世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

虚礼虚文、巧言令色、美辞麗句に満ち溢れ、まごころの欠片も見えぬ野田の式辞

2012年05月16日 | 日記
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虚礼虚文、巧言令色、美辞麗句に満ち溢れ、まごころの欠片も見えぬ野田の式辞


 何処の新聞社もまともに野田佳彦の沖縄復帰40年周年記念式典での式辞全文を取り上げていない。筆者が何故そんなことに拘ったかと云うと、単に聞き流すNHKの野田の式辞の一部を聞いたからだ。姿を着飾っても無意味な男が、せめてと思うのか、口から吐き出す言葉のすべてに、ウンザリするほど修飾を施す性癖に腹を立てている事が不快なだけで、それ以上の意味はない。

 しかし、此処まで公式に発言する時の、気味が悪い修飾語、丁寧語は、あきらかに腹の中を読まれないようにしようと云う意図を、いやがうえにも感じる。直ぐに気づけば良かったのだが、野田の沖縄復帰40年周年記念式典での式辞を1時間ほど探しまわった。思いつくのが遅かったが、官邸のHPにあった(笑)。先ずは、野田好きも嫌いも、この文章をどうにも似合わぬ「かりゆし」着て語った姿を思い出して欲しいものだ。


≪平成24年5月15日 沖縄復帰40周年記念式典 内閣総理大臣式辞
 本日、内外から多数の賓客の御参列を得て、沖縄県との共催の下に、ここに沖縄復帰40周年記念式典を盛大に開催できることは、沖縄県民のみならず、すべての日本国民にとって意義深く、喜ばしいことであります。
 1972年5月15日。あの晴れがましい歴史的な本土復帰の日から、本日で40年を迎えました。
 この5月15日は、まず何よりも、「鎮魂と平和への決意」を新たにする日でなければなりません。先の大戦で奪われた、あまりに多くの尊い命。終戦後も、占領下に長く置かれた沖縄県民の言われなき苦しみ。沖縄が歩んでこられたそうした苦難の道のりを噛みしめ、平和で豊かな沖縄の未来を願い続けた先人の事績を決して忘れてはならぬ。そうした思いを改めて強くしています。
 5月15日は、これまでの沖縄県民の努力を称え、すべての同朋が沖縄に寄り添っていく思いを新たにする日でもあります。復帰後、今日に至るまでの40年間、沖縄は、県民自らのたゆみない努力によって、あまたの困難を乗り越えながら、力強い発展を続けてきました。政府としても、4次にわたる振興計画を実施し、様々な特別措置を通じて、県民の努力を全力でお支えしてまいりました。これらが相まって、この40年間で、社会資本の整備が着実に進み、生活水 準も格段に向上してきたことは疑いのないところです。
 そして、5月15日は、沖縄の未来に思いを馳せる日でもあります。私たちは、世界の重心がアジア太平洋地域に移りつつある歴史の変動期を生きています。それはすなわち、アジア太平洋の玄関口として、沖縄が新たな発展の可能性を身にまとったことを意味します。豊かな自然環境や温暖な風土。琉球の輝かしい歴史に裏付けられた独自の文化。日本一若い県民の持つ清々しい活力。そして雄飛の覇気を持って海外にはばたき、世界中にネットワークを有するウチナーンチュ。こうしたすべての潜在力を発揮させることで、沖縄がますます輝きを増していく。そういう時代がやってこようとしているのです。
 既に、観光と情報通信技術は、沖縄経済を牽引しています。那覇空港は、いまや国内第3位の国際物流拠点に成長しています。いずれも、日本再生のために我が国全体で取り組もうとする方向性を先取りしたものです。
 「沖縄は、日本のフロンティアである」――私のその願いを裏付ける具体的な発展の「芽」が実際に次々と生まれているのです。こうした「芽」をきちんと育て、まさに21世紀の「万国津梁」の要となって、総合的な地域の発展につなげていく。私たちの世代は、そうした責務を負っています。平和で豊かな未来のために沖縄の潜在力を解き放ち、基地負担の軽減を着実に進めていくことは、私の内閣の最重要課題の一つです。
 今なお沖縄が直面する様々な課題の解決に向けて、最も大事なことは、沖縄の皆様の声に真摯に耳を傾けることです。  自由度の高い一括交付金の新設。過去最大の増額となる沖縄振興予算。種々の税制上の特別措置。いずれも、沖縄県からの御要望を最大限に受け止めた成果の一つです。
 また、新たな沖縄振興と基地跡地の有効利活用のための法律が、今国会において全会一致で成立しました。これらの法律は、沖縄の主体性に重きを置いた、画期的なものです。政府が決定した法律に基づく基本方針を踏まえて、県において、本日、「沖縄振興計画」が策定されました。私は、先ほど、仲井眞知事からこの策定されたばかりの計画の提出を受けたところです。この計画の実現のため、政府としても力を尽くしてまいります。
 さらに、この振興計画の着実な実行に加えて、那覇空港の第二滑走路について、平成25年度予算編成過程で財源の検討を行って早急に整備を推進してまいります。また、鉄道、軌道その他の公共交通機関の整備の在り方について、沖縄県と連携し、引き続き、必要な調査・検討を進めてまいります。そして、国営沖縄記念公園の首里城等の主要施設については、平成30年度をめどに沖縄県へ移譲することとし、その具体化のための協議に着手いたします。
 このように、沖縄は、その繁栄に向けた新たな展開を自ら切り拓いていこうとされています。政府としても、沖縄という大きなフロンティアを「夢」から「現実」に変えていくため、医療、環境、人材育成を始めとする各分野において、県と手を携えて、自立型経済を発展させ、潤いのある、沖縄らしい優しい社会の実現を後押ししてまいります。
 沖縄振興とあわせ、沖縄を含む我が国の安全を確保することは、国の基本的使命です。一層の厳しさを増す我が国周辺の安全保障環境の下、日米安全保障体制の役割は引き続き重要となる一方、米軍基地の集中が沖縄の皆様に大きな負担となっていることは十分に認識しています。抑止力を維持しつつ、沖縄の基地負担の早期軽減を具体的に目に見える形で進めていくことを改めてお誓いいたします。
 普天間飛行場の固定化は絶対にあってはなりません。その大前提の下で、先般、日米両政府は、普天間移設の問題と「海兵隊のグアム移転」や「嘉手納以南の土地返還」の問題を切り離すことに合意するとともに、海兵隊の国外移転を待たずに返還可能な土地や速やかに返還可能な土地を特定いたしました。これらは、 基地負担軽減の「目に見える具体的な成果」につながっていくはずです。
 また、私は、この沖縄の本土復帰40周年の記念日を前に、4月末から米国を訪問し、オバマ大統領とともに、日米の「共通ビジョン」を発表しました。これは、沖縄を含むアジア太平洋地域と世界の平和と安定のため、大局的観点から、日米同盟の今日的意義や今後長期にわたる日米関係の在り方を確認するものです。こうした日米両国を挙げての取組が沖縄の負担軽減に確実につながるよう、これからも一つ一つ、着実に成果を積み上げていきたいと考えています。
 本土復帰から40年。日本全体を牽引し、アジア太平洋の時代を先頭に立って切り拓いていくのは、沖縄です。そして、そうした未来を担っていくのは、私たち自身です。
 平和を希求する県民の願いが、そして世界に飛躍を願う「万国津梁」の精神が、21世紀の沖縄を切り拓く大きな財産となることは疑いありません。我が国に未曾有の被害をもたらした東日本大震災からの復旧・復興、日本経済の再生に向けた挑戦が続けられている今だからこそ、沖縄に期待します。そして、沖縄の一層の発展が、我が国及びアジア太平洋地域の発展に寄与することを確信します。
 最後に、改めまして、沖縄と日本、さらには世界の平和と発展を祈念し、私の式辞といたします。 平成24年5月15日 内閣総理大臣 野田 佳彦 (首相官邸公式HPより)


*注:「万国津梁(ばんこくしんりょう)」とは、ウチナーンチュ(沖縄の人)が沖縄の歴史を語る時によく使われる言葉。琉球王朝時代、朝鮮、中国、日本との交易の架け橋として存在した史実。それを示す証として、「万国津梁の鐘」の銘文に刻まれているのが有名だ。沖縄が世界の架け橋となっていたと云うこと。詳しいことは、「万国津梁の鐘」で検索してくだされ。

 野田の虚礼虚文、巧言令色、美辞麗句の連発にはウンザリだが、話している内容も、自画自賛。金出した~、好きに使える金増やしたぞ~。本土並み返還の話は何処に行ったのだ?目一杯紐なし補助金、交付金出しましたよ!この次からは、仲井眞知事の沖縄振興計画を土台に、ジャブジャブ金出しますから~、那覇空港第二滑走路も作りますよ!普天間飛行場固定化は絶対にあってはならない。(…だから早く辺野古に…)何一つ具体的に本土並みに導くビジョンなしを露呈している。

 それに比べて、横路衆議院議長は復帰時に発表された「裁判権が日本政府に移るからこれでもう悲しい思いをする事はなくなるでしょう」と云う小学生の作文を引用、チクリと地位協定の不公正・アンフェアーを指摘した。仲井眞知事は情熱のない式辞を述べていた。ルース米国大使も話したようだが、無視で良いだろう。

 ヤッパリ、迫力があったのが、元社会党衆議院議員・上原康助氏の話だった。他人を感動させるには、その人間の歴史が反映して、はじめて人の心を打つ、或いは共鳴するものだ。野田の虚言言葉遊びは、虚ろな浪曲師の裏庭での訓練のようである。この式典に似合わない話だと断りながら、同氏は語った。沖縄戦で“日本の捨て石にされ”市民が20万人死んだのだ。そして、沖縄は焦土と化した。挙句に、苦しみは其処で終わらずに、米国の捕虜収容所(沖縄にあった)に入れられ、27年間沖縄は米国支配にさいなまれた。1950年代、米国は沖縄に対し、銃剣とブルドーザーで土地を接収した。1968年、公選制で沖縄の主席となった屋良朝苗氏が沖縄復帰を実現した。しかし、その約束された!“核抜き、本土並み返還”は欺瞞に満ちた返還だった。「返還協定(欺瞞に満ちた)を強行採決した1971年の屈辱は忘れられない」「「野田総理!ルース大使!両政府とも沖縄県民の声をなぜ尊重しないのですか?国土の0.6%しかない沖縄に、米軍基地の74%が集中。誰が考えても異常。陸にも海にも、この沖縄に、これ以上基地を作るのはおやめください!」

 上原氏のように歴史に裏打ちされた、人生の重みがあって、はじめて人を感動させられるのだな~、とつくづくチンケな筆者などは思うのである。今夜は「沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史」(佐野眞一)を再読しながら眠ることにする。たまには本土の人達も、野田のような心ではなく、正面から琉球文化を持つ、沖縄県の問題に正面から向き合って欲しいものだ。米国よ!外務省よ!防衛省よ!これ以上沖縄の人々を苦しめるつもりか!永田町の政治家全員にも聞きたいものだ!

PS:報道ステーションで関西電力の「電力不足5%」の新試算???
 橋下の古賀や飯田の舌鋒の鋭さに、半分根を上げたのだろう。最近思うのだが、多分関西電力と云う企業体質は、東京電力よりヤクザっぽい。これは、筆者の過去からの経験則である。Nikonはつき合い安いが、CANONは最悪。HONDA、SONYはつき合い難いが、HITACHIは楽勝(笑)。こう云う企業文化は同業でも違うものだ。

≪『電力不足5%』関電の“新試算” 関西電力は15日、大阪府市のエネルギー戦略会議で、電力不足が5%で済むかもしれないという新たな試算を示した。これまで関電は、おととし並みの猛暑になれば、445万キロワット、14.9%分の電力が足りないと政府に申告。政府もそれに基づき、14日に節電策の検討に入ったばかりだった。しかし、15日の試算では、最大300万キロワット需給が改善し、150万キロワット程度の不足にとどまるかもしれないという。300万キロワットの内訳は、中部電力など余裕がある電力会社からの融通で162万キロワットの上積み。水力発電も平年並みに水が貯まると見込んで 22万キロワット上積み。電気の消費量も去年並みの節電ができれば、あと73万キロワット。家庭に節電目標を設定して、達成すれば商品券などがプレゼントされるという施策で、7万キロワットなどとなっている。さらに関電側は、15日の試算以上に供給力が増える可能性も口にした。関電をめぐっては、節電の見込みも、ほかの電力会社の管内に比べて少ないと何度も批判されてきた。それがようやく、去年並みの節電をした場合として数字を提示。商品券をプレゼントした場合の節電効果やピーク時の料金を値上げした時の効果を示したのも今回が初めてだ。しかし、15日に示した試算でも、自家発電の買い取りで、どれくらい上積みできるかなど、数値が入っていないものが目立つ。なかでもエネルギー戦略会議が注目しているのが“ネガワット取引”という新たな節電の取り組みだ。ネガワット取引とは、企業が節電した場合、同じ分を発電したものみなし、電力会社がお金を支払うというものだ。戦略会議では、このネガワット取引の市場を作るために、東京にある電力の卸会社に協力を呼びかけている。このネガワット取引の効果を含め、関電は、さらなる上積み策を来週、提示する予定だ。≫(報道ステーションHPより)




職業としての政治 (岩波文庫)
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今や政局の中心に鎮座するは、野田でも谷垣でも小沢でもない 民主党幹事長・輿石東

2012年05月15日 | 日記

 

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今や政局の中心に鎮座するは、野田でも谷垣でも小沢でもない 民主党幹事長・輿石東


 昨夜は久しぶりに三宅久之の消えたTVタックルをぼんやりと観ていた。三宅の定席に座っていた福岡政行が話題作りかどうかわからないが、年末には石原慎太郎が総理になっていると、麻原彰晃並の予言をしていた。この人が大学の教授だとは信じられない預言である。ビートたけしにノストラダムスと揶揄されていた。それよりもなによりも酷かったのが、与党から呼ばれた二人だ。おそらくディレクターが意図的に選んだのだろうが、民主党山井和則と逆臣国民新党の下地幹郎だ。なにか話しているようだが、財務省のご説明をオウムのようにブツクサ、なんとも酷過ぎる醜態だった。あきらかに与党への悪意ある制作意図があったとさえ思える。敵側に、古賀茂明と須田慎一郎、正体不明の三橋貴明。なぜ座っているかもわからない小池百合子(笑)。なんだか番組自体が内部崩壊している感じだった。

 TVタックルの感想はこの程度にして、ZAKZAKに面白い記事が二つあったので紹介しておく。産経系にしては時折良い着想の記事も書いている。毛嫌いせずに、時々目を通すのも悪くはない。先ずは読んでいただこう。

