天文・宇宙探査ニュース:画像を中心とした「新しい宇宙探査情報」のページです。

NASA、ESAを始め主に外国の宇宙探査情報を
ハッブルから宇宙ステーションまで、幅広く、毎日
提供しています。

12月30日: 紫外線の宇宙の花火/お知らせ

2019年12月30日 20時36分40秒 | 天文・宇宙

ハッブルを含む望遠鏡は、20年以上の間イータ・カリーナスターシステムを監視してきた。それは、放出された素材がここに見られる二極のバブルを形成した1840年代のエピソードを含め、激しく爆発する傾向があった。今、紫外線光で星雲を精査するためにハッブルを使う天文学者達は、以前には見なかった場所に、暖かいガス(青)に埋められたマグネシウムの輝きを見つけた。この輝くマグネシウムは、ダストの二極のバブルと、外側の衝撃で熱せられた窒素に富んだフィラメント(赤)の間の宇宙にある。左下の塊の外側の青い領域に見える筋は驚くような形である。これらの筋は、星の光線が、バブルの表面に沿って散らばるダストの塊りを貫くときにつくられる。紫外線光が密度の濃いダストの何処を打とうとも、それは、塊を越えて周囲のガスに広がる長く薄い影を残す。イータ・カリーナは 7500 光年の距離にある。

<出典>: 「今年のイメージ(Year in images (ESA)」

<大判>: イメージをクリック。

<ひとこと>: 大晦日は宇宙の花火とともに迎えよう!

<お知らせ>: 新年は1月2日から1月7日まで休みます。

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12月30日: 銀河のバーを明らかにする/お知らせ

2019年12月30日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

このカラーチャートは、ヨーロッパ宇宙機関のガイアミッションの二回目の発表からのデータを使って、ミルキーウェイにおける1億5千万の星達の分布を、赤外線と可視光線をオレンジ/黄の結合で示している。その分布が我々の銀河の芸術的な図に重ねられている。図に記された星達の大多数は、イメージ下部の大きなオレンジと黄色の塊、太陽の近くにあるが、多くの星達が住む大きな細長い形が銀河の中央に見え、これは銀河におけるバーの初めての幾何学的表示である。

<出典>: 「今年のイメージ:Year in images (ESA)」

<大判>: イメージをクリック。

<ひとこと>: ガイアは我々の銀河の全ての星達の位置・動きなどを初めて正確に測定したヨーロッパ宇宙機関の画期的なミッション。ホームページのトップページの背景を参照。

<お知らせ>: 新年は1月2日から1月7日まで新たな掲載を休みます。

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12月29日: クラレンス海峡、オーストラリア

2019年12月29日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

ヨーロッパ宇宙機関のコペルニクスセンチネル2号ミッションは、オーストラリア北部の狭い海、クラレンス海峡のイメージを撮った。この海峡は、西のビーグル湾と東のヴァン・ディーメン湾とを結び、 ティウィ諸島の一部であるメルヴィル島とオーストラリアの本土 とを切り離している。メルヴィルの最南端がイメージの上部に見える。オーストラリアの北の領域は人口がまばらである。住民は約14万、イメージ中央の灰色のダーウィンが首都であり最大の都市である。この港は英国の進化論者チャールズ・ダーウィンの名をとって名づけられたが、ダーウィン自身はこのエリアを訪問したことがない。土着の文化、芸術、熱帯の夏で、ダーウィンは人気の観光地である。(中略) コペルニクス・センチネル2号は二つの衛星のミッションである。それぞれの衛星は、地球の表面を13のスペクトル帯で撮る高解像度カメラを運んでいる。これらからのデータは陸地の変化の監視に役立てることができる。このイメージは、2019年6月24日にとられた。

<出典>: 「今年のイメージ(Year in images: ESA)」

<大判>: イメージをクリック。ただし、最高解像度は下記から。

<ひとこと>: 宇宙から見た近年の一つの最高解像度のイメージ(19808 × 10980 tif、622 MB) 、ここでは異なるファイル形式で取り上げています。ダウンロードには時間が掛かるので注意。

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12月28日: コロナの詳細

2019年12月28日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

このイメージは、皆既食の間のコロナの詳細な構造を示すために、偏光イメージの異なる結合から構成された。イメージは、2019年7月2日に、南アメリカのチリのヨーロッパ南天文台のラ・シラ天文台から日食を観測するヨーロッパ宇宙機関のチームによってとられた。

