天文・宇宙探査ニュース:画像を中心とした「新しい宇宙探査情報」のページです。

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12月16日:火星のシャープ山の麓のビュートと層

2014年12月16日 09時00分00秒 | 天文・宇宙

NASAの火星探査キュリオシティローバーのマストカメラ(Mastcam)からのこの視界は、シャープ山の山麓の劇的なビュートと層を示している。これは火星日387日目(2013年9月7日)にとられたイメージの合成である。このローバーの位置は、山に着くためのエントリポイントに向かったドライブの、「ダーウィン」と呼ばれる中間停車地点の近くである。この色は、地球の昼光の下に見られるように調整されているが、火星の空のダストが照らしている影響の僅かな色の傾向を持っている。

<参考>:この層化した堆積は、地球では水中にできた堆積が水を失って干上がった時にできる典型的な形である。すなわち、この地形は、かって火星に大量の水があったと考えられる極めて有力な証拠になり得る。キュリオシティ科学者達は、ローバー着陸後間もなく遠くからこの地形を発見し、この付近をキュリオシティの調査目標に定め、2年を超える長い期間を掛けて最近ようやくここに到着した。火星で、地上から、これほど明確かつ大規模な層の地形が見られたのは初めてである。今後キュリオシティの二年越しの火星の本格的な調査が始まる。なお、ここに挙げたイメージは層が見やすいように処理を加えてある。大判イメージはイメージをクリックしてNASAのサイトから。

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12月15日: ゲールクレータの火星探査ローバーキュリオシティ

2014年12月15日 09時00分00秒 | 天文・宇宙

火星には2年に一回探査機を送る機会がある。NASAは2011年打上の探査機として着陸船、火星探査ローバーキュリオシティを選んだ。キュリオシティの探査地点は、60を超える候補地点について、5年を超える150人以上の科学者達による議論から、最終的な候補サイトとして四か所に絞られ、その中からゲールクレータ(Gale crater)が選ばれた。ゲールクレータは差渡し154キロメートル、中央峰の高さ約5キロメートルの、赤道付近にある比較的大きなクレータである。この付近は軌道からの調査で水を含む鉱物や層の地形が検出されていた。

左のイメージは実際に火星で撮られたキュリオシティの自画像、大判は こちら から。右のイメージはゲールクレータと着陸地点(白印)、大判は こちら から。

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12月14日:火星探査ローバーキュリオシティ

2014年12月14日 09時00分00秒 | 天文・宇宙

火星は地球に似た硬い岩石の地表を持つ惑星である。火星が赤く見えるのは地表に酸化鉄(赤さび)が大量に含まれているためである。直径は地球の半分ほど、質量は地球の約 1/10 に過ぎないため火星の地表での重力は地球の40%ほどである。火星の表面積は地球の約 1/4。火星の1日は24時間39分強であり地球に近い。また太陽に対して傾いた自転軸を持っているので地球と同様に季節がある。ただし公転周期が地球の約2倍であるため、火星の季節は地球の約2倍、各季節は6月の長さがある。

火星では、現在、軌道を周る宇宙船(軌道船)として、NASAの2、ESA(欧州)の1、インドの1(試験衛星)の計4機が、また地上の探査車(ローバー)としてNASAの2機が調査を行っている。火星探査の最大の目的は“過去を含めた生命の存在の有無”であり、”水の存在の有無”がその重要なカギとして調べられている。

2012年8月に火星に着陸した火星探査ローバーキュリオシティは、その着陸から2年4か月かけて、最近、最も重要な調査目的地に着いた。今後の大きな発見が期待される。

写真は火星で有名なマリネリス峡谷。この谷はおおよそ長さ 3,000 (800)、幅 800 (30)、深さ 8 (1.8)キロメートル(カッコ内は米国のグランドキャニオンの大きさ)であり、古代の水の存在を象徴するものとも考えられている。

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12月13日:南極のオーロラ

2014年12月13日 09時00分00秒 | 天文・宇宙

南極のオーロラの壮観な場面の一つが、2014年7月15日に、国際宇宙ステーションのクルーメンバーの一人によって、約410キロメートルの高度から撮られた。クルーは、軌道の最前線がオーストラリアの南にあった時に、このイメージを記録するために50ミリレンズを使った。右側に宇宙ステーションのソーラーアレイパネルの一部が見える。

