絵本と児童文学

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良質の笑い

2009-07-22 08:07:07 | 生活・教育・文化・社会
 かねがね見たいと思っていた「ザ・ニュースペパー」が、20に日近くの市であったので見にいった。かなり前から都心で小規模のライブをしていることに注目していたが、1時間を越えて足を運ぶのは億劫だった。
 社会風刺コント集団であるが、800人規模のホールはほぼ席が埋まる規模だけあって9人の演者の大掛かりなものだった。いわゆる時事ネタを繰り広げるのだが、変化の早い時事に対応しての脚本とそれを演じるのは、鍛えられているプロ集団という感じであった。

 時事ネタだけに小泉、麻生、鳩山、オバマを行った政治家、東国原、橋下、森田知事、北朝鮮、お年寄り、マイケル、田原といった人を演じながら次々の笑いを広げていく。内容が内容だけにテレビのニュースショー程度の知識を必要とするが、それがあれば大いに笑える。
 彼らは、歌、パントマイム、ダンスなどかなり質の高い表現力をもっている。それがあるから次々と展開される時事ネタのコントの質の高さになっている。 コントなのでいくつもの話題が次々と展開され、歌唱力の高い人のユーモアをともなった替え歌がところどころ挿入され、休憩なしの2時が瞬く間にすんでしまったという感じだった。
 時事の変化にともなってキャラクターと内容を変える、そして状況によっては当日になって内容を変えることもあるだろう。解散前日だっただけに、麻生首相ネタは深く掘り下げられ面白かった。
 コントだけにやむをえないことだが、全体の構成あるいはプログラムビルディングが難しいところだ。ともすればそれぞれのコントのつなぎになってしまいがちでもある。内容の共通性でつなぐ部分は分かりやすいが、難しい転換する部分に随所に歌やダンスを入れていた。演出としては冒頭部分の小泉、麻生が内容と演者によって強い印象を受けただけに終盤でのニュースのコントは内容が一級だが舞台で大掛かりな演技がないだけに、印象がうすくなった。それにこの種の内容が、800人規模をすみずみまで笑いをはじけさせるのも難しいところだ。
 ドタバタのバラエティーがテレビで流し続けている時世にあって、時事ネタで練られた脚本を基にした優れた演者による良質な笑いを届けるステージ活動が、長く続いていくことを願っている。
 わたしは時事ネタの内容に関心があるだけに、なにはともあれ大いに笑い拍手を送ったのだった。


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