間には行かせないよ。アポロノミカンのおかげで、ボクは精神世界と現実世界を行ったり来たりできるようになっただけじゃなくて、別世界の入り口も分かるようになったんだ、ケケケッケッケッ」
「フッフッフッ、これを待っていた」
「何っ?」
「巨大な蛇のお前を倒すのに、身体の一部を傷つけても倒すことはできない。将軍殿やマクミラのように呑み込まれないように、お前に噛みつかせるタイミングを計っていたのだ。蛇を倒すには頭を潰せだ!」言うが早いか、アストロラーベの槍がさかさまジョージの頭をアゴの下から真上に深々と貫いた。
 のたうち回って苦しむさかさまジョージの返り血を浴びて、真っ赤になったアストロラーベが微笑んだ。「ノータリンだと思っていたが、こいつにも脳みそはあったか。さあ、次は腹を割いて二人を助け出さなくては」
 次の瞬間、アストロラーベは人間界に来て以来、初の恐怖を味わった。さかさまジョージが魔神スネールの尻尾に噛みつくと、同時に魔神スネールがさかさまジョージの尻尾に噛みついた。二匹はぐるぐる回り出すと、再び脱皮が始まり先ほどより一回り巨大な2匹のウロボロスとなった。「ケッケッケッ、魔神スネールはもはや意思を失いつつある。さあ、色男兄貴も呑み込んで、完全体になったトリックスターの恐ろしさをボクが見せてやるよ〜」

     

 アストロラーベは、なすすべなくさかさまジョージに呑み込まれてしまった。生暖かい体内に入ると、目の前にヒエラポリス神殿が目の前にあった。
 フッ、今度こそ万事休すか・・・・・・だが、アストロラーベはありえないはずの波動を感じた。これは、まさか気の迷いか!?


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第三部闘龍孔明篇 第9章—1 アストロラーベ対さかさまジョージ

2018-12-14 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

 アストロラーベは、3つ首ドラゴンを操った。サラマンダーの血を引く弟妹たちに、炎を使った攻撃をしても何も心配はいらない。
 だが、今やトリックスターとなったさかさまジョージと対峙するには・・・・・・念には念を入れておかねば。
 蛇こそ神導書アポロノミカンを作った「癒やすもの」アスクレピオスの使い魔だった。死者を蘇らせる秘術を行使するために、彼はいつも蛇が巻き付いた杖を持ち歩いていた。それは、冥主プル—トゥが持つ輪廻の蛇二匹がからみつく杖を模したものであった。
 蛇は呑み込み、脱皮をするが、それは生命再生の象徴であった。
 アポロノミカンを精神世界で見せられて、魔神スネールと合体したさかさまジョージには、何かしらアスクレピオスの力が宿っていると考えた方がよい。
 油断は大敵と気を引き締めると、アストロラーベは呪文を唱え始めた。

 地上の精霊たちよ
 我が呼びかけに答え
 とらわれの身のスカルラーベとマクミラを救う手助けをするがよい
 さすれば必ずや冥主のご加護を賜るであろう
 獲物を求める青き炎の3つ首ドラゴンよ
 我が呼びかけに答え
 燃える2つの首を輪廻の大蛇の首に絡みつかせるがよい
 バレンタイン・ナイトの冷気が獲物の血潮の熱を奪う刻
 残った首は輪廻の蛇の輪廻を断ち切るがよい
 ウロボロスは新たな輪廻の蛇となるがよい
 そしてコールド・デー・イン・ヘルが訪れる
 
 3つ首ドラゴンは、叫び声を上げるとさかさまジョージに向かっていった。ドラゴンの3つの首が大蛇となったトリックスターの首に絡みついた。
「ケケケッケッケ、い〜ね。青い炎。マクミラ姉ちゃんの出せる炎は、たしか摂氏三千度だった? 色男兄貴は、髑髏兄貴の九千度には負けるけど、六千度の炎を出せるんだっけ。だけど、いつまでもこのままじゃ、ボクの身体も燃え尽きちゃう。ちょっと本気出させてもらおうか」
 いうが早いか、さかさまジョージは脱皮した。古い皮をスルリと抜け出した大蛇は、青い炎の3つ首ドラゴンをアングリと大口を開けて呑み込んでしまう。
 バカな、六千度の炎を呑み込んでしまえば内部から燃え尽きてしまうぞと、アストロラーベが思った瞬間。ふくらんださかさまジョージの腹がへこんで、3つ首ドラゴンが消化されてしまった。

     


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第三部闘龍孔明篇 序章と第1〜8章のバックナンバー(第二部も読めます)

2018-12-10 08:07:01 | 私が作家・芸術家・芸人

 財部剣人です! 以前、第5章まで書いてほったらかしになっていた第三部も順調に第6,7,8章が終わりました。次回から第9章がんばります。なお、タイトルは第三部のバックナンバーとなっていますが、下の方に第二部のバックナンバーもありますので、冥界のメンバーがお好きな方はどうぞ、そちらもお楽しみください!