<出典>: 「今年のイメージ(Year in images (ESA))」

<大判>: イメージをクリック。

<ひとこと>: 2019年の終わりに当たって、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)では、代表的な「今年のイメージ(Year in images)」を掲載しています。ここでは、折にふれ、それらのイメージを可能な限り紹介します。 なお、12月26日に期待された珍しい日食、太陽が欠けたまま日の入りとなる「日入帯食(にちにゅうたいしょく)」が、気象不良によって、恐らく全国的に見られなかったであろうことは惜しまれます。

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12月27日: 厚いダストに隠された新生の星達が明らかになる

2019年12月27日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

NASAのスピッツア望遠鏡からのこのクリスマスツリー集団のイメージの一部に、厚いダストに隠された新生の星達が明らかにされている。この新しく明らかになった幼児の星達はピンクと赤の片として中心の方向に現れ、線形の構造に沿ってまたは雪片のパターンで一定の間隔で構成されている。天文学者達はこれを「雪片集団(Snowflake Cluster)」と名付けた。車輪のスポークのような直線パターンの星達から、科学者達は、これらが新生の星達(または 「原始星達」 )であると考えている。僅か10万年のこれらの幼児は、まだそれらの誕生の場所から「這い出して」いない。それぞれの星の自然な移動の動きは時とともに崩れ、雪片の模様はなくなるだろう。その三角形からクリスマスツリー集団の名を与えられるこれらの可視光線の星達の多くはスピッツアの赤外線の目には明るく輝かないが、このダストの雲から形成された星達の全てが集団の一部であると考えられている。

<出典>: 「スピッツア望遠鏡( Spitzer Telescope )」

<大判>: イメージをクリック。

<ひとこと>: この記事はクリスマス向けに書かれたものです。時差の関係もあり遅れることになりますが、あえて取り上げました。

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12月26日: ハッブル、「綿菓子」惑星を観測/お知らせ

2019年12月26日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

新しい世界は太陽系で発見される天体の何れとも異なっている。地球、火星、金星のような地球型の惑星は密度の濃い鉄のコアと岩のマントルを持ち、木星と土星のような大きな外部惑星は大部分はガスと液体である。天文学者達は、その軌道の動きから計算される惑星の大きさと質量を比較して、それらの組成を推論する。その結果、木星は水の密度を持ち、土星は更に低い密度を持っている。これらのガスの巨人は岩石惑星の地球の 1/5 ほどの密度である。天文学者達は、我々の太陽系に見る何れとも異なる惑星の、完全に新しいクラスを発見した。それらは密度が非常に低く、むしろ「綿菓子(Cotton Candy)」惑星と呼んだ方が良いかも知れない。これらは木星の大きさ近くまで膨らんでいるがその質量は 1/100 である。その三つは太陽のような星ケプラー51を周っており、約 2,600 光年離れた位置にある。これらは惑星の進化の一時的なフェーズを表すのかもしれない。また、これらの惑星は親星から遠くで形成され、内部に移ったのかもしれない。今、それらの低密度の水素/ヘリウムの大気が宇宙に滲み出ている。最終的には、非常に小さな惑星が残されるのかもしれない。

<出典>: 「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope)」

<大判>: イメージをクリック。

<お知らせ>: 
① 今日12月26日日食が起きます。今回の日食は、日本では太陽が欠けたまま日の入りとなる「日入帯食(にちにゅうたいしょく)」という珍しい日食です。但し、全国的に天気には恵まれないようなので、折角の機会も無駄になりそうです。詳細は 国立天文台のページ から。
② 米国、ヨーロッパともクリスマス休暇に入っていますので、しばらく新しい情報は休みです。なお、当サイトでは未掲載の記事も含めて、休まず掲載を続けます。

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12月25日: NASAの歴史:第3回ハッブル保全ミッション

2019年12月25日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

1999年12月19日、スペースシャトル・ディスカバリ(STS-103)は、第3回ハッブル宇宙望遠鏡保全ミッションでケネディ宇宙センタから打上げられた。予定された3回の船外活動で、 STS-103 クルーは、続く予定された10年の天文観測を始める準備として、ハッブルのシステムのいくつかを改良し作動できる状態に戻した。ハッブルはディスカバリの貨物室から12月24日に開放された。ここでは、二人の宇宙飛行士達が、シャトルのペイロードベイで、詳細なガイダンスセンサーを設置している。

<出典>: 「NASAの歴史(NASA History)」

<大判>: イメージをクリック。

<ひとこと>: ハッブルはディスカバリの貨物室(図の下部)に接続され垂直に立っている。ディスカバリのロボットアーム(中央)が機器の交換等の作業を行っている。このミッション後はハッブルの修理は行われていない。なお、この修理後、2003年2月に起きたスペースシャトルコロンビアの事故に伴い、ミッションの往路で起きた宇宙船の事故に対応する術がないことから、一時ハッブルの廃止まで検討された。ハッブル宇宙望遠鏡のミッションは2021年に打上が予定されているジェームスウェブ宇宙望遠鏡に引き継がれる。 ジェームスウェブ宇宙望遠鏡はハッブルを大幅に上回る成果が期待されている。

