
見送ってくれるホテルのスタッフ
特にアメティさん(左)にはよくして頂きました。
ベネチア本島の交通機関は船しかありません。陸でいうバスは、ヴァポレット(水上バス)、タクシーは、モトスカフィ(モーターボート)と言います。初日、このモトスカフィで失敗というか、ちょっと苦い経験をしました。宿泊先は良いホテルだったのですが、たった一つ難点がありました。それはホテルまでの道のりです。通常はベネチアの鉄道駅、サンタ・ルチア駅前からヴァポレットに乗ってリアルトで下りるのですが、実はそこからの道が複雑で橋を3つも渡る必要があったのです。グーグルマップやグーグルアースで事前に調べていたのですが結構遠い。大きな旅行鞄を引きずりながら、現地に入れば道も迷うだろうし、到着したのが夕方ともあって、そろそろ日も暮れてきます。
イモラの町を歩き過ぎたなぁ…でも、ヴァポレット(水上バス)の一週間有効券も買ったしなぁ…等々、いろいろと考えながらも体力温存の為に水上タクシーに乗ることを決意しました。決意というと大げさですが、この水上タクシー、料金が異常に高いのです。もっとも、ヴァポレットの乗船料金だって安くはありません。観光客が一回乗るだけで60分有効ながら6.5ユーロもします。日本円に直すと約700円。
しかし何もかも承知の上でこの町に再訪したのだから料金云々はさておいて、問題は、駅前から乗った水上タクシーでした。駅前の乗り場から、行き先のホテルの名前を告げて、手配係の指示通り、一隻の水上タクシーに乗船しました。宿泊先のホテルには運河に向いた専用の船着き場があります。そこへ直接このモトスカフィが乗り付けてくれるはずだったのです。
私 「alal広場の大黒屋ホテルまで行って下さい」
手配係 「おっいいよ~。こっちに来て。これに乗って」「料金は70ユーロだけどいいかい?」
私 「いいですよ~」(やっぱ高っ(-_-;)

ホテルの専用船着き場
ところが、水上タクシーは、ホテルの専用船着き場には着けてくれず、途中の船着き場に止まりそこで下ろされてしまいました。私は、ホテルまで行って欲しいと言いましたが、運転手さんは、ここで下りて次の角を右に曲がればホテルはすぐだ、と言うばかりでした。旅行鞄は岸に上げられてしまったし、私の語学力ではこれ以上言う言葉も知りません。仕方なく料金を支払い下りましたが、何かすっきりせず気分はすっかり落ち込んでしまいました。

サンタ・ルチア鉄道駅前のタクシー乗り場

私が下ろされた船着き場
どうして水上タクシーは、ホテルの専用船着き場まで行ってくれなかったのだろう。何度もホテル名を告げて念をおしたのに通じなかったのかと、私の小さな頭の中はその疑問でいっぱいでした。確かに下りた場所からホテルまで近かったし、とんでもない料金を請求された訳ではないのですが、どうも納得がいかないのです。そして、帰国日。最後の贅沢だと割り切って、というよりも、初日のこの疑問を解きたい気持ちもあって再び水上タクシーをホテルに依頼したのでした。

運河から見たホテル専用の船着き場
指定した時間きっかりに迎えに来てくれた水上タクシーを見て私はちょっとびっくりしました。タクシーの運転手さんの雰囲気といい、タクシーの内装といい、初日乗ってきたタクシーに比べて明らかに立派なのです。私はますます分からなくなりました。そこで思い切って私はこの運転手さんに聞いてみることにしたのです。私が初日駅前から乗ったタクシーとこのタクシーの様相が違うこと、駅前から乗ったタクシーはホテルに着けてくれなかったこと、そして駅前からこの様なタクシーに乗るにはどうしたらいいのかと。

ベネチアのマルコ・ポーロ空港へ向かう水上タクシー
私のたどたどしいイタリア語をニコニコしながら聞いてくれた運転手さんは、まずはタクシーの内装を自慢して、このタクシーに乗るには、「ここに電話をして呼んでくれ」と名刺を差し出しました。しばらく説明をしてくれていましたが、その言葉の中に白タク(多分…^^;)という表現を耳にして私ははっとしました。
ベネチアの水上タクシーには組合があります。この組合のホームページから事前に予約をして料金を支払い、送られてきたバウチャー(予約確認書)を持って行けば、24時間対応でタクシーが来てくれます。それは知っていましたが、白タクがある(多分…^^;)、ということまでは思いが及びませんでした。思えば、ローマでもフィレンツェでもタクシーの評判は今も決して良くはありません。正規のタクシー乗り場から乗ったけれど、もしかしたらベネチアも他都市と同じなのかなぁという気もしてきます。しかし、細い運河を通っていくホテルではタクシーが入れないこともあるし、そのことは組合のホームページにもちゃんと載っていて、断りが書いてあります。

