天文・宇宙探査ニュース:画像を中心とした「新しい宇宙探査情報」のページです。

NASA、ESAを始め主に外国の宇宙探査情報を
ハッブルから宇宙ステーションまで、幅広く、毎日
提供しています。

9月30日:  木星の北極のカラーのサイクロン/お知らせ

2020年09月30日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

NASAのジュノミッションからのこの極端な疑似カラーイメージに、木星の北極のサイクロンが驚くような色の渦として現れている。イメージの中心の木星の北極に見られる巨大かつ持続的なサイクロンは、 4,000 ~ 4,600 キロメートルの、より小さなサイクロンによって囲まれている。この嵐のパターンは、地球を矮小化したようなエリアを覆っている。このイメージに選ばれた色は、木星のダイナミックな雲の構造が現す木星の美しさと、また微妙な詳細を明らかにしている。ジュノが木星の大気について提供するそれぞれの新しい観測は、コンピュータシミュレーションを補い、これらの嵐が、時とともにどのように発展してきたかに関する我々の理解を更に洗練するのに役立っている。ジュノの木星赤外線オーロラ・マッパー(JIRAM)装置は、この惑星の南極の嵐の類似したパターンとともにこのエリアをマップした。2020年2月17日と7月25日の間の、ジュノ宇宙船の木星への4回の接近通過の間に、 JunoCam 装置によって得られたデータを使って、市民科学者 Gerald Eichstadt が、この合成イメージを作った。この大きく誇張された色は、この視界をつくるための多くの個々のイメージを部分的に結合した結果である。

<出典>: 「ジュノ(Juno)」

<大判>: 大判はイメージをクリック。 

<お知らせ>: 明日10月1日午前、国際宇宙ステーションへのシグナス貨物船の打上が予定されています。中継放送時刻等は「ホームページ」の 「ウェブNASAテレビ放送予定」 から。

コメント

9月29日: エンケラドゥスの新しい視界/お知らせ

2020年09月29日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

NASAのカッシーニ宇宙船のデータからつくられたこの新しい合成イメージは、土星の月エンケラドゥスの、これまでで最も詳細な広域赤外線の視界である。カッシーニの13年間の調査の間に、宇宙船の可視光・赤外線マッピング分光計(VIMS)は、惑星、そのリング、その10の主要な氷の月から反射される光を集めた。また VIMS は、素材の反射する構造について多く語る情報、様々な波長に光を分類した。この VIMS データが、カッシーニの他の詳細なイメージと結合されて、エンケラドゥスの新しい広域なスペクトルのマップに使われた。噴煙の起源である所謂「タイガー・ストライプ」の長く深い傷がここに見られる。しかし、同じ赤外線の地形のいくつかは北半球にも見られる。このことは、北の地域は新しい氷で覆われているが同種の地質学的活動があり、二つの半球に再舗装が起きたことを物語っている。この北の再舗装は、氷のジェットによるものかもしれないし、あるいは、地下の海から表面への地殻の破砕を通した氷のより段階的な動きに起因するのかもしれない。

<出典>: 「カッシーニ(Cassini)」

<大判>: 大判はイメージをクリック。 

<ひとこと>: 土星探査宇宙船カッシーニは、2017年にミッションを終えています。土星の月(衛星)エンケラドゥスは、木星の月エウロパと共に、太陽系で地球の外に水の海を有すると考えられている数少ない天体です。カッシーニの探査の詳細は、ホームページの 「土星探査写真集」 から。

<お知らせ>: 
① 今夜(9月30日午前)、10月20日に打上が予定されている、国際宇宙ステーションへの商用宇宙船クルー1のミッション概要、記者会見、インタビューなどが予定されています。このミッションには日本の野口聡一飛行士が参加します。ただし日本時間では全て深夜、全て英語です。
➁ 明日9月30日午前11時過ぎに、国際宇宙ステーションへのシグナス貨物船の打上が予定されています。---<追記>:シグナス貨物船の打上は、打上場付近の天候不良のため一日延期となり、10月1日予定に変更されました。

これらの中継放送時刻等はホームページの 「ウェブNASAテレビ放送予定」 から。

 

