シネマトリックス

面白かった映画、つまらなかった映画、見なかった映画は空想で・・今はたまののんびり更新です。

日本での売り方はちょっと間違っていたような・・「ターミナル」

2005-08-16 22:58:37 | Weblog
04年スピルバーグ監督作「ターミナル」。主演はトム・ハンクス、共演にキャサリン・ゼダ・ジョーンズ。

JFK空港に降り立ったクラコウジア人、トム・ハンクス。ほとんど英語が理解できない状態の外国人だ。なんと彼が国を離れた直後、クーデターが起き、国内がめちゃくちゃ、米国はそんな国情の彼の入国を認めることができず、事実上彼は祖国も失い、行き先にも入れない・・にっちもさっちもいかない状態になってしまうのだ。

しかも、言葉のコミュニケーションもままならない。

さ~どうする、彼は空港に足止めをくらい、ひたすらニューヨークに行ける日を待つことになる。そこで起こる様々な人間ドラマ。

これは、劇場公開当時、売り方として「謎」めいた約束を果たすため空港で待ち続ける男のドラマって感じで、何となく哀しそうっていうか、悲愴な感じを受けていた。なので見に行かなかったのだが・・

な~~~んだ、これは落語の人情噺、あるいは大人の寓話のようなもので、ちょっとありえないんだけど「優しさ」とか「助け合い」っていうのを描いた本当に軽いタッチの作品だったんだね。

カメラはここのところ、ずっとスピルバーグと組んでいるヤヌス・カミンスキー。(ホリー・ハンターの旦那さん)この人の絵の作り方に賛否両論でこういったコメディには暗すぎっていう意見もあるみたい。

でも、いいんじゃないすか?

私は好きですよ、こういう軽い感じ。
やたら暗い気持ちにされるような映画より遙かにいいと思います。

なぜ、トムがどうしてもニューヨークに行きたいのか、彼が果たしたい約束って何なのか?このあたりに感情移入できないとこの映画はすべったことになりそう。

私は「気持ちわかる」と思ったので「これもアリ」と思いました。

トムが恋心を寄せる客室乗務員にキャリゼダ。彼女、本当にかわいい!

空港というと昔タイに行ったとき、事前にビザをとってなくて、まあ日本人は短期滞在なら問題ないとは思ったが、イミグレってところはなんだか緊張させられるところで・・パスポートを出すとタイ人の男性の入国管理官が「何日滞在?」と英語で聞き「2週間・・」と答えるとニッマ~~と笑い「ニホンジン、カワイイ!!」とでかい日本語で言い、バシッとハンコを押してくれたのが強烈な思い出に残っています。


マイルスの音が激しくかっこいい!「死刑台のエレベーター」

2005-08-15 19:39:48 | Weblog
57年ルイ・マル監督作「死刑台のエレベーター」

若い日のジャンヌ・モローが最高に美しい!そして何よりもマイルス・デイヴィスの音楽がすごい!出来上がった映像を見ながら、ほぼ即興で演奏、それをレコーディングしたらしい。
彼の音楽を抜くと、この映画の魅力は、そうだな~半減ってところかな。

でもそれ以外の要素も素晴しい。

ジャンヌの夫は、かなり年上で著名な実業家、何不自由のない生活を送っている彼女だが、夫の会社に勤める若い男(なかなかの2枚目)と恋におちてしまい、夫を自殺と見せかけて殺害、何とか彼といっしょになろうとする。夫を殺害するのは若い男の役目、完璧に仕組んだ完全犯罪のように思われた計画だったが、男が路上に駐車していた車を近所の花屋に勤める姉ちゃんとその彼氏がちょっと失敬して乗っていってしまったあたりから、どんどん歯車が狂ってしまう。

刑事役で出てくるリノ・ヴァンチェラは大好きな俳優のひとり。ボクサーだったこともあって、顔の中央はひしゃげているが、渋くてかっこいいよね~

この映画は完全犯罪をもくろんで若い彼が社長を殺害、逃げようとしたエレベーターが停電で止まってしまい、閉じこめられどんどんおかしな方向へとつき進んでしまい、最後にはすべてがばれてジャンヌが呆然とするまでの約1日もしくは2日間を描いている。
細かいのは一晩エレベーター内に閉じこめられた彼の顔に朝のシーンで、うっすらとひげが伸びていること。丁寧ですな~