「第三部闘龍孔明篇 序章」

「第1章−1 茨城のパワースポット・トライアングル」
「第1章−2 チャイニーズフリーメーソン 洪門」
「第1章−3 「海底」の秘密」
「第1章−4 アポロノミカンの予言
「第1章ー5 太古の龍」 
「第1章-6 神獣たちの闘い」
「第1章-7 龍神対孔明」
「第1章-8  龍が再び眠る時」
「第1章-9 精神世界へ紛れ込む魔性たち」

「第2章−1 四次元空間エリュシオンのゆがみ」
「第2章−2 3つの鏡」
「第2章−3 ヤヌスの鏡と3人の魔王」
「第2章−4 ゲームは変わる」
「第2章−5 パンドラの筺は二度開く」
「第2章−6 魔界の気まぐれ」
「第2章−7 ヤヌスの鏡を閉じる」
「第2章−8 冥界の会議」

「第3章−1 絶対悪」
「第3章− 2 ヴラド・”ドラクール”・ツェペシュの名」
「第3章−3 パラケルススの名」
「第3章−4 神導書アポロノミカン」
「第3章−5 ヴラドとラドウ」
「第3章−6 ヴラド・”ドラクール”・ツェペシュの誕生」
「第3章−7 地獄によって地獄を救う」
「第3章−8 血の契りの儀式」
「第3章−9 エリザードの誕生」

「第4章−1 エリザードの愛と死」
「第4章−2 エリザードの野望」
「第4章−3 愛ゆえに」
「第4章−4 "ドラクール"対エリザード」
「第4章−5 冥主プルートゥの決定」
「第4章−6 ドラクールの願い」
「第4章−7 海神界の議論」
「第4章−8 王子トリトンの決意」

「第5章−1 ナオミの夢」
「第5章−2 ナオミの誕生日」
「第5章−3 ディベートの審査哲学」
「第5章−4 ディベートの審査哲学に関する論争」
「第5章−5 宇宙開発を巡るディベート」
「第5章−6 『地球外知的生物探索』というプラン」
「第5章−7 なぜディベートの試合で勝てないんでしょう?」
「第5章−8 利益と不利益の比較」
「第5章−9 奇跡的リバタルの秘密」

「第6章−1 孔明たちへの襲撃」
「第6章−2 夢の続き」
「第6章−3 青龍と夢魔サマンザ」
「第6章−4 眠眠の夢」
「第6章−5 眠眠の戦い」
「第6章−6 三重の呪い」
「第6章−7 夢魔樹里の決断」
「第6章−8 孔明と眠眠」
「第6章−9 覚醒しながら眠り、眠りながら覚醒する娘」
「第6章−10 深層世界に入る」

「第7章−1 マクミラの不安」
「第7章−2 振り子の原理」
「第7章−3 アウトサイダー」
「第7章−4 アメリカの悪夢」
「第7章−5 冥界の神々降臨」
「第7章−6 輪廻の蛇ウロボロス」
「第7章−7 逃げ出した魔性と魔獣たち」
「第7章−8 魔神スネールの告白」
「第7章−9 ダニエルの復活?」
「第7章−10 ヒエラポリス神殿」

「第8章−1 黒龍対七色の神の化身たち」
「第8章−2 十八般の第二の武器対ドリームカリバー」
「第8章−3 天使たちの夢に潜り込む」
「第8章−4 眠眠対夢魔ヒビキム」
「第8章−5 悪魔姫ドルガ降臨!」
「第8章−6 眠眠対夢魔オーシャム」
「第8章−7 子宮への届く扉」
「第8章−8 惨劇の夜」
「第8章−9 母娘の闘いの末に」
「第8章−10 ミシガン山中への誘い」


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 第一部と第二部がお読みになりたい方は、以下のリンクをクリックしてください。

  

「第一部 神々がダイスを振る刻」をお読みになりたい方へ

「第二部 序章」

「第二部 第1章−1 ビックアップルの都市伝説」
「第二部 第1章−2 深夜のドライブ」
「第二部 第1章−3 子ども扱い」
「第二部 第1章−4 堕天使ダニエル」
「第二部 第1章−5 マクミラの仲間たち」
「第二部 第1章−6 ケネスからの電話」
「第二部 第1章−7 襲撃の目的」
「第二部 第1章−8 MIA」
「第二部 第1章−9 オン・ザ・ジョブ・トレーニング」

「第二部 第2章−1 神々の議論、再び!」
「第二部 第2章−2 四人の魔女たち」
「第二部 第2章−3 プル−トゥの提案」
「第二部 第2章−4 タンタロス・リデンプション」
「第二部 第2章−5 さらばタンタロス」
「第二部 第2章−6 アストロラーベの回想」
「第二部 第2章−7 裁かれるミスティラ」
「第二部 第2章−8 愛とは何か?」

「第二部 第3章−1 スカルラーベの回想」
「第二部 第3章−2 ローラの告白」
「第二部 第3章−3 閻魔帳」
「第二部 第3章−4 異母兄弟姉妹」
「第二部 第3章−5 ルールは変わる」
「第二部 第3章−6 トラブル・シューター」
「第二部 第3章−7 天界の議論」
「第二部 第3章−8 魔神スネール」
「第二部 第3章−9 金色の鷲」

