無病息災のとびら

21世紀の健康について考えています

風邪はなぜひくか?

2007年07月27日 09時41分00秒 | Weblog
 平成16年に、鳥インフルエンザで世界中が大騒ぎになりました。
 インフルエンザはウイルスが原因といわれますが、インフルエンザが流行しても、誰もが感染して発病するわけではありません。
 ペッテンコーヘルという学者をご存知でしょうか? 結核菌やコレラ菌などの病原菌が次々に発見されて、細菌病理学がおおきく発展する頃に、みんなの前でコレラ菌を飲んで見せたのです。
 病気の原因は、菌だけでなく、抵抗力にも問題があると訴えたわけです。
 細菌病理学説は、病気の原因を、病原菌や、ウイルスなどの体の外に求めます。『外因説』
 ペッテンコーヘルのように病気の原因を『内因』に求める考え方は、江戸時代に、「万病は、一気の留滞より生ずる」と唱えた後藤艮山や、『万病一毒説』を唱えた吉益東洞がいます。 東洞は、「万人同じ物を食しても、同じ風にあたっても、食傷、あるいは風邪ひく者とそうでない者がある。体の中に毒がないなら、皆等しく外邪に冒されるとは限らない」と訴えました。

身土不二

2007年07月11日 09時47分00秒 | Weblog
 東洋医学に、「身土不二」という言葉があります。
 人と土地は、切り離せないということです。
 健康のためには、その人の住むその土地で育った、その時々の季節の食べ物が、とても大切だという病理観です。
 ビタミンやミネラルだけでなく、漢方では、食べ物が体を冷やしたり温めたりする作用があると考え、夏には、トマトやキュウリやスイカなどの水分のたっぷり含まれる夏野菜を食べることが大事になります。
 暑い夏に冬野菜を摂ったり、逆に、寒い冬に夏野菜を摂ったりすることは、健康上好ましくありません。が、しかし、現代は、それほど単純ではありません。
 冷房の中に一日中過ごす人が、水気のたっぷり含まれる夏野菜を摂ると、体を冷やしすぎます。食べ続けると、冷え性になってしまうかもしれません。
 では、冷房で冷えすぎた時はどうすればいいか? しょうがないので、夏でも体を温める冬野菜を食べると良い、かもしれません。
 今、野菜もハウス栽培などにより季節感がなくなっていますが、私たち自身の生活環境も、「身土不二」の病理観から、かけ離れてしまっています。しかし、それでも、「身土不二」の考え方は、知っていても無駄ではありません。