とにかく映像が冷たくシャープでかっこいい!ジャンヌ・モローってこんなにかわいかったのねって感動!前に「エクソシスト」のときに書いたけど、彼女は「エクソシスト」公開当時、この監督のフリードキンと結婚している。すごく年上だったんじゃないかな?
そして「エクソシスト」のフランス語版の監修なんかもお手伝いしたらしい。

ルイ・マルの映画にしても、フランソワ・トリュフォーの映画にしても、昔は当たり前のようにフランス映画をロードショーで観たよね。今は単館系になっているけど・・

この時代はフランス、ヨーロッパの作品に勢いがあり、アメリカの監督たちはこぞってヨーロッパ映画を観て感銘を受け、影響を受けたらしい。時代は変わりますな~




思い切り怪しい・・「カルネ」

2005-08-14 22:01:43 | Weblog
94年ギャスパー・ノエ監督作「カルネ」。40分の短編ながら、当時かなり話題になった。

いつも問題作を世に送る監督さん。この「カルネ」も超変な映画。

口をきくことのできない10代の娘とふたり暮らしの父親。馬肉を扱っている。トップシーンから危険がいっぱい。「警告」「数秒後危険」といったでかい字が画面いっぱいに出て、まるで工事現場みたい。

そして本当に警告通り、危険なシーンが・・オエ!

個人的な感覚としては、展開の感じが一瞬ゴダールを思わせました。

父親はこの口のきけない暗い娘を盲愛していて、彼女が初潮を迎え、股間から出血しているのを見つけ、レイプされたと大勘違い。

心当たりの男を撃ってしまい、その罪で投獄され、娘と引き離されてしまう。

この映画はね、とにかく全編「変」でいっぱい。カルトっぽいていうのか、「アレックス」よりも「変」度合いは高いです。

口のきけない理由も表現なし。ひたすら近親相姦にも近い父親を描いている。「変」な映画を好きな人はどうぞ!おすすめです。

私はそこそこに「変」程度が好きなので、ちょっとここまでいくと楽しめませんでしたね。
だって「変」でも明るければいいんだけど、この暗さはいや~な気分になります。

何も映画みて、わざわざ不快な想いしなくてもね~って感じです。
公開当時、デザイナーのアニエス・Bが何だかの形で関わったこともあり「アンアン」などで取り上げられましたが、若いお嬢さん方が見て体にこたえなかったかな?





渋谷破壊シーンは見もの・・「ガメラ3 邪神イリス覚醒」

2005-08-13 19:19:58 | Weblog
99年金子修介監督作、平成のガメラシリーズの1本「邪神イリス覚醒」

私はいい年しているくせに、なぜか怪獣映画が好きだ。もちろん劇場には行かないが、機会があればテレビ放映で見ている。

でもね、観終わるたびに深い失望感に襲われる。あ~あ、今回も全然怖くないのね・・って

「エイリアン」は想像上の生き物が暴れる映画の最高峰だと思うが、どうしてああいう映画が日本では生まれないのかな?だってさ~凶暴な怪物が出てくるんだから、怖くなきゃうそでしょ。なのに、全然恐怖感がない・・

そんな中ではこの「ガメラ3」はなかなか良くできているほうだと思う。
よくがんばりましたねって感じ。

暗いストーリーなのもいい。ガメラはどうやら人間の仲間っていう設定だが、再び襲来したギャオスと戦うために渋谷の街で大暴れ、巨大怪獣同士の戦いで多くの人間が死んでしまう。もちろんガメラに罪はないが・・

主人公の少女は両親をガメラの戦い(だれと戦ったのか忘れてしまった)で亡くしていて、ガメラに恨みをもっている。

そこで心の隙間に入り込んできたのが「イリス」。子供の頃に森で拾い、最初はちょっとキュートなので、育てているうちに「これを使ってガメラに復讐」と考える。イリスは何回かの脱皮っぽいものを繰り返し、どんどん巨大化。