コメント

9月28日:  バイオマーカー・ホスフィン、金星の大気に発見される

2020年09月28日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

地球の隣人金星は既知の生命を形成するには厳しすぎる表面を持っているが、その超高層大気は、空中の微生物にとって十分に穏やかかもしれない。この通常は不都合な推測は、最近、金星のホスフィン(phosphine:PH3:気体状のリン化水素)の発見の発表で、予期せずにもたらされた。この化学物質ホスフィンは、地球の微生物がつくることは知られているが、金星のような岩の世界あるいはその周辺では非常に難しいと思われる一つのバイオマーカーである。この示された金星とその濃い雲のイメージは、2015年からこの雲に覆われた世界を周ってきた日本のロボット衛星、金星を周回する「あかつき」によって、紫外線光の二つのバンドでとられた。もし確認されれば、このホスフィンの発見は、我々の太陽系の太陽から二番目の惑星の大気に高く浮く、他の生命の徴候を捜す関心を再び引き出すかもしれない。

<出典>: 「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」

<大判>: 大判はイメージをクリック。 

コメント

9月27日:  ワシントン D.C.とボルチモア

2020年09月27日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

国際宇宙ステーションからのこの夜間のショットに、よく照らされたワシントン D.C. (左)とメリーランドのボルチモア(右)が、互いに近づいている銀河達のように見える。

<出典>:  「宇宙ステーション(Space Station)」

<大判>: 大判はイメージをクリック。 

コメント

9月26日:  衛星データ、エベレスト登山者に役立つ

2020年09月26日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

オスロ大学からの研究者達は、ヨーロッパ宇宙機関のコペルニクス・センチネル2号データからのネパールのクンブ(Khumbu)氷瀑の仔細な流域に、エベレストの登山者達を支援する技術を適用した。登山家達がネパール側からエベレスト山を登るとき、クンブ氷河を、また、それに沿ったルートをたどる。この氷河の一部には、極めて危険な急斜面、氷瀑がある。衛星によって生じる速度のパターンは、氷河の危険なエリアをマップするために使うことができる。しかし、クンブ氷河の高速な氷瀑の故に砕かれた氷が流れる原因にもなる、また追跡を難しくする岩の狭い通路を通ることから、氷河の流れを観測することができなかった。コペルニクス・センチネル2号ミッションからの多量のデータセットのおかげで、研究者達は、挑戦的なイメージにもかかわらず、氷河の速度の詳細な高解像度速度マップをつくるために、アンサンブル・マッチングと呼ばれる革新的なイメージマッチング技術を使った。

<出典>: 「センチネル2号(Sentinel-2)」

<大判>: 大判はイメージをクリック。 

<ひとこと>: 詳細な記事は左のイメージをクリック(英語)。なお、クンブ付近の写真集は こちら から。

コメント

9月25日:  M1: ハッブルからの蟹星雲/巨大ブラックホールシャドウの揺れ動く姿

2020年09月25日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

1、 M1: ハッブルからの蟹星雲
これは、星が爆発するときに残された混乱である。西暦1054年に見られた超新星の結果である蟹星雲は、神秘的なフィラメントで満たされている。このフィラメントは、途方もなく複雑であるばかりでなく、最初の超新星で放出されたより少ない質量を持ち、また、自由な爆発から予期されるより高速であるように見える。ハッブル宇宙望遠鏡でとられ、ここに示されたイメージは、科学的な興味のために選ばれた三つの色の表現である。蟹星雲は幅約10光年に及んでいる。星雲のまさしくその中心には、太陽と同程度に大規模だが小さな町の大きさほどの中性子星、パルサーを横たえている。この蟹パルサーは毎秒約30回で回転している。

<出典>: 「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」

<大判>: イメージをクリック。

2、 M87 の巨大ブラックホールシャドウの揺れ動く姿(イベント・ホライズン・テレスコープ) 
イベント・ホライズン・テレスコープ・コラボレーションによって人類史上初めて撮影されたブラックホールが2019年に公開され、楕円銀河 M87 の中心に潜む巨大ブラックホールの姿が明らかになりました。 イベント・ホライズン・テレスコープの研究者たちは撮影された姿から得た知識を元に、未発表のものを含む2009年から2013年の間に取得された M87 試験観測データを解析しました。 その結果、ブラックホールを取り囲む非対称なリング構造が8年間にわたり定常的に存在する一方で、その向きが揺れ動く様子が示唆されました。 これらの成果はブラックホールの姿が時間と共にどのように変化していくかについて新たな知見を示すものです。本成果は米国のアストロフィジカル・ジャーナルに本日掲載されました。

<出典>: 「国立天文台」

<ひとこと>: 大判イメージを含め、この記事の詳細は上のリンクからご覧ください(日本語)。

 