 

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12月24日: ボーイングのスターライナー宇宙船、ニューメキシコに着陸

2019年12月24日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

ボーイングの CST-100 スターライナー宇宙船が、夜明け前のエアーバッグの上に静かに置かれている。スターライナーは、NASAの商用クルー計画の一部として初めての無人の軌道飛行テストを終え、東部標準時間2019年12月22日日曜日 7:58 a.m. に、将来のクルー船に計画された同じサイトの、ニューメキシコのホワイトサンズ宇宙ポートに着地した。その着陸は、午前7時23分の軌道脱出点火、宇宙船のサービスモジュールの分離、3基のメインパラシュート、六つのエアバッグの展開の成功に続いた。

<出典>: 「商用クルー(Commercial Crew)」

<大判>: イメージにリンクした大判は着陸直後のスターライナー。手前に広げられたパラシュートが見える。

<ひとこと>: 2003年2月、国際宇宙ステーションからの帰路7名の宇宙飛行士の犠牲者を出したスペースシャトルコロンビアの事故以降、NASAは、その計画の大幅な見直しを迫られた。それまでもそのコンセプトに疑念があったスペースシャトル計画は廃止され --- 近年の有人宇宙船は全て耐熱性のカプセル型(円錐形)である --- 、宇宙飛行士の送迎、物資の運搬を含む近地球軌道(例:国際宇宙ステーション)との飛行は民間企業に任せ、NASAは更に遠い宇宙の探査に専念することになった。
その後、近地球軌道の宇宙船開発にボーイング(スターライナー)とスペースX(ドラゴンクルー)が名乗りを上げ、今回のテストに結びついている。ドラゴンクルー船は既に飛行テストを終えているが、NASAでは今回のスターライナーのテスト飛行を非常に重視している。その理由は分らない。
一方、国際宇宙ステーションのクルー(通常滞在期間は6ヵ月)の補充要員の送迎は、ここ何年かはロシアのソユーズを使って年4回3名づつ打ち上げられ、12月遅くのこの時期、既に飛行準備にかかっているのが通例であった。しかし、今のところ、ロシアのソユーズを含めて次期のクルー船飛行計画は全く不明である。これまでもスターライナーのテストは再々延期されていることから、これに起因しているのだろう。今回の無人テストでは着陸には成功したが、打上では予定の軌道に入れずドッキングをあきらめることとなった。これ以上ステーションの飛行士達を長く滞在させることは難しい --- 女性宇宙飛行士の一人の滞在期間は既に一年近くになっている --- ことから、早急な対応を求められるだろう。このことは近い将来指揮官として国際宇宙ステーションに向かう予定の、日本の野口聡一飛行士の計画にもかかわっている。

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12月23日: アポロ17号の月着陸船/お知らせ

2019年12月23日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

無様な角ばった視界アポロ17号の月着陸船チャレンジャーは、宇宙の真空近くのフライトのために設計された。デジタル的に向上させられ再処理された、アポロ17号のコマンドモジュールアメリカからとられたこの写真は、月の軌道のチャレンジャーの上昇ステージを示している。下面の上昇ロケットエンジンのベルとともに、小さなリアクションコントロール推進装置が月ロケットの側面にある。月面にアクセスできるハッチが正面に見られ、上部に丸いレーダーアンテナがある。ミッション指揮官ジェーン・サーナンが、三角形の窓を通してはっきり見える。この宇宙船は、1972年12月に月への優雅な着陸を行い、また、アポロ宇宙飛行士達を軌道を周っているコマンドモジュールに戻した。その降下ステージはトーラスリトローの谷のアポロ17号着陸地点に残っている。この描かれた上昇ステージは、宇宙飛行士達が惑星地球に戻る前に、コマンドモジュールから放棄された後に、近くで故意に粉砕された。アポロ17号のミッションは47年前の12月19日に終わった。それは、宇宙飛行士達が月に着陸した6回目かつ最後であった。

<出典>: 「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」

<大判>: イメージをクリック。

 

<お知らせ>: 試験飛行のため国際宇宙ステーションに向かっていたボーイング CST-100 スターライナー商用クルー船は、予定された軌道には到達できず、ドッキングを断念し、直接着陸を目指すことになりました。宇宙船は日本時間12月22日午後9時58分に米国ニューメキシコに着陸しました。スターライナーは打上とドッキングには失敗ししましたが、着陸テストには成功したことになります。
イメージは着陸後パラシュートを外したスターライナー(左上)、着地後の管制室(右下)。  