最後は少女の望み通り、ガメラとの一騎打ちになる。確かラストの戦いの舞台は京都駅。いつもね~何か代表的な建物のところでやるのよね。
もうちょっとひねったことができないかな~
でもこの京都駅のミニチュアはすごく良く出来ていますね。迫力があります。

少女はガメラを許し、ガメラと心を通わせることができたのだが、戦いの中でガメラはイリスの攻撃で片方の手の先がちぎれ飛んでしまう。

結局ガメラは戦いに勝ち、雄たけびを上げながら炎上している京都の町を歩いて去っていく。片方の手首から先がないまま・・

いったいどこに行くの?そんな大きな体で・・どうする?どうなる?
暗い終わり方だが、他のゴジラの新しい作品に比べればはるかによろしい。ゴジラシリーズはひとまず打ち切りになっているが、出来から言えば仕方ないね。

日本人の創意工夫で「大人だまし」の素晴しい怪獣映画ができないもんかな~「ゴジラ」の1作目を生んだときのように。期待しているんだけど・・



ゆる~~い!でもこのノリが大好き・・「オーシャンズ12」

2005-08-12 22:19:26 | Weblog
04年、スティーヴン・ソダーバーグ監督作「オーシャンズ12」。主演にジョージ・クルーニー、ブラピをはじめ、きら星のごとくスターの共演作、「オーシャンズ11」の続編だ。

「オーシャンズ11」は劇場で観て「ありゃ!?」という感想で、何か期待はずれでした。なのでこの「12」は、まあレンタルで出たら観ようっていう程度。

しか~~~し!!私のツボには完全にはまっちまいました!!映画ファンのサイトを読むと、もうブーイングの嵐、嵐!大不評です!
でも、でも、私はこの映画はすごく気に入りました。

なんと言ってもカメラがかっこいい!何だか普通のミーティングの席に誰かがカメラを持ち込んで記録のために撮ったようなゆるさ、サクサクと進むストーリー。たまに何だかよくわかんない展開。それくらいサクサク進む。

もうね~ストーリーなんてどうでもいいのよ。みんなが専門家に見えない?それでもいいの、テンポがあるのにゆるい・・この不思議な感じがたまりません。

この調子で「13」も作るのでしょうか?でもこれだけ不評だとたぶん無理でしょうね。

ブルース・ウィルスやアルバート・フィニーがクレジットなしで出演している。ブルースはブルース本人の役でね。

ジュリア・ロバーツはジョージ・クルーニーの妻役なのだが、彼女の使われ方が猛烈におかしい!ネタばれになるので言いませんが・・

軟体動物のような中国人の軽業師イエン君、お笑い芸人の中川家のお兄ちゃんに似ています。

とにかく固いこと言わずに「意味のない」映画を楽しみたい人にはおすすめ!映画は「主張」や「意味」がないとダメだっていう方、時間の無駄なので見るのはやめましょうね!!

あまりにも苦しい・・「コールドマウンテン」

2005-08-10 22:50:43 | Weblog
03年アンソニー・ミンゲラ監督作「コールドマウンテン」

主演はジュード・ロウ、二コール・キッドマン、レニー・ゼルウィガー。舞台は南北戦争時代。南軍の兵士、ジュード・ロウは瀕死の重傷を負うが、遠く離れた地で待ちわびる美しい恋人、二コールからの手紙を読み、決意を固め脱走、ひたすら彼女との再会を果たすため遙か遠い地をめざす。

これって一種の反戦映画になる。そして、はっきり言ってしまえば、どうしようもなく「つらい」気持ちになる映画だ。

映画には「楽しくて」見たくなる映画もあるし、「つらいけど」見る必要のある映画があるって思う。この映画は完全に後者だ。

私にとっては同じ系列に「ジョニーは戦場に行った」「プライベート・ライアン」「シンドラーのリスト」「西部戦線異状なし」「かくも長き不在」などがある。

直視したくないが、こうした映画が世に出る必然性があるっていう感じだ。

ラブ・ロマンスだと思うと痛い目にあう。何度もえぐい場面、戦争の極限の描写があるからね。

レニーはこの映画でアカデミー助演女優賞をとっている。本当に素晴しかった!南部のなまりとか・・すごく魅力的なキャラだ。

これはね~ネタばれになっちゃうけど・・私はエンディングがどうしても「イヤ!」なんでこんな風に終わんなきゃいけないの????