≪ 石原都知事、“3都連合”で官僚打破!売国は許すまじ
 東京都の石原慎太郎知事が「三大都市圏連帯」に意欲を見せている。産経新聞の人気連載「日本よ」(14日発行)で、東京と大阪、名古屋が手を組んでの「中央集権の打破」を訴えているのだ。石原氏は最近、大阪市の橋下徹市長や、名古屋市の河村たかし市長と接近しているが、具体的な動きにつながるのか。
  「当節いろいろ揣摩臆測(しまおくそく)されているが東京、大阪、名古屋(中略)この三大都市圏が連帯して行おうとしているのは中央集権の打破、国家の官僚の独善による国家支配の改善に他ならない」
 石原氏は連載冒頭から、こう書き出している。橋下氏とは先月上旬、河村氏とも7日に会談し「中央集権の打破」で一致しており、霞が関支配に戦いを挑む意欲は本物のようだ。
 連載でも、横田基地の共同使用を妨害するという外務省に対し、「(彼らの)国益とは一体何なのだろうか」と疑問を呈し、尖閣沖漁船衝突事件時の対応について「外交という名にほど遠い売国に他なるまい」と批判。
 東京都が採用した発生主義複式簿記に絡み、「財務省」という言葉こそないが、「日本の周辺で大福帳なみの単式簿記を行っているのは北朝鮮とフィリピン、パプアニューギニアくらい」「この国には正確なバランスシートもないし国民が国の財政を見極めるための財務諸表もありはしない」と指摘する。
 そして、終盤で「日本の政治の健全化のためには多少の意見の相違はあっても、地方が強い連帯を組むことからしか日本の改革は始まりはしない。明治維新を行った、薩摩、長州、佐賀、土佐といった藩の間にさまざま唱えるところの違いがいかにあったかを思い起こして見るがいい」と、呼びかけている。≫(ZAKZAK)

≪ 高給取りの都バスドライバーを支える「東電株マジック」とは
 過密スケジュールでハンドルを握り続け、事故を起こした高速バス運転手の日給は1万円だった。規制緩和によるバス会社の参入増加と熾烈な価格のダンピン グで、苛酷な労働を強いられている民間ドライバーの実態が明らかになった。その一方で、公務員のバス運転手は「ドライバー貴族」といえる厚遇ぶりだ。
 総務省が2009年、民間の貸し切りバス運転手を対象に行なった調査では、89%の運転手が睡魔や居眠り経験があり、61%はその原因が「厳しい運行日程」だと答え、連続勤務が30日以上と告白する運転手もいた。
 「寝ずに働いても月収が手取り10万円ちょっとというワーキングプアの運転手も多い」(高速バス運転手)
 一方で、自治体の運営するバスの運転手は格段に恵まれている。
 例えば大阪の市バス運 転手の平均年収は739万円で、在阪の私鉄系バス会社より195万円高い。ところが市バス事業は28年連続の赤字で、今年2月、橋下徹・市長は「民間並みに合わせる」と4割カットの方針を打ち出した。
 それでは首都・東京の都バスはどうか。厚労省の調査によれば、東京都の民間バス会社社員の平均収入は573万円である。しかし都バス運転手の平均年収は736万円と、大阪市と同様に民間より格段に高い。都交通局関係者はこういう。
 「退職直前には年収800万、900万円になるドライバーもいます。2007年には都議会で民間の年収より高いという指摘が出ましたが、改正は10%削減にとどまったのでホッとしました」
 過剰なバスの所有も疑われる。東京の路線バスの営業距離は781キロで、大阪府の587キロと比べる と1.3倍ほどの長さだ。ところが大阪市が保有する車両台数が663台であるのに対し、都は1462台と大阪の2倍。地下鉄網が発達する東京で、これだけの台数が必要なのか疑問だ。
 都では豊富なバスを観光車両としても運行しており、年間で延べ794台、4億円近い売り上げを計上している。民間業者からは「民業圧迫だ」という声もある。
 労働条件や手当も充実している。都バス運転手は1週間に2日連続の休日を取ることが義務づけられる。長時間拘束に対しては「交代制勤務者等業務手当」があり、2時間以上待機した場合は10分ごとに50円の手当が支給される。
 こうした厚遇ぶりにもかかわらず、都バスは大阪のような形で問題視されてはいない。それは“黒字”だからだ。2010年度決算の黒字額は10億900万円に上っている。
 ところが、これがインチキなのだ。この黒字はバス事業収入ではない。あまり知られていないが、都の交通局は東電株だけで毎年25億円の配当を受けており、その収益によって黒字となる。東電利権が「ドライバー貴族」を支えていたというわけだ。
 そもそも、なぜ東電株の配当が交通局の、しかもバス部門に入っているのか。
 「都の交通局の前身は東京市電気局でした。戦中の配電統制令で、電気局の設備を東電の前身である関東配電に現物出資したため、交通局が株を取得し、配当もこちらに入っています。
 元々は都電の収入にしていたのですが、都電の多くがバス路線に転換したためにバス事業の収入にしました」(交通局総務部)
 ところが、その頼みの綱の東電株は原発事故で配当がゼロに。インチキで“黒字”といえなくなった。 「2012年度予算では、バス事業は約10億円の赤字を見込んでいます」(同前)
 貴族もいよいよ年貢の納め時だ。≫ (ZAKZAK・NEWSポストセブン:※週刊ポスト2012年5月25日号)


 後段の記事はZAKZAKを褒めるつもりだったが、週刊ポストの記事の拝借だったので、褒めるのはやめておく(笑)。それはさておき、石原が自慢げに語る東京都の収支構造においても、怪しい部分や大改革を要する部分は東京都交通局に限らず、まだまだ未知の構造的問題点があるのだろう。前段の景気のイイ話を真に受けているのが、さしずめ福岡政行と云う預言者かもしれない。筆者は、石原が「三大都市圏連帯」を高らかに語っているのは耳にするが、橋下、河村、大村らの方から、石原慎太郎へのラブコールは必ずしも積極的に行われていない事実認識が必要なようである。

 小沢の政治理念である「中央から地方」がいつの間にか、地方勢力にぱくられた感があるが、本家は明らかに小沢一郎である。石原慎太郎もパクリをしたに過ぎない。東京都と云う一国に値する首長が、何を色気を出してしまったのか、どうにも迷惑な騒乱を愉しんでいるようだ。青嵐なら、保守の矜持として受け入れられるが、騒乱はマズイでしょう。東京都でも内情を分析すれば、霞が関同等の支配構造の問題があるのだろう。これが、地方に行けばいくほど、酷い状態である事は想像に難くない。つまり、中央から地方と云う根本的課題と、今度は受け皿となる地方の改革までが、セットで行われなければ、霞が関のバケツの穴を塞いで、次の穴のあいたバケツを用意する間抜けな改革劇を見るかもしれない。

 野田は胡錦濤国家主席に会いたいよ~と何度も頼んだが、会談拒否。李明博とは会うけど、野田はいいよ。これを朝日などはウィグル会議の所為にしているが、それも一つだが、最も最悪なのが石原慎太郎の尖閣を都が買うと云うことが問題なのである。触らぬ神に祟りなしで行こうと云う外交的表面上の暗黙値を破壊したのだから、中国が野田を無視するのは理にかなっている。早く、まともな首相が会いに来て欲しいと催促されたようなものである。

 輿石幹事長が、急に元気になって、言いたい事を言いはじめた。輿石が民主党代表であると錯覚するほど力強い発言に終始している。あきらかに、俺は絶対に「話し合い解散など認めない!」と野田に挑戦状を叩きつけた感がある。野田が混乱するだけならまだしも、自民党の谷垣はじめ幹部どもがキャーキャーピーピーと文句をブー垂れている。いと滑稽な政治シーンだ。谷垣などは、審議が始まったばかりだと云うのに、1カ月も先の会期末の延長の話を堪らずする羽目に陥っている。この梅干しのタネ風貌のオッサン、お主中々の使い手、と云った感想を持つ。

 こうなると、野田が選択できる手は、党主導の継続審議で消費増税法案を棚上げにするか、小沢と話し合いを持ち、実効性の乏しい消費増税法案にして、法案が通ったと強弁するしかないようだ。仮に現在最も有力となっている「消費増税成立・解散なし」を野田と谷垣・山口で強行した場合、民主党、自民党の分裂を早めるだろうし、1年数カ月後には小沢新党・地域新政党との集団一騎打ちとなり、早々に野党に転落する大連立と云う喜悲劇が起きることは程度は、幾らバカな野田でも判るのではないだろうか。当分は、輿石幹事長が政局中心に鎮座している模様である。ホント、政治と云うものは面白い。最後になったが、輿石会見を産経が実況中継風に書いてある記事を見つけたので、オマケに添付しておく。

≪ 輿石氏、話し合い解散を否定 深まる首相との溝
 民主党の輿石東幹事長は14日の記者会見で、消費税増税関連法案の成立と引き換えに衆院を解散する「話し合い解散」に否定的な考えを示した。輿石氏は次期衆院選について、来年夏の衆参同日選になるとの見通しを示したばかり。狙いが「断固解散阻止」にあるのはもはや疑いようがなく、「話し合い解散」 もカードに法案の今国会成立を探る野田佳彦首相との溝は深まる一方だ。
 「なかなか話し合い解散にならないんじゃないですか。何のために話し合いをするのか…」
 会見で輿石氏はそう言い放った。首相は消費税法案成立のために「話し合い解散」も模索しているだけに、首相との距離感を鮮明にした格好だ。
 「衆参ダブル」発言について、14日の役員会では「聞かれたから答えただけ」と火消しに走ったかにみえたが、直後の会見では態度を一転させた。
 前原誠司政調会長が12日に「解散に他の人間が言及することは控えるべきだ」と批判したことに「首相の専権事項に触れたわけでも何でもない。役員会で前原君は一言も言わなかった」と強弁。「今すぐ解散する状況でもないし、できる状況でもない」と述べ、行政改革 の実現や衆院選挙制度の「一票の格差」是正など、解散の前提条件を次々と列挙した。
 藤村修官房長官が「(一票の格差問題で)解散権が縛られる規定はない」と断言していることに対しても、輿石氏は「ホー。最高裁を無視していくということだね?」と開き直った。
 党内融和をはかるために自ら必要と認めていた首相と小沢一郎元代表との会談についても「首相が『小沢氏と話をしたい』ということが先行する。僕が小沢さんに呼びかけて何をやるのかね」と開催の判断を首相に丸投げしてしまった。
 それでも一連の輿石氏の解散先延ばし発言をめぐって民主党内では「みんなの本音を代弁してくれた」(若手)などと好意的な受け止めが大勢だ。だが、その本音とは、敗戦濃厚 な総選挙を回避したいだけの“党利党略”ともいえる。
 思いの丈をすべてはき出したからか、14日に76歳の誕生日を迎えた輿石氏は「かなり丁寧にやったんじゃないか」とスッキリした表情で党本部の会見場を後にした。≫産経新聞




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小沢一郎が内閣総理大臣になったとして、日本に民主主義は根づくのだろうか

2012年05月14日 | 日記

 

民主主義が一度もなかった国・日本 (幻冬舎新書)
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小沢一郎が内閣総理大臣になったとして、日本に民主主義は根づくのだろうか


 昨日の拙コラムで江藤淳の小沢へのメッセージ「「小沢君、水沢へ帰りたまえ」の知識を持っていない読者が多いのにビックリした。小沢を指示しようと云う人々なら、江藤淳の言葉の意味は百も承知だと思って書いたのだが、筆者の勘違いのようだった。だからといって、特にその説明をする気もない。判らない人にくどくど説明するのは趣味ではないので、無視する事にしている。もう廃版で古本屋で入手するしかないが、知りたい人は購入して読んで貰うしかない。ひと言いえば、江藤淳の小沢への文学性をおびた友情の言葉である。

 さてそんな事はどうでも良いが、今の風向きだと、民主党の党員かサポーターになっておく方が賢明なようなので、敢えて“国民の生活が第一”と思われる方は、以下の方法で7日(月曜日)の正午までに「木村たけかつ民主党・衆議院議員」のHPから申し込みを行っておいた方が良いようだ。植草氏のブログに詳しく出ている。筆者は、正体不明になった民主党の党員になる気はなくなっているので、サポーター登録だけしておくことにした(笑)。

*「木村たけかつ衆議院議員」のHPの党員・サポーター登録のページのURL。 http://www.kimutake.jp/html/12supporter.html

 本題だが、最近の小沢陸山裁判“無罪判決”、それに対する新聞・テレビのネガティブキャンペーン報道には、ほとほと呆れかえっている。その上、指定弁護士は、自分達の名誉のためか、なにか政治的意図を覆い隠してか“控訴”と云う暴挙に出た。マスメディアは待っていたと言わんばかりに、「そうだ、そうだの」の大合唱、ウンザリの連鎖である。まともに検察審査会の強制起訴における“控訴権”に疑問を呈したのは、東京・中日新聞と琉球新報くらいのものである。

 マスメディアは、自分らのネガキャンの効果が如何ばかりか、知りたくて?標榜したくて?世論調査に熱が入っている。早速、読売新聞が“控訴は理解できる65%”を打ち出した。以下が一連の記事である。

≪ 小沢氏裁判控訴「理解できる」65%…読売調査
 読売新聞社が11~13日に実施した全国世論調査(電話方式)によると、政治資金規正法違反に問われた民主党の小沢一郎元代表に対する無罪判決を不服として、検察官役の指定弁護士が控訴したことを「理解できる」と答えた人は65%で、民主党が元代表の党員資格停止処分を解除したことについては「適切でない」が57%だった。
 政治団体の会計責任者が政治資金規正法に違反した場合、政治家本人も連帯責任を問われるべきだとの回答は84%を占めた。
 元代表が無罪判決を受け、連座制など法的責任も問われないことに釈然としない思いを抱く人が多いようだ。
 元代表が「政治とカネ」をめぐる問題について、国会で説明すべきだと思う人は84%。検察が不起訴にした事件でも、国民から選ばれた検察審査会の判断で強制的に起訴できる仕組みを評価する人は76%に上った。 ≫(読売新聞)

≪ 小沢氏「説明責任果たさず」87%…読売調査
 読売新聞社は、民主党の小沢一郎元代表への無罪判決を受けて、26~27日に緊急全国世論調査(電話方式)を実施した。
 小沢元代表が自らの資金管理団体をめぐる「政治とカネ」の問題で、国民に説明責任を果たしていないと思う人は87%に上った。民主党が元代表の党員資格停止処分を「見直すべきだ」と答えた人は51%で、「見直す必要はない」も36%あった。
 政治資金収支報告書に虚偽記載があった場合、政治家本人の責任を厳しく問えるよう、政治資金規正法を「改正すべきだ」との回答は86%を占めた。検察が不起訴にした事件を、検察審査会の判断で強制起訴できる仕組みを評価する人は73%に達している。
 一方、参院で問責決議を受けた閣僚が辞任しない場合でも、野党が国会審議に応じるべきだとする人は72%に上った。問責を受けた田中防衛相が「辞任すべきだ」は59%、前田国土交通相については52%だった。 ≫(読売新聞)


  上記の一連の調査結果の個別評価はする意味もないが、一つだけ困ったことだと思うことはある。筆者の肌感覚からすると、この読売の結果に捏造はないような気がしている。あれだけ、テレビ新聞がネガキャンを張れば、固定電話の受話器を取り上げる国民であれば、この程度の答えが出ても不思議ではないと推察できるからである。問題は、固定電話に出る人種、調査に応える人種においては、読売の調査結果もうべなるかなである。

 “固定電話族”を貶しているわけではない。彼らの属性の方が選挙における投票率などは高いであろうから、それなりに意味はある。ただ、最近の情報インフラの傾向からして、“固定電話族”が有権者のメジャー層ではなくなっている事実も認識しておく事が重要だろう。多分、有権者層としては、都会においては間違いなくマイナー層である。