<出典>: 「国際宇宙ステーションイメージギャラリ」

<大判イメージ>:  こちら

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12月12日:木星の南半球のカッシーニの視界

2014年12月12日 09時00分00秒 | 天文・宇宙

木星の霞んだ南極を、赤、青銅、白の帯が取り囲んでいる。多色の同心円の雲の層は、左上に向かって見られる木星の有名な大赤斑(Great Red Spot)のような、混乱した片と薄く白い点の際立った気象システムによって所々で破壊されている。これらの明るい片の多くは稲妻に満ちた雷雨を含んでいる。木星は非常に劇的な気象を持っている。惑星の軸はあまり傾いていないが、激しい嵐と混沌とした雲のシステムで満たされた厚い嵐のような大気を持っている。大赤斑は、実際には、何百年もの間激しくかき回してきた高気圧である。それは複数の地球サイズの惑星を含むのに十分な大きさにあったが、ハッブル宇宙望遠鏡からの最近のイメージはそれが縮んできていることが示された。

<出典>:「Space in image(欧州宇宙機関)

<参考>:左のイメージは1996年6月にガリレオ宇宙船によって撮られた大赤斑。大赤斑は木星の大気の嵐であり300年以上続いている。風は反時計回りに時速約400kmで回り、嵐の大きさは南北で地球の直径より大きく東西で地球の直径の2倍より大きい。

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12月11日:東日本大震災を思い起こす(3)

2014年12月11日 09時00分00秒 | 天文・宇宙

津波の傷跡を宇宙から見る

津波被災地(石巻から双葉まで)

ドイツ宇宙航空局(DLR)---2011年3月16日

大判は右のイメージをクリック。

 

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仙台付近の地震と津波

NASA---2011年3月21日

仙台市と仙台湾の間の畑地のこのエリアは、2011年3月11日の津波によって最も激しく浸水した一つであった。NASAの地球観測1衛星の陸地画像装置が、2011年3月18日にこのエリアの自然色のメージをとらえた。マグニチュード 9.0 の地震の結果生じた津波の一週後、海に最も近いこのフィールドはまだ淀んだ水で覆われていた。日本の東の海岸に沿った地面のレベルが地震によって落ち込んだが、若干のエリアがこのように残ることができたのかもしれない。津波を起こすように海底を持ち上げた同じ地殻構造の力がこの沈下の原因にもなった。土と堆積物の液化が沈下に関係したのかもしれない。日本の気象庁は大潮の間、潮位に特別な注意を払うように警告した。

NASAではこの災害の特集を組んだ。左のイメージをクリック。

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12月10日:東日本大震災を思い起こす(2)

2014年12月09日 21時29分49秒 | 天文・宇宙

東北地震、激しく震える

2011年3月11日、日本の近代史上最大の地震が本土北東の海岸を削った。このマップは各地の震度を示している。それぞれの円は地域の地震観測網と結ばれ米国地質調査所が記録した震度の推定である。黄色は低い震度を濃い赤は高い震度を表している。この地震のデータがオークリッジ国立研究所によって提供された人口密度のマップに重ねられている。振動のパターンは沖合の沈込の溝(subduction trench)と平行しているように見え、強さは南北と対照的に東西方向でより減少している。地面の動きは沿岸の川のようなエリアでより激しく、柔らかな堆積物と基盤に乏しいところで沈下が激しい。震央から遠い東京近くの VIIs と VIIIs の数に注目しよう! 大都市圏の人的被害の少なさは地震準備の証拠であろう。この地震の次週、日本は少なくとも262のマグニチュート5の余震に耐えた。その49はマグニチュード6以上、3はマグニチュード7以上であった。(クライストチャーチの地震はマグニチュード 6.3 )

<参考>:東京湾北部付近の震度に注目。この地方では多くの地盤沈下や液状化が起きた。大きな揺れが伝わったのか?あるいは地盤が軟らかいので揺れが大きかったのか? これは3月21日のNASAの記事。大判はイメージをクリック。

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12月9日:東日本大震災を思い起こす(1)

2014年12月09日 17時27分55秒 | 天文・宇宙

一息入れて、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震を思い起こしてみる。以下は宇宙から見た地震のデータであるが、当時はドイツ宇宙局が発表した被災地観測が最も早く印象的だった。

東北地方太平洋沖地震(NASA地球観測から)

日本時間2011年3月11日午後2時46分、 北緯 38.3 度東経 142.4 度でマグニチュード 8.9 (その後 9.0 に修正)の地震が日本の東海岸を襲った。震央は仙台の東130キロメートル、海底 24.4 キロメートル。これは1900年以来世界で5番目に大きなまた日本の歴史で最悪の地震である。このマップは3月11日の地震と、前震(点線)と余震(実線)を示している。円の大きさは関連する地震の大きさ(マグニチュード: 8.9 max)を表している。