「第二部 第4章−1 ミシガン山中」
「第二部 第4章−2 ポシー・コミタータス」
「第二部 第4章−3 不条理という条理」
「第二部 第4章−4 引き抜き」
「第二部 第4章−5 血の契りの儀式」
「第二部 第4章−6 神導書アポロノミカン」
「第二部 第4章−7 走れマクミラ」
「第二部 第4章−8 堕天使ダニエル生誕」
「第二部 第4章−9 四人の魔女、人間界へ」

「第二部 第5章−1 ナオミの憂鬱」
「第二部 第5章−2 全米ディベート選手権」
「第二部 第5章−3 トーミ」
「第二部 第5章−4 アイ・ディド・ナッシング」
「第二部 第5章−5 保守派とリベラル派の前提条件」
「第二部 第5章−6 保守派の言い分」
「第二部 第5章−7 データのマジック」
「第二部 第5章−8 何が善と悪を決めるのか」
「第二部 第5章−9 ユートピアとエデンの園」

「第二部 第6章−1 魔女軍団、ゾンビ−ランド襲来!」
「第二部 第6章−2 ミリタリー・アーティフィシャル・インテリジェンス(MAI)」
「第二部 第6章−3 リギスの唄」
「第二部 第6章−4 トリックスターのさかさまジョージ」
「第二部 第6章−5 マクミラ不眠不休で学習する」
「第二部 第6章−6 ジェフの語るパフォーマンス研究」
「第二部 第6章−7 支配する側とされる側」
「第二部 第6章−8 プルートゥ、再降臨」
「第二部 第6章−9 アストロラーベ、スカルラーベ、ミスティラ」
「第二部 第6章ー10 さかさまジョージからのファックス」

「第二部 第7章ー1 イヤー・オブ・ブリザード」
「第二部 第7章ー2 3年目のシーズン」
「第二部 第7章ー3 決勝ラウンド」
「第二部 第7章ー4 再会」
「第二部 第7章ー5 もうひとつの再会」
「第二部 第7章ー6 夏海と魔神スネール」
「第二部 第7章ー7 夏海の願い」
「第二部 第7章ー8 夏海とケネス」
「第二部 第7章ー9 男と女の勘違い」

「第二部 第8章ー1 魔女たちの二十四時」
「第二部 第8章ー2 レッスン会場の魔女たち」
「第二部 第8章ー3 ベリーダンスの歴史」
「第二部 第8章ー4 トミー、託児所を抜け出す」
「第二部 第8章ー5 ドルガとトミー」
「第二部 第8章ー6 キャストたち」
「第二部 第8章ー7 絡み合う運命」
「第二部 第8章ー8 格差社会−−上位1%とその他99%」
「第二部 第8章ー9 政治とは何か?」
「第二部 第8章ー10 民主主義という悲劇」

「第二部 第9章ー1 パフォーマンス開演迫る」
「第二部 第9章ー2 パフォーマンス・フェスティバル開幕!」
「第二部 第9章ー3 太陽神と月の女神登場!」
「第二部 第9章ー4 奇妙な剣舞」
「第二部 第9章ー5 何かが変だ?」
「第二部 第9章ー6 回り舞台」
「第二部 第9章ー7 魔女たちの正体」
「第二部 第9章ー8 マクミラたちの作戦」
「第二部 第9章ー9 健忘症の堕天使」

「第二部 第10章ー1 魔女たちの目的」
「第二部 第10章ー2 人類は善か、悪か?」
「第二部 第10章ー3 軍師アストロラーベの策略」
「第二部 第10章ー4 メギリヌ対ナオミと・・・・・・」
「第二部 第10章ー5 最初の部屋」
「第二部 第10章ー6 ペンタグラム」
「第二部 第10章ー7 ナオミの復活」
「第二部 第10章ー8 返り討ち」
「第二部 第10章ー9 最悪の組み合わせ?」

「第二部 第11章ー1 鬼神シンガパウム」
「第二部 第11章ー2 氷天使メギリヌの告白」
「第二部 第11章ー3 最後の闘いの決着」
「第二部 第11章ー4 氷と水」
「第二部 第11章ー5 第二の部屋」
「第二部 第11章ー6 不死身の蛇姫ライム」
「第二部 第11章ー7 蛇姫ライムの告白」
「第二部 第11章ー8 さあ、奴らの罪を数えろ!」
「第二部 第11章ー9 ライムの受けた呪い」

「第二部 第12章ー1 ライムとスカルラーベの闘いの果て」
「第二部 第12章ー2 責任の神の娘」
「第二部 第12章ー3 リギスの戯れ唄」
「第二部 第12章ー4 唄にのせた真実」
「第二部 第12章ー5 アストロラーベの回想」
「第二部 第12章ー6 勝負開始」
「第二部 第12章ー7 逆襲、アストロラーベ!」
「第二部 第12章ー8 スーパー・バックドラフト」
「第二部 第12章ー9 さかさまジョージの魔術」

