天文・宇宙探査ニュース:画像を中心とした「新しい宇宙探査情報」のページです。

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4月30日(火): 太陽には苔がある?/お知らせ/ミッション別ページ

2024年04月30日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

NASAの観測、太陽の「苔」の根を熱するものを発見

太陽には苔がある? 地球上の植物に似ていることから、科学者達は、太陽の大気中のプラズマにできた小さな明るい斑点の構造を「Moss:苔(コケ)」と名付けた。1999年にNASAの TRACE ミッションで初めて確認されたこの苔は、磁気条件が強い黒点群の中心付近に咲く。彩層とコロナと呼ばれる二つの大気層にまたがり、コロナループと呼ばれるプラズマの長い羽毛のようなロープの下に隠れている。

科学者達は、何十年もの間、この苔むした領域が太陽の下層の大気の層とどのようにつながっているのか、また、そこにある物質が華氏 10,000 度(摂氏約 5500 度)から華氏 100 万度(摂氏 56 万度)近くまでどのように加熱されているのかを理解するのに苦労してきた。現在、NASAの高分解能コロナイメージ(Hi-C)観測ロケットと、NASAの IRIS(Interface Region Imaging Spectrograph)ミッションによって可能になった調査によって、科学者達は、苔の熱メカニズムに関する洞察を得ている。

これらの機器による観測と複雑な3Dシミュレーションを組み合わせることによって、電流が苔の加熱に寄与している可能性があることが明らかになった。この地域の至る所に、目に見えないスパゲッティのような磁力線が混在している。この磁気スパゲッティのもつれは、材料を華氏 10,000 度から 100 万度までの、幅広い温度に熱するのに役立つ電流を生成する。この苔の局所的な加熱は、数百万度の高温のコロナから流れる熱に加えて起こっているように見える。4月15日付けで学術誌「ネイチャー・アストロノミー」に掲載されたこの知見は、科学者達が、太陽のコロナ全体がなぜ表面よりはるかに高温なのかという、より大きな疑問を理解する助けになるだろう。

高解像度の観測と高度な数値シミュレーションのお陰で、過去四半世紀にわたって困惑させてきたこの謎の一部を解明することができたが、これはパズルのピースに過ぎない。これでは問題が解決しない。

そのためには、さらに多くの観測が必要である。Hi-Cは今月、太陽フレアを捕捉するために再び打ち上げられる予定で、IRISとともに別のコケ領域も捕獲される可能性がある。しかし、コロナとコケがどのように加熱されるかを完全に解明できる観測結果を得るために、科学者達とエンジニア達は、将来のマルチスリット太陽探査機(MUSE)ミッションに搭載される新しい機器の開発に取り組んでいる。

<イメージ>: NASAの高分解能コロナイメージ観測ロケットのイメージ(左)の中心にあるのは、太陽物理学者が「苔」と呼ぶ、太陽の小さな斑点状の構造である。磁気活動の強い太陽の黒点群の中心付近の太陽大気の低い層に形成される。NASAの IRIS(Interface Region Imaging Spectrograph)ミッションのイメージ(右)は、苔の冷たい根の詳細な風景を示している。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンク先から。

<出典>: Abbey Interrante(著者名です)

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4月29日(月): 私達の美しい水の世界/お知らせ/ミッション別ページ

2024年04月29日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

私達の美しい水の世界

この2012年1月30日の地球のイメージは、スーオミ NPP(Suomi NPP)衛星に搭載された可視/赤外撮像放射計(VIIRS)装置によって撮影された写真からつくられた。北アメリカと西半球の多くの特徴が特に目立つ。この合成イメージは、2012年1月初めに撮影されたロボット衛星の4回の軌道で収集され、地球上でデジタル投影されたデータから作成された。

この装置は、可視光と赤外線光イメージ、また、地球の陸地、大気、雪氷圏、海洋の全球観測を集め、NASAの中分解能イメージング分光放射計(MODIS)と米国海洋大気圏局(NOAA)の先進超高分解能放射計(AVHRR)など、以前に打ち上げられた衛星に搭載された同様の機器によって収集された観測記録を拡張している。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンク先から。