 

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12月22日: 明るく照らされたルーマニアの首都ブカレスト/お知らせ

2019年12月22日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

国際宇宙ステーションが東ヨーロッパの421キロメートルを周っていたとき、明るく照らし出された約190万の住民を有するルーマニアの首都ブカレストが描かれる。

<出典>: 「宇宙ステーション(Space Station)」

<大判>: イメージをクリック。

<お知らせ>: 試験飛行の、無人のボーイング CST-100 スターライナー商用クルー船はやや遅れて打上げられましたが、予定された軌道に到達せず、国際宇宙ステーションとのドッキングは不可能となり、地上に戻ることになりました。なお、関連情報は極めて少ないので、詳細は分かり次第掲載します。

<追記>:
   ① 打上の録画は ボーイングの記録(Youtube) から(長時間です)。
   ② 引き返し着陸は22日(日)午後8時45分から中継放送されます。詳細はホームページの 「ウェブNASAテレビ放送予定」から。

   なお、全ての情報の変化を拾うことはできないかも知れません。ご承知おきください。

 

 

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12月21日: 打上を待つスターライナークルー船/お知らせ

2019年12月21日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

ボーイングの新しい CST-100 スターライナークルー船は打上台に搬出され、遠征61クルーはスターライナーの到着に備えて国際宇宙ステーションを準備している。スターライナーは、日本時間金曜日午後8時36分の打上に向けて、アトラスⅤロケットの上に座っている。これはボーイングの無人船の初めての軌道飛行テストになるだろう。この宇宙船は日本時間土曜日午後10時27分にステーションにドッキングするだろう。NASAの宇宙飛行士ジェシカ・メイアとクリスティーナ・コッホは、スターライナーの自動ランデブーとドッキングを監視する土曜日の朝の任務の準備をしている。二人は続いて漏洩チェックを行い、ハッチを開け、一週間のドッキングオペレーションを始めるために宇宙船に入るだろう。スターライナーはクルーへの約600ポンド(270キログラム)の貨物をを届けており、12月28日の切離しの後、サイエンスサンプルを地球に持帰るだろう。

<出典>: 「国際宇宙ステーションブログ(Space Station BLOG)」

<大判>: 写真は後刻追加します。

<お知らせ(追記)>: 12月20日午後8時半、ボーイング CST-100 スターライナー商用クルー船が、国際宇宙ステーションに向けて、初めて“無人で”打上げられました。到着は土曜日午後10時過ぎの予定。中継放送時刻等は 「ウェブNASAテレビ放送予定」 から。

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12月20日: Cheops 打上げられる/お知らせ

2019年12月20日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

ヨーロッパ宇宙機関の Cheops(Characterising Exoplanet Satellite: 特徴を描く太陽系外惑星衛星)が、仏領ギアナのクールーのヨーロッパの宇宙ポートから離陸した。 Cheops は、系外惑星の調査を専門とするヨーロッパ宇宙機関の初めてのミッションであり、星のディスクを横断する惑星の通過に起因する非常に小さな明るさの変化を測定し、惑星を有することが既に知られている明るい星達を観測するだろう。

<出典>: 「科学と探査(Science & Exploration:ESA)」

<ビデオ>: イメージをクリックして1分弱の短い打上ビデオ(Youtube)をご覧ください。

<ひとこと>: 系外惑星探査は、惑星(planet)が星(恒星:star)の前面を横断(transit)するときの、星からの非常に僅かな光の変化(落込み)を捕らえて観測されます。NASAでは2機の探査衛星を通して既に非常に多くの系外惑星を検出していますが、未だ、地球に類似した惑星の発見には至っていません。 Cheops は惑星を探すのではなく、これらのデータを活用して惑星個々の特徴を調べることを主目的にしています。

<お知らせ>: 今日12月20日午後8時半の予定で、国際宇宙ステーションに向けて、ボーイング CST-100 スターライナー商用クルー船が初めて“無人で”打上げられます。これは米国による、地球低宇宙軌道のクルー輸送の民間委託の一環です。到着は土曜日午後10時過ぎの予定。中継放送時刻等は「ホームページ」の 「ウェブNASAテレビ放送予定」 から。

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12月19日: N63A:可視光線とX線の超新星の残骸/お知らせ

