無病息災のとびら

21世紀の健康について考えています

油と健康

2016年03月31日 18時33分26秒 | 栄養と健康

 

最近の世界情勢を見ると、なにか世界中が苛立って戦争でも始まりそうな雲行きにもみえますが、アメリカ大統領選で勝つのはトランプさんでしょうか。…

それはともかく、私たちの体には、食事をすると余った栄養はすべて油に変える仕組みがあります。

それは飢餓に備えるための仕組みで、食糧が不足していた戦後間もない私の子供の頃と比べ、飽食の今は無用の長物になっているようです。

飽食になると、余った栄養からできる油が体中に溢れ、そのうえ焼き肉や唐揚げやお菓子などで動物性脂肪や植物油をとると、私たちの体は油分でダブダブベチャベチャ状態になってしまいます。

体が油まみれになると、動脈硬化がおこり心臓病や脳梗塞がおこりガンやアレルギーが起こり易くなり、腹8分の食事と適度な運動が最重要となってくるわけです。

油には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があり、飽和脂肪酸は体内でも合成できる動物性脂肪で、飽食のいまの食事には避けるくらいがいいといわれます。

食事からとる必要のある「必須脂肪酸」がオメガ3とオメガ6という不飽和脂肪酸ですが、リノール酸などのオメガ6の摂り過ぎはアレルギーやうつ病のリスクをあげ、逆に、オメガ3はアレルギーやうつ病のほか悪玉コレステロールや動脈硬化、心臓病、がん、炎症、認知症など、悪化リスクの引き下げ効果があると最近注目の油です。

オメガ3の代表的な油は、青魚に含まれるDHA、EPA、えごま油、アマニ油、シソ油などです。


春野菜と健康

2016年03月02日 07時56分08秒 | 漢方と健康

今年ももう3月ですね。

寒い冬から、暖かくなりだす今頃には、これと思い当たることもないのに、痛みや、嫌なかんじの自覚症状が出てくることがあります。

それは、厳しい冬の寒さをブロックしていた交感神経が緩み、副交感神経が優位になるからです。

そして、新陳代謝の悪い冬に溜め込んだ老廃物を排出しようとしているからです。

つまり、春はデトックス(解毒・老廃物の排出)の時季なのです。

そして、それを助けてくれるのが春野菜です。

春野菜は、寒い冬には地中に根を張ってミネラル(鉄、亜鉛、ゲルマニウムなど)を蓄え、成長を始める春には、輝きの増す光ストレス緩和のためのビタミンCを増やし、又、太陽の紫外線や活発になりだす害虫などから身を守るために、人への解毒作用や抗酸化作用を高めてくれる成分も増産するのです。

春野菜特有の「苦味」のもとは植物性アルカロイドという成分です。

植物性アルカロイドには、腎臓のろ過機能を向上させ、冬にため込んだ老廃物を排出する働きがあります(ただし、とりすぎは下痢や吹き出物になることもあり)。

セリ科(せり、セロリ、あしたばなど)の「香り」の成分は精油成分のテルペン類で、血行を促進し、抗酸化作用もあります。

さらに、春野菜には、なのはな、せりなどのようにカロテンが多く含まれていて、抗酸化作用のほか免疫増強作用もあります。

薬膳で春野菜は五臓の中の「肝(かん)」を強化するといい、実際、アブラナ科(キャベツや菜の花など)の野菜には、肝臓の解毒機能を高めるグルコシノレートという「辛味成分」があります。

「肝は目に通じる」ともいい、五行でいう「肝」は肝臓だけでなく、目、神経、筋肉も含み、それらの疲労には春の野菜や山菜が大いにいいわけです。