<出典>: Monika Luabeya(著者名です)

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<お知らせ>: 5月3日から5月6日までの更新は休みます。

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4月28日(日): 夜空を照らす聖パトリック(St. Patrick)のオーロラ/お知らせ/ミッション別ページ

2024年04月28日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

夜空を照らす聖パトリック(St. Patrick)のオーロラ

オーロラのまばゆいばかりの緑色の光のこの雄大なイメージは、2015年3月17日午前5時30分頃、アラスカ州のドネリー・クリーク(Donnelly Creek)で撮影された。

オーロラ・ボレアリス(aurora borealis)とオーロラ・オーストラリス(aurora australis)は、しばしば北極光と南極光(northern lights and southern lights)と呼ばれ、北と南の高緯度でよく発生し、中緯度ではあまり発生せず、赤道付近ではめったに見られない。

これらの色とりどりの光のリボンは、地球の磁気圏と相互作用する太陽風(太陽からの荷電粒子の流れ)の、目に見える現象である。強い地磁気の嵐は大気を刺激し、夜空を照らし、オーロラをつくり出す。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>: Michelle Zajac(著者名です)

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<お知らせ>: ハッブル宇宙望遠鏡がエラーを検知し、自動的にセーフモードに入った。
ハッブル宇宙望遠鏡は調査目標を確実に捕らえるためにジャイロスコープを搭載している。ジャイロスコープは確実性を保証するために常に複数(三つ)のジャイロを使って運用されている。しかし、11月に三つのジャイロスコープの一つが誤った測定値を示し、自動的にセーフモードに入った。チームは対策を検討している。
ジャイロスコープは、2009年の5回目の保全活動で六つの新しいジャイロが持ち込まれたが、現有の三つを除いては既に使用不能となり、現在の三つの一つでも使えなくなると「多数決原理に基づく判断」ができなくなる。
NASAは一つづつの運用でも可能としており、この場合1台を休止させ、2台分の期間の運用が可能になるだろう。但し観測の精度は落ちるから、これがどのように影響を与えるかは分からない。(下表「宇宙科学の話題」から)

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4月27日(土): 朝鮮半島を覆う砂埃の壁/ミッション別ページ

2024年04月27日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

朝鮮半島を覆う砂埃の壁

東アジアでは、春の到来は、気温の上昇、植生の緑化、花の咲乱れを意味する。しかし、3月と4月には、ゴビ砂漠とタクラマカン砂漠から東に流れる、中国東部、朝鮮半島、日本南部を横断する巨大な砂埃もやってくる。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック(タップ)。文字入りの大判は下のリンク(原典)から。

NASAのアクア衛星の中解像度画像分光計(MODIS)センサーは、2024年4月25日に、朝鮮半島を横切って移動する、ダストの壁のイメージを捉えた。4月24日に、韓国のジオ・コンプサット2A衛星と、NASAのテラとアクア衛星は、多くの塵の発生源が内モンゴル自治区のゴビ砂漠であることを示した。一部が塵に覆われているが、朝鮮半島の東側に、いくつかの植物プランクトンの塊も見える。

風が吹くとこの地域の塵が大気中に舞い上がり、雲の上の塵の粒が太平洋を横断して北アメリカに落ちることもある。また、吹き上げられた粒が地表面近くにとどまり、世界で最も人口密度の高い地域の一つである東アジアの何百万人もの人々の空気の質を悪化させる。

大量の粉塵を吸い込むと、心血管疾患および呼吸器疾患を悪化する可能性がある。NASAのゴダード宇宙飛行センタを拠点とする科学者達のチームは、高レベルの微小粒子状物質(PM2.5)が、世界で年間約300万人の早期死亡に寄与し、特にそのうちの約5分の一の死が塵にリンクしていると推定している。

NASAの研究者達は、ゴビ砂漠とタクラマカン砂漠でのダスト活動のある変化に注目した。テラとアクア衛星からの過去約20年のデータの分析が、2003年の調査の開始以降、大気のダストレベルが減少した世界の唯一の領域であることを発見した。この低下の原因は明らかでないが、一つの分析によれば、それは、恐らく、2001年以降の地表面の風の弱まりに関連している。他の調査は、重要な要因として、陸地の管理と緑色化を強調している。