これが戦争だからさ・・ってことなのかな?寝る前に見たのが悪かったのか・・とても神経が高ぶってしまい、よく眠れなかった・・
まあ、これ以上書くと、これから見る方のお邪魔なので、このへんで。

でも体に影響を及ぼされましたね、私の場合は。

それとジュード・ロウと二コール・キッドマンのラブ・シーンがあって、夢のように美しいふたりのセックス・シーンはとってもキレイ・・なんだけど・・
このシーンだけ浮いた印象もなくはない。まるで「ご覧になっている皆さん、ここまでつらい話によくついてきましたね。これはほんのお礼の気持ち、サービスショットです~」って感じ。これは、なかったほうがよかったような・・

二コールのお尻とジュードのお尻を見たい方は大喜び!だけどね。

とにかく・・です。尺が長いこともあるので、肝をすえてじっくり見てください。結構きますよ~




追悼 イブライム・フェレール

2005-08-08 22:51:49 | Weblog
以前書いた「ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ」で素晴しい歌声を聞かせてくれたイブライム・フェレールが亡くなりました。78歳

今日は自宅で仕事をしていたのですが、なぜか午前中に久しぶりに「ブエナ・ビスタ」のDVDを見ていたのです。相方と、コンパイ・セグンドも亡くなったし、ルーベンも亡くなったね~などと話していたところだったので、夕刊でイブライムの訃報を見たときは不思議な偶然を感じました。

キューバのナット・キング・コールと呼ばれていた彼。映画のラストのカーネギーホールでのコンサートのシーン、最後の曲のときメインのメンバーが紹介されます。イブライムは紹介されると少し照れくさそうでね~今日、なぜか一度通して見た後に、このイブライムの紹介シーンだけ、もう一度見ました。

まるで彼が「じゃ!」と言ってくれたような気がしています。
今頃、セグンドたちと葉巻を吸ってライブをやっているのかもね・・


バート・レイノルズのカツラがすごい・・「ブギーナイツ」

2005-08-08 21:01:30 | Weblog
97年ポール・トーマス・アンダーソン監督作「ブギーナイツ」

主演はマーク・ウォールバーグ、田舎くさい感じがぴったり。共演が豪華でバート・レイノルズ、ジュリアン・ムーア、へザー・グレアム。ディスコでしがないバイト生活を送っていたマークがひょんなことから、ポルノ映画のプロデューサーであるバートに見出され、ポルノ男優として大抜擢、スターになり栄光への階段を上がっていくが(お決まり通り)その後、ドラッグのために転落していく様を描いている。まあ、彼の転落は彼ひとりのせいではなくアメリカのブルーフィルムが文字通りフィルムからビデオに変わったことにも関わっているんだけど・・

なぜマークがスカウトされたかっていうと、すばり局所のサイズがキングサイズだったから。
バートに「ズボンの中にお宝が眠っているぞ」と言われるシーンは笑える。

女性の体のラインは服の上からもある程度わかるけどね、男性のそれが服の上からわかるってのはすごいね。

昔ミック・ジャガーとかはピッチリしたパンツで強調路線だったけど、何だかね~

へザーはポルノ女優の役です。彼女はこの映画で初めて見て、「かわいい!」と思いました。どんな時にもローラースケートをはいているローラーガール、男優とのからみでもローラースケートをはずさない。

ジュリアン・ムーアもいい味出している、ちょいと年増のポルノ女優。最初にマークがからむのが彼女で、このからみのシーンの撮影のシーンがなかなかいいです。みんながマークの「すごさ」にビックリ、ショックしながら大スターの出現に興奮しているって感じかな。

ただ、ちょっと長いのよ、この映画。あまり長い映画は好みではない私には、いささかだるい感じ。

尺が長い点を除けば、とても良くできていて、当時70年代のファッション、風俗なんかも丁寧に描かれている。ポルノ業界を描いているのに、あまり下品な感じはなく好感がもてます。

