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(旧:アヴァンの物語の館)ギリシア神話的世界観で人魚ナオミとヴァンパイアのマクミラが魔性たちと戦うファンタジー的SF小説

第三部闘龍孔明篇 第4章-4 “ドラクール”対エリザード

2018-05-12 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

「いったい何を・・・・・・なされます?」
「お前を生き地獄に引きずり込んだのは我が罪。我が手で冥土に送り込んでやるのが、せめてもの愛情」
「むざむざ殺されるわけには、まいりませぬ」
 エリザードは、摑む手に力をこめた。メリメリ音がして、手首が砕ける。
 今度は“ドラクール”の左手が一閃し、エリザードの胸を引き裂くと傷口が開いた。
 思わず、エリザードがつかんでいた右手を離した。あっという間に砕かれた手首が修復される。
「降参するなら、せめて苦しませずに冥土に送ってやろう」
「何をおっしゃる。この程度は、かすり傷」
 エリザードの傷口も、たちまち修復される。
“ドラクール”はバク転すると、部屋の隅に置いてあった魔鎖鎌ドラゴンチェーンを握った。龍の絵柄が刻み込まれた鎖鎌が、キラリと光った。
エリザードも枕の下から、水晶のように透き通った魔剣デビルカリバーを取った。魔剣は、これから始まる闘いに期待し、歓喜の叫びを上げた。
「愛することは出来ぬが、闘うことならできる。ああ、我は最初からお前との闘いを望んでいたのかもしれぬ」
「望むところ。愛されることが叶わぬなら、せめて我が魔剣で永久に思い出の中に閉じ込めてしんぜましょう」
“ドラクール”がドラゴンチェーンを振り回し、ダブルベッドの上に飾られていた豪奢な天蓋の4本柱をはじき飛ばした。
「天蓋は、人に仇為す夜の邪気からベッドの中にいる者を守ると言われている。だが、我らの闘いに聖なる天蓋など不要であろう」
「“ドラクール”様、もはや人間でなくなったのに、縁起をかつぐのがお好きでいらっしゃると見える。それとも、私を動揺させるための演技をしていらっしゃるか?」
 エリザードが、ゆっくりデビルカリバーをかざすと、暗い磁力が生まれて引き込まれそうになるが、“ドラクール”には通じない。

     

 逆に、“ドラクール”は魔鎖鎌を振り回して、ドラゴン形をした粒子を浮かびださせる。あたかも生きているドラゴンのように、粒子のかたまりが吠えた。
 鎖を投げつけると、ドラゴンが咆哮を上げてエリザードへ向かって行った。ドラゴンチェーンは、相手の刀にいったん絡み付いたら最後、ドラゴンの牙が刀をへし折ってしまう。
 だが、エリザードが持っていたのは魔剣デビルカリバーであった。ドラゴンは、牙を立てるどころか一刀両断にされて、空中に消えていく。
 一瞬、微笑みを浮かべたエリザードが怪獣のような咆哮を上げた。近寄って来ていた“ドラクール”が、魔鎖鎌でエリザードの右手を切り落としたためだった。ドラゴンチェーンには魔性でも殺せる力があり、今度はエリザードも腕を修復できない。


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