「第二部 最終章ー1 魔神スネール再臨」
「第二部 最終章ー2 ドルガのチョイスはトラジック?」
「第二部 最終章ー3 ナインライヴス」
「第二部 最終章ー4 ドルガの告白」
「第二部 最終章ー5 分離するダニエル」
「第二部 最終章ー6 ドルガの回想」
「第二部 最終章ー7 ドルガの提案」
「第二部 最終章ー8 ドルガの約束」
「第二部 最終章ー9 ドルガの最後?」

「第二部 エピローグ 神官マクミラの告白」
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第三部闘龍孔明篇 第8章—10 ミシガン山中への誘い

2018-12-07 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

 気づくと目の前に青龍とドルガが立っていた。ビルは、まだオーシャムに与えられた夢の余韻が残っているのか、目を覚ます様子がない。夢が覚めても、眠眠は傾国の美女姿に変わったままだった。もっとも彼女にとっては夢こそがまことなのだから、夢から覚めて夢を見る状態に戻ったようなものだが。
「おお、あでやかな姿じゃ。まるで天女のような」青龍が目尻を下げて言った。「オーシャムは、お前に業を破られた瞬間にドリームカリバーに吸い込まれてしまったようじゃ。だが・・・・・・」
 眠眠が聞き返す。「だが、どうしたの?」
「孔明がおらん。どうやら最初から夢魔たちの狙いは、孔明じゃったようじゃ」
「いったい、どういうこと。お兄ちゃんに何があったの?」
「こんなメモが残されておった。

コーネリアスはあずからせてもらったわ♥
ミシガン山中で会いましょう♡
どうぞお仲間もご一緒に♥
『惹き付けるもの』ミホシム

おそらく孔明が以前言っておったマクミラという魔女が作った4つのテーマパークのことじゃと思う」
「眠眠、すぐにお兄ちゃんを助けに行く」
「そうあせるものではない。『急いては事をし損じる』じゃ。儂に考えがある。こうしたこともあろうかと孔明を救う仲間に出す手紙を用意しておいた。夢魔が言っているお仲間とは、おそらくナオミのことじゃ。古い仲間を頼ることになるの。よいか、儂にはもうこの筑波の屋敷を出る力は残っておらん。だが、このおそろしく強いお嬢さんが味方になってくれるじゃろ。
 よいか、まだ予言は残っている。

     操るものが、銀狼の夢に現れ
     天罰を与えるものが、雷獣の夢に現れ
     引きつけるものが、深紅の龍の夢に現れ
     踊り回るものが、目覚めたまま夢見る娘の夢に現れる刻
     鏡が反転して、闘いが始まり
     再び妃が現れ、五人の夢魔が無意識の底に消える刻
     『夢見るもの』が目覚めの刻を迎え
     祭一族の呪いが解ける

 まだ夢魔は、三人しか無意識の底に消えておらん。眠眠、夢魔スレイヤーとして残り二人と闘い我が一族の呪いを解くのじゃ」

     


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第三部闘龍孔明篇 第8章—9 母娘の戦いの末に

2018-12-03 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

「娘と闘うことも、私の天罰の内。私を倒すことでしか、お前はオーシャムの夢から抜け出すことはできない。いい、全力で闘いなさい! そうすれば必ず呪いを解くための一歩を踏み出せる」
 妖剣の先から白い鎖が伸びてきた。鎖は眠眠を締め上げてきただけでなく、柔肌にまで食い込んできた。血が羊水にしたたり落ち、赤い水滴を作った。
「何をしている? 魔術ザ・チェーンから抜け出るほどの力さえもないなら、一族の呪いを晴らすなど夢のまた夢」
 ウッ、ウッ。身もだえる眠眠であったが、若返ったために身体が小さくなりほんの少し隙間が出来た。思い切って飛翔すると、空中で一回転する。
 ダメ、羊水につかるとまた若返っちゃう。
 精神を集中させると、水面に降り立った。
 赤龍の化身、孔明直伝の「水面浮揚の業」であった。
 カンフーの達人なら「水面歩行の業」ができる。水中にある物体に重力とは逆方向に働く浮力がある以上は、沈むまでわずかな時間差がある。それなら、理論上は沈む前に片足を踏み出し続ければ水面を歩くことができる。
 達人中の達人は、水に浮かべた紙に立つと言われるが、眠眠が見せているのはさらに奇跡に近い水面浮揚である。
 よし、これでこれ以上、若返る危険はとりあえずなくなった。
「見事と褒めて上げたいところだけど、あなたも夢魔の血を引くもの。その程度の技は見せてもらわないとね」鬼妃が不敵に笑う。
 次の瞬間、白い鎖がまっすぐ伸びてきて、眠眠の右腕を貫いた。
 叫び声を上げる暇もなく、鎖は元に戻ると今度は左腕を貫く。
「しばるだけと思っていたら甘い。ザ・チェーンの鎖は刺さるのよ」
 マズイ。このままでは、秘剣ドリームカリバーを持っていても振えなくなる。待てよ、下にあるのはただの水じゃない・・・・・・
 眠眠は、何を思ったか今度は足下に飛び込んだ。
「絶望して身投げでもした? 口ほどにもない」
 数秒後、羊水に一度沈んで、傾国の美女に生まれ変わった眠眠が飛び出した。深紅の振り袖に身を包んだその右手には、ドリームカリバーが握られている。
「鬼姫参上、眠眠は夢魔の血を引く夢魔スレイヤー! ここなら何でもできる」
 そのまま秘剣ドリームカリバーを、唐竹割りに切り下ろす。
 七色の虹と共に、鬼妃が真っ二つに裂けていく。
 その中から額から血を流した薛妃が現れた。
「見事よ。あなたの最終進化形が見られてよかった。さあ、もう一つの扉を開けて青龍様を助けに行きなさい。覚えておきなさい。
 さめない夢ことまこと・・・
 永久に続くまことのうつし世・・・」