昔大学生の頃、彼氏がアメリカのポルノ映画を映画館(下北沢)で見て「すごくよかった~めちゃめちゃ興奮した~一緒にもう一度見ようぜ」って言うので話しの種に行きました。
でも、あまりに過激なのかモザイクの範囲がでかすぎて、画面の80%近くがモザイク、音声のみが聞こえる。もう~~見えなきゃ何にもならないよ!と思っていたが彼はそれが想像力をかきたてていいんだとさ。そうかな~男と女の感覚って違うのねと思った変な思い出があります。






バカバカしすぎて笑える・・「少林サッカー」

2005-08-07 23:01:14 | Weblog
01年、チャン・シンチー、リー・リクチー監督作「少林サッカー」

劇場で大ヒットしたけど、あまり見る気になれず、レンタルで見ました。
しっかし~~~!!これが意外や意外、あまりにもツボにはまってしまい涙が出るほど笑いました。

笑いのツボ、泣きのツボ、恐怖のツボ・・これらは千差万別で、みんな違うよね。
だからこの作品も賛否両論で「この映画のどこが笑えるんだ!!」と半ば怒りのコメントさえ映画ファンのサイトにはある。

気持ちもわかる、これだけアホらしいとね。

涙の中に笑いがあるとか、ほのぼのとした笑いとかが「笑い」のツボの人にとってはこれだけ「無意味」なお笑いは耐えられないよね。

ストーリーはヘンテコだし、「品」がないし・・

でも、とにかく大爆笑した私。

鼻くそほじりながらドアを開けて出てきた美容室のオカマのママ、ブルース・リーそっくりのゴール・キーパー、もうキャラが爆裂。

最後の試合のシーンで強烈なキックに相手ゴールのキーパーの服がぬげちまって真っ裸になるところでは、もう頬を涙が伝いました、あまりに笑いすぎて・・

今、テレビでもたくさんのお笑いタレントさんが出ていますね。
人によって好みは様々、以下は勝手に選出した私の好きなお笑いさんです。

アンガールズ(ただし出始めの頃のインパクトが今や薄い)

ヒロシ(最近肌荒れがひどい)

ドランク・ドラゴン(コンビ二のアルバイトの店員の休憩のコントのみ好き)

ラーメンズ(テレビに出なくて残念)

安田大サーカス(デブのヒロ君の後頭部がすごい)

レギュラー(肝心のあるあるネタがおかしくないところが笑える)

パペット・マペット(ほとんど同じようなことを自宅でやっているので自分とキャラがかぶる)

以上です。みなさんはどんなお笑いが好き?








美しい映画・・「刑事ジョン・ブック 目撃者」

2005-08-06 20:10:48 | Weblog
85年ピーター・ウィアー監督作「刑事ジョン・ブック 目撃者」は主演ハリソン・フォード、ケリー・マクギリス。

警官殺しを目撃したために犯人につけねらわれるはめになってしまった少年、彼を守るのは刑事ジョン・ブック、ハリソン・フォードだ。

この少年がアーミッシュの村に住んでいたことから、ジョンも村に滞在することになる。この映画で初めてアーミッシュの存在を知りました。

ストリクトな信仰生活、文明から遠ざかったひたすら質素な生活、服装も超地味だ。「プレーン」であることが信条。

少年の母親がケリー・マクギリス。夫は死んだんだっけかな?

まったく着飾っていない彼女だが、とても美しくジョンは恋してしまう。
最初見たときは「なんかごつい姉ちゃん」と思ったが、外人の男性の友人の感想によると「とっても美しい」のだそう・・

彼女はこの後「トップガン」で180度違う雰囲気で現われ、やっぱり女優はすごいもんだな~と思いました。

警官殺しの犯人はアーミッシュの村まで迫ってきて、少年を亡き者にしようとたくらむ。最後はジョンとの対決となり・・

アクションはこっちに置いといて・・事件が解決、村を去るハリソンに恋の激情をおさえらず、ケリーが自分の頭にまいてた白いスカーフをとり去り、ハリソンの胸に飛び込むキスシーン、これが数多く見た映画の中でも鮮烈なラブ・シーンのひとつ!切ないな~

