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12月31日:重力の笑顔/年始掲載のお知らせ

2015年12月31日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

100年前の12月に発表されたアルバートアインシュタインの一般相対性理論は重力レンズの現象を予測した。それは、チャンドラとハッブル宇宙望遠鏡がX線と可視光線を通して見たこれらの遠い銀河達の画像データに、このような気まぐれな外見を与えている。チェシア猫銀河グループと名付けられた、これらのグループの二つの大きな楕円銀河は、弧によって示唆的にフレーム付されている。この複数の弧は、暗黒物質によって支配された手前のグループの重力の総量の分布によるレンズ効果で表された、遠い背景の銀河達の可視光線イメージである。実際に、二つの大きな楕円の「目」の銀河は、銀河グループで最も明るい併合するメンバーを表している。それらの約 1,350 キロメートル/秒の相対的な衝突の速度はガスを何百万度までも熱し、紫の色で示すX線の輝きをつくり出している。このチェシア猫グループは、おおくま座の約46億光年で笑顔を見せている。

<参考>: チェシア猫(Cheshire Cat) ---  『不思議の国のアリス』(1865;ルイス・キャロル)の架空の猫。常ににやにや笑いを浮かべ、人の言葉を話し、自分の身体を自由に消したり現したりできる。

<出典>: 「今日の天文写真」

<デスクトップイメージ>: こちら(1600×900) から。 

<年始掲載のお知らせ>: 1月は5日までお休みをいただき、6日から再開します。

---  一年間のご愛読ありがとうございました。良いお年をお迎えください。  ---

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12月30日:ケンタウルスA

2015年12月30日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

惑星地球に最も近い活動的銀河は、僅か 1,100 万光年にあるケンタウルスA(Centaurus A)である。幅 60,000 光年以上のこの独特な楕円銀河は NGC 5128 としても知られている。二つの当たり前の銀河達の衝突で創り出されたケンタウルスAの、若く青い星達の集団の美しい塊、ピンクの星形成領域、印象的な暗いダストレーンなどが注目に値する詳細でここに見られる。このカラフルな銀河のポートレートは、大小の宇宙と地上ベースの望遠鏡からの画像データの合成である。銀河の中央近くには太陽質量の10億倍の中央のブラックホールがある。他の活動的な銀河達のように、そのプロセスでは、ケンタウルスAによって放出された、電波、X線、ガンマ線エネルギーがつくり出された。

<出典>: 「今日の天文写真」

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12月29日: Arp 87 :ハッブルからの併合する銀河達

2015年12月29日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

このダンスは死に向かっている。これらの二つの大規模な銀河達は、その途上で争い、現在、星、ガス、ダストの宇宙の橋が 75,000 光年以上に伸びてそれらに加わっている。この橋自体が、これらの二つの巨大な星のシステムが互いの近くを通過し、相互の重力によって誘導される激しい潮流を経験している強い証拠である。更なる証拠として NGC 3808A と呼ばれる右側のフェースオン渦巻銀河は、星の構成の爆発でつくり出された多くの若く青い星の集団を示している。左の NGC 3808B の捩じられたエッジ・オンの渦巻は、銀河達に橋を架け奇妙な極のリングで囲まれた素材で包まれているように見える。このシステムはともに Arp 87 として知られ、技術的には独特な形態に分類されている。

<参考>: フェースオン(Face on) --- 円盤を上から見た形(右の銀河)
        エッジオン(Edge on)  --- 円盤を横から見た形(左の銀河)

<出典>: 「今日の天文写真」

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12月28日:環状星雲を包む微かなハロー 惑星状星雲 M57

2015年12月28日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

 Suprime-Cam(シュプリーム・カム)で撮られた惑星状星雲M57の画像です。右の写真で見られるように、リング状の形状から「Ring Nebula」「環状星雲」という名前で知られているM57ですが、すばる望遠鏡で観測すると、明るいリングの外側にさらに二重三重にM57を取り囲む淡いガス雲が存在していることがわかってきました(写真左)。筆者の記憶に初出するM57はシュミットカメラの写真乾板に写ったM57でした。広い視野の中にポツンと写る小さなリングの姿を見て 「メシエ天体といえどもこんなものなのか」と思ったものですが、立ちあげ期のすばる望遠鏡で撮られたM57の画像に複雑で微細な構造が隠されていたことを知ったときは大きな衝撃を受けました。8メートル級望遠鏡の威力を痛感させられた天体です。

<出典>: 「国立天文台、今週の一枚(すばる望遠鏡)」

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12月27日:船外活動中の宇宙飛行士

2015年12月27日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

2015年12月21日月曜日のロシアの貨物船の打上と、12月23日水曜日のドッキングとの僅かな間に行われた緊急の船外活動で、遠征46指揮官スコット・ケリーとティム・コプラは、国際宇宙ステーションの移動運搬車の移設の際に生じたトラブルを解消させる緊急の船外活動を成功させた。船外活動の基本的な目的を素早く完成した後に、ケリーとコプラは、いくつかの先行する新しい作業に取り組んだ。この3時間16分の船外活動は、ケリーにとって3回目(全て今回の飛行で行われた)、12月15日に到着したばかりのコプラにとっては2回目であった。

