肩の凝らないスローライフ

ようこそtenchanワールドへ。「一日一笑」をモットーに・・・日常生活の小さなことを笑いに変えるtenchanの雑記帳

「夜回り先生」水谷先生の講演会

2009-08-10 12:06:10 | 生活
「夜回り先生」こと水谷修先生の講演会が
8月9日に岐阜市内の私立清翔高校で行なわれました。

以前から新聞のコラム、テレビなどで先生の活動を知っていましたが、
生の声を聞くのはこれが初めてです。

「子どもたち・・・・」
と呼びかけるそのスピーチは
一言一言がずっしりと心に重くのしかかってきます。

先生が関わってきた4人の生徒のエピソードには
涙が止まりませんでした。

心のきれいなタカシ・・・
ゴミ袋を持ったおばあさんを見ると、
代わりに出してあげるようなやさしい子だったが、
高1で暴走族に入る。
バイクほしさに、先輩に言われるままひったくりを決行。
引ったくられたおばあさんは鞄にしがみつき
7メートル引きずられ、脳挫傷に。
集中治療室での治療もむなしく、2日後に亡くなった。
彼は罪を償おうと、少年院を出たあと、
一人残されたおじいさんに、今でもお金お送り続けている。

シンナー中毒だったマサフミ。
貧しい母子家庭の子で、小5の時母が病気で寝込んでしまう。
コンビニの破棄弁当や給食のパンで食いつないでいたが、
いじめに遭い、小6で暴走族に入りシンナーを覚え、シンナー歴は4年になった。
水谷先生の家で暮らし、シンナーを絶とうとするが
先生の家にいる間は吸わないのに、
家に帰ると吸ってしまうという繰り返し。
ある日、薬物治療の専門病院に連れて行ってくれるよう
水谷先生に頼む。
「薬物止められないのは薬物依存って言う病気なんだって。
病気は病院へ行かないと治らない、水谷先生じゃダメなんだ。」
と言われ、ムカついた先生は
「今日は無理だ、来週連れてってやる。」
と突き放す。
「水谷先生、今日は冷てぇぞ!」
マサフミはそう言い残し、4時間後、シンナーのオーバードーズの末に
ダンプに突っ込んで命を絶った。
火葬場で骨を拾おうとしたら、
シンナーでぼろぼろになった骨は一つも拾うことは出来ず、
手で灰をかき集めた。
マサフミのお母さんは
「シンナーが憎い。うちの子を2回殺した。1度目は命、2度目は体。」
そう言って泣いた。
その後薬物治療の専門家と話をした先生は
「愛の力ではドラッグは止めさせられない。
先生、あんたがマサフミを殺したんだ!」
と言われた。

暴走族のケツモチだったユウヤ目の見えないお母さんの話。

それから、水谷先生が講演会の最後で必ず話をすると約束した
アイという少女の話。

中学受験に失敗し、親から「あんな中学にも入れないなんて。」
と言われたアイは、夜の世界に救いを求める。
派手な格好をして目立ちすぎたアイは、7人の男にレイプされ、
自暴自棄になり薬にも手を出し、
薬を得るために売春し、HIVウィルスに感染する。
そこでアイが考えたこと。
「自分にHIVをうつした中年男に、一人でも多く病気をうつしてやる。」
そうして全国を歩き回り身体を売り続けた。
戻ってきたアイはエイズを発症し、死期を迎える。
痛みを取るためのモルヒネも、今までの薬物摂取のせいで効かない。
最後は痛みでのたうち回るように死んでいった。

そんなアイが先生にお願いしたこと。
「先生、講演会に行ったら、必ずアイのことを話して。
アイっていう馬鹿な女の子がいて、
親に反抗して夜の世界に入って、身体売ってエイズになって死んだんだよって。
アイのことを知った子が、一人でも夜の世界から戻ってきたり、
夜の世界に入るのは止めようって思ってくれたら、
私、生きていた価値があるよね。」






先生は仰いました。

子供たちに優しい言葉をかけてあげてください。
ダメだダメだと叱られて育った子供はどうなりますか?
自分に自信を持てない子供になってしまいます。

子供は、自分に優しくしてくれる大人が多ければ多いほど、
夜の世界に行こうとはしません。
たとえ入っていったとしても、立ち直ることができます。

お父さん、お母さんへ、
親っていうのは子供を持ったからといって、すぐには親になれないんです。
ここにいる全ての親が、失礼な言い方をすると素人なんです。
子供に
「お母さん、お父さん、僕を生んでくれてありがとう。」
と、言われて、
はじめて一人前の親になるんです。



グサっと胸に刺さりました。
自分はどうだったろう?

