天文・宇宙探査ニュース:画像を中心とした「新しい宇宙探査情報」のページです。

NASA、ESAを始め主に外国の宇宙探査情報を
ハッブルから宇宙ステーションまで、幅広く、毎日
提供しています。

11月30日: インテグラルの2002~2017年の軌道

2017年11月30日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

ヨーロッパ宇宙機関のインテグラル宇宙天文台は、絶えず変化する強力かつ激しい宇宙を、ガンマ線、X線、可視光線で観測して、15年間地球を周ってきた。超新星爆発、怪物ブラックホール、最近の重力波に関係するガンマ線をも調査して、インテグラルは、我々の高エネルギーの宇宙への理解を広げ続けている。このイメージは、2002年10月17日の打上から今年の10月までの宇宙船の軌道を視覚化している。インテグラルは非常に変わった軌道で旅している。これまで、軌道平面を持つように遠点・近点を変化させてきた。軌道は、近点で2011年10月25日に地球から 2,756 キロメートル、遠点で2日後に 159,967 キロメートルにまで及んだ。この種の軌道は、この衛星の殊の外敏感な測定を妨げる地球周辺の放射帯から、ほぼ一定の背景を持つ長期間の連続的な観測を提供する。2015年に、宇宙船のオペレータは、機関のガイドラインに沿って宇宙ゴミを最小にするために、2029年に最終的に大気へ入るように、慎重に四つの推進装置の点火を行った。。この軌道の変化は、左の広い間隔の軌道イメージに白で示されている。

<出典>: 「Space in Images;ヨーロッパ宇宙機関」

<大判>: イメージをクリック

コメント

11月29日: NGC 4993:重力波源を見る

2017年11月29日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

赤い点 -- それは以前にはそこにはなかった。それは銀河 NGC 4993 の中央左上の点であるが、見ることができるだろうか? 8月の先例のない重力波の出来事、 GW170817 のために可視光線対応で可能性のある場所の大きなフィールドに目を通すとき、この急速に薄れ行く点の外見は歴史上重要になった。それは GW170817 の正確な位置を指し、それ故に主な望遠鏡が、二つの中性子星が併合した後に起きた元素形成爆発、短いガンマ線爆発のキロ新星である強い証拠を与える出来事、人類初めての重力波の出来事の電磁波対応を調べることを可能にした。ハッブルによるレンズ状の銀河 NGC 4993 のこのイメージは、発見された数日後の薄れゆく点を示している。重い元素が何をつくったか、重力の放射と光の速度の類似性、我々の宇宙の距離の尺度を定義するための新しい方法を調整することなど、爆発の物理を含めた分析が続いている。

<出典>: 「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」

<大判>: イメージをクリック

<ひとこと>: 中性子星の衝突に伴う重力波の検出については「ホームページ」の 特集「中性子星衝突による重力波初めて検出(10月19日)」を参照。

コメント

11月28日: 木星の大きな嵐

2017年11月28日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

木星の北半球の大規模な激しい嵐のこのカラーイメージは、NASAのジュノ宇宙船による木星への9回目のフライバイの間に捕えられた。このイメージは西海岸夏時間10月24日午前10時32分(日本時間25日午前2時32分)にとられた。この時、宇宙船は緯度 41.84 度の木星の雲のトップから約 10,108 キロメートルにあった。このイメージの空間スケールは 6.7 キロメートル/ピクセルである。嵐は広範囲にわたる雲の高度で反時計回りに回転している。大気において、この暗い雲は最も明るい雲より深いと予想される。この嵐の明るい腕のいくつかの中に小さな雲と雲の塊を見ることができ、そのあるものは写真の右に影を投げている(日光は左から来ている)。この明るい雲とそれらの影は、二つとも幅と長さで約7~12キロメートルである。これらはジュノが検出した他の明るい領域における小さな雲と似ているように見え、恐らく水の氷と混合したアンモニアの氷の結晶の上昇気流であると想定される。このイメージは二人の市民科学者達によって JunoCam 画像装置からのデータを使って処理された。