          


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第三部闘龍孔明篇 第8章—8 惨劇の夜

2018-11-30 15:24:24 | 私が作家・芸術家・芸人

「23年前の真相を教えて上げる。本当の私は、青龍様の結界が完璧なのを知った“三合会”によって送り込まれた間諜だったの。幹部たちは、黒龍様から表に出せない数々の秘密を青龍様が引き継いでいるのではないかと疑心暗鬼になった。内部から青龍様の御屋敷に隙を作るべく、白龍の妻になるようすべてが仕組まれた」薛妃は言葉を切った。

     

「誤算は、私が白龍を愛してしまったこと。白龍は私が出会った中でも最も完璧な人間だった。頭がよくて、美男子で、武道の達人。まるで非情な部分は黒龍様と青龍様に吸い取られてしまったかのように、やさしい性格をしていた。普段は一日中デイトレーディングに精を出していた。一言で言って、あの人は天才だった。どんな連戦連勝トレーダーも、たまに損を出すことがある。だが白龍は、マーケットのささいな徴候から暴落の危険を察知するといつでもうまく売り抜けた。だけど青龍様の財産を、易々と数十倍、数百倍にしていった彼はコワくなったの。このまま自分の一挙手一投足が世界中の相場を動かすようになるのではないかと。実際、白龍が動いていると知られると、勝負を挑む者などおらず他のトレーダーたちが追従するようになった。そんなことが続くと仮眠を取るための特製の強い睡眠薬も、だんだん効かなくなっていった。すでにオーシャムに操られていた私は白龍をノイローゼにすることにした。彼の不安につけ込んで、いつか悪魔が目の前に現れてマーケットクラッシュの引き金を引かせるという暗示を与えた。選択の余地はなかった。命令をきかなければ、一族郎党皆殺しにすると組織からは言われていたから。しかし、オーシャムは『天罰を与えるもの』だった。愛する夫に妄想を与える妻が天罰を受けないはずがない。組織が送り込んだテレパスによって錯乱状態に陥った白龍は、家族を悪魔と思い込み、まずお前がお腹の中にいた私が殺された。さらに荒れ狂っていた彼は、青龍様の手によって葬られた。幽体離脱中にお前が無事生まれたことを見た私は、その後も霊体となってオーシャムに忠誠を誓うことにした。お前がいつか一族の呪いを晴らすというアポロノミカンの予言を知っていたから」
「それなら、おかあさん、眠眠をたちゅけて」普段と違う自分の声に気づくと、数才も若返っていた。
「助けてはあげる。でも、それはお前と闘うことでしかできないの。その様子では、私と闘えないほど若返ってしまうのも時間の問題ね」
「いったい、どういうこと?」
 薛妃が羊水から空中に舞い上がると、口の端がつり上った。
 そこにいたのは先ほどまでとは別人の、妖刀を抱えた鬼妃の姿だった。
 深紫色の艶やかな振り袖と裏腹に、その双眼は血走り爪は鋭く尖っている。


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第三部闘龍孔明篇 第8章−7 子宮へと届く扉

2018-11-26 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

 これぞオーシャムの秘技ツイン・グリーンドア。
 一度扉を開ければ勝利しない限り、二度と出ることは叶わぬ禁断の技。
 彼女が「夢魔世界の掟破り」と糾弾された最大の理由がこれであった。
「いらっしゃいませ、お爺ちゃん、お嬢様、お姫様」オーシャムがメイド喫茶風に出迎える。
「今回は歓迎してくるのか? 女海賊の風体に似合わずサービスがよいの」
「もちろん大歓迎ですわ。『天罰を与えるもの』オーシャムと申します。これはコスプレでございます。ご友人を取り戻したければ、お爺ちゃん、お嬢ちゃん、お姫様の中から代表者を選んでくださいませ。もしも出てこられれば、負けを認めてなんなりとご希望通りにいたしますわ」
「よいであろう。夢魔の支配する夢で、そちらの土俵に乗ってみるのも一興」
「おじいちゃん、本当に大丈夫?」
「大丈夫も何も、ここまで来ておいてワンダーランドに行かぬなどあり得ない。お前が扉に入るがよい。儂とこのお姫様は高みの見物と行こう」
 眠眠は、ゆっくりと扉を開けて暗闇の中に入っていった。