<出典>: Earth Observatry

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4月26日(金): イオの山と溶岩の湖を撮る/ミッション別ページ

2024年04月26日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

NASAのジュノ、火山イオの山と溶岩の湖を撮る

太陽を動力源とする探査機からのこのイメージは、地獄のような木星の衛星の興味深い特徴のクローズアップを提供している。

NASAの木星探査機「ジュノ」の科学者達は、木星のこの衛星の最もドラマチックな二つの特徴、山とほとんどガラスのように滑らかに冷えた溶岩の湖を強調するアニメーションに変換した。この探査機による最近の科学成果には、木星の極低気圧や水の存在量に関する最新情報などがある。

ジュノは、2023年12月と2024年2月にイオの地表から約 1,500 キロメートル内まで接近し、この月の北の緯度を初めてクローズアップで撮影した。

イオには火山が散乱しており、また、ロキ・パテラ(Loki Patera)と呼ばれる長さ200キロメートルの溶岩湖に関する素晴らしいクローズアップ、その他のデータが得られた。ここには熱い溶岩で縁取られたマグマの湖の真ん中に埋め込まれたクレイジーな島々を示す驚くべき詳細がある。機器が記録した湖の鏡面反射は、イオの表面の一部がガラスのように滑らかであり、地球の火山によって作られた黒曜石ガラスを彷彿とさせることを示唆している。

ジュノのマイクロ波放射計(MWR)によって収集されたデータで生成された地図は、イオの表面が木星の他のガリレオ衛星に比べて比較的滑らかであるとともに、中緯度よりも冷たい極を持っていることを明らかにしている。

--- 以下略。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンク先から。下のイメージのリンク先は動画 Youtube です。

<出典>: Juno

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4月25日(木): 近点16:木星の通過/ミッション別ページ

2024年04月25日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

近点16:木星の通過

ジュノ(Juno)が木星を通り過ぎるのを見よう。NASAのロボット宇宙船「ジュノ」は、現在1ヶ月にわたって、 太陽系最大の惑星の周りを回る非常に細長い軌道を周り続けている。このビデオは、2016年半ばにジュノが木星に到着して以来16回目の接近通過からである。それぞれの接近通過では、木星の雲の頂きの僅かに異なる部分の近くを通過する。 この色を強調されたビデオは、ジュノカメラ(JunoCam)の21枚の静止画からデジタル構成されており、125倍のタイムラプス(コマ落とし)を実現している。このビデオは、ジュノが北から接近し、木星が昇ってくるところから始まる。 ジュノが木星の雲の頂きから約 3,500 キロメートル上空に最接近するとき、探査機は木星の巨大な惑星を非常に詳細に捉える。ジュノは、この惑星を一周する明るいゾーン(zone)と暗いベルト(belt)、また、地球のハリケーンよりも大きな多くの渦巻く円形の嵐を通過する。 ジュノが遠ざかるとイルカの形をした雲が見えてくる。 最接近を過ぎると、木星は遠くに退き、木星の南に現れる珍しい雲が見える。ジュノは、必要な科学データを得るために木星に急降下し、木星の機器は非常に高いレベルの放射線にさらされる。

<ひとこと>: イメージのリンク先は動画 Youtube です。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

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4月24日(水): 日食中の彗星の珍しい目撃/ミッション別ページ

2024年04月24日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

日食中の「運命の」SOHO 彗星の珍しい目撃

2024年4月8日早朝、NASA/ヨーロッパ宇宙機関の太陽・太陽圏天文台(SOHO:Solar and Heliospheric Observatory)のイメージに彗星が写っているのを市民科学者が発見した。これは、最近の SOHO の 5000 個目の彗星の発見に続くものである。しかし、 Comet SOHO-5008 と名付けられたこの彗星は、別の理由で特別だった。

SOHO サングレーザ・プロジェクトのマネージャは、comet SOHO-5008 が、同日、米国とメキシコの地域を暗闇に陥れる皆既日食の間に見えると予測した。

雲が晴れて太陽コロナの美しい写真を撮ることができ、太陽の左下には comet SOHO-5008 が姿を現している。この彗星は、カメラに収められた直後、太陽に近づき過ぎて崩壊し、終焉を迎えた。

