ごまめの歯ぎしり・まぐろのおなら

サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

控訴した農水のメンツと民主党への期待

2008-07-11 | 環境
農水省は、佐賀地裁の判決を不服として控訴した。そのうえで農水大臣は、開門調査をする前提で環境アセスをすると述べた。開門調査をやるためのアセス調査というおかしな論理だが、すでに干拓を終え、農業者が入植しているので、その影響を見定めるという。それは佐賀地裁が3年間の猶予を与えたあと、5年間の開門ちょうさをやれと判決で述べたことを実質的には実行すると言うことだろう。

 その決定は是としたい。でもそれならなぜ控訴したのだろう。開門調査はせざるを得ないところに追い込まれた。でも、控訴しないとそれまでの農水省の施策の過ちを認めたことになるから、控訴したというのが本音のようだ。開門調査をこれまで拒否し続けてきた農水省が、開門を前提とした環境アセスをせざるを得なくなったが、それでも過去の2500億円を超える税金を投入して、生産調整をしている米作をするための農地を作るという政策のどこに正当性があるのだろうか。

 もっと農水省の役人は素直に過去の失敗を認めるべきだ。役人のメンツのために有明海の多くの生き物たちが殺され、全体の生態系がここまでおかしくなってきた。タイラギや多くの漁業資源が急激に減少し、漁業者には生活できずに自殺したり、都会に出てホームレスになった人もいる。

 民主党はどうしたのだろう。いまこそ民主党が「われわれが政権を取ったら、直ちに開門をして有明海を再生させる」と言明すべきではないか。入植者からのクレームは、そもそも干拓して入植させること自体が間違った政策だったのだから、入植者たちに売り払った干拓地の代金50億円を支払ってでも、有明海を元の海に戻す再生事業を国の威信をかけてやって欲しい。民主党に期待する。

 そして農水省の役人たちには失敗した干拓事業費2500億円をぜひとも弁償してもらいたい。退職金をすべて投げ出してでも。それだけの大きな罪が彼らにはあるのだ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