人にではなく主に仕えるように、快く仕えなさい。(6・7)
先の5章22節からは第6章に含める内容です。というのは、「人と人との関係は、神と私との関係と連動している」というテーマで共通しているからです。
神を愛するといいながら人間関係を疎(おろそ)かにするなら、それは神を愛しているとはいえません。目に見えない神を愛するとは、人間関係の中で愛することによってあらわされます。
3つの人間関係が記されています。どれも、神を愛し仕えるために大切な関係です。
(1)夫婦の関係において(5・22~33)
夫婦は神が定めた人間関係です。妻は夫に従い、夫は妻を愛する関係です。そのような夫婦関係を通して、花嫁なる教会は花婿なるキリストに従うことを学びます。また、花婿であるキリストが、花嫁である私たちをいかに愛してくださっているかを学びます。
だから、夫婦の関係は聖なるものです。ここには、キリストと教会(私たち)とのすばらしい関係が秘められています。これは奥義です。夫婦関係を大切にすることは、キリストと私の関係を大切にすることと連動しています。
悪魔は、社会における夫婦関係を崩壊させています。こうして悪魔は、キリストと私たちの麗しい交わりに覆いをかけているのです。だから今こそ、悪魔にだまされないで、夫婦の聖なる関係を回復しなければなりません。
祈りましょう。私たちの夫婦の関係をいやしてください。妻(夫)だけを愛し、仕えることができますように。そのような夫婦の交わりを通して、キリストと教会の交わりも聖なるものとなりますように。
(2)父と子の関係において(6・1~4)
聖書は、子は父母をうやまいなさいと命じています。また、親は子を正しく訓戒しなさいと命じています。なぜなら、親(父)と子の関係も、神と人間の関係を体現しているからです。
親は子をいかに愛することでしょう。それ以上に、父なる神は、私たちを子として愛してくださっています。また、子は親を尊敬すべきです。子が親を尊敬し従うことを通して、父なる神への尊敬と従順を修得するのです。
しかし悪魔は、社会における親子関係を崩壊の危機に追いやっています。子を愛さない親、親を尊敬しない子。そのような崩壊した親子関係から、社会の諸問題が生じています。また、逆に親しみの度が過ぎて、友達のような親子関係もあります。毒親という存在も指摘されて久しいです。本来の親と子の関係が壊れてしまった結果です。
今こそ、悪魔にだまされないで、親子関係を回復すべきです。だから祈りましょう。私たちの親子関係をいやしてください。そしてその中に、父なる神の愛を体現させてください。神の子どもとして父なる神への従順を体現させてください。
(3)奴隷と主人の関係において(6・5~9)
奴隷(しもべ)と主人の関係も、神と人間の関係を体現しています。今日において奴隷制度はありませんが、会社の社長と社員の関係、あるいは上司と部下といった主従関係に適用することができます。
主人は、自分が主人だからといって奴隷につらく当たってはいけないと勧めています(6・9)。
時として神は、人間を奴隷(しもべ)として用いられます。人はそれについて不服を申し立てることはできません。しかし、そうは言うものの、神は私たちを慈悲深く扱ってくださいます。
逆に、奴隷である者は、主人に従いなさいと勧めています。へつらいの心や偽りの心ではなく、恐れの心と真心を込めて従うことが大切です(6・5)。人間の主人に従うことは、キリストに従うことを体現しているからです。
だから、社会の上下の関係も聖なる関係です。この秩序を壊してはいけません。上に立つ者は正しく謙遜に権威を用いるべきですし、下にある者は権威を軽んじないで、真心から従うことが大切です。
このことを忘れて、社長とか上司の立場を利用して部下を虐げてはなりません。現代社会においてパワーハラスメントが問題になっていますが、このような主従関係の崩壊が、神と私たちの聖なる関係を破壊しています。
また逆に、社員が偽りの心で上司に仕えたり、上司の権威を軽んじる言動にでる風潮も、神が定めた人間関係を崩壊させています。
だから、今のこの時代に、私たちは正しい上下関係つまり秩序ある主従関係を回復しなければなりません。それは、私たちが、心から主である神に仕え、従順するためです。
このように、夫婦の関係、親子の関係、主従の関係といった人間関係の中に、神と私たち人間の聖なる関係の秘訣が込められています。神は目で見ることはできませんが、きよめられた人間関係の中で神と出会うのです。
夫婦の関係は、花婿なるキリスト(御子なる神)に対する愛の関係。親子の関係は、御父なる神への尊敬の関係。主従の関係は、御霊なる神に対する従順の関係です。このように、御父と御子と御霊の神との聖なる関係をあらわしています。
しかし、悪魔は、人間関係を破壊することによって、神と私たちの関係を破壊しようと働きます。
天上のことと地上のことは、いつも連動しています。地上でつなぐことは天でもつながれています。だから、祈りましょう。地上での人間関係が祝福されますように。そして、天での神と私たちとの関係も連動して祝福されますように……。
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