地上からこのような「太陽をかすめる」彗星を観測できることは極めて稀であり、この目撃は皆既日食のお陰でのみ可能になった。

イメージは100フレームの合成であり、広角コロナは焦点距離200ミリ、露光時間 1/4000 〜2秒、内側のコロナは焦点距離 1100ミリ、露光時間 1/500〜4秒で撮られている。

<ひとこと>: 記事は要点のみ。大判はイメージをクリック(タップ)。

<出典>: Week in images (ESA)

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4月23日(火): パーサビアランス最新の岩石サンプル/ミッション別ページ

2024年04月23日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

コメット・ガイザー:パーサビアランスの24番目の岩石コアサンプル!

マージン・ユニット(Margin Unit)の奥深くにあるブンゼン・ピーク(Bunsen Peak)の作業場で、高くそびえ立つ岩盤を調査した結果、この岩石のユニークな性質と組成が、火星探査ローバー、パーサビアランスの24番目の収集に値すると判断された。

ブンゼンピークは、イエローストーン国立公園の著名なピークにちなんで名付けられ、 コメット・ガイザー(Comet Geyser:英文 Wikipedia) の名前の由来は、同じくイエローストーン国立公園にあるシリカ焼結円錐間欠泉(silica-sintered cone geyser)である。

この岩石の起源はまだ調査中であり、探査チームは様々な仮説を探求しているが、このコアは主に炭酸塩とシリカの二つの鉱物で構成されているように見えるために特に興味深い。炭酸塩とシリカは、どちらも古代の生命の兆候、バイオ・シグネチャー(biosignatur)を保存する優れた鉱物である。また、これらの鉱物は、その形成過程の環境条件を記録している可能性を秘めており、数十億年前のジェゼロ・クレータの居住可能性を理解する上で重要な鉱物となっている。

コメット・ガイザーの試料中に炭酸塩が存在することから、古代のジェゼロ・クレータとその周辺の岩石や堆積物に由来する水、二酸化炭素、化学元素が、かつてここで反応して炭酸塩を形成していたことが示唆されている。地球の岩石記録から採取された炭酸塩鉱物は、気温、降水量、乾燥度などの条件を含む古代の気候や生命の歴史を再構築するためによく使用される。同様に、シリカの相は、水が岩石や堆積物と相互作用するときに形成される。シリカの組成と結晶化の度合は、風化の強度や持続時間、形成中の圧力/温度条件など、水との相互作用の程度を明らかにすることができる。

地球では、炭酸塩とシリカに生命の兆候が何百万年も、シリカの場合は数十億年も保存されている。地球上の生命に関する最古の証拠のいくつかは、古代の生命の残骸を埋め、それらを劣化から守る化石化プロセスであるシリカによって「過ミネラル化」された微生物細胞の断片を含む岩石からのものである。したがって、これらの物質を含む岩石は、ジェゼロ・クレータがかつて微生物の宿主であったかどうかを調査するための最優先サンプルの一つと考えられている。パーサビアランスの24番目ブンゼン・ピークのコアサンプルは、火星サンプルリターンミッションの一環として、最終的に地球に持帰るための科学的に多様なサンプルの収集に向けた重要なマイルストーンを表している。

--- 以下略。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンク先から。

<出典>: NASA Science Editorial Team

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4月22日(月): ローマン、最初の視力検査に合格/ミッション別ページ

2024年04月22日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

NASAのローマン宇宙望遠鏡の「目」が最初の視力検査に合格

ニューヨーク州ロチェスターにある L3Harris Technologies のエンジニア達は、NASAのナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡(Nancy Grace Roman Space Telescope)のための10枚のミラーの全てを組合わせた。予備のテストでは、IOA(Imaging Optics Assembly)と総称される新しく調整された光学系が、非常に正確に、ローマンの科学機器に光を向けることが示されている。

