とうちゃんのぷらぷら日記

アウトドア系の日記及びうんちく

信濃デッサン館と塩田平

2014-11-08 10:45:11 | 旅行
好きな美術館と聞かれ
まず思い浮かべるのは
信州、塩田平にある信濃デッサン館です。
かわいらしいチャペルのような美術館は、
一人の作家の作品を展示しているわけでもないのに、
作品には、一つのまとまりがあり、
展示のセンスすら、一つの芸術作品のようでもあります。

中でも、村山槐多の作品は信濃デッサン館を語る上で欠かせない存在です。
入り口すぐには、
槐多の作品の「尿(いばり)する裸僧」があります。
この絵は美術館の要の作品でありながら、
他の展示作品とは異質のイメージのある絵です。

槐多の作品は、他にも多数展示されており
常設展として、槐多の作品がこれだけまとまって見られるというのは大変貴重です。
若くして亡くなった画家の絵は、どの絵も深く鋭い内面性を秘めており、
作品の数々からある種のオーラを感じるのです。
私にはデッサン館のデッサンとは、槐多のデッサンを指しているようにすら思えます。

他にも、立原道造、宮沢賢治、小熊秀雄といった、画家というよりは、
詩人として世に知れた人たちの作品が並びます。
どちらかと言えば薄幸な詩人達の
その貴重な絵が信濃デッサン館には数多く収蔵されています。
デッサン館の絵を見ていると、
人生と芸術に苦悩する若い詩人達の切ない息遣いが感じられるのです。


美術館のもう一つの大きな魅力は、その立地です
前山寺の表参道のすぐ横にある美術館は、
塩田平を一望できるような場所にあります。



信州の鎌倉と言われる塩田平の景色は、一見、唯の田園風景のようにも見えますが
由緒ある古寺、背後にそびえる山々、それらは、美術館と一体となった精神世界を創っているのです。
特に前山寺背後の独鈷山は、人間の生活圏である裏山と
八ヶ岳や浅間山といった自然界にある山々との
ちょうど境界線上にある山といった感じで、
それでも、どちらかといえば塩田平の勢力下にある山といってよく、
そこのところが、塩田平の魅力を飛躍的に高めている要因のような気がします。



二年前のちょうど今頃の季節にもオートバイで塩田平や信濃デッサン館を訪れたのですが。
またふと行ってみたいものだと思ったのです。

(今日は生憎の曇り空で、どうもお出かけ日和とはならなかったのです。)





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