 そのような事を踏まえても、マスメディアの一方的小沢ネガキャンは看過しがたい。近々のことを思い出すと5月8日に高級日本料理店「黒澤」で野田首相は朝日の星浩、毎日の岩見隆夫、読売の橋本五郎と会食をしたそうだが、これだけ小沢を叩いていただけば、そりゃ飯と酒くらいご馳走するのは当然だろう。これを持って、速攻“官房機密費だ!”と叫ぶ気はないが、政府広報など、マスメディアにしてみれば東電並の顧客であり、マスメディアが代金を支払っても良いくらいでもある。つまり、この両者は馴れ合いだと云うことである。

 それにしても、マスメディアの代表たちが公式に首相と会い、酒を飲み交わす慣習が不思議ではない世界こそが怖ろしいのである。これでは権力の監視役としてのジャーナリズム精神などあり得うる筈もない。それを認めているのが日本の善き伝統文化だとしても、民主主義と法治国家を標榜する近代国家においては容認してはいけない慣習と云う事が出来る。共通の空気を醸しだすこと自体、権力とジャーナリズムの癒着であり、到底民主主義国家とは言えないのである。

  筆者の憶測を働かせると、案外小沢一郎を罠にかけ、雁字搦めにして政治的に抹殺しようとする主犯は、巡り巡って辿りついてみると大新聞群なのではないかと思えてしまうくらいの酷さである。山本七平が云うところの「空気」の源は、おそらくマスメディアの報道内容によって醸成されるのだろう。この大新聞群に金魚の糞として存在するテレビ局が、新聞社に輪をかけた歪曲コメントを垂れ流すとなると、糞でゴミなのだが、未だに侮れない力を有している。

 このような報道体制の国家である日本社会で、自立する国民の意志を誘発する事は、驚くほど大変な作業になる。ネットメディアや個人ブログ・ツイッターも前線はしているが、まだマスメディアを凌駕する立場にまでは至っていない。対等になるには、5年、10年の歳月が必要であろう。小沢一郎が次期民主党代表選に立候補し、内閣総理大臣となる事が、現在考えられるベストな方法だが、間違いなく小沢一郎首相の最大の敵として、このマスメディアとの闘いが繰り返される事になるだろう。どうも、日本でフェア―な民主主義が何時になったら始まるのか、何とも暗澹たる気分になってくる。マードック氏かバフェット氏に、毎日新聞くらい買収して貰いたいものだ(笑)。少なくともフィフティなメディア環境を実現したいものだ。もしかすると、小沢首相実現の折には、総務省管轄の電波法や記者クラブの廃止や新聞の優遇税制なども、霞が関改革と同時に行うことになるのだろう。吠え面をかく、新聞社幹部の面を見たいものである。 


なぜ日本は変われないのか 日本型民主主義の構造
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「小沢君、水沢へ帰りたまえ」と言える日は来るのか? そのための処方箋

2012年05月13日 | 日記

 

池波正太郎 「自前」の思想 (集英社新書)
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「小沢君、水沢へ帰りたまえ」と言える日は来るのか? そのための処方箋


 日刊ゲンダイの代表選候補として“小沢グループが用意する隠し玉”と云う記事がネット上で議論を呼んでいる。内容自体は推測の域を出ないものなのだが、指定弁護士の、極めて政治的判断による控訴と云う暴挙により、日本の政治的混乱に拍車が掛かったようだ。

 筆者の立ち位置は、検察のたび重なる強制捜査、秘書逮捕などの暴走と虚偽報告書の作成で素人を誤誘導した事実を踏まえた上で、たかだか素人集団・検察審査会の二度議決による強制起訴であり(取り敢えず裁判所でも考えてみて)、尚且つ一審判決が無罪なのだから、現状、被告人と云うより、裁判で勝利した小沢一郎と云う政治家として認識している。控訴はいわれなき難癖程度のものである。

 ただ、小沢贔屓の日刊ゲンダイが、以下のような記事を書かざるを得ない現実が存在することも認識はしている。先ずは、多くの方が目を通しているだろうが、日刊ゲンダイの弱気の記事を通読して貰おう。

≪ 意気消沈のはずが…96人が結集 小沢グループが用意する隠し玉
 復権に秘策アリ
 小沢一郎が控訴されたことで、大手メディアは「代表選出馬 困難に」「険しい復権の道」と、小沢が苦境に陥ったと一斉に報じている。「小沢元代表はもう終わりだ」と報じた大新聞まであるほどだ。 しかし、このまま小沢一郎が政治生命を失い、小沢グループが消滅すると考えたら大間違いだ。小沢グループは控訴を前提にすでに次の一手を打ち始めているという。      「きのう(10日)開かれた小沢一郎の勉強会『新政研』に、96人も集まったのには仰天しました。小沢本人が風邪で欠席したうえ、控訴が決まった翌日だから、人数も少なく、意気消沈しているだろうと想像したのに、人数はいつも通りだし熱気もある。メディアは『結束に不安』と報じていましたが、まったく違います」(民主党事情通)
  再び刑事被告人となったことで、小沢が9月の代表選に出馬しづらくなったことは間違いない。しかし、小沢周辺はそれほど落胆していないという。
  「小沢総理がベストなのは確かですが、小沢周辺は、消費税アップに血道を上げる野田首相を辞任させ、自分たちが主導権を握れる人物を首相に担げるならそれで構わないと考えているようです。すでに“隠し玉”として3人用意しているといいます。ひとりはあっと驚く政治家。なんと『反小沢』の中心人物です。4月から水面下で接触している。次の総選挙では野党に転落するのは確実なだけに、民主党議員が総理を狙うなら、『ポスト野田』のワンチャンスしかない。それで 『反小沢』の議員も、小沢グループに近づいている。9月の代表選を考えたら、『消費税アップより景気優先』を掲げ、小沢グループ100人を味方につけた方が得策ですからね」(政界関係者)
 ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。
  「小沢さんは、裁判がどうなろうと、政治行動は変えないと腹を固めています。だから、小沢グループのコアメンバーも、控訴されても動揺が小さい。自分たちがやるべきことは決まっていると確信している。結束は簡単には崩れないのではないか」
 「小沢嫌い」の大新聞テレビは、小沢の凋落を期待しているようだが、逆に党内多数派を形成する可能性まで出ているのだ。 ≫(日刊ゲンダイ:「日々担々」資料ブログより借用)


 筆者は拙コラムで「政治活動を縛りたい一心の控訴 小沢は意に介さず内閣総理大臣を勝ち取るべし!」と主張しているので微動だもしないが、世間の空気は必ずしも同調的だとは思っていない。当然、マスメディアがあれだけ元特捜検事である弁護士などをコメンテータに起用し、捻じ曲げた法解釈を加え、同席者がウンウンと肯けば、法解釈等と無縁の国民の多くが、そのテレビ・シーンに同調の気持を持つのはやむを得ない事である。だから、テレビ局が悪いのだと罵っても、現に合法的にその番組を制作している以上、詮方ないわけである。

 プロパガンダと云うものは、政治であれ社会問題であれ、政府(霞が関組織)に同調的であり、妥協的ものである。故に、大新聞、テレビキー局はプロパガンダとして機能する事が、現在の法整備においては自然の成り行きでもある。この新聞・放送分野への改革も視野に入れていたのが、政権交代時の小沢・鳩山ラインであったが、検察の国策的捜査手法により、悉く頓挫させられたのが現状だ。

 現状認識ばかりしていて、どうするつもりだ!それを打破するのが、最低限の民主主義の構築ではないのか!このようなお叱りの言葉が飛んできそうだが、現状の認識を疎かにすることは、再びドジを踏む結果でもある。シビア過ぎる程の現状認識と、それを改革してゆく理念、改革の行程表。見える敵、見えない敵への対応戦略等々、気の遠くなるような、骨太さと、繊細緻密さが、同時並行的に求められていると云うのが現実だ。国内の既得権益勢力、米国と云う支配者面を放棄しない同盟マフィアらとの闘いなのだから、並大抵ではない。戦後の日本を支配してきた米国・霞が関を頂点とする大掛かりな組織構造は、一定の国民までをも末端組織人として組み込むと云う、壮大な社会システムなのだ。このアンシャン・レジームのパワーは衰えたと雖も侮れない。

 この老いた巨大マンモスが、起死回生の蘇生を試みているのが、現在の日本を取巻く、政治経済・外交・防衛・司法の世界なのだろう。この戦後のアンシャン・レジームの中には、戦前からの日本統治機構の要素も混入されているので、思わぬところで足を掬われる。既得権益と云う麻薬の副作用は、個人や所属する組織の利益防衛のためなら、罠も陰謀も捏造もすべて許される論理で、ことが進んでゆく。おそらく、50年、100年単位で傍観する腹を決めれば、意外にあっさりと、このアンシャン・レジームは崩壊するだろう。しかし、それでは現在生きている国民すべてが負の政治的影響を受けるわけで、あまりにも不条理、不合理な結果となる。

 それを避ける方法を、筆者は一つの肌感覚としてしか持ちえない。必ずしも、筆者の考えが論理的だとも思っていない。多くの問題を解決しようとする時、案外人間とは、その人間が持つ“勘”と思考経路から導かれるものである。日刊ゲンダイの記事の意図は定かではないが、推測飛ばし記事的臭いはする。弱気のような態勢で、ブラフをぶつけ、反小沢陣営の疑心暗鬼を誘う魂胆かもしれない。おそらく、反小沢陣営の陣形を揺さぶるのであれば、仙谷は問題外だが前原を担ぎ出すと云う噂話は、前原の心を掻き毟るに違いない(笑)。

 野田佳彦を担いだ後になって、前原が出ると叫び出した結果、仙谷は野田を裏切ることになったのである。マスメディアは、この前原、仙谷を持ち上げ便利に小沢に対抗する勢力として重用しているが、現実には輿石幹事長の下部組織政調の会長と会長代行に押し込められているのである。本音としては、小沢も憎いが、野田も憎いと云うねじくれた心理状態にいるのはたしかだ。どちらにもつきたくないが、野田、小沢を無視して自派閥だけで秋の代表選を戦うのは完璧に無理になっている。野田につくことは、イコール野田代表続投と云うことなので、前原の代表復帰はなくなる。仮に、小沢一郎が前原を推薦すると、俄然当選圏内が見えてくる。

 消費増税法案の行方は、継続審議が未だに有力だと思うが、茂木や野田毅らの発言を聞いていると、“解散なしの消費増税法案成立”と云う目も見えてくる。この場合、秋の代表選、総裁選で勝ち目のない野田、谷垣が6月にも大連立を組む、大政局も視界に入ってくる。このような大連立を党内で纏めきる能力は野田の場合は可能性ゼロだろう。谷垣の場合、そもそもが野党なので、与党のうま味が味わえるなら、党内をまとめる可能性は残されている。おそらく、小沢一郎も輿石幹事長も前原も大連立など大反対でまとまらない。野田が与党でも野党でもない、宙ぶらりん総理となり、クラッシュした内閣が一瞬誕生するかもしれないが、民主党から除籍処分を受けるかもしれない(笑)。

 つまり、大連立は財務省の妄想なのだろうが、野田も谷垣も都合の良い話なので、心は揺さぶられている。野田が、正攻法で消費増税法案を衆議院で通過させる方法は、小沢に対し、実質増税凍結に近い妥協案を出さない限り、衆議院だけでも通過させ、政治生命を掛けたパフォーマンスをすることさえ出来ない。逆に、野田が小沢に大幅妥協をした上で、消費増税法案衆議院通過は、野田の引退の花道と云うことになる。

 万が一に、自民党との連立が成り立ち、消費増税が通過したとしても、或いは小沢への大妥協で、名目的法案成立に辿りついたとしても、民主が野党に転落する事は、ほぼ確実である。そうなると、次の民主党秋の代表選は、民主党最後の内閣総理大臣選択の選挙となる。そう云うことが確実なだけに、前原はどんな条件でも、小沢グループの支持を取りつけようと米つきバッタでも、何もかも小沢の云う通りの内閣作りますと言わざるを得ない。仙谷も不承不承だが前原の考えを尊重するだろう。

 こんな馬鹿げた民主党内の権力闘争は以上申し上げた通り、あり得ないシナリオではないのだ。秋の代表選は与党民主党最後の代表選かもしれないのだから。大義名分は「党内融和・09年マニュフェスト回帰」である(笑)。このような政治が一歩も進まなくならない為には、小沢一郎が政治生命をかけ、斜に構えるスタイルを捨て、内閣総理大臣の椅子を力づくで取りに行くことが肝要なのである。小沢一郎が内閣総理大臣を勝ち取っても、そう簡単にことは進まないだろう。その時、先ずは「行財政改革」の徹底に着手することが最重要課題だ。

 当然それ以外の喫緊の課題もあるが、政治闘争マターとしては、「行財政改革」だ。この問題を通し“政治家VS官僚”と云う構図を国民に全面開示する事である。この対立的構図を国民に示し、財務省、法務省、外務省、防衛省などのダマシの歴史をウィキリークス顔負けの情報開示で、政治主導のなんたるかを、日本の戦後政治史に残すことが、小沢一郎の天命である。その後、後継者が育つかどうかは不明だが、マスメディアが報じた政治経済外交防衛司法の話が、霞が関プロパガンダ報道に過ぎなかった事実を、晒すことである。真実をありのままに語る政治が始まらないと、日本に民主主義は永遠に根付かないだろう。その時、筆者ははじめて、江藤淳の「小沢君、水沢へ帰りたまえ」と云う珠玉の言葉を進呈しよう。少々上から目線のように思えるが、コラムであり勘弁願おう。


悪の哲学: 中国哲学の想像力 (筑摩選書 43)
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輿石仲介の「小沢・野田会談」の成果ありやなしや 唯一妥協点があるとすれば…

2012年05月12日 | 日記

 

心でっかちな日本人 ――集団主義文化という幻想 (ちくま文庫)
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輿石仲介の「小沢・野田会談」の成果ありやなしや 唯一妥協点があるとすれば…


 消費増税法案のゆくえ、イコール野田内閣の運命と云うのが現在の世間相場だ。あれだけ大袈裟な発言をすれば、引っ込めるにも“相当の言い訳”が必要になる。この“相当の言い訳”を模索するのが、輿石幹事長の小沢一郎と野田佳彦の会談の仲介だ。野田は「誰とでも、必要があれば話し合うのにやぶさかでない」等と一人前の口を利いているが、こと小沢一郎が相手では、説得するなんてレベルの話ではないのは自明だ。

 どれ程反小沢に徹しているバカ共でも、両者の政治的力量、理念、キャリア、見識の差がどれほどのものか、理解している。野田が内閣総理大臣、小沢が一党員と云うハンデを貰っても“月とスッポン”以上の差がある。あまりの差に愕然とする、米国だか、霞が関だか、仙谷・江田だか知らないが、更なるハンデが必要とばかり、控訴による被告人のレッテルまで、ご丁寧に貼りつけた。それでも、野田は会談でビビるだろう(笑)。推薦に20人も集めるのに汲々とした田舎政治家と150人を擁する日本政界最大の派閥の領袖との対決、ビビらないのが不思議なくらいだ。