叱ったことと、褒めたことと、
どちらが多かっただろう?

イラついて頭ごなしに叱ったこともあった。

許されるのだろうか?

今からでも間に合うのだろうか?

子ども達が立派な大人になるまでに
まだまだ、親として学んでいかなくてはね。

「生んでくれてありがとう。」
とは、一生言ってもらえないかもしれないけど、
お母さんの顔を思い浮かべて、と言われたときに
笑顔の母を真っ先に思い出してくれたら、それだけでも十分嬉しいです。



「夜回り先生」が9月にドラマとして放映されます。
主演は寺脇康文さんだそうです。→こちら
興味のある方は、是非ご覧になって下さい。



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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
一生言ってもらえないかもしれないけど (yattaro-)
2009-08-11 10:26:38
夜回り先生「水谷修さん」。
これまでも何度かテレビで拝見してきました。著書もひもといてみました。
掛け値なしの素晴らしさです。参考にしたい考え方・行動力・奥行きの深い人間性……などなど。
その全てに感動し、逆に我が振り直すこと多々です。

しかし、誰もが水谷先生になれるわけではないですね。特に母親、そして父親の立場は、先ず、水谷先生と接触を持たなければならなくなる子供を育てないこと、つまり深い愛情・思いやりのある厳しさ、これらは欠かせない、子供を作った親の最低限の責任であり、義務ですよね。そこんところはしっかり我が身の反省も含めて、押さえておかなければいけない…と今更ながら思っているところです。

さらに思うのは、将来的に、第2第3の水谷先生を世に送り出さない社会が望まれます。そのためにも、先ずは「子供を作った親の責任」を今一度大人に・親に自覚して欲しいですね。子供という一人の人間を育てることは、生やさしいことではない・泥をかぶることも・一緒に泣くことも・一緒に笑うことも、全てを親子という関係の中で乗り越える努力によってこそ、子供は育っていくのではないでしょうか。
それでも、「生んでくれて有難う…」などとは言ってはくれません。うまくいくのが当たり前の世界なんですよね。

いずれにしても、我が子はもとより、他人の子供と接するには、兎に角自分の親・自分の家庭を顧みる気持ちを抱かせること、家族の一員であるという意識を強く思い込ませる、そんな深い優しさと幅広い豊かな見識が求められますね。
tenchanさんの3人のお子さんにとっては、水谷先生がどのように素晴らしい先生であろうと、母親の確かな愛情に勝る物はない…と感じてもらえているはずですよ。

そんな土台の上に立って、さらに色々知識を吸収しながら子供と素直に向き合う…。これが理想郷でしょうか。猿まねは子供が見破りますよ。
親って、やっぱり難しい立場ですね。
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またまた (Mrs.B)
2009-08-11 20:03:15
涙してしまいました。
長男を出産したときに受けたショックを思い出しました。
「はい、あなたがお母さん」とポンと新生児を渡され、
「赤ちゃんのことはお母さんが一番わかる」といわれたこと。
でも、私、オムツの替え方も知りませんでした。
今でも、いつもだめな親だなと反省してばかりです。
長男のことを怒ってばかり。
これを期に接し方を変えたいと思います。
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お元気で何より^^ (rabbit125cc)
2009-08-12 04:16:10
実は私も以前、水谷先生にお会いして、影響を受けた一人です^^
公演も何度も拝聴致しました。
本当に先生のおっしゃるとおりだと思います。

