列王紀上13・34 この事はヤラベアムの家の罪となって、ついにこれを地のおもてから断ち滅ぼすようになった。
ソロモン王の息子レハベアムは権威主義的な政策をとったため、それに反発したイスラエル10部族は分離独立し、エフライム部族のヤラベアム(ヤロブアム)を王に擁立しました。この時からイスラエルは南ユダと北イスラエルに分裂し、いわゆる「南北朝時代」に突入するわけです。
以後、ダビデ~ソロモン~レハベアムと続く南王国は、ユダ族出身の王によって統治されます。構成部族はユダ部族とベニヤミン部族で、「南ユダ王国」と呼ばれました。首都はエルサレムで、神殿はこの街に建てられていました。
かたや、ヤラベアムを擁立した10部族からなる王国は、「北イスラエル王国」と呼ばれ、首都はサマリヤでした。
南ユダ王国の権威主義的な政策に反対した北イスラエル王国は、その反動によって自由主義的な政策をとりました。それが顕著に現れたのが宗教政策でした。
人々の信仰の拠り所である神殿は南王国のエルサレムにあったため、北王国のヤラベアムは、民の宗教心をつなぎ止めるために、独自の神殿を建築し、独自の宗教様式を形成して行きました。
神殿がエルサレムに建てられたのは、そこを「わが名を置く町」と神が定められたからでした。しかし、ヤラベアムはそれに反して、自分に都合の良い神殿を建築しました(12・25~30)。
また、祭司職も律法によればレビ族出身でなければなりませんでしたが、ヤラベアムは一般の民を祭司に任命してこれに当たらせました。祭の日も、神が定めた7大祭とは別の祭を考案し、民衆の心をつかもうとしました(12・31~33)。
権威主義の反動として現れるのがこのような自由主義です。現代のキリスト教会もこの両方の狭間で混乱しています。
権威を取り違えて、肉の力で支配することで教会を保とうとします。誤った権威主義です。この場合、肉なる支配力が教会をおおうので、聖霊の自由な働きが妨げられてしまいます。
一方、肉なる権威主義に傷ついた人々は、その反動で何でも自由にやろうとします。ヤラベアムが自分勝手な神殿や祭司職や祭を作り上げたように、主日の礼拝を軽んじたり、牧師職を軽んじたりするのですが、それも行き過ぎです。仕えることを基礎とする権威と秩序の回復……これが必要です。そのために祈らなければなりません。
さて、ヤラベアムが行ったわざは、神の目には罪となりました。
地元のベテルとダンに神殿を建てたので、わざわざエルサレムまで行かなくて済むので便利になりました。人々には好評でしたが、神の目には罪でした。便利さが、返って、真の神礼拝を妨害することを忘れてはなりません。
一般の民が祭司になれるようにしたことで、祭司職は身近になりましたが、祭司職としての使命観は薄れていきました。そのことで神殿祭儀は世俗化し、堕落しました。このことは神の目には罪でした。気軽さや妥協が、返って、真の神礼拝をゆがめることを忘れてはなりません。
ヤラベアムによって北イスラエル王国にもたらされた自由主義は、霊的混乱をまねき、ついには、真の神を礼拝すべき神殿で、異教の神々を祀(まつ)るようになったからです。
これらのことはヤラベアムの家の罪となったと、聖書は記しています。そして、彼の家系はこの地から絶やされることになるのです。
私たちは、このヤラベアムが行ったような自由主義の轍(わだち)を踏んではなりません。また逆に、南ユダ王国のレハベアムのように、権威主義の轍も踏んではなりません。
祈りましょう。主よ、仕えることによる真の権威を回復してください。私たちが仕えることによって、神の国の権威と秩序を回復することができますように。
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