ローマンの鏡は、大きな主鏡と副鏡に加えて、八つのリレー鏡が使用されており、10枚の望遠鏡の鏡は全て、望遠鏡の画像品質を最適化し、ローマンが科学的な目標を完全に達成できるように、人間の髪の毛の幅に十分収まるように位置合わせする必要がある。

1ヶ月に及ぶ細心の注意を払った整列のプロセスでは、テスト画像に鮮明な焦点を合わせるための反復を要した。

今後は、振動および音響テストが行われる。エンジニア達は、これらのテストの前後の測定値を比較して、この光学システムが打上中の強い揺れや激しい音波に耐えられることを確認する。

更に最終の「目」検査を行うが、それは、真空状態で、動作温度が地球の室温状態から宇宙空間の低温(摂氏マイナス13度)へと変化する。

<ひとこと>: 文章は抜粋です。イメージのリンク先は解説動画(Youtube)です。
ナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡 は、ハッブル、ジェームスウェブに次ぐ、宇宙の基礎条件調査を目的として開発されている宇宙望遠鏡です。その名は「ハッブル宇宙望遠鏡の生みの母」である、NASAの初代主任天文学者にちなんで名付けられています。ハッブル宇宙望遠鏡の少なくとも100倍の視野を持ち、一生のうちに10億個の銀河からの光を測定できる可能性があるとされています。この天文台は、恒星の光を遮って太陽系外惑星や惑星形成円盤を直接観測し、銀河システム内の惑星システムの統計的観測によって、暗黒エネルギー、太陽系外惑星、赤外線天体物理学の分野における本質的な疑問を解決することが期待されています。2020年代半ばの打上げを目指し、日本を含む国際協力で進められているアメリカ航空宇宙局の広視野赤外線宇宙望遠鏡計画です。

<出典>: Ashley Balzer(著者名です)

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4月21日(日): NASA、自画像を共有して地球日を祝う/ミッション別ページ

2024年04月21日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

NASA、自画像を共有して2024アースデイを祝う

NASAは、NASAの地球自画像(#GlobalSelfie)イベントで、地球上の全ての人々を 地球日(Earth Day:4月22日) の世界的なお祝いに招待する。NASAの人工衛星は常に宇宙から地球を見ているが、地球日には外に出て世界の片隅にいる自分の写真を撮るよう求めている。

地球の自画像があなたのお気に入りの水域を特徴としている場合のボーナスポイント! ブルーマーブルの約71%は水で覆われており、その水は、地球が太陽系やその他の惑星と異なる主な理由の一つである。

地球日に参加するには?

ハッシュタグ #GlobalSelfie を使ってソーシャルメディアに写真を投稿する。我々が見ることができるように公開し、ともに #EarthDay を祝おう!

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック(タップ)。

<出典>: Brian Dunbar(著者名です)

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4月20日(土): 二重の蝕/ミッション別ページ

2024年04月20日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

二重の蝕

ソーラーダイナミクス天文台(SDO)は、2016年9月1日世界時 7:33 に、月(右上)と地球(左上)の二つが、部分的に太陽を遮っているのを確認した。この写真が撮られる直前、地球はしばらくの間、太陽を完全に遮っていた。この衛星は、地球の上空 35,200 キロメートルの高度を楕円軌道で周回しており、月や地球が太陽の前に来ることがある。この太陽のイメージは、極紫外線波長で撮影された。このとき以前に一度だけ両方が同時に重なった。月の縁は大気がないのでかなりくっきりしている。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンク先から。

<出典>: SDO

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4月19日(金): インジェニュイティに別れを告げる/ミッション別ページ

2024年04月19日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

NASAのインジェニュイティマーズヘリコプターチーム、今、別れを告げる

インジェニュイティ・チームによる最後のダウンリンク・シフトは、大成功を収めたミッションを振り返り、他の世界での初めての航空機を新しい役割に備える準備であった。---イメージは動画です。リンク先からご覧ください。

NASAのマーズヘリコプター「インジェニュイティ」のエンジニア達は、4月16日火曜日に、NASAのジェット推進研究所の管制室に集合し、歴史に残るヘリコプターからの通信を監視した。このミッションは1月25日に終了したが、この回転翼機は、インジェニュイティの基地局として働くNASAの火星探査機「パーサビアランス」との通信を続けている。NASAのディープ・スペース・ネットワーク(Deep Space Network)のアンテナを通して受信されたこの通信は、ミッションチームがインジェニュイティの作戦に協力する最後の機会となった。