     

 人は海の「生命の源」と呼ぶ。だが、子宮こそが真の「生命の源」。
 そこは生命が宿り、500万年前とも400万年前とも言われる人類の誕生の歴史を繰り返す魔法の場所。
 一歩踏み出した瞬間、眠眠は羊水に浸かっていた。それは、けっして不愉快ではなく、身を深く沈め眠りにつきたいと思わせるような感覚だった。
 一歩進む度に、陶酔感が脳天まで昇ってきた。
 恐怖心がなくなり、好奇心が満ちていく。
 水は冷たいようであたたかく、澄んでいるようで琥珀色にも見えた。
「この感覚におぼれてはダメよ。帰れなくなる」
 後ろからの声に気づくと、写真でしか見たことがない母薛妃の姿があった。
「おかあさん・・・・・・」
「眠眠、大きくなったわね」
「もう会えないと思っていた」
「いままでも会えたし、これからも会おうと思えばいつでも会うことはできる。あなたは夢魔の眷属だから」
「おじいちゃん、眠眠にはくわしく教えてくれない」
「黒龍様の妻、樹里のことは誰もよく知らない。ただ教えてあげられるのは、私がここでは敵だということ。オーシャムからは、やさしい母親を演じて夢に閉じ込めるよう命を受けた。でも、あなたは私を倒して出ていかなきゃ」
「やだ、やっとお母さんに会えたのに」
「時間がないの。羊水の湖にいればいるだけ、あなたは赤ん坊に戻っていく」しかたがないという風に続けた。「もうひとつ、あなたが闘いたくなるように教えてあげる。お父さんが亡くなったのは私のせい」
「何を言っているの!?」


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第三部闘龍孔明篇 第8章−6 眠眠対夢魔オーシャム

2018-11-23 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

 バリ、バリ、バリ・・・・・・
 ファイナル・フロンティアに勝るとも劣らない音を立てて、竜巻がヒビキムを巻き込んでいく。だが、彼女が別世界に飛ばされることはなかった。
 眠眠が秘剣夢魔スレイヤーを振るってできた竜巻は、ドリームカリバーに向かっていったからだ。
 アアッ、シュリリス様、もうしわけございません。そんなつぶやきが眠眠の耳に届くこともなかった。引き裂かれたヒビキムの身体はドリームカリバーに吸い込まれ、魔剣が勝利の雄叫びを上げた。
 竜巻が去った精神世界には、茫然としたドルガの姿があった。

     

「お嬢ちゃん、正気に戻ったのかな?」
「ここはどこ? 私は誰?」ヒビキムの消滅によって偽りの記憶も消滅したが、本来の記憶はまだ回復していないようだった。
「まるで不思議の国のアリスじゃ。だが、ここは誰、私はどこと言い出さないうちは、まだ大丈夫。お主は、いままで夢魔に操られていたのじゃ」
「夢魔・・・操られていた・・・」
「儂等にはまだやることがある。一緒に付いてくるかの?」
 眠り込んだままのチャックは、しかたなく置き去りにすることにした。

 夢の中の「暴走しない核融合炉研究所」に三人は入り込んだ。
 パイレーツ風の衣装をまとって両手に剣を持った碧眼の「天罰を与えるもの」オーシャムが、すぐ気がつく。緑色の髪を逆立てると、つぶやいた。
 まあ、サマンザに、ヒビキムまで、やられちゃった! 
 年寄りに小娘と油断したかな。ここで何とかしなくちゃ。でも大丈夫、私から天罰を受けない人間なんていやしない。
 とりあえずビルは研究させておけばいいか。
 でも・・・・・・ン、ン、ン〜、何てこと! 
 悪魔姫がなんでビルの夢の中に入って来てるの?
 まあ、しかたがない。特別メニューでお相手するか。
オーシャムは、両手の剣をカチャカチャ鳴らすと、呪文を唱え始めた。

     二匹の龍と悪魔姫がハリネズミの夢に入る時
     夢魔の碧い隻眼が天罰の世界への扉を開く
 それらは喜びと悲しみと闘いの世界への扉
     子宮の中で、己の原点と出会い天国に行き
     地獄で極楽を知り、永遠の闘いの快楽に身を投じるがよい
     そして、苦しみにあふれたうつし世へ戻ることが忘れるがよい
     さめない夢ことまこと
     永久に続くまことのうつし世
 

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第三部からお読みになった方へ

2018-11-19 12:18:12 | 私が作家・芸術家・芸人

 財部剣人です! 前回のエピソードで悪魔姫ドルガが登場しましたが、もしかして「マーメイド・クロニクルズ」第二部魔女マクミラ篇の内容を忘れてしまった方や、第三部闘龍孔明篇から読み始めた方もいるかと思います。ドルガは、第二部のラスボスです(^0^)。

