
2012年12月30日午前7時半/リアルトヴァポレット乗り場より
ホテルを出て空港に向かいます。帰りの飛行機便は、ベネチアのマルコポーロ空港から11時15分発の国内線でローマまで行き、国際線に乗り換えて関空です。朝が白々と明けていきますが、リアルトのヴァポレットの乗り場には私一人が船が来るのを待っています。ベネチアから空港まで行く手段は、ローマ広場からバスで行く方法とヴァポレットに乗って行く方法、そして水上タクシー利用の3つしかありません。一昨年はヴァポレット、昨年は水上タクシーを利用しましたが、ベネチア本島、特にサンマルコ広場やリアルト付近に宿泊したならば、やはりヴァポレットが便利だろうと思います。イタリアのことだから、船も時間通り来ない、遅れるのではないかと心配されるかも知れませんが、ほぼ時間通り、きちっと発着します。

午前7時30分、私が乗る空港行きのヴァポレットが時間通りやって来ました。
ベネチアのヴァポレットの運航会社は二つあって、一つがActv、これはベネチアのカナルグランデの一般の交通機関になる船、そしてもう一つがALILAGUNA(アッリラグーナ)と呼ばれる運航会社で、これが空港便になります。なので、一般の公共交通便のヴァポレットの切符では空港まで行けません。切符売り場でも、「空港まで」と言っても売ってくれない場合もあって、今回も駅前のHELLOVENEZIAという大きな券売所でも、ここにはないと断られました。リアルトやサンマルコ広場など、空港便の乗り場にある切符売り場で早めに購入しておくのがベストです。(昨年も記したかと思いますが、朝7時の時間帯では、この季節、切符売り場はまだ閉まっています)

ALILAGUNA(アッリラグーナ)社の空港までのヴァポレットの切符
切符の料金は、昨年までは14ユーロだったのが今年は15ユーロになっていました。一般のヴァポレットも1時間が6.5ユーロだったのが7ユーロに値上がりしていて、一体どこまでこの町の切符の値段は高騰するのだろうかと思います。そうそう、サンマルコ広場~リアルト~空港までの路線では「リネア・アランチャ」という路線名が付いていますので、これも切符の購入時に念の為に告げれば間違いがないと思います。

空港まで行くヴァポレット
この船に乗り込みました(*^_^*)
その路線名の通り、船体はアランチャ色(アランチャとはイタリア語で果物のオレンジの意味)をしています。

西の空には、まだお月様が出ていて、昨年、一昨年同様、名残の尽きない「名残月~」、私の心情そのままだと感慨深く眺めました。なお反対の方角、東の空からはお日様が昇りかけいます。船の行く方向左右に月と太陽を同時に見たのは初めての経験でした。ベネチアにはもう四度来ていますが、こうして来るたびに違う顔を見せてくれるのが何とも魅力的。又訪れたいと思わせられるのでした(^^)。

ヴァポレットの船内から
私の乗るこの船をものすごい勢いで追い越していった船がありました。そう、水上タクシーです。飛行機の時間に間に合わないのか、とても急いでいます。私も昨年、水上タクシーに乗った時のことを思い出しました。ホテルからヴァポレットの乗り場までが遠かったのとアックアアルタの心配があったから利用したのですが、やはりどんな町でも駅に近いホテルに滞在することが何よりのメリットかなとも思います。そうそう、海の上に打たれた杭、これが船のいわば道路、この杭と杭の間を船は走行する決まりになっています。このお話は、昨年乗った水上タクシーの運転手さんが聞かせてくれました。

アッリラグーナ社運航のヴァポレット「リネア・アランチャ」路線の空港船着き場
このヴァポレットは本来ならリアルトから幾つかの船着き場に立ち寄りながら空港まで行くのですが、今朝は私一人しか乗船客は居なくて、どの船着き場も素通りでした。なので、なんと20分も早く空港に到着しました。観光シーズンなら恐らく乗船する人がいっぱいで、皆大きな荷物があるので、時間は余分に掛かると思われますが、これもオフシーズンの良さですね。

マルコポーロ空港のロビーの窓に描かれたおっきな広告
昨年は確か12月の28日か29日だったかと思うのですが、この空港内は大変な混雑でした。今年はもっと人が多いかと思いましたが、意外に少なくて拍子抜け。きっとお正月の帰省や休暇のための移動のピークは過ぎていたのでしょうね。お陰でベネチア/マルコポーロ空港からローマまでの国内線は混乱もなく、予定通り発着してくれました。そして、国際線に乗り継いでローマから関空まで、機内では思いも掛けないことがあって、アリタリア航空の企業努力を垣間見ることになったのです。