 財務省・IMF主導による消費増税の喫緊の必要性を滔々と述べること程度は先日の迷子のインコ程度の事は可能だろうが、チョイと応用問題を出された時点でアウトだろう。財務省も官邸も、間違っても「小沢、野田会談」など持っての他と考え、如何に回避するか、その算段に汲々となっている事だろう。12日放映の田原・長谷川の「激論!クロスファイア」に登場した、民主・前原誠司と自民茂木敏充の意見が一致したと、長谷川幸洋がつぶやいていた。

 どんな風に意見が一致したか、少々ぼかしているが「増税成立、解散なし」と云う一致点だろう。長谷川氏つぶやきには、番組への宣伝臭も籠められているので、両党の政調会長同士の一致が民主、自民の一致になると云う結論は早計過ぎるだろう。茂木はある程度野党自民の意志を代表するかもしれないが、前原が与党民主党の意志を代表していると云う評価はいただけない(笑)。今や野田からも疎まれている存在であり、仙谷共々野田政権の傍流に置かれている事実を“さておき”過ぎている。

 現勢力の力関係は、あきらかに野田、輿石、小沢の三者である。一人は内閣総理大臣、一人は最大与党幹事長、一人は無罪被告の一党員である。しかし、一党員は150人の国会議員を擁する永田町最大派閥のボスである。前原、仙谷が食い入る処は、ダークな闇の部分だけなのが事実である。しかし、そのダークパワーは見逃すには、バックが暴力装置のような連中ばかりなので、細心の注意を払うべき程度の闇軍団である。既に、輿石・野田の権力闘争が顕在化した。

≪ 首相、増税法案修正に柔軟 幹事長「ダブル選望ましい」
 野田佳彦首相は11日の内閣記者会のインタビューで、この日審議入りした消費増税法案について「あくまで全力で通す」と強調し、法案修正にも柔軟に応じる考えも示した。一方、民主党の輿石東幹事長は衆院解散の時期について「ダブルが望ましい」と述べ、来年夏の参院選との同日選挙を実施すべきだとの考えを明らかにした。
 輿石氏は民主党所属国会議員の会合で「ダブル選挙」を持ち出した。今国会での「話し合い解散」を模索する自民党と、ダブル選挙を嫌う公明党を牽制(けん せい)する一方で、消費増税法案への反対姿勢を鮮明にする小沢一郎民主党元代表との融和を優先して採決の先送りを図る狙いだ。
 この発言に対し、首相は「大事なテーマをあれこれ言わない」と言及を避けた。藤村修官房長官は11日の会見で「解散権は首相にある。時期を(輿石氏と) 共有するような案件ではない」と不快感を示した。≫(朝日新聞)


 以上のような具合である。ガマガエルのような藤村官房長官が輿石に噛みついたようだが、格が違う。陽炎のような虎紛いの威光を嵩にきた田舎侍、何をか況やだ(笑)。石原の揺さぶりに「尖閣、国が買うことも…」等と外交戦略のイロハも判らぬ発言をするような男である。尖閣は個人所有故に、有利な対中外交カードを保持すると云う理屈が判っていない。是非、石原も慎太郎新党、否“新島”として個人的に所有して欲しいものだ。

 また横路に逸れたが(笑)、拙コラムを読む以上、脱線がつきもの、我慢していただこう。本題に戻るが、仮に「小沢・野田会談」が成立したとして、輿石も同席するだろう。案外、心配なので俺も、俺もで、収拾がつかなくなり、最後には勝栄二郎までが出席したい(笑)と言い出すかも判らぬ。仮に会談が行われた場合でも、野田が小沢を説得出来る事はあり得ないだろう。説得ではなく、09年マニュフェストの正論に戻る話なら、小沢にも聞く耳はあるだろう。その肝は、政権交代時の目玉中の目玉「国家戦略室」と「行政刷新会議」の有効的機能問題だろう。岡田に預けた民間有識者による「行政構造改革会議」と云う懇親会などゴミ会議のようなものである。岡田の私的会議の位置づけ。稲盛氏も無礼な扱いを受けたものである。

 つまり、“増税をする前にするべき事がある”を現実に死に物狂いで実行し、国民が中身のある行政改革に民主党が挑み、現実に効果を観察できるようになったと云う証明が必要と云う法案を急遽作成し、法案を消費増税抱き合わせて出すのであれば、小沢一郎が是認する可能性は僅かに残されている。この抜本的行財政改革法案の具体的中身までは検証していないが、霞が関改革・中央集権からの脱却が約束されるものと、消費増税法案がセットなら是認すると云う原則路線だ。つまり、野田などに出来る芸当ではないので、会談は行われても物別れと云うことなのだろう。

 そうなると、野田に残された道は、来月早々にでも谷垣自民党と連立を組み、公明排除で大連立ということかもしれない。小沢一郎が控訴され、次善の策を打ち出す前に、鼻をあかしてしまおうと思っているのかもしれない。その場合の、小沢一郎の選択は如何に?公明党の選択も興味深い。勿論橋下の政治力も試される。案外面白い展開かもしれない。民主党も自民党も夫々割れる。どのような勢力で衆議院の勢力図が構成されるのか?近々の検討課題にしておくとして、今夜は眠ることにする。おやすみなさい!


PS: なるほど、以下の読売記事で、茂木政調会長の発言が自民党の主たる方向性になったと云う確認が可能だ。自民党の消費増税賛成は決まったようだ。問題は、どのような手順で連携するかで、解散無しなら公明党も依存なしかもしれない。大政翼賛政権樹立かな?凄いですね。しかし、その大政翼賛政権が短命なのも見えているわけですね。さて、このような流れになると、日本の政治はどうなるのだろう?小沢が一番嫌っていた、カオスの日本政治に突入するのかもしれない。

≪ 消費増税審議入り自民「我々はむしろ推進勢力」

社会保障・税一体改革の柱で、野田首相が今国会での成立を目指す消費税率引き上げ関連法案は、11日の衆院本会議で趣旨説明と質疑が行われ、審議入りした。

 関連法案は、現在5%の消費税率を2014年4月に8%、15年10月に10%へ段階的に引き上げる内容。自民党の野田毅税制調査会長は「我々は税制改革の足を引っ張るつもりは全くない。むしろ推進勢力だ」と述べ、消費増税に理解を示した。そのうえで、民主党の小沢一郎元代表グループら増税反対派の説得や、社会保障改革に関する自民党の対案の受け入れなどを協力の条件にあげた。増税に伴う低所得者対策として導入する「給付付き税額控除」については、不正申告で給付を受ける可能性があるとして見直しを求めた。≫(読売新聞)


自滅するアメリカ帝国―日本よ、独立せよ (文春新書)
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野田・菅・岡田・前原・仙谷らは唯一のミッションで動いている それは小沢封印

2012年05月11日 | 日記

 

昔、言葉は思想であった
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野田・菅・岡田・前原・仙谷らは唯一のミッションで動いている それは小沢封印


 最近筆者は、野田佳彦という男への興味を完全に失っている。彼の言葉を聞いても、右から左に通り抜けてゆく。言霊がないのだね。まだ菅直人の方がマシに思えるほど空疎なのだ。取り敢えず、何故なのだろうかと考えてみるのだが、判然としない。

 数日ぶりに我が家に戻り、昼日中TVをつけてみたら、衆議院本会議の中継中だった。もう辞任したのかと思っていた野田佳彦が、まだ内閣総理大臣として答弁していた。アホ臭い質問と空疎な返答が続く。疲れも手伝い、10分もしない内に、深い眠りに就いたのだが、何ひとつ、“ウン!”と聞き耳を立てる発言はなかったようだ。現に、新聞紙面を彩るような斬新さもなく、使い古された官僚が用意した語彙の連鎖である。

 自民党の麻生、福田、小泉、森、小渕ですら、“エッ!”と思わせ、耳を傾けたくなる発言があった。鳩山にも当然“えっ!”という発言はあった。菅にだって、ヤケクソにしても耳を傾ける嘘八百があった。しかし、野田にはないのだ。まったくもって面白味もなければ、人間味さえ感じない。あきらかに木偶の坊なのである。

 思えば、この人は何のために民主党の代表に就任し、日本国の首相になっているのか、訝しい思いしか浮かんでこない。“消費増税に命を掛ける”等とたいそうデカイ口を利いたのだが、本心から増税が正しいと思っているかどうか自体、訝しいのである。例の“シロアリ退治”演舌が、実は本当の野田佳彦であり、偶然民主党代表になった瞬間から“木偶の坊”を装ってしまったようにさえ思える。

 何故か、時事通信が4月頃からだろうか、「首相動静」と云う通信社らしい配信記事を出すようになった。時事の自発的発信なのか、官邸側からの要望なのか定かではない。取り敢えず、5月10日の「首相動静」なるものを参考に貼りつけておく。興味のある人は、目くらい通しても、目が腐ることはないだろう。

≪ 首相動静(5月10日)
 午前7時52分、公邸発。同55分、東京・永田町のザ・キャピトルホテル東急着。同ホテル内の日本料理店「水簾」で岡村正日本商工会議所会頭らと会食。
 午前9時1分、同ホテル発。同4分、官邸着。同5分、執務室へ。
 午前9時8分から同29分まで、細野豪志原発事故担当相、斎藤勁官房副長官、近藤駿介原子力委員会委員長。同30分から同48分まで、西室泰三郵政民営化委員会委員長。
 午後9時49分から同10時33分まで、斎藤官房副長官、手塚仁雄首相補佐官。
 午前11時29分から 同38分まで、岡田克也副総理。  午後0時46分、執務室を出て、同47分、官邸発。同49分、国会着。同50分、衆院議長応接室へ。同1時、同室を出て衆院本会議場へ。同2分、衆院本会議開会。
 午後4時9分、衆院本会議散会。同10分、衆院本会議場を出て、同11分、国会発。同12分、官邸着。同13分、執務室へ。
 午後4時16分から同31分まで、斎藤官房副長官、長島昭久首相補佐官、内閣府の石田勝之副大臣、清水治内閣府審議官、井上源三政策統括官。
 午後4時40分、執務室を出て、同41分から同46分まで、特別応接室で仲井真弘多沖縄県知事らが「かりゆしウェア」を贈呈。岡田副総理、藤村修官房長官同席。同47分、同室を出て執務室へ。同48分から同5時まで、手塚首相補佐官。
 午後5時1分から同4分まで、大西隆日本学術会議会長。古川元久科学技術政策担当相、松元崇内閣府事務次官同席。同5分から同24分まで、枝野幸男経済産業相、石田内閣府副大臣。同27分、執務室を出て大会議室へ。同28分、国家戦略会議開始。
 午後6時39分、同会議終了。同40分、同室を出て、同41分、貴賓室へ。同43分、同室を出て小ホールへ。同44分から同57分まで、ミャンマーのキン・アウン・ミン上院議長が表敬。長浜博行官房副長官が同席。同58分、同ホールを出て官邸発。同7時4分、東京・赤坂の中華料理店「赤坂飯店」着。民主党の前原誠司政調会長、仙谷由人政調会長代行、藤井裕久税制調査会長らと会食。
 午後9時3 分、同所発。同9分、公邸着。
 11日午前0時現在、公邸。来客なし。≫(時事通信)


 上記の一日の行動をみる限り、内閣総理大臣と云う職業は何とも因果な商売である。到底、ネットなど見ている暇はなさそうだ。少なくとも、彼にとっては精神的にダメージを軽減する生活である事はたしかだ。しかし、このような生活を通して、国家の空気を肌で感じる暇はゼロに近いのだろう。多くは、自分の配下の閣僚と会うか、補佐官か官房副長官と時間を共有しているわけである。まともなレア情報が耳に入る可能性は相当低いと観察できる。暴れん坊将軍・吉宗公ではないが、夜陰に紛れ、世間を徘徊することは不可能なようである。

 命をかけると云う、消費増税法案の成立さえも危ぶまれる最近の野田を取巻く政局だが、ご本人は結構“ノホホン”としている。生れつきの容貌の所為かもしれないが、切迫感はゼロに等しい。目が泳いでいるのは、深酒の所為で、藤井の二代目と云うところだ。赤字国債の発行には欠かせない特例公債法案への興味もゼロ。原発再稼働の屁理屈付け機関、原子力規制庁設置関連法案も手つかず。最高裁判決で明確に指摘された「一票の格差」是正問題も遅々として進む気配がない。TPP参加表明以降、何らの進展も見せていない。米国訪問時にも言及すらなかった。

 消費増税法案にしても、財務省の自民党への根回し具合で、すべてが決定する状態で、特に野田がリーダーシップを発揮している状況でもない。結局、未だに国家国民の為になるか?或いは被害を与えるか?実は何もしていないと云う事実だけが鮮明に浮き彫りになる。本当に、この人は何をしているのだろう?

 だいぶ以前の拙コラムで「野田はウッカリ総理の椅子に座ってしまった どうして良いのかが判らない」と云うのを書いたのだが、≪鳩山が友愛政治で、菅が政治主導。どっちも旨く行かなかった、だから官僚と手を繋ぎ、米国の隷属性を尊重、経団連とも、電事連・連合とも仲良く、出来たら 野党・自民公明とも仲良く、運が良ければ中国とも仲良く、「みんなで国難を乗り切りましょう」、とそれこそ美辞麗句のオンパレードに所信表明演説は彩られた。財務省事務次官の勝栄二郎のご機嫌伺いか勝海舟の「正心誠意」を持ち出し、与野党の全員野球を呼び掛けている。これほど美辞麗句に満ちた演説は聞いた 事がない。≫、 ≪日本社会は総じて「美辞麗句病」に冒されている。野田自身も冒されているので、平気でこう云う演説が可能なのだろう。つまり、野田佳彦は、特に総理大臣になりたかったわけでもない。目的が曖昧なままに、勢いで立候補したものの、民主党をどうするか、日本をどうするか、まったく俯瞰図なしに、気がつくと漁夫の利で総理の椅子に座ってしまった政治家なのだろう。≫

 いまだに、野田の総理に就いてやりたいことが、正直筆者には見えていない。消費増税法案の成立さえも本気度を疑う状況だ。財務省に自民党との根回しを任せッきりで、「勝さんが説得出来ると約束したから、法案を無理矢理提出にまで持ち込んだのだ。私の役目は終わっている。約束を守るのは勝次官でしょう」筆者は、このような事を、勝財務次官と意志疎通が出来ている竹歳誠官房副長官に文句を言っている光景が目に浮かぶ。竹歳誠が事務方トップの官房副長官に就任した経緯で、朝日新聞は“学生時代からの友人”と事実誤認報道をしてしまったが、意志疎通がある二人という点で変わりはない。だいたいが、現役次官が官房副長官になるのは異例過ぎるし、主にこのポストは、総務省と厚労省のたすき掛けポストだったのだから、異例尽くしだ。

 このような事を考えて行くと、民主党の小沢・鳩山ライン以外の政治家、全党・全議員が小沢一郎の政治生命封印の為だけに、永田町に存在している気にさえなってくる。国家国民のための国会ではなく、小沢一郎の政治行動を阻止する為の政治活動をしているようにさえ見えてくる。自民公明、共産に至るまでが小沢一郎バッシングなのだ。非常に面白い現象とも言える。勿論、民主党の反小沢陣営の目的は、小沢一郎の封印が唯一の政治使命となっている。このような現象は異様である。

 指定弁護士の陸山会事件でも無罪に対する、責任能力なき控訴の奇怪さもさることながら、彼らの、小沢封じのためだけに政権の座にいる状況は、更に輪をかけて奇怪なのだ。野田は未だに何もしていない。菅・岡田・前原・仙谷も国政に関わる政治は一つもしていない。やったことは、霞が関と手を結び、隷米度を増幅させ、小沢一郎の政治を封印したことだけではないか。

 まさか、野田佳彦が小沢一郎へのバトンタッチまでの繋ぎで総理をしているようにさえ見えてくる(笑)。これは冗談だが、結果的にそうなる可能性がゼロではないのが昨今の政治状況だ。昨日のコラムではないが、属国日本の政治も司法も、そのすべてが米国由来であることを物語っているわけで、ここまでコケにされてしがみ付く米国ではなくなっている事を、理解したくない人々が多いことに呆れるが、人間とは変わることの難しい生き物のなのだと、つくづく思い知らされる。松下政経塾も市民運動家も、自公も共産までが、米国の走狗なのだから、空いた口が塞がらない。どなるのかね、日本は?