--- 上のイメージは右端に注目(回転翼を破損し飛ぶことができなくなった「インジェニュイティ」)。

今、ヘリコプターは、固定されたテストベッドとして機能し、将来の火星探査に役立つデータを収集するという、最後の行動の準備が整った。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンク先から。

<出典>: Jet Propulsion Laboratory

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4月18日(木): ハッブルとウェッブの葉巻銀河/ミッション別ページ

2024年04月18日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

ハッブルとウェッブの葉巻銀河

煙草銀河(Cigar Galaxy)として知られ、 M82 としてカタログ化されているこの銀河のシステムに、何やら奇妙なことが起きている。中心から赤く光るガスとダストが噴き出している。この星の爆発的形成銀河は、その隣人、大きな渦巻銀河 M81 の最近の近くの通過によって確かにかき混ぜられたが、これは、赤く輝く表面上拡大しているガスとダストの源を完全には説明していない。その証拠は、この物質が多くの星の出現する粒子の風によって押し出され、一緒になって銀河の超風を作り出していることを示している。左にはハッブル宇宙望遠鏡の可視光線のイメージ、右には赤外線光の中心領域のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡イメージが写っている。新しいウェッブのイメージを詳細に調べると、意外なことに、この赤く光るダストは高温のプラズマと関連している。この不思議な近傍銀河の正体を探る研究はこれからも続くだろう。

<ひとこと>: これらの記事は、これまでに、下表の 「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(4月16日)」 および 「ハッブル宇宙望遠鏡(4月17日)」 に掲載したものです。大判イメージはリンク先から。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

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4月17日(水): 次の満月は?/ミッション別ページ

2024年04月17日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

次の満月は、ピンクの月、芽吹きの月、卵の月、魚の月、ペサハまたは過越祭の月

次の満月は、ピンクムーン(Pink Moon:ピンクの月)、スプラウティンググラスムーン(Sprouting Grass:芽吹きの月)、エッグムーン(Egg Moon:卵の月)、フィッシュムーン(Fish Moon:魚の月)、ペサハまたはパスオーバーの月(Pesach or Passover Moon:過越祭の月---ユダヤ?)、ハヌマーンジャヤンティフェスティバルムーン(Hanuman Jayanti Festival Moon---ヒンズー?)、バクポヤ(Bak Poya)の月である。

次の満月は、米国東部夏時間2024年4月23日火曜日の夜、午後7時49分に太陽の反対側に現れる。これは、英国、アイルランド、ポルトガルのタイムゾーンから、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、オーストラリアを東に横断し、中部太平洋の国際日付変更線まで、水曜日に現れる。今回、月が満ちて見えるのは、米国東部夏時間月曜日の朝から木曜日の朝までの約3日間である。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック(タップ)。文中の訳語および解説は正しくないかも知れません。日本の時刻は概ね半日早まるとお考えください。例えば4月23日火曜日の夜午後7時 ⇒ 水曜日午前8時。

<出典>: Gordon Johnston(著者名です)

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4月16日(火): 磁場のアーチ/ミッション別ページ

2024年04月16日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

磁場のアーチ

2016年9月28~29日、太陽観測衛星SDO(Solar Dynamics Observatory)は、この活動的な領域の上にアーチ状に伸びる壮大なループを撮ることができた。活動領域は強い磁場の領域である。これらの領域の磁力線は、それらに沿ってらせん状に動く荷電粒子によって照らされる。このイメージは極紫外線波長で撮られた。ビデオ(.mp4)は12時間のアクティビティをカバーしている。これらのそびえ立つアーチのスケール感を与えるために、地球がはめ込まれている。

<ひとこと>: イメージのリンク先は爆発を示すビデオ(.mp4)です。
イメージの下・中央の地球との比較をご覧ください。太陽は、宇宙では、比較的小さな恒星ですが、地球と比較すると如何に大きいかが見てとれます。

<出典>: SDO

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