水谷先生との出会い。
良かったですね^^

お元気になられた先生のお姿を、私も拝見したいものです。
そして、今の私が先生から私はどう見えるのかも、少し気になります^^;

まさかここで水谷先生に出会うとはw

ドラマ化~~うれしい!?
う~む・・・あの内容を、どうやって・・・
14歳の母みたいなドラマは勘弁して欲しい・・・
できれば、ルーキーズとか、ごくせんっぽい方がw
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Unknown (くじらぐも)
2009-08-12 20:55:17
4人の生徒のエピソード。切ないです。

私もわが子をうまく育てられずにおりますので、他人事ではありません。

親の責任。肝に命じます。
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Unknown (桜子)
2009-08-13 14:36:29
うちのオットも水谷先生の著書やテレビを
よく見てるの。どうしてここまでできるんだろう?

子育てってほんとに正解なんてないんだろうな・・・
って思うのよね。私も息子を産んでから手探りだったもの。

仕事も続けてたから、寂しい思いもさせただろうし
頭ごなしの怒ったりしたことあるし。
子育てしながら私も一緒に成長させてもらったもの。
でも、きっと子育てって一生続くんだろうね。
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yattaro-様 (tenchan)
2009-08-17 14:25:26
そうですね。水谷先生の行動力はとても素晴らしい。
でも、水谷先生のお世話になるような世界に、
自分の子供を入れてはいけないのだ、
と、改めて思いました。
それに、第2、第3の先生を作り出す世の中にしてはいけない、
これも同感です。

自分の子育てを省みて、
厳しさばかりを前面に出していたと、
反省しています。
特に上二人には。

今からでは遅いかもしれませんが、
優しい気持ちで接することを心がけていこうと思います。
キーキー叱るばかりでは、
子供もイヤになりますよね。
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Mrs.B様 (tenchan)
2009-08-17 14:29:30
まだまだお子さんが小さいですもの。
叱ることと褒めること、
バランスが難しいと思います。

私も、上二人が小さかったときは、
全然褒められたお母さんじゃなくて、
ガミガミ叱るばかりで、
今から思うと、厳し過ぎたと思っています。

もう遅いかしら?
まだ間に合うかしら?
間に合わないかもしれないけど、
どんなことでもいいから、
「ありがとう、助かったわ~。」
「偉いわね。」
と、最近では声を掛けるようにしています。
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rabbit125cc様 (tenchan)
2009-08-17 14:36:45
rabbit125ccさんも、先生の講演会に行かれたことがあるんですね。

私は今回が初めての講演会でした。

コラムやテレビでご活躍は存じ上げていましたが、
直接言葉で聞くのは、迫力が違いました。
2時間ハンカチで目を押さえっぱなしでした。

お身体の具合があまりよくないと聞きました。
無理を押して公演活動をされているのでしょうか?

ドラマはどういう物語になるのでしょう?
楽しみですね。

「俳優の寺脇君は、見事に私を演じていました。
でも、一つ気に入らないことがある。
それは、
髪の毛が多すぎること。
『おい、お前、もう少し髪を薄くしろ!』
と、言ってやったら、
『いくら先生の頼みでも、それは出来ません』
と、あいつ、ぬかしやがった!」
と、会場の笑いを誘っていましたよ。
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くじらぐも様 (tenchan)
2009-08-17 14:40:32
お互いに同じような年頃の子供を持っていますよね。

親として、子供に向き合うことの難しさを
今でも思い知らされています。

上の二人については、
褒めることより叱ることが確実に多かったので、
それが、いろんな所に影響を及ぼしているのでしょう。
今からでは間に合わないかもしれないけど、
優しい気持ちで接するように、心がけています。
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桜子様 (tenchan)
2009-08-17 14:43:46
私も、イライラを子供にぶつけて
そこまで言わなくてもいいのにってことを
言ってしまったり、
怒鳴ったりしたこと、あります。

こんな母でも、
よくここまで付いてきてくれたと思っています。

本当に、子育てにはこれが正解っていうのもないし、ゴールもないですね。

子供は一生自分の宝だからね、いくつになろうとも。
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