世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●株価、上値予想が頻発する理由 エコノミスト不安の象徴

2015年05月19日 | 日記


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●株価、上値予想が頻発する理由 エコノミスト不安の象徴

以下の週刊現代の記事を読んでいたら、政府の詐術行為とエコノミストの「良いもの探しの旅」を思い知らされるだけなのがよく判る。エコノミストは、その体質から考えても、株式市場から客が逃げ出されては困るわけだから、不安材料が多すぎるとネガティブな予想を語り続けることはあり得ない。彼らは、藁のキレッパシを掴んで、大チャンスだと煽るのは、致し方ないだろう。

しかし、現在の日銀やGPIFやゆうちょの、いわゆる公的資金で買い支えられているのは当然だという前提そのものが、その時点で狂っているのだ。ヘッジファンドはハイリクスハイリターンを生業にしているのだから、投機をするのは、その性格上当然である。自由な資本主義における株式市場においては、それも容認できる。決して正しい経済理論ではないが、金融至上主義が此処まで蔓延すれば、あだ花として認めるしかないだろう。

この記事では、国家とヘッジファンドの闘いの事例として、90年代前半の「ポンド危機」を示すが、自国通貨の攻防は、その国に属す、国民や企業にとって、生きていくための経済基盤だから、その通貨に介在する政治的判断にも、一定の理解は可能だ。しかし、株式市場と云うのは、その国に属する人々すべてとか、すべての企業に影響を及ぼす波及効果は、通貨の為替価格とは、似て非なるものである。相場には違いないが、すべての国民に重大な影響を及ぼすものとは言えない。

ここが、アベノミクスの性悪説の起源である。たかが株価で、悪化一途の経済状況を糊塗し続けることは、根本的国の経済基盤の瑕疵から目を背けることである。少子高齢化は30年前後続くだろう。円柱のような人口構成は少子高齢化ではないが、右肩上がりになるとも思えない。17年春の消費税10%に向けた政府の経済対策?もう駄目なものに打ち込む経済対策などに踊る人々は僅かだろう。エコノミストらが口々に「夏以降は上昇要因が目白押し」とピイチクパーチク“がなる”。

★「株価が1万8000円台へと落ちてくれば欧米の大型年金基金は株主重視・質的改善を好感して、一気に日本株に参戦する構えだと実感しました。8月には2万円を回復し、それ以降は2万円が定着するでしょう」

★「まず7月に家計調査が発表されて、ここで消費増税ショックから立ち直り、消費の回復感が鮮明になってくるでしょう。さらに、8月頃には日本企業の'15年度第1四半期の決算が出揃い、増益基調が明らかになり、日本買いが 進むと思われます。年末に向けて2万3000円を目指す展開となるでしょう」

★「政府は郵政株上場を失敗させないように何らかの株高施策を打ってくるはずです。最もあり得るのが、日銀による追加緩和。日銀が追加緩和をすれば、年末には2万2000円くらいまでは上がっていくでしょう」

★「秋以降には政府が'17年4月の消費増税に向けて、消費者心理を冷やさないような増税対策を打ち出すと見られます。市場はそれを好感し、年末には2万5000円となってもおかしくない」

いやはやな言い分である。どれも、上手く行けばと云うことで、現実経済効果が期待できないものもあり、これ以上の金融緩和で、得るものは少なく、失うものは莫大なのだから、黒田日銀の破れかぶれは、売国行為になってしまう確率の方が高い。世界を見渡して、景気が良さそうな確実な情報は、ほぼ皆無だ。おそらく、世界は経済ではなく、政治外交軍事の方向に舵を切らざるを得なくなる。金の亡者の方が直接生き死にに関わらないので、平和と言えば平和だが、富の格差はトンデモナイ水準になるのだろう。やはり、自給自足の手立てを本格化させるのが、王道かもしれない(笑)。


≪ 悲観論が根強いが「株価2万円」の攻防6月に一気に動く
一日で数百円の株価暴落が当たり前になってきた。「1ヵ月ごとに1000円」の猛烈なペースで上げてきた道を、そのまま急速に引き返すようである。ただ、この株式劇場はまだ始まったばかりで—。