<出典>: 「ジュノ(Juno)」

<大判>: イメージをクリック

コメント

11月27日: 溝がある原始惑星系円盤

2017年11月27日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

すばる望遠鏡による戦略的惑星・円盤探査プロジェクトSEEDSの一環で観測された PDS 70 星に付随する原始惑星系円盤の近赤外線画像です。中心に明るい恒星があり、円盤を際立たせるためにマスク処理をしています。原始惑星系円盤は惑星が生まれる現場で PDS 70 星は年齢が1000万年以下の若い天体です。マスクの周囲の暗い色は、赤外線の強度が弱くなっていることを示し、円盤に溝構造があることを示唆しています。惑星が誕生し、円盤内の物質を弾き飛ばした結果なのかもしれません。 PDS 70 星の溝構造が発表されたのは2012年でした。当初、複数の惑星が溝構造を作ったものだと考えており、その惑星が発見される日は遠くないと思われました。なぜなら、溝の幅はおよそ70天文単位と巨大で、観測しやすいと考えていたからです(海王星の軌道半径は30天文単位です)。すばる望遠鏡の観測では、残念ながら惑星は発見できず、木星くらいの質量よりも軽い惑星があるはずだという上限値が得られたのみでした。その後世界の観測装置の性能が格段に上がりましたが PDS 70 星に惑星が発見されたという報告はありません。すばる望遠鏡でも惑星探査のための新装置が稼働し始めています。

<出典>: 「国立天文台:今週の一枚」

<大判>: イメージをクリック

コメント

11月26日: アルプス山脈の上の二つのソユーズ

2017年11月26日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

国際宇宙ステーションからとられたこのイメージで、2機のロシアの宇宙船がアルプス山脈の上のドライブを楽しんでいる。左は7月に国際宇宙ステーションに着いたクルー船ソユーズ MS-05 であり、右は10月中旬にドッキングしたロシアの貨物船プログレス68号である。二つの宇宙船は一週間離れて12月に切り離され、プログレスは大気再突入で燃え尽き、ソユーズは帰還する3名を乗せてカザフスタンの草原に着陸するだろう。

<出典>: 「Space in Images;ヨーロッパ宇宙機関」

<大判>: イメージをクリック

コメント

11月25日: 宇宙の庭を整備する・・・

2017年11月25日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

宇宙で植物を植えたら成長するだろうか? 少なくとも特定の種類の植物については答えはイエスである。この植物育成システム(Veggie)は2013年に初めて配備され、国際宇宙ステーションに搭載された、新鮮な食物の、口に合う、栄養価の高い、安全な源をクルーに提供するための、サラダ・タイプの収穫をつくり出すことができる。この装置は照明と栄養を届けるが、温度調節のために、また、二酸化炭素の源として成長を促進するために、キャビンの環境(注:居住のための温度調節とクルーの吐き出す二酸化炭素)を利用している。赤レタスのこのイメージは、コロンブス・モジュール(注:ヨーロッパ宇宙機関)の野菜03実験として、遠征53クルーによってとられた。

<出典>: 「宇宙ステーション調査(Space Station Research)」

<大判>: イメージをクリック

<ひとこと>: 無重力の世界で植物の根はどちらに向かうのだろう? 満足に育つのだろうか? 宇宙ステーションにおける初期の疑問は一部クリアされた。しかしその理由が明らかになったわけではない。

コメント

11月24日: これまでに見たことのない星間小惑星「オウムアムア」

2017年11月24日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

昨日に続いて系外小惑星の記事です。天文学会では大きな関心を呼んでいることを知っていただくために別の記事を載せました。

多くが現代のコンピュータ制御の空の監視によって与えられたものであるが、珍しい宇宙の岩オウムアムア('Oumuamua) は、これまでに検出された初めての太陽系外小惑星であり興味深い。この星間の訪問客をより良く理解するために多くの望遠鏡が観測予定に入れた。描かれているのは、クローズアップで見たときの、オウムアムアのアーティストのイラストレーションである。オウムアムアは、また、SF著作者アーサー C. クラークによる有名な虚構の星間宇宙船、ラーマ(Rama)との予想外の類似を持っているので興味深い。オウムアムアはラーマのように異常に引き延ばされ、太陽に近づいたときの重力による破壊を避けるために強い素材でできている。しかしながら、訪問する宇宙船とは異なり、オウムアムアは、経路、速度、色、検出の可能性さえ一定である。それは、何百万年も前に一般的な星の周りに自然に形成され、通常の惑星の重力に遭遇した後に、我々の銀河系を単独で周っている。 オウムアムアは多分伝統的な起源を与えられているが、人類は、何時か、我々自身の星間への、或いは他の太陽系への侵入者としての、ラーマの技術を持つだろう。

