8月上旬ころ、山口県に行ったときに、山の藪をわずかの時間歩いたことがあった。その後、すぐに東京へ出かけて、京都に帰ったのは2日後だった。家に帰って1日ほどしてから、どうも左の足指あたりに黒いものが付着していることに気がついた。気になるので、体を折り曲げて、じっくりと観察してみた。ゴミのようにも見えるが、簡単にこすっても落ちない。ピンセットでつまんで見ると、簡単にとれる。紙の上に置いてみると、じっくりと観察すると、なんと!もぞもぞとそいつが動いているではないか。うわあ!これはまさしくマダニに違いない。そう思って考えると、左の鼠径部に最近イボができたようなものがあるのを思い出した。ひょっとしたら、あいつもそうかもしれない。そう思って、やはりピンセットで引っ張ると、ぽろんと抜けてきた。やはりそいつもマダニが皮膚に食いついていたのだ。
どこで食いつかれたか、イロイロ考えても、山口県の藪山を5分ほど歩いたあのわずかな時しか、ダニに食いつかれる時は、他に思いつかない。そうすると、この2匹のマダニは、3日前から俺の体に食いついていたのだ。ああ、おぞましい。北海道では何度かマダニに食い付かれたことがある。北海道では、春になるとマダニが活発に動き始める。その頃、野外を歩き回ると、マダニに食い付かれることがよくある。しかし、われわれもそんなことはよく知っているので、春頃に野外から帰ってきたら、体をよく点検することを怠りなかった。夜のお風呂では、体中をよく点検する。マダニは大きいので、体の表面をさすっただけで、マダニがいることはすぐ分かるのだ。その前に、マダニが体の柔らかいところへ移動しているときなら、すぐ見つけることもできる。1日以上経ってから、気がついた場合は、マダニがしっかりと皮膚に食い込んでいて、頭が皮膚の組織と同化してしまっているので、引っ張ったぐらいではマダニを排除できない。食い付く前に見つけて、マダニを追い払うのが一番良い。
ところが、山口県の低い裏山で、マダニに食い付かれるとはまったく予想していなかった。この裏山には、これまでも何度か出かけている。これまでマダニを見たことも無かった。油断してしまった。3日も4日も経ってしまっているので、マダニの頭は皮膚と同化してしまっており、ピンセットで引っ張ってマダニの体を排除してみたが、頭は残っていて、上から触るとちくちくと痛い。最近、山口県などの西日本でマダニに咬まれて、感染症で死亡した人がぼつぼつ出ているというニュースがあった。これまでマダニに食い付かれても、気持ち悪いだけで害は無いというのが、一般的な判断だった。ところが、最近はどうもそうでは無くなったらしい。それも山口県で、最近亡くなった人が出たばかりだ。
医者に行って切開してもらおうかと思いつつ、忙しさにかまけてついついそのままになっていた。一ヶ月ほどしてから、どうもいつまでもちくちくと痛むので、切開手術を決意した。医者に行くのも業腹だから、自分で切開することにした。姿勢が取りにくいのだが、なんとかメスで切り開き、ピンセットでそれらしいものを取り除いた。少々の出血は覚悟の上だった。思い切って切らないと、上手くいかないのだ。躊躇い傷が一番良くない。切開手術をしたあと、痛みは無くなった。
そして、あれから2ヶ月たった。マダニによるウイルス感染症の潜伏期間は2週間~1ヶ月ということなので、今のところ、症状が出ていないことは、もう大丈夫だろう。少し心配していた。確率は低いものの、最近、山口県で何人かが亡くなっている事を聞くと、ひょっとして、私も?と思わないことは無かったからだ。これからは、西日本でもマダニに心配しながら山歩きをしなければならなくなった。これも地球の温暖化のせいのようだ。
どこで食いつかれたか、イロイロ考えても、山口県の藪山を5分ほど歩いたあのわずかな時しか、ダニに食いつかれる時は、他に思いつかない。そうすると、この2匹のマダニは、3日前から俺の体に食いついていたのだ。ああ、おぞましい。北海道では何度かマダニに食い付かれたことがある。北海道では、春になるとマダニが活発に動き始める。その頃、野外を歩き回ると、マダニに食い付かれることがよくある。しかし、われわれもそんなことはよく知っているので、春頃に野外から帰ってきたら、体をよく点検することを怠りなかった。夜のお風呂では、体中をよく点検する。マダニは大きいので、体の表面をさすっただけで、マダニがいることはすぐ分かるのだ。その前に、マダニが体の柔らかいところへ移動しているときなら、すぐ見つけることもできる。1日以上経ってから、気がついた場合は、マダニがしっかりと皮膚に食い込んでいて、頭が皮膚の組織と同化してしまっているので、引っ張ったぐらいではマダニを排除できない。食い付く前に見つけて、マダニを追い払うのが一番良い。
ところが、山口県の低い裏山で、マダニに食い付かれるとはまったく予想していなかった。この裏山には、これまでも何度か出かけている。これまでマダニを見たことも無かった。油断してしまった。3日も4日も経ってしまっているので、マダニの頭は皮膚と同化してしまっており、ピンセットで引っ張ってマダニの体を排除してみたが、頭は残っていて、上から触るとちくちくと痛い。最近、山口県などの西日本でマダニに咬まれて、感染症で死亡した人がぼつぼつ出ているというニュースがあった。これまでマダニに食い付かれても、気持ち悪いだけで害は無いというのが、一般的な判断だった。ところが、最近はどうもそうでは無くなったらしい。それも山口県で、最近亡くなった人が出たばかりだ。
医者に行って切開してもらおうかと思いつつ、忙しさにかまけてついついそのままになっていた。一ヶ月ほどしてから、どうもいつまでもちくちくと痛むので、切開手術を決意した。医者に行くのも業腹だから、自分で切開することにした。姿勢が取りにくいのだが、なんとかメスで切り開き、ピンセットでそれらしいものを取り除いた。少々の出血は覚悟の上だった。思い切って切らないと、上手くいかないのだ。躊躇い傷が一番良くない。切開手術をしたあと、痛みは無くなった。
そして、あれから2ヶ月たった。マダニによるウイルス感染症の潜伏期間は2週間~1ヶ月ということなので、今のところ、症状が出ていないことは、もう大丈夫だろう。少し心配していた。確率は低いものの、最近、山口県で何人かが亡くなっている事を聞くと、ひょっとして、私も?と思わないことは無かったからだ。これからは、西日本でもマダニに心配しながら山歩きをしなければならなくなった。これも地球の温暖化のせいのようだ。