エレミヤ書 22章
あなたが繁栄していた時に、わたしはあなたに語りかけたが、あなたは『私は聞かない』と言った。わたしの声に聞き従わないということ、これが、若い頃からのあなたの生き方だった。(22・21)
イスラエルの祖先はアブラハムです。「信仰によって、アブラハムは、受け継ぐべき地に出て行けとの召しをこうむった時、それに従い、行く先を知らないで出て行った」のです(ヘブル11・8)。
こうして先祖アブラハムは、信仰によって大胆に旅立ったので、「信仰の父」と呼ばれました。その子イサクも、孫のヤコブ(後の名をイスラエル)も信仰の人でした。神は目に見えませんが、神の御言を信じ、御言に従順した人々でした。
このように、信仰とは、神の御言を聞き、神の御言に従順することです。
そんな偉大な信仰の家系はいつから、不従順の民となったのでしょうか。預言者を通して何度も語りかけられる神の御言に、民は耳を傾けず、御言を捨てる民となったなったのです。
エレミヤは堕落した民のことを、「わたしの声に聞き従わないということ。これが若い頃からのあなたの生き方だった」と指摘しています。 ※この預言はユダの王エホヤキムに語られたのだが、それは民の姿でもあった。
何ということでしょうか。神の御言に聞き従わないこと……これが、幼い頃からの習慣になっているというのです。「あなたの若いときに、あなたの創り主をおぼえよ」と主は言われます(伝道12・1)。幼い頃から、神をおぼえ、その御言に聞き従う習慣を養われた人は幸いです。
しかし、イスラエルの民はいつしか、御言に聞き従わないことが習慣になってしまったのです。
こんな事があってはなりません。どうぞ、お子さんたちに、幼い時から、御言に聞き従う習慣を身に付けさせてあげてください。そのためには、親である私たちがそうすることから始まります。
これは、子孫に残すべく最高の遺産です。
地上では「世界遺産」として、様々な史跡や街並みや自然を残そうと、人々は躍起です。それは、地上に国籍のある人々の活動です。
私たち天に国籍のある者が残すべき遺産は「信仰」です。神の御言を聞き、御言に従う信仰です。