goo blog サービス終了のお知らせ 

ごまめの歯ぎしり・まぐろのおなら

サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

国鉄民営化の結果がでた

2013-10-10 | 政治
JR北海道で事故が多発している。それも原因は、ほとんどが構造的なものである。恐ろしくて、北海道では鉄道に乗れない。テレビ朝日のニュースステーションで、この問題が取り上げられて、報道されていたが、その内容たるや、驚くべき意識の薄さ、偏見に満ちたものだった。安全をないがしろにしたJR北海道の体質を問題にしないで、労組が内紛ばかりしているからこんな事になったと言わんばかりの報道だ。まったく本質を隠蔽し、JR北海道の経営陣をかばうような報道姿勢には、本当に驚く。

 JR北海道の労組が4つあって、それらが互いに反目し合っていることは、事実かも知れないが、それとJR北海道の安全軽視、安全後回しの経営体質とは何の関係もない。なぜJR北海道はこんな安全を軽視するような経営体質になったのかを、報道は分析するべきである。その理由は、国鉄の分割民営化にある。中曽根が「労組つぶし」のために強引な手法で行った民営化だった。労働組合員を虫けらのように扱い、不当労働行為であることをあらゆるレベルの労働委員会から勧告を受けながら、知らぬ顔で違法行為を繰り返し、民営化した。しかも分割したため、東日本、西日本、東海の3社以外は、当初から赤字が見こまれていた。そのために、JR北海道は労働者を半分に減らし、7-8000人を解雇した。必要な人員を半分に減らすと言うことは、残った労働者が倍の労働を同じ賃金で働くか、さもなくば安全をできる限り切り詰めることしか無い。

 JR北海道が獲った道は、後者だった。もっとも、それは北海道に限らない。JR九州もJR四国もJR貨物も、同じである。いや黒字が見こまれたJR東日本やJR西日本、JR東海でさえも、安全を切り詰めて、必要な人材と資材を減らして、ただただお客様にへつらう労働者を優遇してきた。いまや、JR北海道で、それらの安全切り詰め経営がようやく事故などによって表に出てきたのである。JR西日本の福知山線の大事故もまさにその労働者イジメと経営の切り詰めによって起こった事故なのだ。それにもかかわらず、国鉄の民営化の結果であると誰も認めたがらない。それを言うのは、現場で事実をよく知っている労働者・労組だけだが、労組がそれを主張すると、政治もマスコミもそれを無視・黙殺する。もっともっと事故による犠牲者が出ないと、彼らは気がつこうとしない。

 効率化、合理化、民営化によって犠牲になるのはいつも庶民である。殺されるのも庶民である。原発事故を見よ。あれだけの事故を起こし、しかも何十年も終息できない事故を起こしておいて、それでも誰も刑事上も民事上も罪に問われない。引責辞職したものもいない。マスコミの前で頭を下げてみせるパーフォーマンスだけですべて許されているのが、日本の現実だ。それを許していては、日本はいずれ沈んでしまう。JR北海道の「責任者を出せ!」民営化の責任者を引きずり出せ。市中引き回しの上、磔にせよ。