<図の説明>:大洋の白い部分が北米プレート、青い部分が太平洋プレート、その境界が日本海溝。太平洋プレートの沈み込みで北米プレートが歪み、多数の震源が生じている。これは3月11日までのデータであり、余震はこの後も激しく続き、マップが真っ赤になるほど激しかった。データは米国地質研究所から発表されたものである。詳細はイメージをクリック。

左のイメージは、地震の犠牲者を悼んで、当時の国際宇宙ステーションクルーが折った「折鶴」。

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12月8日:オリオン回収される

2014年12月08日 12時31分37秒 | 天文・宇宙

米海軍の USS アンカレッジは、太平洋に着水した後のNASAのオリオン宇宙船を回収するために移動した。オリオンは東部標準時12月5日午前7時5分(日本時間12月5日午後9時5分)に打上げられ、 4.5 時間の試験飛行の後地球に戻った。オリオンは、今、アンカレッジで、サンディエゴの海軍基地に、月曜日に着く予定である。

<出典>: NASAオリオン (オリオンの一連の写真はこちらから)

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12月7日:USSアンカレッジのデッキのオリオン

2014年12月07日 14時06分19秒 | 天文・宇宙

NASAのオリオン宇宙船が、太平洋への着水に続いて、米海軍のUSSアンカレッジのデッキに牽引される。オリオンは、東部標準時12月5日午前7時5分(日本時間12月5日午後9時5分)に、 4.5 時間、2回の軌道の後、NASA、海軍、オリオンの元請ロッキードマーティンとの合同チームが回収し地球に戻る試験飛行で宇宙に打上げられた。次の数日間、チームは、アンカレッジが宇宙船を岸へ輸送する間に、オリオンの最初のチェックを行なうだろう。オリオンは、月曜日に、サンディエゴ海軍基地に運ばれる予定である。

<出典>: 「NASA HQ」  

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12月6日:オリオンテスト飛行のビデオ

2014年12月06日 13時02分41秒 | お知らせ

オリオン飛行試験の結果はメディアを含め多数発表されています。イメージは未だ発表が少なく整理がつきませんので、差し向きNASAがまとめたビデオのみを掲載しました。 こちら から。なお、リンク先にはメディアを含めて多数のビデオが表示されますので、ご関心がありましたらご覧ください。

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12月6日:オリオン無事に戻る

2014年12月06日 02時58分36秒 | 天文・宇宙

オリオンクルーモジュールは、米国東部標準時午前11時29分(日本時間12月6日午前1時29分)にサンディエゴ南西約600マイルの太平洋に着水しました。フライトコントローラ達は宇宙船が安定した構成であると報告しました。NASA、米海軍、ロッキードマーティンからのチームが回収に向かっています。中継放送は続いていますが以下の情報は後刻発表されるであろうビデオ、写真を含めて明日掲載します。(日本時間6日午前2時30分記)

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12月5日:オリオン宇宙船打上げられる

2014年12月05日 21時47分29秒 | 天文・宇宙

オリオン宇宙船は、日本時間12月5日午後9時5分の最初の秒読みで打上に成功し、引き続き順調に予定された処理を続けています。中継放送は引き続き着水以降も続けられます。中継を見るには「NASAテレビ放送予定」 から。

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12月5日:オリオン宇宙船テスト飛行再開

2014年12月05日 10時21分09秒 | お知らせ

12月5日:オリオン宇宙船の試験飛行の打上は、昨日と同様に同じ時刻に試みられます。中継放送時刻等詳細はこちらから。

12月4日:オリオン試験飛行の打上は、ケネディ宇宙センタ付近の強風のため、9時17分、55分、10時26分、11時44分と試みられましたが、最終的に明日12月5日に延期になりました。なお、途中で液体酸素の出し入れをするバルブが正常に閉じられずテストが行われ正常であることが確認されました。

<参考>:NASAは次世代の宇宙船、オリオンの初めての飛行テストを12月4日木曜日に計画しています。オリオンは、無人で、東部標準時午前7時5分(日本時間12月4日木曜日午後9時5分)に、デルタⅣ重量ロケットで打上げられます。オリオン宇宙船は、スペースシャトル退役後、近地球軌道とのアプローチは民間に任せ、NASAは火星や小惑星などの深宇宙に向かう方針で開発された、新しいコンセプトと技術の宇宙船です。これに伴って、打上ロケットもデルタⅣ重量ロケットが新しく開発されました。

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12月5日:オリオン打上延期

2014年12月05日 02時10分26秒 | 緊急のお知らせ

NASAのオリオン宇宙船の12月4日の打上は、ケネディ宇宙センタ付近の強風のため、12月5日に延期になりました。打上予定時刻は日本時間午後9時5分、詳細は こちら(5日10時以降に編集) から。

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