コメント

9月24日:  M2-9:バタフライ星雲の翼

2020年09月24日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

ここに描かれた我々の太陽や M2-9 のような低質量の星達の場合、星達は、彼らの外殻のガスの包みを投げ棄てることによって、通常の星達から白色矮星へ彼ら自身を変化させる。この使い捨てられたガスは、往々にして、数千年間で徐々に弱まる惑星状星雲と呼ばれる印象的な表現を見せる。ここに代表的な色で示された2100光年にあるバタフライ惑星状星雲は、奇妙であるが不完全な物語を語る翼を持っている。中央では、冥王星の軌道の10倍のガスのディスクの中を二つの星が周っている。この死にかけた星の放出された包みは、二つの極の外見をつくりながらディスクから壊れている。惑星状星雲を引き起こし形成する物理的なプロセスについては多くの未知が残っている。


<出典>: 「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」

<大判>: 大判はイメージをクリック。 

コメント

9月23日:  ケレスの塩水の残骸

2020年09月23日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

小惑星帯で最も大きな小惑星ケレスは岩と氷から成ると考えられ、同時に、ケレスがその表面に変わった明るい場所を持つことが知られていた。これらの明るい場所は、2015年のドーン(Dawn)宇宙船の刺激的な接近の間にイメージに撮られた。ドーンのイメージとスペクトラムの分析は、その明るい場所が強く反射する塩水の残渣から生じていることを示した。最近の分析は、この水が、いくつかの太陽系の月と同種であるケレスを示し、また深い水のポケットを隠しており、この矮惑星の内部奥深くから始まったのかもしれないことを示している。示されたビデオは、オッカトル・クレータ(Occator Crater)のケレアリア・ファクラ(Cerealia Facula)と名付けられた明るい蒸発する塩水を疑似カラーのピンクで示している。ミッションに成功したドーン宇宙船は、燃料が減少した2018年に、そこにいるかもしれない生命への干渉を避けるために、少なくとも20年はケレスの表面から離れた遠い待機軌道に置かれた。

<出典>: 「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」

<ビデオ>: ビデオはイメージをクリックして Youtube から。 

コメント

9月22日:  NGC 6357:大規模な星達の大聖堂

2020年09月22日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

一般的な星はどのくらい大きいのだろう?  距離から予想される明るさと標準的な太陽モデルとして、知られた最も大規模な星達の一つ、我々の太陽質量の200倍の、散開星団 Pismis 24 の一つの星を与えてきた。この星は、このイメージのガスの前面に位置する最も明るいオブジェクトである。しかしながら、ハッブル宇宙望遠鏡でとられたイメージの詳細な調査では、 Pismis 24-1 は一つの星でなく、少なくとも三つからその明るい光を得ている。これらの構成要素の星達は、現在の記録では、より大規模な星達として依然として太陽質量の100倍近くを残しているのだろう。イメージの下方に向かっては、依然として星達が関連する輝線星雲 NGC 6357 を形づくっている。恐らくゴシック大聖堂のように見える中央近くのエネルギーに満ちた星達が、壮観な繭を照らしているように見える。

<出典>: 「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」
 
<大判>: 大判はイメージをクリック。

<ひとこと>: イメージは右に90度回転させています。

コメント

9月21日:  米国西海岸の野火

2020年09月21日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

これまでに何十もの野火が、カリフォルニア、オレゴン、ワシントン州の広大な地帯を焼き、30人以上が犠牲となり、米国西部の大部分を煙で覆ってきた。火災からの煙は米国全域に広がり、東海岸のニューヨークにまで届いた。コペルニクス大気監視サービスによれば、この煙は、今週末、ヨーロッパにも届くと予想される。この壮観なイメージは、9月16日に、ヨーロッパ宇宙機関のコペルニクス・センチネル3号ミッションによって捕えられた。米国西海岸で燃えている煙が東に動くのを見ることができる。一方、東海岸では、陸地に接近するハリケーン・サリーが見える。

<出典>: 「センチネル3号(Sentinel-3)」

<大判>: 大判はイメージをクリック。 

<ひとこと>: 上記は記事の一部です。右下のイメージは火災の地域です。動画 (.gif) はイメージをクリック。この記事の野火に関連するイメージには、このほかに、 西海岸からの一酸化炭素(重要)オレゴンの野火(9月9日) があります。