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政治活動を縛りたい一心の控訴 小沢は意に介さず内閣総理大臣を勝ち取るべし!

2012年05月10日 | 日記

 

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政治活動を縛りたい一心の控訴 小沢は意に介さず内閣総理大臣を勝ち取るべし!


 東京新聞の9日の社説の正論を、一日で覆すような指定弁護士による、控訴の決定だ。おそらく、一番喜んでいるのは、民主党の性格を捻じ曲げた陣営の連中だろう。なんとしても、小沢一郎を座敷牢から出させるわけにはいかない!と云う意思表示である。先ずは、件の東京新聞の社説を読んでおいていただこう。少なくとも、民主党国会議員はこの社説の意味を充分に咀嚼すべきである。

≪ 小沢氏処分解除 内紛を克服する契機に
 民主党が小沢一郎元代表の党員資格停止処分を解除した。政治資金規正法違反事件での一審無罪判決を受けた措置だ。「親小沢」対「反小沢」の内紛を克服し、政策実現に力を注ぐ契機としてほしい。
 小沢氏が検察審査会の二度の議決により強制起訴されたのは昨年一月。翌二月に党常任幹事会が「判決確定までの間」の党員資格停止処分を決定した。
 しかし、一審判決では検審が判断材料の中核とした捜査報告書が虚偽だったことが厳しく指弾されている。  判決確定までは推定無罪だとはいえ、検察の「誤導」による検審の判断により、有権者が選んだ国会議員の政治活動が一年以上にわたって事実上制限されたのを問題なしとは言い切れない。
 見過ごせないのは、この間、野田佳彦首相が消費税率引き上げを柱とする社会保障と税の一体改革案を閣議決定し、その成立に政治生命を懸けると断言したことだ。
 消費税増税に反対する有力議員の手足を縛り、その間に増税の流れをつくるようなやり方は、とても公正とは言えない。
 輿石東党幹事長は判決確定前に処分解除を決める意味を「できるだけ早くこの問題に結論を出すことが大事な政治判断だと思った」と説明した。「親小沢」と「反小沢」勢力が激しく対立する党内の融和を図りたかったのだろう。
 ただ、有権者の関心が党内融和ではなく、国民が政権を託した二〇〇九年衆院選で民主党が約束したマニフェストの実現にあることを忘れてもらっては 困る。
 党が混乱しようがしまいが、政府や行政の徹底した無駄の削減や官僚主導から政治主導への転換などの約束を実現していれば、これほど民主党や内閣の支持率が下がることはなかった。
 小沢氏は処分解除を受け、消費税増税に突っ走る野田首相らへの批判を強め、党内対立が激化する見通しだ。政策論争は大いに歓迎したいが、小沢氏との親疎に起因する不毛な内輪もめはもう終わりにしてほしい。
 首相らには、小沢氏の言動を単なる権力闘争とはせず、政権交代の原点を想起させる忠告と受け止める謙虚さが必要だ。
 民主党が政権を全うできる衆院議員の任期満了までまだ一年以上ある。残された期間に小沢氏をめぐる内紛を克服し、国民が期待した政策を一つでも多く実現できれば、民主党への評価は多少なりとも好転するに違いない。≫(東京新聞:9日社説)


 もう民主党が政権交代時の政党に立ち戻る期間は1年間しか残されていない。否、1年も残されていると考えることも可能だ。更に、来年夏の総選挙に勝利すれば、更に4年間の猶予が与えられる。このことを、我々は肝に銘じるべきである。5年もあれば、霞が関改革、米中露の中間に位置する地勢的不利な状況を有利な地勢に替えることも可能なのである。霞が関改革と中国、ロシアとの外交は、日本の防衛を含む国際的立ち位置に、決定的影響を及ぼすことを理解しておく必要がある。

 さて今回の暴挙とも云える、指定弁護士の陸山会事件控訴決定の判断だが、地裁判決に“重大な事実誤認”がある云う曖昧模糊とした表現だったが、実は何ひとつ確証があっての控訴でないことは歴然としている。本当に、事実誤認と言えるだけの瑕疵が判決に存在するなら、既に反小沢陣営やマスメディアからの反論がある筈である。つまり、何も確証はないけど、控訴ありきだったと云うことだ。

 では何故、彼らは勿体ぶった行動で、待機児童のような真似をしたのだろうか?と云う問題がある。ネット上では、仙谷の毒まんじゅう炸裂に違いない、が主流のようだが、おそらく違うだろう。そんなチンケな仕組みによる、小沢封じ込めではないと、筆者は読んでいる。野田や仙谷や野中が動かせる問題ではないと認識した方が筋が通る。輿石が、控訴を念頭に、無理矢理“党員資格停止解除”を急いだ理由はその辺にある。

 ジェラルド・カーティス(CIA日本政治情報提供者:コロンビア大学教授)が4月26日に、社団法人日本外国特派員協会での小沢一郎裁判に関する記者会見場の予約を早々に入れていた事でも察することが可能だが、この問題は米国発、東京地検特捜部の行動と云うパターンをなしている。思い出せば、立花隆がCIAからの情報を元に書いた文藝春秋の「田中角栄研究」の著書の中で金脈疑惑が起きた状況で、田中角栄は逃げも隠れもせず、この日本外国特派員協会主催のゲスト出演を承諾した。しかし、そこで待ち受けていたのは、仕込み済みの角栄バッシングで、日本の報道機関に金脈疑惑追及の流れが出来あがった。

 今にして思えば、あきらかに日本の首相を謂われなき罪に陥れる壮大な罠だったわけだが、当時それを知ることは出来なかったようである。この会見を契機に、怒涛の如き田中角栄の金脈問題が追求されたが、陸山会事件同様、確たる証拠もなく、マスメディアの餌食になって行ったのである。角栄は結局、この壮大な罠に嵌り、3カ月後の12月に総辞職したのである。それから2年後、米国発のロッキード事件で航空機売り込みリベート疑惑が浮上、受託収賄・外為法違反などの罪で逮捕される至っている。

 ロッキード事件はあまりにも複雑すぎ、田中角栄の犯罪を証明する何ものも存在せず、罪状だけが独り歩きする、奇怪な政治権力闘争であった事はたしかなようだ。ただ、明確なことは、米国発の犯罪の有無から起きた事件であり、今回の西松事件での疑惑の発端も、外国為替及び外国貿易法(外為法)違反になっている。この一私企業の外為違反から、壮大な小沢一郎にまつわる事件が始まったことを、我々は念頭に置くべきである。

 ロッキード事件で主犯(中曽根康弘、福田赳夫、松野頼三ら?)が捕まらない喜悲劇が起きているのだが、米国を舞台に何かが起き、何かが権力闘争に利用される構図があったことは事実のようである。今回の小沢事件も発端は外為法違反であり、米国の影響が色濃く反映している疑惑を捨てるわけにはいかないのである。キッシンジャーが田中角栄ローキード事件では深く関与したようだが、今回も同氏の介在まで、疑えば切りがない。

 このような観察の立場に立つと、もう日本の司法がどうのこうのと、口角泡を飛ばしても意味がないと云う見方も可能である。それこそ、日米を跨ぐ権力闘争なのではないだろうか。このような立場から、今回の指定弁護士の控訴決定を読み解くと、彼らは、仙谷などと云うチンケな政治家からの指示ではなく、海の向こうからの指示、或いは指示に付き纏う金銭の額の確認が重要事項であったとも考えられる。

 まさに、驚くべき壮大な権力闘争だ。検察や法務省が、今回の控訴を喜ぶとは思えない。まったく迷惑の限りなのである。佐久間や大鶴、斎藤、木村ら関係検事の証人申請は何が何でも、避けたい問題である。また、最高裁事務総局にしても、実質的指揮下にある、裏金製造マシーンといわれる検察審査会の実態をほじくられる事は、それこそ何が何でも避けたいわけである。にも拘らず、控訴を決定した要因は、到底正義の実現とか、真実の追求など、綺麗事で済まされる意志決定ではなかったと推認できる。

 国内で、誰も得をしない控訴を行う事で利益を得るのは、米国政府の“尻舐め犬”となった野田佳彦をサポートすると云う、米国の意志である可能性が高い。米国にしてみれば、田中角栄と同様に、日本の独立を目指した小沢一郎を何が何でも政権の座に就かせてはならないと云う強い意志を感じる。これは小沢がつくづく発言した「これは権力闘争だ」の発言が意味深いものになる。小沢は国内の権力闘争だけを指していない闘争を視野に闘う宣言をしたのだろう。今になって、小沢の権力闘争の意味をしみじみと感じた。

 ただ、此処で大切なことは、興奮しない事である。論理的に土俵を峻別しておく必要があると云うことだ。まず絶対に忘れてならないのが、三権分立の建前だ。立法・行政・司法の土俵をわきまえておくべきだ。つまり、控訴により継続される上告審は司法の土俵である。三権の一つ司法で行われる事は、たとえ捜査機関の違法無法な捜査が為されたとしても、司法の世界の話だ。その中で、犯罪が起きていれば、その犯罪を究明すれば良いのである。勿論、国政調査権による秘密会の開催などは、立法府の権利なので、これを司法への介入と解すべきではなく、あくまで行政の一角を担う検察に対する究明を専らとすべきである。

 それでは、当面の政治闘争は、どの範疇に入るのだろうか?此処が考えどころである。あきらかに言えることは、司法ではないと云うことだ。議院内閣制をとる我が国の統治制度においては、立法と行政は表裏一体なものになる。現状は、霞が関官僚による官僚内閣制が表面化しているが、行政はあくまで立法と表裏一体なものであるのが基本だ。どうも、現実が異なっているために、混乱を招きやすいが、官僚は単なる国民に使える公僕なのである。

 日本における政治権力は米国の認証の下に行われている実態を基準に、我々も考えがちであるが、その点は厳に戒めるべきだろう。独立国であると標榜する限り、米国の認証は意味がない。今や落ち目の米国の世界戦略のために、日本の政権が盲目的に従う義務は一切ない。むしろ、米国からの独立と自らの足で立つ、自己責任の日本政治の確立が急務なのである。

 筆者は、小沢一郎は、司法の土俵は有能な弘中弁護士に全面的に任せ、その多くの時間を、民主党の議員として政治活動に邁進すべきと考えるに至った。司法には司法の顔で望めばイイだけで、政治活動を躊躇する必要な完璧に皆無だ。野党が何を叫ぼうが馬耳東風で構わない。マスメディアがどれ程、説明責任を喧伝しようが意に介する義理はない。国家国民のために、政治生命をかけて、近々行われるであろう民主党代表選に勝利する事を宣言すべきである。そして、現実にそれを勝ち取る事である。

 世界の潮流は小沢に順風が吹いている。米国及びIMF・世界銀行主導の緊縮財政へのノーなのである。意味なく緊縮の前にやるべきこと、増税の前にやるべきことがある。これが最大の味方だ。勿論、支持する国民も、ことのほか多いことも忘れず、政治生命を掛けて貰いたい。自分の信念を信じ、国民を信じて、最後の勝負に挑んで貰いたい。無罪を勝ち得た被告人でも問題はない。内閣総理大臣を必ず勝ち取ることが、小沢一郎の政治生命を継続させる最大の方法である。そして、その剛腕を、国家国民に捧げることが、小沢一郎に課せられた最大の天命なのである。 内閣総理大臣以上でも以下でも駄目だ、内閣総理大臣だ。鳩山の二の舞になるのは、もう勘弁して貰おう。




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陸山会事件控訴、前日に党員資格停止処分解除、すべて見えていたようだ

2012年05月09日 | 日記

 

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陸山会事件控訴、前日に党員資格停止処分解除、すべて見えていたようだ


 ロシア経由の東京地検特捜部の公文有印書偽造、偽計業務妨害の疑いが濃厚な文書の流出は、賢明な国民の心に大きく響いたに違いない。何気に、09年以降の小沢一郎への“魔女狩り”はありそうだが、これと云って確たる証拠はないが、状況的に怪しいと云うレベルだった。しかし、今回の流出資料は、捜査に関係した検察庁関係者への処分を有耶無耶にすることが難しい状況を見せている。

 いまだに、テレビ各社は「実質的には有罪に近い無罪」とか「クロに近いグレー」等とコメンテータに言わせ、野党の政治家までが、似たような発言をしたり、政治的、道義的説明がどうのこうのと喚いている。しかし、事実関係で、前田元検事が証言した通り「小沢と検察の闘いだ。負けるか勝つかだ」と語る等、到底法治国家の捜査機関の域を逸脱した行動に出たことは間違いがない。

 “天網恢恢疎にして漏らさず”と云う言葉があるが、まさにその通りになりつつあるようだ。今回のクーデター事件(小沢一郎の内閣総理大臣阻止行動)の動きが、東京地検特捜部の幹部ら数人による行動なのか、検察組織全体が関与していたのか、検察組織のみならず最高裁事務総局も絡んでの大シナリオであったのか、全貌を解明する事は相当の困難が予想される。また、このクーデターに当時の与党政権も関与していたのか、ここまで発展すると超スパーデラックス(笑)な疑獄事件となり、日本の歴史上最大の事件になるのかもしれない。

 この事が発端となり、小沢一郎が眼の前に迫った“政権交代”及び内閣総理大臣の地位を、鳩山由紀夫に譲ったわけである。その結果、3年余りの民主党政権の体たらくを演出したのが、こともあろうか“秋霜烈日”(秋の冷たい霜や夏の激しい陽ざしのような気候のきびしさの譬え。また、検察官のバッジデザインであることから、刑罰や権威などに極めて厳しく、また厳かであることの譬えとして使われる)で名を売る検察官による、“法の正義”どころか“法を悪用、人を貶める”不正を行ったのだから、何をか況やだ。

 そのような、特殊な権力行使を観察し、時には警鐘を鳴らすのがジャーナリズムであるが、その多くを担うべき立場の日本のマスメディアは、悉く、その使命を果たさないばかりか、その絶対的暴力装置の暴走に、記者クラブと云う安楽椅子に身を沈め、手を貸し、“小沢一郎魔女狩り”の喧伝に加担したのだから、共謀したのと同様である。場合によると、この事件の成り行き一つでは、大なり小なり与野党政治家にも、立法府としての監督責任はあるわけである。