■国家vs.ヘッジファンドの闘い
 「あの日は日本銀行も相当に焦っていた。一気に365億円も株式市場にぶち込んで、下げ止まらない株価をどうにか買い支えようと必死になっていたのですから」
ある外資系ファンドマネジャーは、日経平均株価がたった一日で500円以上も暴落した「4・30ショック」の舞台裏をこう語り出した。
 「正直、なにが起きているのかわかりませんでした。市場では『米国の 1-3月期GDP値が予想を下回ったことによるショック売りだ』との観測が駆け巡ったが、この時の米国株価(ダウ平均)はわずか70ドルほどしか下がって いない。ではなぜ、日本株だけがこれほど暴落するのかと、市場はますます混乱していったのです。 翌5月1日も疑心暗鬼が渦巻く中で、日銀はふたたび動かざるをえないところへ追い込まれた。これ以上の株価下落はなんとしてでも避けなければいけないと、前日同様に365億円の巨額マネーを投じて、日本株を買いまくっていました」
 日本株が「株価2万円」の大台を突破したのは、4月10日のことである。 その勢いのままに次は2万1000円、2万2000円と威勢の良い声が上がっていた中で、そうした楽観に冷や水を浴びせかけるようにこの暴落劇は起きた。 「実は5月1日の株式市場は、下手をすれば'13年5月のような1000円以上の大暴落になっていた可能性がありました」
 海外の投資家事情に詳しい株式評論家の渡辺久芳氏が言う。 「4月30日の株価急落の起点はドイツです。ドイツ国債が急激に売られる予想外の事態が発生し、これに驚いた投資家たちが世界的に株を手放す動きを加速させ、それが日本に伝播した。さらに、その流れを利用して、日本株の売 り仕掛けで儲けようとしていたヘッジファンド勢が出てきた。5月1日にもそうした海外ファンドの仕掛けは出ていたため、大暴落の危険性がありました。 しかし、この日はファンドを向こうに回して、ゆうちょマネーなどの日本の公的資金が対抗して買い支えに動き出した。日経平均株価への影響度の大きいファナック、ファーストリテイリングなどの株を買うことで、株価を持ちこたえさせたと見られます」
 日銀、ゆうちょなどの巨大プレイヤーたちが総出で「戦場」の最前線に立つ。それは'90年代前半、ヘッジファンドとイギリス政府が壮絶な買いと売りのバトルを繰り広げたポンド危機さながらであるから、恐ろしい。
 日本では株式市場が閉じていたゴールデンウィークの連休中も、米国シカゴの日経平均先物市場では、一日に300~400円も上下する眩暈のするような異常事態が続いた。連休明けの東京株式市場も大荒れで、売りに売られて株価は1万9200円台まで落ちた。
  「この乱高下相場はしばらく続く」と、BNPパリバ証券投資調査本部長の中空麻奈氏は言う。
  「日本株の2万円という水準に対して、『これはバブルではないか』 『すぐ下がるのでは』と不安視する投資家が多くいます。そうした投資家は、いつでもすぐに撤退できるような態勢で構えている。逆に言えば、株価2万円時代 というのは、投資家が急落に備えてリスク要因を探し回っている状態ともいえます。 だから、ひとつのリスクをトリガー(引き金)にして一気に株価が急落し、一方でそれを公的マネーが買い支える。そんな攻防はこれから何度も起こりうるのです」

■ギリシャ・ショックの悪夢
 
日本株は世界とくらべても急スピードで駆け上がってきただけに、落ちる時もまた早い。 しかも、その引き金となるリスクは世界中にゴロゴロと転がっている。今回の暴落劇の引き金がドイツの債券市場であったことを考えれば、世界のどんな些細な事件でも日本株の「次の暴落」を引き起こしかねない。
 そうした中にあって、「日本株は6月に一気に動く」とのシナリオが語られだした。
 6月には巨大リスクとなる爆弾が仕掛けられており、これがはじければ、日本株は歴史的な急降下に見舞われる可能性があるというのだ。 中でも警戒されているのが欧州の火種、ギリシャである。 債務問題を抱えるギリシャは目下、金融支援をめぐってEU(欧州連合)などと交渉中だ。
 最近のギリシャの世論調査で、「ユーロ圏残留を望む」「EUなどとの交渉は決裂すべきでない」と回答した国民が多くを占めたことから、ギリシャ問題はソフトランディングで乗り切れるというムードが出ているが、そんな楽観論は鵜呑みにしないほうがいい。
  以下、4月末にギリシャに渡って現地を視察してきたというマーケットアナリストの豊島逸夫氏との一問一答。ギリシャ危機の真の恐ろしさを実感できるはずだ。

—最も懸念されたギリシャのEU離脱は世論調査の結果から見て、ないとの観測が出ています。

豊島「実は、その世論調査が曲者なんです。電話調査に応じたのはある程度の富裕層だけで、多くの一般国民の意見が反映されていない可能性が大きい」

—ギリシャの一般国民はどのような状況ですか。

豊島「EUなどから求められている緊縮財政策のあおりをもろに食らっています。年金カット、賃金カットはすさまじい。たとえば年金は月額1100ユーロ(約15万円)だったのが、いまは800ユーロ(約10万円)になり、これが400ユーロ(約5万円)に半減されるとまで言われています。ギリシャで最も恵まれているといわれる国家公務員の月給でさえ1100ユーロにまで減らされています。 モノを買えないから経済は急激なデフレ。若者は仕事がないから、ドイツに出稼ぎに出る。ギリシャ国内は老人ばかりが残る『過疎化』が進んでいます」