コメント

9月20日:  メディケーン・イアノス

2020年09月20日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

ヨーロッパ宇宙機関のコペルニクス・センチネル3号ミッションは、中央ヨーロッパ夏時間9月17日10時48分に、イオニア海を横断してギリシャに接近する、地中海のハリケーン、メディケーン(Medicane)のこのイメージを捕えた。メディケーン・イアノス(Ianos)は、今日(18日)ギリシャに上陸し、ハリケーンの風力と豪雨をもたらすと予想される。メディケーンは形態の点でハリケーンや台風と似ているが、より冷たい海で発生することができる。ハリケーンは東から西に動くが、メディケーンは西から東へ動く。センチネル3号は、ヨーロッパのコペルニクス環境監視計画のために中継とデータを提供する二つの衛星ミッションである。

<出典>: 「センチネル3号(Sentinel-3)」

<大判>: 大判はイメージをクリック。 

<ひとこと>: 台風やハリケーンは良く知られていますが、ヨーロッパのメディケーンはあまり知られていませんね。

コメント

9月19日:  カリフォルニアのサンディエゴ湾

2020年09月19日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

米国とメキシコの国境の僅か数マイル北の、カリフォルニアのサンディエゴ市とサンディエゴ湾。この写真がとられたとき、国際宇宙ステーションは太平洋上の沖合にいた。

<出典>:  「宇宙ステーション(Space Station)」

<大判>: 大判はイメージをクリック。 

<ひとこと>: 左方向が北。サンディエゴ湾は米国の重要な軍港でもあり、湾内に多数の軍艦が停泊している。

コメント

9月18日: NASAのイメージ、米国を横断する火災とハリケーンを示す

2020年09月18日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

NASAのアクア衛星は、2020年9月15日に、西の火災、国中に漂う火災からの煙、異なる方向から集まるいくつかのハリケーン、陸地に接近するハリケーン・サリーの、この真の色の米国のイメージを捕えた。西の赤い点は周辺のエリアより温度が高く、火災を示すのであろうエリアである。加えて、東と西に、四つのハリケーンと熱帯性低気圧が捕えられている。左手には、バハ・カリフォルニアから離れて動くカリーナがある。イメージの中央に見られるハリケーン・サリーは、夜を通してメキシコ湾岸で陸地接近し、後に破滅的な氾濫をもたらした。ハリケーン・ポーレットは、時速74マイルの風とともにバミューダ近くの東海岸にあるが上陸の恐れはない。右下角のハリケーン・テディはリーワード諸島の東にあり、時速74マイルの風が続き西北西に進んでいる。衛星イメージは毎日複数の衛星から複数回送られてくるが、一つのイメージにこれほど多くの危険のイメージを捕えるのは非常に珍しい。

<出典>: 「今日のイメージ(Image of the Day)」
 
<大判>: 大判はイメージをクリック。 

コメント

9月17日: ソーラーサイクル25が始まる

2020年09月17日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

NASA と NOAA(米国海洋大気圏局)の共同スポンサーによる、ソーラーサイクル25予測パネルの専門家達の国際的なグループは、新しい太陽活動周期の始まりが2019年12月に始まったと発表した。我々の太陽は大きく変化するので、この出来事の宣言は事実上数ヵ月後になる。科学者達は、太陽活動周期の進捗を追うために太陽黒点を使っている。

<出典>: 「宇宙気象(Space Weather)」

<大判>: 大判はイメージをクリック。 

<ひとこと>: 太陽黒点に代表される太陽活動は、11年ごとにその活動の盛衰を現します。この何年かは穏やかな時期に入っていました。日本を含む国際的な専門家達のグループの検討の結果、昨年12月に活動期に転じたことを発表しました。この記事は日本語で読むこともできます。国立天文台の 「太陽活動第25周期の開始を告げる極小は2019年12月」 から。

コメント

9月15日:  火星の明暗

2020年09月16日 18時00分00秒 | 天文・宇宙

この火星の地表の高解像度クローズアップの中で深い影が光と闇の間の劇的なコントラストをつくっている。2014年1月24日に火星偵察軌道船(MRO:Mars Reconnaissance Orbiter)の HiRISE カメラで記録されたこの場面は、約 1.5 キロメートルに及んでいる。このカメラは、赤い惑星の250キロメートル上から、南の高地のクレータの砂丘フィールドを見下ろしている。太陽がこの地域の地平線上約5度にあったときにとられ、砂丘の頂上のみが強い日光で捕らえられている。長い寒い冬が南半球に訪れ、季節の霜の明るい隆起が火星の砂丘に沿って並んでいる。赤い惑星で最も古い運用中の宇宙船の一つ火星偵察軌道船は、8月12日に、惑星地球からの打上の15回目の記念日を祝った。

<出典>: 「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」

<大判>: 大判はイメージをクリック。 

コメント