 この問題は、当時の法務大臣が検事総長を監督すべき立場にあった点を考慮すると、自民党・森英介氏の責任も重い。大臣を任命監督すべき麻生太郎の責任も重い。政治的、道義的説明責任どころではない、場合によれば当時の内閣が、特捜の暴走を黙認したとなれば、共同正犯乃至は共謀罪さえ成立する話である。森ゆうこ議員らが「秘密会」の開催を要求したが、是非、検察審査会のみならず、この地検特捜のクーデター問題も「秘密会」で先ず検証して貰いたい。

 ここまで書いたところで、陸山会事件、指定弁護士が控訴を決めたと云う報道がなされた。

≪ 陸山会事件、指定弁護士が控訴へ 小沢氏の無罪確定せず
 資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐり、政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪に問われた民主党元代表・小沢一郎被告(69)を無罪とした東京地裁判 決に対し、検察官役の指定弁護士は9日、控訴する方針を固めた。判決の事実認定に誤りがあるとの判断。小沢氏の裁判は東京高裁で続くことになった。
 3人の指定弁護士は同日午後2時から東京都内で記者会見を開き、控訴の理由を説明する。検察審査会の判断で強制起訴され、判決が出たのは小沢氏を含めて 2件あり、いずれも無罪。先に那覇地裁で無罪とされた詐欺事件も、指定弁護士が控訴している。
 小沢氏の起訴内容は、陸山会が2004年10月に東京都世田谷区の土地を購入した際、小沢氏から借りた4億円を04年分の政治資金収支報告書に収入とし て記載せず、約3億5千万円の土地代金の支出も05年分の収支報告書に遅らせて記載した――というもの。≫(朝日新聞)


 判決要旨を読む限り、指定弁護士でなくても、“あぁ有罪だな”と思える法的思考経路を辿っている。故に、唐突に“だからといって、被告が秘書が作成した政治資金報告書の虚偽記載を違法だと思っていたとまでは言えない”だから、共謀とは言えず“無罪”と云うことなのだが、たしかに奇妙だ。もう少し、証拠を積み重ねて頑張れば、有罪にもなるよね、と示唆しているようでもある。秘書らの犯罪行為はあったと認定しているので、共謀に焦点を当てた法廷行動をすれば、有罪も可能だよ、と控訴を誘引した判決でもあった。

 指定弁護士らの控訴の意図は不明だが、いずれにせよ小沢一郎の無罪は確定しなかった。判決が“控訴棄却”でなかった時点から、控訴の可能性があった。その点を考慮した輿石幹事長は、電光石火で小沢一郎の“党員資格停止解除”を力づくで決定したのだろう。刑事裁判における二審は被告人が原則出廷する必要もないので、時間的に煩わされる事は少なくなる。なにしろ、無罪判決を受けた被告人なのだから、一審前の刑事被告人とは、政治上大きな違いがある。ただ、控訴中の問題なので、証人喚問、説明責任云々の話は引っ込まざるを得なくなった。

 前段でも書いたのだが、こうなると検察庁の組織犯罪の解明は待ったなしになったし、検察審査会の実態解明も、立法府に突きつけられた、大きな責務になってきた。西松建設事件にまで遡り、当時の政治団体から献金を受けた政治家まで洗い直し、地検特捜が小沢一郎に焦点を絞ったのか等々、解明する責務が立法府に投げられたと言うべきである。こうなると、マスメディアは一切役立たずなので、ネットメディア、フリー・ジャーナリスト、司法改革市民運動が大きな力になり、支えて行かざるを得ないようである。検察・司法内部からのリーク情報が増えることも期待しておきたい。

 ただ、この控訴により、小沢一郎の政治行動が制限される可能性はない。むしろ、証人喚問、説明責任云々のクダラヌ話は封印出来るわけで、小沢側の政権運営への関与の機会は増えて行く。党内行動が自由になった以上、モノ言う小沢にならざるを得ないだろう。代表代行就任などと云う話も出ているようだが、数カ月後に代表選があると云うのに、就任するとは思えない。案外、橋下との会談とか、今後の政局に向けての行動の方が優先する可能性の方が高いだろう。今日は、控訴決定を受けてのどたばたコラム、少々乱暴な儘だがアップしておく。



電力自由化 ―発送電分離から始まる日本の再生
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フランスもギリシャも国民は緊縮財政にノン! 日本の財政再建・消費増税は?

2012年05月08日 | 日記

 

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フランスもギリシャも国民は緊縮財政にノン! 日本の財政再建・消費増税は?


 日経ビジネスの安藤と云う記者が、まったくもって政局音痴なコラムを書いていたので、晒しモノにする積りで以下に引用する。

≪ 消費増税は小沢一郎民主党元代表の無罪判決で視界不良に。剣が峰の野田佳彦首相だが、「解散権」を持つ強みは大きい。チキンレースの先に、乾坤一擲の勝負をうかがう。
 資金管理団体の土地取引を巡る事件で東京地裁が4月26日、民主党の小沢一郎・元代表に無罪を言い渡した。  全体としては“グレー”だが、“黒”とまでは言えないという薄氷の判決。小沢氏の説明責任はなお残るものの、党員資格停止処分の解除が早くも俎上 に載るなど、復権への動きは急ピッチだ。
 「資格停止を解除したら、次は要職への復帰。それから、野田降ろしだ」。小沢氏に近い議員はこう語る。
 小沢氏が得意な選挙対策ポストなどに就いて影響力を回復。野田佳彦首相が「政治生命を懸ける」とする消費増税関連法案は「国民への裏切りだ」と衆 院での採決阻止へグループを挙げて注力する。同法案を継続審議にし、9月の民主党代表選で小沢氏自身か、別の対立候補を擁立し、野田首相を引きずり下ろす ――。小沢氏周辺はこんなシナリオを描く。
ヤマ場は6月か
 焦点の消費増税関連法案の国会審議は5月の大型連休明けから始まる。審議の進捗次第だが、最大の難関となる同法案の衆院採決は早ければ6月中にも 行われる公算だ。仮に野党の全員が同法案に反対した場合、与党から56人が反対に回れば否決される。
 ある民主党の閣僚は「選挙基盤が弱い小沢グループのほとんどは衆院解散・総選挙を避けたいのが本音。野田首相が解散するのが怖いので、採決時に 50人規模の造反が出るのは難しいはず」と見る。それでも確実に成立する見通しが立たない以上、野田首相が期待するのが自民、公明両党との協力だ。
 自民党のある幹部は「民主党がマニフェスト(政権公約)の最低保障年金の撤回などに応じ解散を約束すれば、消費増税関連法案に賛成できる」と話 す。小沢グループなど「マニフェスト堅持派」を切れるのか、ボールは野田首相側にあるというわけだ。
 自民などから協力を取りつけるうえでもう1つの大きな壁になっているのが、民主党執行部の消極姿勢だ。
 輿石東幹事長らは、解散環境の整備につながる選挙制度改革の与野党協議の調整に本腰を入れず、野田首相が4月中と望んだ消費増税関連法案の審議入 りも先送りした。早期解散の阻止が背景にあるのは周知の事実だ。
 包囲網が狭まる中、野田首相は消費増税関連法案の今国会での成立にこだわる姿勢を崩さない。周辺の複数の議員、政府関係者はその胸の内に関し、こ う口を揃える。「野田さんは、郵政解散の再現を念頭に置いている」。
 2005年、小泉純一郎元首相は、最重要課題に掲げた郵政民営化関連法案が衆院で可決後、参院で否決されるや、自民党内の猛反発を振り切り、総選 挙に打って出た。「賛成してくれるのか反対するのか、はっきり国民に問いたい」。鬼気迫る小泉氏の会見や「刺客」戦術などが功を奏し、自民党の圧勝を導いたのは記憶に新しい。
 ただ当時、小泉内閣の支持率は40%台を維持していたのに対し、4月下旬の野田内閣のそれは29%に低下(日本経済新聞社調査)。原子力発電所再 稼働問題などの火種も抱え、衆参のねじれ状態にあるなど状況は格段に悪い。
 それでも、野田首相は「仮に敗れても、歴史に名が残ればそれでいい」と口にしたことがあるという。ある閣僚は「衆参両院のいずれかで消費増税関連 法案が否決されるか、継続審議になれば、野田さんは結果を恐れず、乾坤一擲の勝負に出るだろう」と予想する。
 日本大学の岩井奉信教授は「解散の決定権を持つ以上、野田首相は小沢さんらより優位な立場にある」と語る。持論を曲げ先送りを選ぶのか、伝家の宝 刀を抜くのか。チキンレースの勝者はほどなく分かる。≫(日経ビジネスONLINE:ソーシャル:時事深層・安藤毅)


 安藤と云う記者は自分の回りにいるお仲間同士の茶飲み話をまとめて、このコラムを書いたようである。日経ビジネスの記者の政治観察力が相当に低いのは知っているが、経団連御用達の日経系は野田が死んでも、民主党が崩壊しても、消費増税をと叫んでいるようだ。余程、財務省・経団連にとって消費増税は都合がよくて美味しいご馳走なのだろう。

 彼らが美味しいご飯と思う法案は、考えるまでもなく、国民にとって害悪な法案と云うことになる。社会保障であるとか税に関しての理解を深めると、思わぬ落とし穴に嵌る。それぞれに屁理屈は通用するわけで、その屁理屈の土俵に上ってしまえば、屁理屈派の我田引水魔術にかかるのである。社会システムを複雑にし、国民の目から遠ざかる手法を使うと云うことはイコール、不都合な事実を隠蔽し、騙そうとしていると思って間違いがない。国民はその程度の判断で充分だ。

 消費増税法案成立のポイントは、6月に入って、野田が“野垂れ死に”も厭わず衆議院での採決をするかどうかだが、党がそれを認める可能性は非常に低い。首相に権限があるからと云って、何でもかんでも独裁が通用するものでもない。仮に、話し合い解散バーターで自民党案を丸呑み、衆議院採決の目処が立つとしても、選挙後の絵図が見えてこない。現在の民主・自民の顔ぶれが永田町に戻ってくる保証もないし、民自連立が、本当に盤石与党たり得るか、不安になるのが、現在の政治情勢だ。

 一番あり得るシナリオは、自民党が解散総選挙は避けながら、財務省の指導の下、増税法案だけ自党案丸呑みで成立させる戦略である。解散総選挙なしで、民主と自民が連立を組んでしまう、と云うシナリオだ。これが一番国民には悲惨だが、民主も自民も与党になり、1年数カ月政権の座にいられる。フランスの大統領選、ギリシャの総選挙をみても判る通り、財政再建は、緊縮財政や増税で行うべきではない、と有権者は常に思うものである。あの、今にも破綻しそうな国家でさえ、そうなのだ。

 財務省、マスメディアがどれ程叫ぼうとも、日本の財政に喫緊性は乏しい。まして財務省の役人に指導された増税など、多くの国民が感情的に許さない。そうなると、1年数カ月、政権与党である事を選択する可能性は、野田・谷垣に残されている。しかし、この場合、秋には両者ともに党の代表選を抱えている。増税で手を組んだ野田・谷垣の代表選、総裁選の結果は混沌とする。

 そうなると、連立もなく、大幅な国会の会期延長が視野に入る。所謂、継続審議風な消費増税法案と云うことになり、野田が代表選に敗れれば、法案は露の如く消えてしまう。その意味では、10日の指定弁護士の控訴の是非も一つの要素になるし、秋の代表選に向けた党員・サポーター票の取り合いも重要になる。ただ、筆者の場合、民主党事務局が仙谷・江田五月系の巣窟だけに、必ず八百長は行うとみているので、代表選は野田が勝だろう。しかし、それでも法案は宙づりの儘になるのではないかと、考えている。何故なら、谷垣が総裁ではなくなるからである。




人類哲学へ
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“無限の微力と有限の強力”どちらが勝か? 笠間検事総長、やるべき事をやれ!

2012年05月07日 | 日記

 

夢よりも深い覚醒へ――3・11後の哲学 (岩波新書)
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“無限の微力と有限の強力”どちらが勝か? 笠間検事総長、やるべき事をやれ!


 拙コラムで悠長に「国政調査権を駆使し、東京地検特捜幹部及び漆間・森英介を問い詰めよ!」なんて甘い見通しを立てたが、どうも問題は日本司法の根幹を揺さぶる問題に波及しそうである。今回の田代検事の虚偽記載報告書問題は、5月3日の朝日新聞の「報告書「虚偽と知らず提出」 陸山会事件で元特捜部長ら」の記事から始まっている。筆者も怒りに任せコラムを殴り書きしたが、検察内部にも“怒りで腹の虫が治まらない”勢力が存在することが窺える。

 朝日のお茶濁し報道で、一見落着を試みた“握りつぶし派”の画策は、今回の「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」八代啓代へのリーク情報を、同氏が勇気を持って、“真偽不明だけど”の但し書き付きで公開したことで、ネット世界に情報が溢れ返った。検察内部の“綱紀粛正派”の逆襲と推察するのが妥当だが、この流出した資料自体は、司法関係者なら入手可能だし、記者クラブ系メディアであれば、手元に存在していたので、何処の誰がリークしたかは、推測の域を出ていない。しかし、ネットはイイね~、推測・推認で文字が書ける。妄想・陰謀でも書かない限り“限りなく自由である”。

 新聞は、小沢裁判の検察審査会提出資料等のリーク事件を、取り敢えず読売が先行し報道。時事や共同も伝えた。遅まきながらと云うか、嫌々毎日も追随した。産経は白を切るつもりだろう(笑)。朝日は佐久間元特捜部長の言い訳を先行報道した都合上、その後のリーク事件に対する社の姿勢が決まっていないようだ。扱いべきか扱わざるべきか、扱うとして、どのようなスタンスで報道すべきか、世間の顔色を見ているようである。情けないジャーナリスト精神だが、今さら指摘しても始まらない。バカの耳に念仏である。

≪小沢元代表裁判:東京地検特捜部長 別の捜査報告書に下線  
小沢一郎・民主党元代表が強制起訴された政治資金規正法違反事件に絡み「虚偽」の捜査報告書が作成されていた問題で、これとは別の捜査報告書において、当時の東京地検特捜部長が元代表の関与を疑わせる記述部分にアンダーライン(下線)を引いていたことが分かった。報告書は元代表と元秘書の共謀について肯定・否定の両論を併記しているが、強制起訴を議決した検察審査会に提出されており、検察当局は下線を引いた意図などを慎重に調べている。
 この報告書は、元代表に対する最初の起訴相当議決(10年4月27日)後の再捜査の過程で、当時の副部長が佐久間達哉特捜部長(55)=現・法務総合研究所国連研修協力部長=あてに作った。再捜査では田代政弘検事(45)が元秘書で衆院議員の石川知裕被告 (38)を再聴取し、実際にはなかったやりとりを記載した捜査報告書を作成。副部長は、この「虚偽」報告書などを基に、再捜査を総括して報告書をまとめていた。
 報告書を受け取った佐久間部長は、元代表の関与を認める石川議員の供述部分などに下線を引いたという。 特捜部はその後の10年5月21日、改めて元代表を不起訴としたが、東京第5検察審査会は同年9月14日、これらの報告書を読み込んだ上で元代表を強制起訴すべきだと議決。ある検察幹部は報告書について「きちんと解明する」との意向を示した。
 ◇捜査資料など7点がネットに流出
 一方、この報告書を含め、当時の捜査資料など7点がインターネット上に流出していたことが分かった。  流出したのは田代検事作成の「虚偽」報告書や、石川議員が隠し取りした再聴取の録音データを文字にした 文書など。捜査資料は元代表の公判で、検察官役の指定弁護士を介して弁護側にも開示されている。2日夜、田代検事らを告発した市民団体に対し、文書をダウ ンロードできるサイトのアドレスが電子メールで届いたという。
 アドレスを自身のブログで公開した市民団体の代表は「中身が本物か確かめるすべがなかったので公開した。送信元に心当たりはない」と話している。≫ (毎日新聞)


