民話 語り手と聞き手が紡ぎあげる世界

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「思考のレッスン」 その2 丸谷 才一

2017年03月17日 00時26分29秒 | 文章読本(作法)
 「思考のレッスン」 その2 丸谷 才一 文藝春秋 1999年

 「レトリックの大切さ」 P-262

 丸谷 今回はものを書く上での心構えから始めましょう。
 当たり前ですが、ものを書くというのは、何か言いたいことがあるから書くわけですね。そのせいで、つい自分の思いのたけをひたむきに述べる、訴えるという書き方になりがちです。でも、どうもこういう書き方はあまりうまくいかない。

 趣味の問題かもしれないけれど、僕はむしろ「対話的な気持ちで書く」というのが書き方のコツだと思う。自分の内部に甲乙二人がいて、その両者がいろんなことを語りあう。ああでもない、こうでもないと議論をして、考えを深めたり新しい発見をしたりする。そういう気持ちで考えた上で、文章にまとめるとうまく行くような気がします。