<出典>: 「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」

<大判>: イメージはヨーロッパ宇宙機関からです。大判はイメージをクリック

コメント

11月23日: 初めての星間小惑星、科学者達をわかせる

2017年11月23日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

科学者達は、我々の太陽系を通過する初めての星間の小惑星を検出し驚き喜んだ。追加の観測は多くのことをもたらした。このオブジェクトはやや赤みがかった葉巻の形をしている。発見者によってオウムアムア('Oumuamua)と名付けられたこの小惑星は、長さ400メートル以下、幅その10分の一で、長く引き伸ばされた形である。 発見後直ちに、チリのヨーロッパ南天文台の大型望遠鏡VLTを含む世界中の望遠鏡と他の天文台がそのオブジェクトの軌道、明るさ、色の測定を求められた。他の大きな望遠鏡のデータと四つの異なるフィルタを使ったヨーロッパ南天文台望遠鏡のFORS装置からのイメージを結合して、ハワイの天文学者達は、オウムアムアが、その軸を 7.3 時間ごとに回転させ明るさで10倍変えることを発見した。我々の太陽系からの既知の小惑星または彗星は明るさでこれほど大きく変化しない。(以下略)

<出典>: 「小惑星(Asteroid)」

<大判>: イメージをクリック

<ひとこと>: イメージはアーティストの想像図です。この発見は「ホームページ」の「アストロサイエンス(10月28日)」 、このコーナーの 11月6日の記事を参考にしてください。英語解説ビデオは こちら(Youtube) から。

コメント

11月22日: NGC 2261:ハッブルの変光星雲

2017年11月22日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

ここに描かれている変わった星雲は数週間でその注目すべき外見を変える。200年以上前に発見され、その後 NGC 2261 としてカタログ化されたこの注目に値する星雲は、前世紀終盤にそれを調査したエドウィン・ハッブルによって名付けられた。この特集のイメージはハッブルの同名の望遠鏡によってとられた。ハッブルの変光星雲は、星いっかくじゅう座R から扇形に広がるガスと細かなダストで構成される反射星雲である。このかすかな星雲は差渡し約1光年、いっかくじゅう座の約 2500 光年に横たわっている。ハッブルの変光星雲の主な変光の説明には、不透明なダストの密度の濃い塊がいっかくじゅう座Rの近くを通過し、残りの星雲に見られる反射するダストの上に動く影を投げ掛けているというものである。

<出典>: 「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」

<大判>: イメージをクリック

コメント

11月21日: ハッブルのメシェ5

2017年11月21日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

「天秤座とヘビ座の間に発見される美しい星雲は・・・」の記述で始まるこの星雲は、18世紀の天文学者チャールス・メシエの有名な星雲と星の集団のカタログの5番目のエントリーである。メシェでは不鮮明で、丸く、星達がないように見えるが、 メシェ5(M5)は、今では、重力によって結ばれ直径約165光年の領域に詰め込まれた、 100,000 以上の星達の球状星団であることが知られている。それは約 25,000 光年に横たわっている。我々の銀河のハローを歩き回るこの球状星団は、ミルキーウェイの古いメンバーである。 M5 は最も古い球状星団の一つであり、その星達は約130億年であると推定される。この美しい星の集団は地上の望遠鏡にとっては一般的なターゲットである。もちろん、1990年4月25日に低地球軌道に配置されたハッブル宇宙望遠鏡もまた M5 の中央領域の約20光年に及ぶ衝撃的なクローズアップの視界を捕えた。

<出典>: 「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」

<大判>: イメージをクリック。ただし、ファイルサイズが大きい(6.31MB)ので表示には少々時間が掛かります。

コメント

11月20日: 彗星マックホルツ、太陽に接近する(動画)

2017年11月20日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

彗星マックホルツは何故炭素を含む化学物質を消耗しているのだろう? 彗星 96P/マックホルツが有名なのは、5年ごとに、他の全ての短期の彗星よりも、水星の半分ほどまで太陽に近づくことに由来している。NASAの太陽を監視しているSOHO宇宙船は、この変わった彗星を理解するために、太陽への最新の接近の10月に彗星を追跡した。この合成写真は、太陽を通り過ぎた尾の強められた彗星を示している。太陽自体の明るい表面は暗い覆いで隠されているが、太陽から広がったコロナの一部が見えている。近隣の星が背景に点在している。ひとつの仮説は太陽への接近が彗星マックホルツが炭素を放棄する原因とし、他の仮説は、この彗星が、恐らく他の星のシステムさえも含む、遠くでこの組成で形成されたとしている。

