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(旧:アヴァンの物語の館)ギリシア神話的世界観で人魚ナオミとヴァンパイアのマクミラが魔性たちと戦うファンタジー的SF小説

第三部闘龍孔明篇 第6章−1 孔明たちへの襲撃

2018-08-20 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

 1996年聖バレンタインデー深夜。
 日本国茨城県南部。昼の特訓の疲れから、孔明たちが青龍の屋敷内で死んだように眠りについていた。
 その時、にわかに黒雲が湧き出し、巨大なミイラの手が現れた。周りの生気を吸い込むような、ぼろぼろの包帯に包まれている。機械人形のように震える手の掌が開き始め、4匹の女性型の夢魔が現れた。
 古代エジプトの伝承を引くまでもなく、人は太古の昔よりマミー・コンプレックスに囚われてきた。もしも魂の不滅を信じ、死後の復活を望むのであれば、有限の命しかない身体という入れ物をどうすべきか、という問いに直面する。
 不滅の魂に対する「究極の夢」の答えが、ミイラの製造であった。いつの日か戻ってくる魂のために、不滅の入れ物を用意しておく。その意味で夢魔たちがミイラと相性がよいのには不思議がなかった。
 夢魔は、男性型のインキュバスと女性型のサキュバスに分かれており、人を誘惑するために美しい姿を取り、特に襲われるものの理想の異性像で現れる。それぞれの名前は、ラテン語の「のしかかる (incubo)」と「下に寝る (succubo)」に由来している。淫魔の眷属に属し、性愛を司り、精神面から人を堕落させる悪魔である。

      

 インキュバスは、睡眠中の女性を襲い、その夜に夢精した男性の精子を利用して妊娠させる。別の説では、サキュバスが睡眠中の男性を襲い、誘惑して奪った精子が用いられると言われる。またインキュバスとサキュバスは同一存在であり、自身に生殖能力が無いため人の生殖能力を借りて繁殖しているとも考えられている。
「なんて清んだ空気なのかしら! さすが伝説のパワースポットだわ」紫色の羽を広げて99のタトゥーを全身にまとった金髪の「操るもの」ヒビキムが、フクロウのような大きな目を輝かせてハスキーボイスで囁く。
「でも、あたいにはクリーンすぎてダメ! ちょっと穢れが欲しいわん」緑色のパイレーツ風の衣装をまとい両手に剣を持った碧眼の「天罰を与えるもの」オーシャムが胸の隆起を揺らしながら囁く。
「う〜ん、屋敷に一人素敵な男がいる。色男の龍よ」魔法使いの黒服に緑色の光の輝きをまとった「惹き付けるもの」ミホシムが涼やかに囁く。目深に帽子をかぶった姿は、さながらマレフィセント。
「忘れるな! 我らが使命は、チョコレート代わりに甘い夢を見せてやること」四方八方に流れるように広がる七色の髪を持ちリーダー格の「踊り回るもの」サマンザが鋭い目つきで一喝する。動く度に花の香りが周りにただよう。
 夢魔たちは、本来の淫魔としての役割に飽き足らず精神世界で人間を操り、思いのままに動かしたため夢魔世界から処罰を受けていた。そこを魔界の住人となったシュリリスに見込まれて、今は彼女の四天王として働いていた。


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