<出典>: 「遠征46」

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<参考>: 2015年12月22日、日本は国際宇宙ステーション運用計画への参加を2024年まで延長することに決めました。 「アストロトピックス」 参照(表示位置がアジャストされるまでほんの少しお待ちください)。

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12月26日:クリスマス冥王星

2015年12月26日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

赤と緑で飾られた冥王星が休暇に入る。このイメージは、7月14日午前9時40分ごろに得られた平均距離 108,000キロメートルからの、二つの Ralph/LEISA 装置のスキャンを使ってつくられた。解像度は LEISA ピクセルで約7キロメートルである。この疑似カラークリスマスポートレイトを作成するために、三つの赤外線波長(2.28-2.23、1.25-1.30、1.64-1.73 ミクロン)が、三つカラーチャンネル(赤、緑、青)に設定された。

<出典>: 「今日のイメージ(Image of the day)」

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<お断り>: これは昨日12月25日に「今日のイメージ」に掲載された記事です。

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12月25日:フォボス:火星の運命の月

2015年12月25日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

ローマ神話の戦いの神に因んで Mars と名付けられた赤い惑星火星は、恐怖とパニックを表現するギリシアの言葉、フォボス(Phobos)とデイモス(Deimos)の二つの小さな月を持っている。これらの火星の月は、火星と木星の間のメイン小惑星帯からまたは太陽系の更に遠い領域に起源を持つ、捕えられた小惑星かもしれないと考えられている。ピクセル当たり約7メートルの解像度で記録されたこの大きな月フォボスには多くのクレータが見られる。フォボスは、我々の月の地球から40万キロメートルと比較して、火星から約 5,800 キロメートルの、非常に近くを周っている。長い溝に関する最近の分析は、火星の重力のフォボスの異なる側への異なる力、潮力に起因する広域な引き伸ばしによって生じたのかもしれないことを示唆している。これらの溝は、フォボスの崩壊の初期のフェーズであり、将来、火星周辺の破片のリングに結びつくのかもしれない。

<出典>: 「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」

<大判>: イメージをクリック

 <重要>: 火星探査衛星は地球と火星が接近する2年ごとに打上られています。次回は2016年3月打上の地震調査・測地・熱移動内部探査ミッション InSight の予定でしたが、NASAは、12月22日に、この打上の中止を発表しました。 --- 「アストロトピックス(12月24日)」 を参照。日付の位置を表示しますので接続後少しお待ちください。 --- このことは、次回2018年まで新しい火星探査衛星の打ち上げがないことを意味しています。NASAの今後の火星探査計画には大きな変更が予想され改めて発表される予定です。なお、これまでの火星探査の歴史は こちら を参照。

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12月24日:ケレスの最も明るい場所

2015年12月24日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

矮惑星ケレスは、直径約950キロメートルの、太陽系の主小惑星帯で最も大きなオブジェクトである。3月からケレスを探査しているドーン(Dawn)宇宙船のカメラは、この小さな世界の暗い表面にまき散らされたインパクトクレータに関連する、約130ほどの不可解な明るい場所を明らかにした。最も明るいものは、近赤外線・可視光線イメージデータを結合したこの劇的な疑似カラーの視界に見られるように幅90キロメートルのオッカトル(Occator)クレータの中央近くにある。ある調査は、今、この明るい場所の反射光の特性が、恐らく、ヘキサハイドレート(hexahydrate:六水化物)と呼ばれる一種の硫酸マグネシウムと最も一致していることを発見した。報告された内部の霞は、また、塩と水の氷の混合が地表から昇華して、塩分を含んだ素材が残されたのかもしれないことを示唆している。ケレスの多くの広く散らばった明るい場所は、インパクトが素材を露出させたときの、氷と塩の混合物の地下の殻の存在を示すのかもしれない。ドーンは、12月中旬に、最も接近したケレスマッピング軌道からの観測をとり始めるだろう。

<注>: ドーン宇宙船のケレスに最も近い軌道からのイメージが昨日発表されました。 「アストロサイエンス」 から。

<出典>: 「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」

<大判>: イメージをクリック

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1月23日:お知らせ/45メートル電波望遠鏡の表面の雪落とし

2015年12月23日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

お知らせ: 今日12月23日水曜日、プログレス62号が国際宇宙ステーションにドッキングします。今年の国際宇宙ステーションでの大きなイベントはこれが最後です。テレビ中継は日本時間午後7時から。視聴は 「天文ニュース」  「トップニュース」 から。

45メートル電波望遠鏡の表面の雪落とし:
冬の野辺山宇宙電波観測所の風物詩のワンシーンを撮影したものです。冬は45メートル電波望遠鏡の観測シーズンですが、雪が降ってくると観測は一時中断し、雪がなるべく鏡面につかないような方向にアンテナを向けます。ついてしまった雪は昼間に太陽の方向に向けて融かすのですが、真冬の最高気温が0度にならない野辺山では思うように融けないことがよくあります。特に、湿り気の多い雪ならなおさらです。そういった場合は、写真のように鏡面の雪かきをすることになるのです。