2019年12月19日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

僅か 2,000 年前、大マゼラン雲(LMC)の大規模な星の爆発からの光が初めて惑星地球に届いた。大マゼラン雲は我々のミルキーウェイ銀河の近隣の銀河であり、暴れ回る爆発の前面が、今、周囲のガス雲を破壊しまた押し退け、一方、ガスとダストの比較的密度の濃い塊を残しているのが見られる。大マゼラン雲の最大の超新星の残骸の一つが N63A 。生き残っている密度の濃い塊の多くは彼ら自身が圧縮され、更に新しい星達を形成するのだろう。結果として生じる星のあるものはそのサイクルを続け、続いて超新星として爆発するのかもしれない。ここに示されたイメージは、チャンドラ宇宙望遠鏡からのX線とハッブルによる可視光線の N63A の合成である。右上のガスとダストの際立った節は可視光線で非常に明るく、一方大きな超新星の残骸がX線で最も明るく輝いている。 N63A は幅25光年を超え、南の星座かじき座の方向約 150,000 光年に横たわっている。 

<出典>: 「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」

<大判>: イメージをクリック。

<お知らせ>: 今日19日午後3時から、小惑星りゅうぐうを離れた「はやぶさ2」のその後の、記者説明会が予定されています。「中継放送」と「録画」はホームページの「国内機関による中継とビデオ」から。

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12月18日: バルト海の花/お知らせ

2019年12月18日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

コペルニクス・センチネル2号ミッションは、バルト海の周辺で渦巻く緑の藻類の花をとった。藻類の花(algae bloom)は海洋での植物プランクトンの急速な増加を表すときに使われる言葉である。バルト海では、春と晩夏の、一年に2回の開花がある。このバルト海は、有毒な汚染物質、深海の酸素不足、生態系に影響を及ぼすシアノバクテリアの有毒な花、水産養殖、観光旅行などの多くの重大なチャレンジに直面している。シアノバクテリアは藻に類似した性質を持ち海水の中のリンで育つ。高い水温と日照、穏やかな気象は、生態系に問題を起こす特に大きな開花に結びつく。藻類の花は海における生命の、自然なまた重要な部分であるが、また、人間の活動が毎年の花の数を増やしていると言われている。腐敗する植物を消費するバクテリアが水からの酸素を吸収し、魚が生存できないデッドゾーンをつくる。また、夏の花には人間や他の動物に危険な毒性の藻を含むことがある。このイメージは2019年7月20日にとられた。このような衛星からのデータは有害な藻類の花の成長と広がりを追うことができる。

<出典>: 「今週のイメージ(Week in images:ESA)」

<大判>: イメージをクリック(19.71 MB)。

<ひとこと>: 記事はポイントのみ切り出しています。

<お知らせ>: 明日19日午後3時から、小惑星りゅうぐうを離れた「はやぶさ2」のその後の、記者説明会が予定されています。中継放送はホームページの「国内機関による中継とビデオ」から。

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12月17日: パーカー太陽探査機の側面から見る/お知らせ

2019年12月17日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

2018年に始まって、NASAは、初めて、太陽に近い領域を調査するために、ロボット・パーカー太陽探査機(PSP)を打上げた。数ヵ月未満ごとのこの PSP の周回軌道は、それぞれ、これまでで太陽に最も近づける。このコマ落しのビデオは、一年前に、水星の軌道の約半分に、太陽に初めての接近したときの、 PSP の太陽シールドの背後から側面を見た視界を示している。この PSP の太陽探査機広域画像装置(WISPR)カメラは、9日間を超えてイメージをとったが、ここではデジタル的に約14秒に圧縮されている。星達、惑星達、および、 PSP が太陽を周るときに背景に流れる我々のミルキーウェイ銀河の中央の帯とともに、波打つ太陽のコロナが遠い左に見える。 PSP は、太陽の近くが驚くほど複雑であり、太陽の磁場が短くそれ自身を反転させるスイッチバックを含むことを発見した。太陽は地球の支配的なエネルギー源であるだけでなく、その変わりやすい太陽風は、地球の大気を圧縮し、オーロラを誘起し、送電網に影響を与え、軌道を周っている通信衛星に損害を与えることさえある。 

<出典>: 「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」

<ビデオ>: イメージをクリックして動画(Youtube)をご覧ください。

<ひとこと>: パーカー太陽探査機(PSP)は、これまでになく太陽に近づく、画期的な太陽観測衛星です。

<お知らせ>: 今日17日午後5時54分、ヨーロッパ宇宙機関初めての系外惑星探査衛星 Cheops の打上げが予定されています。この探査機は既に明らかになっている系外惑星を対象にして、一層詳しくその特性を調査する予定です。ヨーロッパ宇宙機関の打上中継放送は こちら から。関連記事はホームページの 「アストロサイエンス(12月16日)」 から。

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