 ■1万9000円割れもある
—EUなどからの金融支援を得るには、さらなる緊縮財政が必要とされます。

豊島「そうですが、国民はもう耐えきれないでしょう。すでに市内ではデモが頻発し、街路樹に実ったカチカチのオレンジを警官に投げつけるなど一触即発の風景が当たり前になっています。現地の知人からは、『もうしばらくは危ないからギリシャに来ないほうがいい』と言われました。 EU側からの要求と国民の不満の板挟みになったチプラス政権は、判断能力を失い、ユーロ圏離脱の是非を問う国民投票を宣言するでしょう」

—離脱をめぐる国民投票となれば、株式市場への影響は大きい。

豊島「昨年9月に行われた英国からの独立を問うスコットランドの住民投票の際に、市場が大混乱したことは記憶に新しい。それ以上の衝撃が世界中に走るでしょう。 欧州市場がまず混乱に陥り、そうなれば買われるのは『有事の円』です。115円くらいまで円高が急伸すると同時に、日本株は大きく売られ、1万8000円まで売り込まれる可能性がある。こうした状況になるのは、6月中旬くらいでしょう」

  警戒すべきはギリシャだけではない。
実は世界の超大国・米国発で日本株の暴落劇が起きかねない。
 大和証券株式ストラテジストの野間口毅氏が指摘する。 「注意すべきは、米国の利上げの時期です。FRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長は、9月に利上げに踏み切るというのがマーケットの大方の見方。しかし、この予想に反して、6月にも前倒しで実施される可能性がある。実際、ある地区連銀の総裁は、『6月を含めてすべての会合で利上げをする可能性がある』と言及しています。
  そもそも利上げをすると、これまで株に投資されていたマネーが、米国債などの債券に流れる可能性があるので、株式市場にはマイナスです。その上、市場予想を裏切る6月利上げとなれば、ショックは大きい。株価は1万9000円を割る可能性もあります」
 クレディ・スイス証券チーフエコノミストの白川浩道氏も言う。 「日本株2万円を維持するには、1ドル=120円の為替水準が必要です。しかし、米国経済は循環的にこれ以上の景気回復が難しくなっており、このままいけば1ドル=110~115円くらいの円高に戻ることもありえます。その為替水準になれば、最悪、株価は1万8500円ほどにまで落ちる可能性がある」

 ■そして、夏がやってくる
  日経平均が2万円をつけた4月10日以来、2万円超えの日数はまだ10日も数えていない。6月以降にはあれは夢のような貴重な日々だったと、振り返るようなことになるのだろうか……。
前出の豊島氏によれば、「それは違う」—。
「6月は株価が落ちるでしょうが、7月以降は急激に回復していくと見ています。というのも、3月にNYで投資家に招かれた時、株価が1万8000円台へと落ちてくれば欧米の大型年金基金は株主重視・質的改善を好感して、一気に日本株に参戦する構えだと実感しました。8月には2万円を回復し、それ以降は2万円が定着するでしょう」
  実は、7月以降は日本株が再びの上昇トレンドに入ってくると見る市場関係者は少なくない。7月以降には「日本買い」を後押しする材料が目白押しだからである。
 「まず7月に家計調査が発表されて、ここで消費増税ショックから立ち直り、消費の回復感が鮮明になってくるでしょう。さらに、8月頃には日本企業の'15年度第1四半期の決算が出揃い、増益基調が明らかになり、日本買いが 進むと思われます。年末に向けて2万3000円を目指す展開となるでしょう」(前出・野間口氏)
今秋には日本郵政の大型上場を控える。
  「政府は郵政株上場を失敗させないように何らかの株高施策を打ってくるはずです。最もあり得るのが、日銀による追加緩和。日銀が追加緩和をすれば、年末には2万2000円くらいまでは上がっていくでしょう」(証券アナリストの植木靖男氏)
 さらに、「秋以降には政府が'17年4月の消費増税に向けて、消費者心理を冷やさないような増税対策を打ち出すと見られます。市場はそれを好感し、年末には2万5000円となってもおかしくない」(マーケットバンク代表の岡山憲史氏)。
  目下の株式市場は相場の格言通りに「セル・イン・メイ(5月に売れ)」が進むが、夏からはまた一つの格言である「サマー・ラリー(夏の熱狂相場)」へ転じていく。そんな明るい見通しが開けてくるというわけだ。
 「そもそも世界中に金融緩和マネーがじゃぶじゃぶ溢れている中で、資金は株式に向かっていきます。中でも日本株は、企業業績を考えれば割安。リスクイベントによる乱高下はあっても、基本的な上昇基調は変わりません。私は来 年には株価3万円を予想しています」(岡三証券日本株式戦略グループ長の石黒英之氏) 大きく落ちては上がってを繰り返しながらも、日本株は着実に、次の到達点へと向かって歩みを進めていきそうだ。
≫(現代ビジネス:経済の死角―悲観論が根強いが「株価2万円」の攻防6月に一気に動く―週刊現代5月23日号)


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