<出典>: 国立天文台(今週の一枚)

<大判>: 上のリンクから

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12月22日:遠征45、夜間の帰還(3)

2015年12月22日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

油井亀美也達、遠征45(Expedition 45)帰還の写真(flickr から)。特に解説はない。
この帰還では初めて夜間が選ばれた。暗闇による確認の難しさと風による着陸位置の移動によって、救出隊の到着は従来よりかなり遅れ、また、撮られたイメージやビデオも少ない。加えて、雪の原での長時間の滞在は難しかったのであろう。これまでは着後しばらく3名が並んで休息する姿が見られたが、今回は早々に車に運ばれた。

写真は車に運び込まれる油井亀美也

<出典>: Expedition 45 (Landing only) ; (flickr)

<大判>: 上のリンクから

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12月21日:お知らせ/遠征45夜間の帰還(2)

2015年12月21日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

お知らせ: 国際宇宙ステーションの緊急の船外活動は、月曜日の国際宇宙ステーション貨物船プログレスの打上と水曜日の国際宇宙ステーションへの到着の合間をぬって、今夜月曜日の夜実行されることになりました。これらすべてのイベントはNASAテレビで中継放送されます。詳細は 「天文ニュース」  「トップニュース」 から。

遠征45、夜間の帰還:
この帰還では初めて夜間が選ばれた。暗闇による確認の難しさと風による着陸位置の移動によって、救出隊の到着は従来よりかなり遅れ、また、撮られたイメージやビデオも少ない。加えて、雪の原での長時間の滞在は難しかったのであろう。これまでは着後しばらく3名が並んで休息する姿が見られたが、今回は早々に車に押し込まれた。

<右図>: クルーが救出された後の焼け焦げたソユーズクルー船。

<出典>:  Expedition 45 (Landing only) ; (flickr)

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12月20日:地球の完全な視界

2015年12月20日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

1972年12月7日、月に旅していたアポロ17号クルーは我々のホームの惑星のこの息をのむような視界を捕えた。宇宙飛行士達が南極の氷冠を撮ることができたのはこれが初めてであった。アラブ半島に加えてアフリカのほぼ全ての海岸線が明瞭に見える。

<出典>: 「今日のイメージ(Image of the day)」

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 国際宇宙ステーションの軌道運搬車(横に長く伸びたトラスに沿って動く運搬車;地上から遠隔操作することができる)が動かなくなり、緊急の船外活動が検討されています。詳細は 「天文ニュース」 「トップニュース」から。

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12月19日:遠征46ソユーズ、宇宙ステーションとドッキングするため接近

2015年12月19日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

2015年12月15日、ロシアの宇宙飛行士ユーリ・マレンチェンコは、国際宇宙ステーションのラスベットモジュールへの最初の自動接続に失敗した後、ソユーズ TMA-19M 宇宙船を手動でドッキングさせた。

一旦ソユーズをステーションから後退させた後、マレンチェンコは、手動でドッキングさせるために複合体に再び近づけた。宇宙ステーションとの両側からのドッキングインターフェースのリークチェックが行われた後ハッチが開かれ、新任のマレンチェンコ、コプラ、ピークの3名は、先着の遠征46の3名によって迎えられた。

<参考>: ドッキングしているオービタル社のシグナス貨物船の太陽電池パネルが右側に見える。左図はドッキングしたときのシグナス。太陽電池パネルは一般的には板状のものが多いが、シグナスのパネルは傘型をしており、船体の左右に一つづつ付いている。

<出典>: 「今日のイメージ(Image of the day)」

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12月18日:遠征45、夜の帰還

2015年12月18日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

油井亀美也達、遠征45(Expedition 45)帰還の写真(flickr から)。特に解説はない。この帰還では初めて夜間が選ばれた。暗闇による確認の難しさと風による着陸位置の移動によって、救出隊の到着はこれまでよりかなり遅れ、また、撮られたイメージやビデオも少ない。加えて、雪の原での長時間の滞在は難しかったのであろう。これまでは着後しばらく3名が並んで休息する姿が見られたが、今回は早々に車に押し込まれた。

<参考>: 中央の柱状の照明は特別に用意された灯。 他は自動車からのライト。

<出典>: Expedition 45 (Landing only) --- flickr NASA

<その他の写真>:  上のリンクから。油井亀美也の写真を含む27枚の写真が掲載されています。

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12月17日:ソユーズ、ステーションにドッキングする

2015年12月17日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

NASAのティム・コプラ、欧州宇宙機関のティム・ピーク、ロシア連邦宇宙局のユーリ・マレンチェンコを運ぶソユーズ TMA-19M 宇宙船は、国際宇宙ステーションに米国東部標準時午後12時24分(日本時間12月16日水曜日午前2時24分)にドッキングした。

<出典>: 「国際宇宙ステーション(Space station)」

<大判>: イメージをクリック

<参考>: 接近からドッキングまでのビデオは こちら(Youtube) から。

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