 しかし、今回の市民団体へのリーク以前から、マスメディアはじめ、多くの司法関係者が入手していた資料なのだが、大手新聞、テレビはナシの礫だった。ここが日本のマスメディアの重大な問題なのだろう。検察関係者を気遣って、書かなかったと云う問題もあるが、すべての資料を入手はしたものの、ファイルケースの肥やしにしたのか、読んでも意味が理解出来なかったのか、いずれにせよ多角的欠点を露呈している。

 勿論、最も多角的、包括的、根本的に問題を晒したのが東京地検特捜部だ。ここまで陰謀と云うか、検察の組織に対する東京地検特捜部の一部勢力によるクーデターが起き、その証拠が次々と発覚している事実は並大抵のことではない。おそらく、朝日の記事が出るまでは、“揉み消し派”優位に推移していたようだが、このリーク事件により、“綱紀粛正派”が巻き返す情勢になっているようだ。

 常識的に判断すれば、東京地検特捜部の佐久間元特捜部長らのクーデターは、大阪地検特捜部の村木事件など吹っ飛んでしまう程の大事件である。このハレンチなクーデター事件を検察内部の処分或いは人事で隠蔽しようと最高検察庁が考えているとすると、検察庁の最大の禍根を残すことになるだろう。たかだか数人のクーデターを企てた検事達を擁護する事で、組織防衛をしようとすることは、時代を見誤る結果に結びつくだろう。

 ネット社会の情報が記者クラブ・マスメディアの情報を凌駕するには、まだまだ長い時間を要するだろうが、永遠に続くボディー・ブローのようなものであり、払っても払っても、叩き潰しても、執拗に次々と生まれ襲いかかる、市井の勢力には対抗するすべを失うだろう。それこそ体力勝負なわけだが、無限の微力と有限の強力、どちらが勝かは、自明だろう。

 それでも、頬かぶりするかもしれない、検察庁であり、記者クラブ・マスメディアあるかもしれない。それはそれで、彼らの選択である。“無限の微力”と云う市井のメディアには、無償と云う味方もついている。その上、有償でも、ジャーナリスト魂を発揮するネットメディアも誕生してきているだけに、今までの、愚民統治機構がいつまでも有効であると思わない事である。間違いなく、既存の統治機構は衰退する。衰退する場合、社会の混乱は国体自体に大きな影響を及ぼすだろう。穏便な筆者にしてみれば、既存勢力そのものが、自ら組織の問題点を根本的に抉り出し、改革する事を、儚い望みだが期待しておこう。笠間検事総長よ、「やるべきことをやってから」退任せよ!

 今回のリークが、検察審査会が実際に開催されたと云うアリバイ作りと云う見方をする論者も居るが、それとこれは別の話だろう。このような、佐久間元特捜部長の行為そのものが、検察のハレンチ行為を如実に現したわけで、隠蔽は相当に無理になっている。国会議員も、国政調査権を駆使して、司法の闇にメスを入れる勇気を持たないと、同じく同罪を犯すことになり、それこそが国家挙げての共謀罪というものだ。議員も他人事と思うことなかれだ。




マスコミは、もはや政治を語れない 徹底検証:「民主党政権」で勃興する「ネット論壇」 (現代プレミアブック)
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バカを論破するのは不可能(ニーチェ) 野田、岡田に正論を説くのは無駄骨

2012年05月06日 | 日記



ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒 (講談社プラスアルファ新書)
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バカを論破するのは不可能(ニーチェ) 野田、岡田に正論を説くのは無駄骨 


 現代ビジネスのHPで昨日のアクセスランキングの1位に『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』著者:適菜収 なぜ日本人は騙され続けるのか?がランクインしていた。あまりに現在の日本国民に語りかけているようなニーチェの言葉に、興味を惹かれた人々が多いことは未だ救いかな?と少し嬉しくなる。哲学や文学を軽んじる世界は滅びるよね。野田の美辞麗句な処世訓に鼻白む人の増えることを望む。なにが”美しい花”だ。馬鹿か!

 今日のコラムは、最高検察庁と国策捜査を支持した人間どもを糾弾する予定だったが、休みの最後の日くらい、哲学的話題も良いだろうと、ニーチェの話の一部を引用した。ニーチェは随分昔に読んだのだが、殆ど頭にも心にも、言葉の意味が残っていなかった。30年以上の歳月で、納得できそうな気がしてきたので、色々購入してみようか等と、単純に触発されている。

 適菜収氏の解説本を読んでも、それでも難しさはある(笑)。しかし、以下の著書の抜粋を読み、参考の目次一覧を覗いてみると、日本愚民の問題点は、今に始まったことでもないし、日本独自のものでもない、と痛感する。なにか多少救われるよな、更に深刻になるような、奇妙な気分だ。気が向いたら、皆様も一冊くらい読んでみることをお薦めする。


≪ 『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』著者:適菜収 なぜ日本人は騙され続けるのか? ツァラトゥストラってなに?

 ニーチェについて簡単に説明します。  ニーチェは一八四四年にプロイセン(今のドイツ)で生まれました。  幼少期から才覚を示したニーチェは名門のプフォルタ学院に進み、ボン大学で古典文献学の権威フリードリヒ・ヴィルヘルム・リッチュル(一八〇六~ 一八七六年)に師事します。その後、リッチュルの推薦により、二五歳の若さでスイスのバーゼル大学の古典文献学教授になりました。当時のニーチェは博士号 も教員資格も取得しておらず、異例中の異例の抜擢でした。つまりニーチェは、世の中から天才として扱われていた。その後、体調を壊したこともあり、大学の 教員を辞め、スイスやイタリアを周遊しながら執筆活動を進めていきます。
 一八八九年に発狂。一九〇〇年八月に肺炎で亡くなります。  『ツァラトゥストラ』 は、この周遊生活の中で書きあげられました。
 「ツァラトゥストラ」は、ゾロアスター教の開祖ザラスシュトラ(紀元前一一世紀~紀元前一〇世紀頃)のドイツ語読みです。英語で読むと「ゾロアス ター」になります。  しかし、ゾロアスターの思想とニーチェの哲学は関係ありません。  ゾロアスターと『ツァラトゥストラ』の主人公であるツァラトゥストラは別人です。
 では、ツァラトゥストラとはなにか?  ニーチェは著書『バイロイトにおけるヴァーグナー』について次のように述べます。  「読者はあの本にヴァーグナーという語が出て来たら、それをかまわず私の名前か、あるいは『ツァラトゥストラ』という語かに読み かえてしまってよろしい」(『この人を見よ』)  つまり、ニーチェはツァラトゥストラに自らの哲学を語らせたのです。  『ツァラトゥストラ』の冒頭は物語になっています。後半になるにつれ、物語の要素は薄くなり、ツァラトゥストラが一方的に自分の哲学を語るように なります。
 この冒頭の物語は、近代大衆社会およびB層の問題を考えるうえで非常に重要です。  そこでは《終末の人間》が描かれているからです。  《終末の人間》は典型的なB層です。
 私なりの抄訳ですが、しばらく『ツァラトゥストラ』の世界にお付き合いください。
 
〈 ツァラトゥストラは三〇歳になると、故郷を捨てて山に入った。
 そして自分の精神と孤独に向き合った。それが一〇年間も続く。  しかし、ついに、彼の心は変わった。
 ある日の朝、彼は夜明けの太陽に向かってこう語りかけた。 「太陽よ。もし、あなたが照らすものを持っていなかったら、あなたは 幸福と言えるのか?」  太陽は一〇年間、ツァラトゥストラの住居を照らし続けてきた。しか し、もしそこに誰もいなかったら、太陽だって退屈だろうというわけだ。 「わたしもまた自分の知恵に飽きてしまった。まるで蜜を集めすぎたミ ツバチのように。この能力を人間に贈り与えなければならない」
 というわけで、ツァラトゥストラは山を下りることにした。
 「わたしは人間たちのところへ、下界へ下りていく」  山を下りる途中で森に入ると、突然、老人の聖者が現れ話しかけてき た。 「いまさら山から下りて、眠っている者どもに対してなにをしようというのか?」
 ツァラトゥストラは答えた。 「わたしは人間を愛しています」
 老人の聖者が反論する。 「わしは神を愛している。人間を愛することはない。なぜなら、人間は 不完全なものだからだ」  ツァラトゥストラは一人になってから、つぶやいた。 「あの聖者は森の中に長年暮らしていたから、《神が死んだ》ことを知 らないんだな」 〉

大衆はサル以下である

ツァラトゥストラは久しぶりに会った町の人々に悪態をつきます。

 〈 ツァラトゥストラは森からもっとも近い町に到着した。 広場には大勢の人がいた。これから綱渡り師の公演が始まるようだ。  ツァラトゥストラは、さっそく人々に語りかけた。 「あなたたちに《超人》について教えましょう。《超人》から見れば、 人間なんてサル以下の存在なんですよ。昔、あなたたちはサルでしたが、今ではサル以下です」
 ツァラトゥストラはさらに語る。 「《超人》は大地そのものです。大地から離れた希望を信じてはいけません。そして、大地から離れた人の言うことを信じてはいけません。そこには毒があります。大地から離れた人間は、さっさと死ねばいいんです」 「あなたたちも似たようなものです。だから、わたしはあなたたちに 《超人》について教える。それにより、あなたたちは《幸福》《理性》《徳》《正義》《同情》といったものを徹底的に軽蔑するようになるのです」 すると、群集の中の一人が叫んだ。 「そんな綱渡りみたいな話、もう聞き飽きたよ!」  群集は、ツァラトゥストラのことをあざ笑いました。
 それを聞いていた綱渡り師は、自分のことを言われたのかと勘違いし 曲芸にとりかかった。 〉  

ツァラトゥストラは、人間を一本の綱に喩えます。  人間は動物と《超人》の間に張られた危険な綱を渡るべき存在であると。  《超人》とは自らの高貴な感情と意志により行動する人間、健康で力強い人間です。
 ツァラトゥストラが愛するのは、今の世の中から離れていく者=没落していく者です。
 くだらないものを、くだらないと拒絶する者です。
 人間はもっと高いところを目指さなければならない。
 ツァラトゥストラは《綱を渡るべき人間》について具体的に挙げていきます。

〈 今の世の中が肌に合わない人。
 今の世の中を軽蔑している人。
 空想の世界より大地に身をささげる人。
 大地が《超人》のものになるように認識する人。
 《超人》のために家を建てる人。
 自分の徳を愛する人。
 自分から徳の精神になりきろうとする人。
 自分の徳を宿命とする人。
 あまりに多くの徳をもとうとしない人。
 気前がいい人。 博打で儲けたときに恥じる人。
 自分に約束したことを、それ以上に果たす人。
 未来の人たちを認め、過去の人たちを救う人。
 自分の神を愛するがゆえに、自分の神を責める人。
 ささやかな体験によって滅びることのできる人。 }
 魂が豊かな人。
 自由な精神をもつ人。
 雷を告げる人。 「見なさい。わたしは雷、そして《超人》を告げ知らすものです」 〉

 ツァラトゥストラが《高みを目指すべき人間》についてたくさん並べてみたものの、群集にはなんのことやらさっぱりわからない。まあ、当然のような 気もしますが・・・。  そこでツァラトゥストラは、今度は反吐が出そうな《終末の人間》を例に挙げてみることにしました。

〈 民衆はものごとを理解しない。
 彼らに聞く耳をもたせるにはどうしたらいいのだろうか?  太鼓をたたいたり、懺悔を迫る説教師みたいに、がなり立てればいい のか?  それとも、もっともらしくドモリながら話せばいいのか?  いや、違う。
 彼らは自分たちの《教養》を誇りにしている。  それなら、彼らの誇りに向けて話しかけよう。 彼らは軽蔑されることを嫌がっている。  
それなら、もっとも軽蔑されるべき《終末の人間》について話そう。  〉

 こうしてツァラトゥストラは、民衆に向かって再び語り始めます。

民衆が選んだもの

〈 皆さん、まず自分の目標を定めてください。まだ間に合います。
 しかし、いつの日か人間は可能性を失ってしまう。
 そして、軽蔑すべき《終末の人間》の時代がやってきます。 「愛とはなにか。創造とはなにか。あこがれとはなにか」などと生ぬる いことを言いだす。
 そのとき、大地は小さくなります。  《終末の人間》は虫けら同然です。  《終末の人間》は、ぬくぬくとした場所に逃げ込み、隣人を愛し、か らだをこすりつけて生活している。  やたらと用心深くなり、適度に働き、貧しくも豊かにもならない。  支配も服従も望まない。そういうのは、わずらわしいと思っている。
 みんなが平等だと信じている。誰もが同じものをほしがり、周囲の人 間の感覚と異なると思えば、自分から進んで精神病院に入ろうとする。
 ケンカもするけど、すぐに仲直りする。そうしなければ、胃が痛くな るからだ。  一日中、健康に注意しながら、ささやかな快楽で満足する。
 これが《終末の人間》です。
 ツァラトゥストラがここまで話すと、民衆がニヤニヤしながら叫ん だ。
 舌打ちをする者もいた。 「オレたちは、そういう《終末の人間》になりたい。オレたちを、そう いう《終末の人間》にさせておくれよ! 《超人》はあんたに任せるからさ」  ツァラトゥストラは悲しくなった。
 民衆はわたしをバカにして笑っている。笑いながら、わたしを憎んで いる。彼らの笑いの中には氷がある。  わたしは、山の中であまりにも長く暮らしすぎたのだ。
 だから、彼らにはわたしの言葉が届かない。 〉

 ツァラトゥストラの意図に反して、民衆は《終末の人間》を選んでしまったのです。  ニーチェは自分の言葉が民衆に届かないということを、物語で描いているわけですね。  『ツァラトゥストラ』は一八八三~八五年に刊行されましたが、そこで描かれた人々はB層そのものです。  民主主義や平等が大好きで、グローバリズムと隣人愛を唱え、健康に注意しながらささやかな快楽で満足する。  自分たちが《合理的》《理性的》《客観的》であることに深く満足している。  こうした軽蔑すべき《終末の人間》の時代を、われわれは生きているのです。