<出典>: 「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」

<動画>: 動画はイメージをクリック(.mp4)。但し、ファイルサイズが大きいので表示には時間がかかります。大きなイメージは上のリンクからご覧ください。

コメント

11月19日: 不気味なオーロラ

2017年11月19日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

ヨーロッパ宇宙機関宇宙飛行士ティム・ピークは、2015年12月からの彼の6ヶ月の Principia ミッションの間に、国際宇宙ステーションからこのイメージをとった。彼はコメントした。「国際宇宙ステーションはオーロラの濃い緑の霧を通して真っ直ぐに通過している。不思議だが非常に美しい。」

<出典>: 「Space in Images;ヨーロッパ宇宙機関」

<大判>: イメージをクリック

コメント

11月18日: 宇宙ステーションへ日の出のフライト

2017年11月18日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

そのシンバルに似た超柔軟なソーラーアレイを持つオービタルATKのシグナス補給船が、2017年11月14日に、二つの宇宙船が日の出の軌道を飛ぶ中で国際宇宙ステーションのロボットアーム Canadarm2 に接近する。この貨物船は、約 3, 300 キログラムの、クルー補充用品、科学機器、船外活動装備、ステーションのハードウェアとコンピュータ部品を運んだ。新しい研究は、宇宙飛行士達の抗生物質の効果を調査し、微重力状態で植物がどのように栄養分を吸収するかを観測するだろう。その他の実験機器として、レーザー通信とハイブリッド太陽電池板を調査するためにキューブ衛星を配備するだろう。

<出典>: 「遠征53(Expedition 53)」

<大判>: イメージをクリック

コメント

11月17日: ビティレブ、フィジー

2017年11月17日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

ヨーロッパ宇宙機関のコペルニクス・センチネル2B衛星は、2017年9月28日に、我々を南太平洋のフィジー共和国に連れて行った。水に斑に描かれた珊瑚礁とともに、フィジー最大の島ビティ・レブ(Viti Levu)の一部がここに描かれている。火山活動と地震によって形づくられた島の中心は森と山々の視界によって支配されている。イメージの中央右にある最も高いピーク Tomanivi 山は 1320m を超える。この島は約15センチまで成長するカブトムシのホームであることで知られている。300以上の島で構成されるフィジーの島々の低い沿岸地域は海面上昇の危険にさらされている。これらの衛星は海面上昇を測る特別な機器を運んでいる。別の機器は異なる気象の変化を測定することができ、温室効果ガスから溶ける氷河まで、地球の状態の広域な視界を提供することができる。フィジー共和国は今週(11/10)開かれた今年の COP 23 の主催国であった。

<出典>: 「Space in Images;ヨーロッパ宇宙機関」

<大判>: イメージをクリック

<ひとこと>: 現在、ドイツのボンでCOPの国際会議が開かれています。アメリカ国内では、COP脱退を目指すトランプ大統領に対して公然と反対する政治家、企業経営者等著名人の活動が活発になっています。

コメント

11月16日: マリウス・ヒルズと月の穴

2017年11月16日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

人間は月の地下で生きられる? 日本の月軌道船セレーネが、月のマリウス・ヒルズ地方の下に、恐らく地下の溶岩チューブの天窓である奇妙な穴を撮った2009年に、この興味深い可能性は強められた。NASAの月偵察軌道船(LRO)による続く観測は、マリウス・ヒルズの穴(MHH)がほぼ100メートル下まで伸び、幅数百メートルであることを示した。最近、セレーネからの地面を貫くレーダー・データが再分析された。その指標によれば、数キロメートル下にも伸び、マリウス・ヒルズの下に広い溶岩チューブが存在し、住宅都市には十分な大きさかもしれない。このようなチューブは、大きな温度変化、微流星の衝突、有害な太陽輻射などからの、将来の月植民地のシェルターになるかも知れない。場合によっては、地下の溶岩チューブは呼吸できる空気を保持するために封印されるかもしれない。これらの溶岩チューブは、恐らく、月の火山が活動的であった数10億年以前にできた。描かれたマリウス・ヒルズ領域の地表は、1960年代にNASAの月周回衛星2ミッションによってとられ、 MHH の差込みのイメージ(左下)はNASAの月偵察軌道船から示された。いくつかの火山のドームが見え、マリウス・クレータが右上に見える。

<出典>: 「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」

<大判>: イメージをクリック

コメント