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(旧:アヴァンの物語の館)ギリシア神話的世界観で人魚ナオミとヴァンパイアのマクミラが魔性たちと戦うファンタジー的SF小説

第三部闘龍孔明篇 第6章−3 青龍と夢魔サマンザ

2018-08-28 11:54:09 | 私が作家・芸術家・芸人

 ミホシムは投げキッスで、孔明にナオミをゾンビーソルジャーたちから救う王子の役割を与えた。彼女が変身した十字架に貼り付けになったナオミを襲ってくる怪物たちを撃退する役目だ。
 ゾンビーソルジャーたちは、カンザスで闘った素人集団ではなく戦闘員たちが変化したものであった。とてつもなく強敵だったが、強い故に遠慮なく闘えた。果てしなく続く闘いに、彼は満足感を感じていた。何か使命があった気がしたが、気にならなくなった。
 別の使命? ナオミを助ける以上に重要な使命なんてあるわけない!

     

 サマンザの見せる夢は極上。上級夢魔になればなるほど、集合的無意識の底にアクセスできる。夢は抽象度を増し、根源的恐怖度は凄みを増していく。
 眠眠の夢に入ると、純金のブレスレットを回転させる。
 ロンドンの地下鉄ピカデリー線のある駅が足下に現れた。もしあなたが、その駅に行くことがあっても、階段でホームに下りようなどと思ってはいけない。3機あるエレベータを使う方が無難だ。その階段は、暗く、長く、湿っており、運が悪いと二度と出られなくなる。
 駅は、隣接する大英博物館から流れ出す世界中から収集された古代ギリシア、エジプト、ローマ等の美術品から流れ出すエネルギーのたまり場になっており、深層世界への出口につながっているからだ。
 眠眠が駅の階段を下りると、ホテルに着いた。
 ホテルは半分海に浸かっており腰まで来ている海水をかき分けフロントに向かう。ふと見ると数人乗りボートが窓に激突して転覆している。
 救助を呼ばなくてはと思うが、海上保安庁の管轄だから必要ないと思い返したところに、救助隊がやってきた。
 眠眠が、そんな光景を眺めていると、水の量が急に増えてきて、気がつくと瀑布に向かって筏に乗って川を下っている。滝底に落ちたはずが、今度は滝に打たれる修行をしている。周りには死んだ蝶々が浮いている。青龍がやってきて「水底に宝あり」と告げる。眠眠は意を決すると水底目指して潜水を始めた。

「夢魔のお嬢ちゃん、何の用だね?」初めて夢で目覚めた相手から挨拶されたサマンザが驚いて振り返ると、青龍がいた。
「夢魔ではあるが、お嬢ちゃんではない。我は夢魔の女王シュリリス四天王の一人サマンザ。人間のくせに、どうやって夢に出て来た?」
「修行の時間ならくさるほどあったわい。儂は生まれついての不眠症」
「なんと、ナルコレプシーを起こせるものなら会ったことがあるが、目覚めたまま明晰夢を見られる人間とは!」
 明晰夢は覚醒夢とも呼ばれ、夢を見ている者に『夢を見ている』自覚がある。五感も起きている時と変わらず、目が見え、耳が聞こえ、味もにおいもあり、触った感触もある。こうした夢が見られると、夢のコントロールさえできる。実際に、悪夢を楽しい夢に変えたり、空中を泳いだり好きな場所に移動したり、現実にはできないことさえ可能になる。コントロールの効かない明晰夢は夢に対する恐怖心を増長させるという説もある。しかし青龍のように起きたまま夢の中で覚醒しているとなると、もはや別次元の話である。


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