 第二部がお読みになりたい方は、どうぞ以下のリンクをクリックしてください。次回から、また第三部のエピソードに戻りたいと思います。

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「第二部 序章」

「第二部 第1章−1 ビックアップルの都市伝説」
「第二部 第1章−2 深夜のドライブ」
「第二部 第1章−3 子ども扱い」
「第二部 第1章−4 堕天使ダニエル」
「第二部 第1章−5 マクミラの仲間たち」
「第二部 第1章−6 ケネスからの電話」
「第二部 第1章−7 襲撃の目的」
「第二部 第1章−8 MIA」
「第二部 第1章−9 オン・ザ・ジョブ・トレーニング」

「第二部 第2章−1 神々の議論、再び!」
「第二部 第2章−2 四人の魔女たち」
「第二部 第2章−3 プル−トゥの提案」
「第二部 第2章−4 タンタロス・リデンプション」
「第二部 第2章−5 さらばタンタロス」
「第二部 第2章−6 アストロラーベの回想」
「第二部 第2章−7 裁かれるミスティラ」
「第二部 第2章−8 愛とは何か?」

「第二部 第3章−1 スカルラーベの回想」
「第二部 第3章−2 ローラの告白」
「第二部 第3章−3 閻魔帳」
「第二部 第3章−4 異母兄弟姉妹」
「第二部 第3章−5 ルールは変わる」
「第二部 第3章−6 トラブル・シューター」
「第二部 第3章−7 天界の議論」
「第二部 第3章−8 魔神スネール」
「第二部 第3章−9 金色の鷲」

「第二部 第4章−1 ミシガン山中」
「第二部 第4章−2 ポシー・コミタータス」
「第二部 第4章−3 不条理という条理」
「第二部 第4章−4 引き抜き」
「第二部 第4章−5 血の契りの儀式」
「第二部 第4章−6 神導書アポロノミカン」
「第二部 第4章−7 走れマクミラ」
「第二部 第4章−8 堕天使ダニエル生誕」
「第二部 第4章−9 四人の魔女、人間界へ」

「第二部 第5章−1 ナオミの憂鬱」
「第二部 第5章−2 全米ディベート選手権」
「第二部 第5章−3 トーミ」
「第二部 第5章−4 アイ・ディド・ナッシング」
「第二部 第5章−5 保守派とリベラル派の前提条件」
「第二部 第5章−6 保守派の言い分」
「第二部 第5章−7 データのマジック」
「第二部 第5章−8 何が善と悪を決めるのか」
「第二部 第5章−9 ユートピアとエデンの園」

「第二部 第6章−1 魔女軍団、ゾンビ−ランド襲来!」
「第二部 第6章−2 ミリタリー・アーティフィシャル・インテリジェンス(MAI)」
「第二部 第6章−3 リギスの唄」
「第二部 第6章−4 トリックスターのさかさまジョージ」
「第二部 第6章−5 マクミラ不眠不休で学習する」
「第二部 第6章−6 ジェフの語るパフォーマンス研究」
「第二部 第6章−7 支配する側とされる側」
「第二部 第6章−8 プルートゥ、再降臨」
「第二部 第6章−9 アストロラーベ、スカルラーベ、ミスティラ」
「第二部 第6章ー10 さかさまジョージからのファックス」

「第二部 第7章ー1 イヤー・オブ・ブリザード」
「第二部 第7章ー2 3年目のシーズン」
「第二部 第7章ー3 決勝ラウンド」
「第二部 第7章ー4 再会」
「第二部 第7章ー5 もうひとつの再会」
「第二部 第7章ー6 夏海と魔神スネール」
「第二部 第7章ー7 夏海の願い」
「第二部 第7章ー8 夏海とケネス」
「第二部 第7章ー9 男と女の勘違い」

「第二部 第8章ー1 魔女たちの二十四時」
「第二部 第8章ー2 レッスン会場の魔女たち」
「第二部 第8章ー3 ベリーダンスの歴史」
「第二部 第8章ー4 トミー、託児所を抜け出す」
「第二部 第8章ー5 ドルガとトミー」
「第二部 第8章ー6 キャストたち」
「第二部 第8章ー7 絡み合う運命」
「第二部 第8章ー8 格差社会−−上位1%とその他99%」
「第二部 第8章ー9 政治とは何か?」
「第二部 第8章ー10 民主主義という悲劇」

「第二部 第9章ー1 パフォーマンス開演迫る」
「第二部 第9章ー2 パフォーマンス・フェスティバル開幕!」
「第二部 第9章ー3 太陽神と月の女神登場!」
「第二部 第9章ー4 奇妙な剣舞」
「第二部 第9章ー5 何かが変だ?」
「第二部 第9章ー6 回り舞台」
「第二部 第9章ー7 魔女たちの正体」
「第二部 第9章ー8 マクミラたちの作戦」
「第二部 第9章ー9 健忘症の堕天使」