遠ざかる夜明けのベネチア
果たして、今回私が経験したことは、運河が狭くてタクシーが入れないホテルだった為か、運転手さんがホテルに専用船着き場があるのを知らなかったのか、それとも、故意に下ろされたのか…。更に思いを巡らせば、ホテル側が、この白タク(多分…^^;)のようなタクシーの乗り入れを許可していないのか、今もって疑問は解けないのです。が、少なくとも、ベネチアの水上タクシーにはいわゆるハイヤー等(リムジン仕様の豪華なのもある)と一般タクシー、そして、もしかしたら中には白タクがあるのかも知れないということを身をもって知ることになったのでした。
なお、これらの水上タクシーの料金ですが、観光本やサイトの中には初乗りの基本料金があって、その後1分毎に料金が加算されていくシステム、などとありますが、現状はそのような算出方法はしていません。2011年12月現在では、サンタ・ルチア駅前から町の中心部へは60~70ユーロ。又、町の中心からマルコポーロ空港へは110ユーロです。勿論、これに深夜料金や早朝料金、人数、スーツケースの数等で変動することになります。

私が乗ってきたダニエレさんの水上タクシー/マルコ・ポーロ空港にて
昨年は、宿泊したホテルからリアルトのヴァポレットの乗り場まで近かったので、空港行きのヴァポレットに乗りましたが、室内は暖房もなく冷えてとても寒かったことを思い出しました。又、観光本に書いてある様な、“遠ざかる夜明けのベネチアを見ながら名残を惜しむ~”なんてことは叶いませんでした。何しろこのヴァポレットは、船底が低く、窓も開けられないし、ましてやデッキなんてものはないのだから。けれど、観光本が謳っていた光景を、今回は水上タクシーから存分に眺めることが出来て、贅沢でしたが、このモトスカフィで移動したのは正解でした。最後に自己紹介をして名前を教えてくれた運転手のダニエレさんは、マルコポーロ空港で私を下ろした後、大きく手を振って、再びベネチアの町へ帰って行きました。
*ベネチアの水上タクシー(組合)日本語サイト:http://www.motoscafivenezia.it/jap/
見知らぬ土地のタクシーで、しかも言葉に自身がないと、相手の出方が不安ですよね。わたしも、ギリシャでタクシー代を余分に取られたことと、大阪で、わざと遠回りをされたことがあります。ヴェネツィアはまたいつか行きたいと思っていますので、参考にさせていただきますね。
又、タクシーについては全世界共通なのでしょうか。昨年はフィレンツェでタクシー料金をぼられかけました。いい運転手さんもいるのに…ベネチアのタクシーの件、イタリア在住の方の参考にして頂けるとは恐縮ですが、もし私の疑問が解けるようなことがお分かりになったら、是非教えて下さい。
なおこさんのブログも素敵で楽しくて読んでいて飽きないですね。エピファニアのお祭りは知っていましたが、ベファーナは初めて知りました。貴重な情報がいっぱいです。次回はペルージャにも是非行ってみたいと思います。これからもよろしくお願い致します。
でもゴンドラに乗って見る光景は一段と素敵でしょ。私も一番最初はツアーで訪れて、それですっかり魅了されてしまいました。この水上タクシーですが、昨年は利用するつもりも全くなかったから気にも止めていませんでしたが、こうして経験してみると疑問やら興味やら沸いてきて、変な言い方ですが、これはこれで楽しんだ気がしています。しかし、水路は近道をしてわずかな距離なのに70ユーロとは、やっぱり高いですよね(^^)。
それはそれは、腑に落ちない事でしたね。
外国の女性1人旅なのに、どうして
ホテルまで連れて行ってくれないのかなぁ?
諸事情もあるでしょうが、運転手さんの
お人柄も関係してくるのかな?
私の若いお友達(テルマエロマエ&バレエ友)の
Yちゃんは、かなり前ですが、ロンドンで
タクシーに乗って、連れて行かれたのは
彼の家だった・・と!!
彼女は、それはそれは可愛いお嬢さんなんで、食べられちゃう寸前だったかも。
地下鉄で走って逃げて、やっとのことでピカデリーの
大通りに着いたそうです。
ロンドンタクシーと言えば、イギリスでは
選ばれし公務員なはず。怖い怖い。
可愛い日本マダム・アルママさんも
運転手さんの家に連れて行かれなかった
だけ、◎としてくださいませ。
お見送りのホテルスタッフさんたちの
写真、いいですね!!
しかし、Yさん、なんて怖い思いをされたのでしょう。紳士の国なのにね。イタリアも日本から行くと真夜中に現地に着いたりしてタクシーの利用もしなければいけないことがあるのに、sachiさんのお話を伺うと、ちょっと怖くなってきました。あっスタッフのお見送り、こんなに丁寧に見送ってもらったのは初めてですよ。又このホテル、利用しようと言う気になりますよね。