これは絵のようにキレイだったな~
え~~い、信仰なんて捨ててハリソンについて行っちゃえよ~と思ったが、まったく異なる世界に住むふたりは、静かにその恋をあきらめ、別れを選択していく。

信じられん!私だったら絶対に村を出るぜ!と思ったが、赤ん坊のころから住んでいた世界、そこから出て行くことは不可能だったんだろう。そしてハリソンがアーミッシュの世界に入るのも無理・・
ふたりの選択は正しかったんだろうね。切ない幕切れの美しい映画です。





トラウマになるくらいの恐怖感・・「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」

2005-08-06 00:33:47 | Weblog
監督が本多猪四郎、66年の「サンダ対ガイラ」

これは、いつ見たのか?今となっては記憶がはっきりしないんだけど、とにかくすさまじく怖かったと思ったので、おそらく小学生のときに見たんだろうな。

優しい海の怪獣サンダ、凶暴な山の怪獣ガイラ、ふたりは双子?で確かひとつの命から分離して生まれたような・・そんなような・・

何が怖かったかって?ガイラが食人種なんですよ。

こんな描写いいんすか?って感じなんだけど、たぶん人を喰うシーンがやたらとリアルだった。女の人をつかまえて、ボキっと折って、バクっと食べる・・みたいな・・私と同世代の人で、この「サンダ対ガイラ」か「マタンゴ」がトラウマになった人は結構いると思う。

映画ファンのサイトで見ると自衛隊かなんかの発表で「以後、海の怪獣をサンダ、山の怪獣をガイラと呼称する」っていうセリフがあって、それが当時としてはすごくクールだったんだって。

この表現は後に平成のガメラシリーズ金子修介監督も使いましたね。

そうだな、映画が進む中で、怪獣の名前がどの時点で決るかって考えてみたら不思議・・

「サンダ対ガイラ」はレンタルで出ているんですが、見る機会がありません。
今見てもびびったらどうしよう???






やっぱり女性に受けるのかな?「ブリジットジョーンズの日記」

2005-08-05 01:18:18 | Weblog
01年シャロン・マグアイア監督作「ブリジットジョーンズの日記」30歳代の独身、まあそこそこのキャリアがあるブリジットがヒロイン。演じるのはレニー・ゼルウィガー。ぽちゃぽちゃした顔でハリウッドには珍しいタイプ・・かな。結構好きな女優さんです。

この映画のためにがんばって体重を増やしたレニー。元に戻れるところがすごいよね!!トム・ハンクスなども役作りでやせるけど、やっぱり素に戻ると太っちゃうようだ。

女優さんだから体型管理はシビアなのね。

この映画はレンタルで観て、私は笑いっぱなし。相方も笑うには笑うけど、後で聞いたらさほどツボにはきてなかったようだ。他の男性の方はどうでしたか?

やっぱり「わかる!わかる!」っていう度合いが女性ならでは・・なのかな?

独身の彼女は上司のヒュー・グラントに惹かれていて、デートのとき、うっかりデカパンをはいていってしまう。なのに、まさかのベッドイン!「ひえ~~~!しまった~~」みたいな感覚ってやっぱり男性にはわからないんだろうな~~

魅力的だけど女たらしのヒュー・グラントと、まじめで堅物のコリン・ファースの間でユラユラ・・

魅力的な男って自分にとってだけでなく、他の女にとっても魅力的なのよね。
ハンティングの本能が強いので、好きな女はいても、いくらでも他にも拡大路線。結婚しても変わることがないんだろうね。

コリン・ファースはこの映画では何とも無粋な男なんだけど、「真珠の耳飾りの少女」では画家のフェルメールを演じてすごくいい感じ。とても同じ男には見えません。俳優さんってすごいですね。

そうそう、昨日レンタルで「バレエ・カンパニー」を見ましたが、何よりもびっくりしたのは主演のひとり、バレエ・カンパニーのボス役がマルコム・マクドウェルだったこと。見終ってから映画のデータのHPで知って、もう一度チェック。そうだ~~~この鼻、この目、マルコムだ!!彼も60代、禿げ上がっており、白髪でじいちゃん。
年月の流れを感じました。