「第二部 第10章ー1 魔女たちの目的」
「第二部 第10章ー2 人類は善か、悪か?」
「第二部 第10章ー3 軍師アストロラーベの策略」
「第二部 第10章ー4 メギリヌ対ナオミと・・・・・・」
「第二部 第10章ー5 最初の部屋」
「第二部 第10章ー6 ペンタグラム」
「第二部 第10章ー7 ナオミの復活」
「第二部 第10章ー8 返り討ち」
「第二部 第10章ー9 最悪の組み合わせ?」

「第二部 第11章ー1 鬼神シンガパウム」
「第二部 第11章ー2 氷天使メギリヌの告白」
「第二部 第11章ー3 最後の闘いの決着」
「第二部 第11章ー4 氷と水」
「第二部 第11章ー5 第二の部屋」
「第二部 第11章ー6 不死身の蛇姫ライム」
「第二部 第11章ー7 蛇姫ライムの告白」
「第二部 第11章ー8 さあ、奴らの罪を数えろ!」
「第二部 第11章ー9 ライムの受けた呪い」

「第二部 第12章ー1 ライムとスカルラーベの闘いの果て」
「第二部 第12章ー2 責任の神の娘」
「第二部 第12章ー3 リギスの戯れ唄」
「第二部 第12章ー4 唄にのせた真実」
「第二部 第12章ー5 アストロラーベの回想」
「第二部 第12章ー6 勝負開始」
「第二部 第12章ー7 逆襲、アストロラーベ!」
「第二部 第12章ー8 スーパー・バックドラフト」
「第二部 第12章ー9 さかさまジョージの魔術」

「第二部 最終章ー1 魔神スネール再臨」
「第二部 最終章ー2 ドルガのチョイスはトラジック?」
「第二部 最終章ー3 ナインライヴス」
「第二部 最終章ー4 ドルガの告白」
「第二部 最終章ー5 分離するダニエル」
「第二部 最終章ー6 ドルガの回想」
「第二部 最終章ー7 ドルガの提案」
「第二部 最終章ー8 ドルガの約束」
「第二部 最終章ー9 ドルガの最後?」

「第二部 エピローグ 神官マクミラの告白」

 第一部人魚ナオミ篇がお読みになりたい方は、以下のリンクをクリックしてください。

  

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第三部闘龍孔明篇 第8章−5 悪魔姫ドルガ、降臨!

2018-11-19 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

 青龍の言葉を聞いたとたん、眠眠に姿形が醜い故に忌み嫌われ、モンスター扱いされる彼らの悲しみが伝わってきた。
 夢魔の技に囚われていただけで、何の怨みがあるわけではなかったのだ。
 眠眠の目から、涙が一粒こぼれた。モンスターたちの動きが止まった。
 誰も分かってくれない悲しみを分かってくれる存在に出会った感動が、彼らにこみ上げた。モンスターたちは、ヒビキムに攻撃をしかけ始めた。
 まあ、なんてこと。タトゥーにしてやった恩も忘れて!ヒビキムは、夜叉の表情になるとモンスターたちを爪で切り裂いてしまった。
「なんてことをするの、自分の仲間を!」
「仲間などではない。手下のくせに逆らうとは許せない。モンスターたちには頼らない。今度こそ、本物の怪物に会うがよい。カモン・ダウン、悪魔姫!」
 最初は、深層世界の入り口に開いた小さな点に見えた。だんだん近づくにつれて、それは一羽の巨大なチョウに見えた。
 嵐の吹き荒れる部屋での闘いで、命を絶ったはずの「爆破するもの」悪魔姫ドルガであった。翼竜の羽の羽ばたきの度に小さい竜巻が起こる。

     

「眠眠よ、心して闘うがよい。この相手は桁違いの強さじゃ」
 四人の夢魔は、女王シュリリスの命を受けて、精神世界で復活したが記憶を失いさまよっていたドルガを発見した。「操るもの」ヒビキムは、悪魔姫に偽りの記憶を与えることで傭兵として使役していた。
「さあ、ドルガよ。お前の技を見せてやるがよい」
 ドルガが、翼の羽ばたきを強めていく度に起きる竜巻も、大きくなっていく。それにつれて、ドルガもだんだん巨大化していく。ドルガの目が輝いた瞬間、翼から自ら意志を持ったかのように荒れ狂う竜巻が眠眠を襲った。
 バリ、バリ、バリ・・・・・・ドリルのような音を立てて竜巻が爆発すると、眠眠が巻き込まれて異次元空間に飛んでいってしまう。冥界最強技の一つとおそれられたドルガのファイナル・フロンティアであった。消え失せた眠眠がどこにいくかは、ドルガ自身にも分からない。
 一つだけ分かっているのは、彼女がもう二度とこの世界に戻ってくることはないはずだった。しかし、天空に黄金の裂け目が現れた。光り輝く裂け目から、艶やかな天女姿から、黒い網笠をかぶった黒装束の女戦士に進化した眠眠が飛び出してきた。左手で魔剣ドリームカリバーの柄を、右手で鞘を掴んでいる。
「眠眠は夢魔の血を引いているんだ。うつし世こそまこと!」
 グルグル身体を回転させながら魔剣を振り回すと、竜巻には竜巻とばかりに秘剣レインボートルネードを振るった。


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