世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

誠実な野田佳彦を演出する民主党執行部 野田のアリバイ作りがはじまった

2012年10月14日 | 日記
山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた
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誠実な野田佳彦を演出する民主党執行部 野田のアリバイ作りがはじまった

 城島財務大臣がIMF世銀総会に中国側幹部が欠席した問題で「日中が意思疎通を図ることが大事だ。今後も機会があれば、これはこれとして、これというのは領土問題は領土問題としながら、大局的見地から協議をしていく必要がある」と記者会見で発言した。何ひとつ間違いのない正確な模範解答と思いきや、その後、慌てふためき「領土問題」の部分を「外交問題」とすると、嗤わせる訂正を行った。「尖閣諸島棚上げ論」が過去における外交の落とし処だったのだから、“棚上げ”しなければならない程厄介な問題と云う事で、領土問題は存在しないと云う強弁は、国内で通用しても国際的には通用しないだろう。

 謂わば外務省の強弁主義の悪癖だ。北方四島一括返還においても、同じ強弁を繰り返すが、そろそろ新たな知恵を絞っても良いような気がする。このような発言しか導けない外務官僚に外交を任せていたら、永遠に日本は米軍に頼り切る防衛体制しか持ちえないであろう。米国の日本支配の時限爆弾装置にまんまと嵌った日本政府だが、にも拘らず、米国マスコミからは戦後最も右傾化している日本等と言われる始末なのだから、やるせない。藤崎駐米大使がまたまた右傾化じゃない、真っすぐだ等と恥の上塗り寄稿している。日本人の筆者でも詭弁の連鎖だと思うのだから、世界の眼には、奇異なアジアの異端児にしか見えないような気がする。

 まぁ今夜は力まずに、面白政局を探していたが、「幹事長会談―党首会談―臨時国会開催―解散総選挙」と云うシナリオを描く自民党と、それをノラリクラリとかわそうとする民主党執行部の一面が垣間見られた記事をセレクトしてみた。自民党の安倍、石破は党首会談そのものの成立に条件をつけている。

≪ 15日に3党幹事長会談=自民「党首会談は民主次第」
 民主、自民、公明3党の党首会談に向け、事前調整する3党の幹事長会談が15日に開かれることが固まった。自民党の安倍晋三総裁が13日、札幌市で講演し、明らかにした。一方、同党の石破茂幹事長は記者団に、幹事長会談で年内の衆院解散・総選挙の方向性が見えない場合は党首会談に応じないこともあり得ると表明した。
 安倍氏は講演で「15日の幹事長会談で党首会談の日程などを詰めてもらう。その後、なるべく週の後半に(党首会談が)できればいい」と語った。ただ、「1回で決まらなければ2回だろう」と述べ、民主党の出方次第では幹事長会談が複数回に及ぶとの見通しを示した。
 石破氏は埼玉県日高市で記者団に「12月9日投票がぎりぎり最後の線だ」として、幹事長会談で年内選挙を求める考えを強調。民主党の対応が不十分な場合は「(党首会談は)極めて難しい状況になる。国会開催の条件を整えるという当たり前の仕事すらできない状況でやる意味がどこにあるのか」と語った。 
 一方、野田佳彦首相は13日夕、首相公邸で民主党の輿石東幹事長と約30分間会談した。3党幹事長会談への対応などを協議したとみられる。≫(時事通信)

 現時点で、安倍・石破ラインは谷垣が騙されたシナリオを継承すると云うか、なぞるかたちで事を進めている。“解散”と云う言葉が呪文のようになってきている。これを言わないと、党の立場がなくなると信じて疑わない姿勢にも見えるが、口ほどに解散を望んでいるとは言い難い。特例公債法案の審議や衆議院の違憲状態となった小選挙区の「1票の格差」を是正するための「0増5減」の先行実施について、審議拒否する自民党と言われるのも厄介なので、“どっちつかず”な心理状態にあることを、民主党執行部に見破られている感じがする。そんな折、朝日が面白い記事を配信している。

≪ 首相側近・近藤氏が事務所開き 年内解散?憶測呼ぶ
 【佐藤徳仁】 野田佳彦首相の側近である民主党の近藤洋介経済産業副大臣が13日、地元の山形県米沢市に選挙事務所を開いた。側近議員が次の衆院選への準備を本格化させたことで、「年内解散」との臆測も呼びそうだ。
 事務所開きには地方議員や支援者約750人が集まった。近藤氏は「首相からは『(解散時期は)嫁さんにも言わない』と言われたが、投票日は早くて12月9日だろうと思い、2カ月前に(事務所を)開くことにした」と説明。「新たな事務所での奮闘を期待したい」という首相からの祝電も紹介された。
 近藤氏は野田グループ。先の代表選でも首相の陣営で中心的な役割を果たした。解散時期をめぐり、首相は8月に「近いうち」と約束したが、最近は「いずれの日にかは」と後退。民主党内でも「この時期の事務所開きは珍しい」(党関係者)という。≫( 朝日新聞)

 近藤洋介議員がバカならイザ知らず、野党の解散要求で党首会談にも辿りついていない政治情勢で「選挙事務所開き」と云うのはかなりインパクトがある。その議員が野田首相の側近の一人となると、朝日が敢えて語る“憶測”とは別の意味で、トラップの臭いがする。この近藤議員の動きは、野田首相は「近いうち解散」の約束を守ろうとしていると云うプロパガンダ行為と云う意味合いを持つのかもしれない。安住幹事長代行も「野田佳彦首相は誠実な人柄。輿石東幹事長も意外といい人だ。約束は守る」と強調したそうだ。

 憶測を展開すると、野田首相は誠実に谷垣との約束を実行しようとしているアリバイ作りに着手し始めた、と解釈できる。しかし、幹事長の輿石が野田の“解散シナリオ”にGOサインを出さないので困っている図式を作ろうとしている風に見える。勿論、シナリオライターは輿石東その人である。誰が見ても、第三次改造野田内閣は輿石内閣である。消費増税は一旦は成立したのだから、一件落着で切り離す発想もある。この流れが、鳩山・小沢ラインへのクーデター民主の大政奉還と云う憶測に繋がっている。さてはて、今後いかなる政局が展開されるのか、“月9ドラマ”よりは面白そうだ。

 作家の丸谷才一氏が亡くなった、ご冥福を祈る。遠い記憶だが、学生時代に同氏の小説「たった一人の反乱」を読み、なんて読みやすい正確な日本語なのだろうと思った記憶がある。

PS:14日、輿石幹事長は、違憲状態とした小選挙区の「1票の格差」を是正するための「0増5減」の先行実施についても、解散が可能になる条件とした。小選挙区「0増5減」にも周知徹底期間が必要だろうから、年内解散は物理的に無理と言ったようなもの。


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