シネマトリックス

面白かった映画、つまらなかった映画、見なかった映画は空想で・・今はたまののんびり更新です。

心底せつないラブ・ストーリー・・「ヘッドライト」

2005-08-24 23:31:58 | Weblog
55年アンリ・ヴェルヌイユ監督作「ヘッドライト」

これは子供の頃、テレビ放映で見ました。確か中学生くらいだったような・・あまりにも哀しくて切なくて泣いたのを覚えています。

主演は大好きなジャン・ギャバン、共演がフランソワーズ・アルヌール。

トラック運転手のギャバンはもうすぐ50歳、もう若くはないおっさんだ。
そんな彼がふたまわりくらい年下の美しい娘、アルヌールと恋におちる。

本当に互いを真剣に好きなのだが、彼は妻子がいて物事簡単にはいかない。彼の家庭はどうやら、もう夫婦関係が冷え切っていて、優しさをアルヌールに見出しているようだ。

しかし、彼女は妊娠していることに気づき、ひとり堕胎医に行き、それがもとで命を落としてしまう。せっかく彼が決意をして彼女との新しい生活の決意をしたばかりだったのに・・

もう本当に切ないの~~彼女は妊娠しても彼を責めるわけでなく、自分で始末をつける。堕胎も当時は違法すれすれのもぐりの医者が横行しており、中には毛糸の編み棒でかき出していたなんて医者もいたらしい。

これはファザコン系の私にとっては、たまらなく魅力的な作品でした。ボソ・・ボソボソってしかしゃべらないようなジャン・ギャバンが恋をする・・考えただけでも、うっとりします。

同じファザコン系作品では以前書いた「シベールの日曜日」がありますね。いずれもヨーロッパ系列ですな。アメリカ作品には、こうした叙情的なファザコン系作品は見当たりませんね~~