ノベライズをもっていました・・「フレンズ/ポールとミシェル」

2005-08-03 23:40:36 | Weblog
70年ルイス・ギルバート監督作「フレンズ」

15歳のイギリス人少年ポールと14歳のフランス人少女ミシェルの恋を描いている。単に恋人ってことではなく、同居人であり、彼女は妊娠し出産もする。
当時結構センセーショナルでしたな。

ふたりの役者さんは素朴だが、かわいかったですね。でもその後、ふたりともあまりふるわずスクリーンからは消えてしまっています。
ミシェル役のアニセー・アルビナ結構好きだったけど・・

この映画は内容的にリアルタイムで映画館で観ることがご法度で、長いこと未見でした。
最近になってようやく見る機会があったけど、さすがにちょっと・・進行などに古さというか、かったるさが・・

映画館で見れないので仕方なく当時はノベライズを購入、そちらの方が面白かったかも・・

孤独なふたりがふとしたことでパリで出会い、ミシェルの生まれたアルルに家出。
幼いふたりは生活もままならず、食べ物もどんどんなくなる。
ひもじい状態で初めて結ばれたふたりの描写も結構切なかったのを覚えています。でも本当のところは自分に経験がないわけだから、「ふ~~ん」てな感じでしたが・・わかったようなわからんような・・

妊娠がわかったふたりが、医学書を買ってふたりで研究、ふたりだけで出産にいどむシーンなど迫力あったな。

だんだんと仕事もできるようになり、夫として父親として生活をになえるなったポールだったが・・

ラストはあまりにも悲しくむごいね~なんでこんな終わり方にしたのかしら?

でも数年後に続編もでき(未見だけど)、ここでは悲観的な終わり方ではなかったようなので、まあ許しましょう。

あらゆる悲恋ものの原点「ロミオとジュリエット」だけど

2005-08-01 23:47:20 | Weblog
60年代、フランコ・ゼフィレッリ監督作「ロミオとジュリエット」もうこれはあまりにも有名なシェークスピアの原作を映画化したもので、当時15歳だったオリビア・ハッシーがジュリエットを、レナード・ホワイティングがロミオを演じている。

オリビア・ハッシーはこの映画1本でその後何年もの間、日本での絶大な人気を誇ったものだ。でも本当にかわいいもんね~

作品としてはこれ1本で終わったかの感が強い彼女だけど、最近「マザーテレサ」を演じる機会に恵まれ復活のきざしが・・

当時ジュリエット役は「金髪」の女優が演じることが大前提だったらしい。監督はまったく今までにないジュリエットを作り出すためにも、あえて黒髪のオリビアを選んだってこともあるようだ。だいたいイタリア人ってダークカラーの髪の毛が多いようだしね・・

あらゆる悲恋の原点「ロミオとジュリエット」だけど、生物学的な見地からだとお猿の群れの若いメスが、ある日ひょこっと現われたはぐれオス猿に心惹かれ、自分の群れを離れてついていったり、他の群れのオスについていったりすることってあるんだそうで、これは常に子孫を新鮮に保つための本能が働いているのだそうだ。

何もそんなに厳しい条件の異性に惹かれなくてもね~と思うのだが、常に同じ群れで結婚を繰り返しているとあまり優れた子孫を残せなくなるんだって・・

なので、メスはある時期になると距離感のあるオスと恋するようにプログラムされているんだって・・

屁理屈のようにも思えるけど、その学者のおっさんはこの現象が「ロミオとジュリエット」の困難な恋愛に通じていると説いている。

まあ、ふたりはわざと遠い異性に惹かれたわけではなく恋に堕ちた相手がたまたま敵同士の家の子供同士だったってことなのだが・・

そんな風に言われると「恋」ってのも・・ね~~なんか「あ~そうですか」って感じですな。
当っているとも思いますし、それだけもないでしょうとも思いますし・・

でもこの「ロミオとジュリエット」は芝居のような古典的なセリフまわしがかえって新鮮で強烈、男のはいてたタイツの色といい、すべてが美しかった~今だったら、絶対にありえない「すれ違い」ドラマの王道・・

歌舞伎を鑑賞するような気持ちで見ていただきたい名作です!