ひとりで生きる人たちのために

〈 ツァラトゥストラは考え込みます。 「わたしはまだ、民衆の心に語りかけることができない・・・」
 ツァラトゥストラは星の光を頼りにして夜道を歩き始めます。  空が白みかけたころ、ツァラトゥストラは深い森の中にいることを 知った。
 もはや道は見つからなかった。  ツァラトゥストラは森の中で眠り込む。  ツァラトゥストラは長い時間眠った。  朝が過ぎ、そして昼になった。
 彼はようやく目を覚まし、立ち上がった。  そして喜びの声をあげた。  一つの新しい真理を発見したからだ。
 わたしは悟った。  わたしには道連れが必要なのだ。  自分自身に忠実になった結果、わたしに従うようになる人。
 そして、わたしの目的に向かって一緒に進む道連れが必要なんだ。
 だから、民衆に話しかけても仕方がない。 わたしは、畜群の牧人や番犬となるべきではない!  それよりも、わたしは民衆や畜群から盗賊と呼ばれたい。
 奴らは自分たちを善人だと思っている。自分たちを正しい信仰の持ち 主と呼ぶ。
 そして、奴らは、奴らの諸価値を破壊する者を憎むのだ。
 しかし、それこそが《新しい価値を創造する者》なのである。
 彼は道連れを求める。  畜群も信者も求めない。
 共に創造し、新しい価値をつくりあげる人を求める。  共に創造し、共に収穫し、共に祝う人をツァラトゥストラは求める。  それ以外は、いらない。
 わたしは二度と民衆とは話すまい。  そして仲間に対して語りかけよう。  ひとりで生きる人たちのために、語りかけよう。  これまで聞いたことのないことに対して聞く耳をもつ人たちのために。  わたしは彼らに《超人》への階段のすべてを示す。 〉

バカを論破するのは不可能

 要するにバカになにを言っても無駄なのです。
 「非学者論に負けず」ということわざがあるように、バカは論破できません。
 貝に権利を認め、誠実に語りかけても意味がない。なぜなら、彼らは自分の殻に閉じこもっているからです。  ニーチェもツァラトゥストラと同様、民衆に語りかけることを諦めます。
 「私は多年人々と交際してきて、私が心にかけている事柄についてはけっして語らないというほどにまで、諦めるにいたり、慇懃と なった。いや、私はそういう仕方でかろうじて人々とともに生きてきたのだ」(『生成の無垢』)  そしてニーチェは、自分の言葉が届くところに向けて語りかけようとします。
 しかし、聞く耳をもった人間はごく少数です。
 ニーチェもそれを知っています。
 「今日誰もが私の説くことに耳をかさず、誰も私から教えを受けるすべを知らないということは、無理もないというだけでなく、むし ろ至極当然のことだと私自身にも思える。(中略)私の著書を読んでもかいもくわからない純なる愚者となると、これは多すぎる!」(『この人を見よ』)
 「ああ! 私のツァラトゥストラはまだまだ長い間、読者を捜さねばならないことであろう!」(『この人を見 よ』)
 今の世の中が肌に合わない人。
 今の世の中のどこかがおかしいと感じている人。
 今の世の中を深く軽蔑している人。
 そういう人はニーチェの言葉に耳を傾けてみるべきでしょう。
ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒 著者:適菜 収 (講談社刊) 40~53ページより抜粋

適菜収(てきな・おさむ) 1975年、山梨県に生まれる。作家。哲学者。 早稲田大学で西洋文学を学び、ニーチェを専攻。卒業後、出版社勤務を経て、現職。著書に、ニーチェの代表作「アンチクリスト」を現代語に訳した「キリスト教は邪教です!」(講談社+α新書)、「はじめてのニーチェ」(飛鳥新社)「ゲーテに学ぶ賢者の知恵」(メトロポリタンプレス)、「 ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体」(講談社+α新書)、「世界一退屈な授業」(星海 社新書)などがある 『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』

●目次
はじめに 神は死んだ! 3
第一章 どうして今の世の中はおかしいのか? 大きな底が抜けてしまった 14 全国に発生した変な知事 16 安住淳とEXILE 19 なぜ言葉が軽くなったのか? 21 「B層」とはなにか? 25 五五年体制とユートピア思想 28 ニーチェが嘆いた大衆社会 31 日本人の人生観 34 アザラシ「あらちゃん」に住民票 36 ツァラトゥストラってなに? 40 大衆はサル以下である 43 民衆が選んだもの 47 ひとりで生きる人たちのために 50 バカを論破するのは不可能 52
第二章 ニーチェの警鐘 大衆とはなにか? 56 キリスト教は邪教です! 59 社会的弱者の負のエネルギー 62 B層はなぜ無知を自慢するのか? 64 人権思想が地獄を生み出す 66 民主主義の本質は反知性主義 69 いつから人は平等になったのか? 71 復古主義と国家主義の本質 74 社会主義者の精神構造 76 客観的という嘘 77 神とはなにか? 80 民族が落ちぶれるとき 81 『1984年』の世界 83 正しい格差社会へ 85
第三章 B層グルメとBポップ B層が聴く《Bポップ》 88 総理大臣の教養 92 なにを読めばいいのか? 94 ニーチェの読書論 97 ダメな芸術とはなにか? 100 B層はなぜ高くてまずいコーヒーを飲むのか? 103 食べログもミシュランも 信用できない 107
第四章 知識人はなぜバカなのか? 軽蔑すべき《知識人》の時代 114 「B層自分の説明書」 115 フロイト、ユングはオカルト 118 吉本隆明と《B層の原像》 122 テロリストの論理構造 126 誤読されてきたニーチェ 129 ニーチェ読みのニーチェ知らず 133 長崎は今日も雨だった 138 ラノベ作家とコムサ・デ・モード 141
第五章 B層政治家が日本を滅ぼす B層政治家の見抜き方 148 B層が求める「わかりやすい敵」 151 有権者は成熟しない 153 三流大学を目指す必要はない 156 イラクの場所を知らない政治家 158 民主党が独裁を肯定する理由 162 ナショナリズムと帝国主義 168 選挙には行きません 172 おわりに 区別をすること 178 参考文献 181 ≫以上(現代ビジネス:オトナの生活:賢者の知恵より)





ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体 (講談社プラスアルファ新書)
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不愉快な現実・困難を排し接近する大国 “米中”が世界を支配するという認識

2012年05月05日 | 日記
中国は21世紀の覇者となるか?: 世界最高の4頭脳による大激論
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不愉快な現実・困難を排し接近する大国 “米中”が世界を支配するという認識


 正直、嫌中にして超親米の産経や読売新聞及び人々は、少し目を覚まして、現実を直視すべきである。北京で開かれた第4回の米中戦略・経済対話が閉幕した。マスメディアの情報に翻弄されると盲目の人権活動家・陳光誠氏の処遇問題だけで終わったような話になっているが、そんなわけがない。陳光誠氏の問題は、一つのマターに過ぎない。あまり過大に論ずる意味はない。

 クリントン国務長官、ガイトナー財務長官、キャンベル国務次官補等々が出席している。人権活動家の亡命だか留学だかの為に顔を揃えたわけではないのは、常識で判断出来るだろう。表向きは「米国は個別事例も含め人権問題を取り上げ続ける」と米国は言い。中国は「我々には見解の相違がある。中国は人権問題について大きな進歩を遂げている」と反論するだろう。しかし、本当に話し合われたことは、公式の場に出るのは何年も先の話であること、我々は意識すべきだ。

 クリントン、ガイトナーの両長官は4日、胡錦濤国家主席と会談。胡主席は「米中双方は大局に目を向け、双方の核心的利益を尊重し、意見の食い違いや敏感な問題を適切に処理すべきだ」と語ったようだ。政治分野では、北朝鮮をめぐる情勢、南スーダン情勢が話し合われた。経済分野では、米中投資保護協定の交渉再開、中国の金融市場改革、人民元相場の水準等々が議題となった模様だ。米国は人権で中国を牽制し、中国は資金面で優位性を保ったと考えられる。

 4月25日の拙コラム「いま中国で起きている「薄熙来事件」は中国の改革 日本のとるべき道」(http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/df9f8c9144de0789fb5df98b9edc85dc )
で、稚拙ながら、これからの中国解説を試みたが、キッシンジャーが米中関係について、以下のように言及している。あとがきの一部抜粋で、少々消化不良な部分もあるが、大まかな方向性は把握出来る。筆者の説明も無茶苦茶ではない視点もあり、少々安堵している(笑)。キッシンジャーのフォーリン・アフェアーズ・リポートを朝日新聞から引用した。

≪ アジアにおけるアメリカと中国 ―― 相互イメージと米中関係の未来
ヘンリー・キッシンジャー/キッシンジャーアソシエーツ会長
■「権威主義国家」と「手負いの超大国」の関係  訪米最終日の2011年1月19日、胡錦濤国家主席はオバマ大統領とともに共同宣言を発表し、両国は「前向きで協調を重視する包括的な米中関係」へのコミットメントを共有していると表明した。アメリカは「成功を収めて繁栄する力強い中国が世界でより大きな役割を果たすことを歓迎し」、中国は「地域的な平和と安定そして繁栄に貢献するアジア太平洋国家としてのアメリカを歓迎する」。二人はこう表明することで、互いに相手がもっとも気にしている部分の立場を明らかにした。  
 以来、米中両国政府はこの目的の実現に取り組んでいる。双方の高官たちが相手国を訪問し、主要な戦略、経済問題を協議する枠組みも制度化された。軍部間の交流も再開され、重要なコミュニケーションチャンネルも開かれている。一方、非公式のトラック2レベルでも、米中関係の進化が模索されている。  
 だが、協調を深める一方で、対立と論争も生じている。両国における数多くの集団が、「自国の優位を求める米中抗争が起きるのは避けられず、すでにその局面に突入している」とみている。この視点からみれば「米中協調は時代遅れであり、ナイーブ」ですらある。   
 相手に対する似たような分析を基に、両国は批判を繰り返している。アメリカの戦略問題専門家の一部は、中国の政策は「西太平洋における有力なパワーであるアメリカをこの地域・海域から締め出し、アジアを中国の経済・外交利益に追随する排他的なブロックに作りかえる」という二つの長期的な目的によって導き出されているとみている。このビジョンを支持する人々は、現状を次のようにとらえている。  
 中国の軍事能力はアメリカのそれに比べればまだ見劣りするが、北京はすでに、ワシントンにとって受け入れられない軍事的リスクを強いる能力を保有し、伝統的なアメリカの優位を覆すような洗練された手段を次第に手に入れている。核の第二撃能力を確立するともに、対艦弾道ミサイル、さらにはサイバー空間や宇宙空間などの新領域における非対称戦争遂行能力も高めていくだろう。中国が大陸周辺の一連の島嶼群を勢力圏にして海洋での支配的な優位を確立するのではないかという懸念もある。アメリカの影響力を遮るそのようなスクリーンが出現すれば、ワシントンがどのような対策をとるかを確信できなくなった近隣諸国は、 貿易同様に安全保障領域でも中国に依存するようになり、中国の気に入るような政策をとり始めるかもしれない。最終的に、西太平洋を支配する、中国を中核とするアジアブロックが形成されるかもしれない。最近の米国防戦略は、少なくも間接的に、この可能性への懸念を示している。  
 もちろん、米中が協調ではなく、対決へと向かっているという理論を裏付けるような、中国の政府系メディアによる報道や研究所のリポートは数多くある。しかし、これを現実の政策路線として表明する中国政府高官は一人もいない。実際、彼らが重視しているのはまったく逆の路線だ。  
 アメリカの戦略的懸念は、「非民主的な世界との抗争」という概念ゆえに増幅されている部分がある。(中国のような)権威主義体制の基盤は本質的に脆く、 このためにナショナリズムや拡大主義のレトリックを用いることで、国内的な支持を確保しようとする、と考える者もいる。アメリカ国内の左派と右派の一部がともに受け入れているこの理論にしたがえば、中国との緊張と紛争のリスクは、中国の国内構造にある、ということになる。その結果、協調を模索するのではなく、民主主義が世界的な勝利を収めて初めて、普遍的な平和が実現すると彼らは主張する。  
 例えば、政治学者のアーロン・フリードバーグは、中国がリベラルで民主的国家になれば、(アメリカを含む)民主国家を悩ませることはなく、武力行使をする可能性も大きく低下すると主張している。したがって、「外交的な取り繕いはやめて、一党支配型の権威主義体制を倒し、リベラルな民主主義体制への変化を実現する平和的な革命を促すことが、アメリカの戦略でなければならない」と彼は結論づける。  
 一方、中国側の米中対立論はまったく逆のロジックで組み立てられている。彼らは、アメリカのことを、中国を含む台頭するライバルを抑え込むことを決意している「手負いの超大国」とみなしている。「いかに中国が積極的に協調路線を模索しても、ワシントンの目的は、軍事力の配備と条約上のコミットメントを通じて、中国パワーの強大化を抑え込み、中国が歴史的な中華帝国の役割を再び果たすようになるのを阻止することにある」。この視点に立てば、「アメリカと長期的に協調路線をとるのは、中国の台頭を抑え込むというアメリカの包括的な目的を助けるだけで、自滅的だ」ということになる。  
 こうしたシステマティックな敵意がアメリカの文化やテクノロジー輸出に内包されているとみなされることもあり、これが「中国の国内的コンセンサスや伝統的な価値を損なうことを意図した巧妙な圧力」として描写されることも多い。「これまで中国は、敵対的な路線を前にしても、必要以上に穏健な路線をとってきた。(南シナ海での領土問題など)領有権論争を抱える諸国ともっと対決的な姿勢をとるべきだ」という強硬論もある。例えば、戦略家のロン・タオは「慎重に考えすぎて状況が管理できなくなる前に、まず行動を起こすべき理由は、小規模な戦闘を実施すれば、さらなる敵の策略を抑止できる点にある」と主張している。
    ◇
Henry A. Kissinger 元米国務長官で、現在はキッシンジャー・アソシエーツ会長。このエッセーは、近く出版予定の『中国について』の後書きからの抜粋。  <続きはフォー リン・アフェアーズ・リポート3月号>  ≫(朝日新聞デジタル:国際―フォーリン・アフェアーズ・リポートより)

 特にキッシンジャーの解説にひと言つけ加える意図はないので、読後感は各自味わっていただきたい。フォーリン・アフェアーズ・リポートは以前から、欧米陣営の考えを知る上で有益、読みたい情報の一つだが、年間購読料24000円は財布に響く(笑)。多くの方も、愉快・不愉快はさておき、EU諸国は独自路線を歩み出した。米国は経済的にEUと距離を置いた。米国が戦略的に、地域のブロック化を考えるなら、それはアジア。そのアジアで、経済・軍事力で配慮せざるを得ないのが中国。この事実を、我々は充分認識した上で、短絡的勝ち負けではない、外交戦略を考えなければいけないのでしょう。その上で、嫌中もよし、親中もよし、と云う程度の知性ある国家になりたいものです。





習近平時代の中国―一党支配体制は続くのか
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日本経済新聞出版社



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国政調査権を駆使し、東京地検特捜幹部及び漆間・森英介を問い詰めよ!

2012年05月04日 | 日記

この本、凄く面白く役に立つ、米倉爺に読ませたい

製造業が日本を滅ぼす
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ダイヤモンド社



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国政調査権を駆使し、東京地検特捜幹部及び漆間・森英介を問い詰めよ!


 今日の“つぶやき”のようなもので恐縮だが、以下のような記事を目にすると、ふつふつと怒りがこみ上げる。キャメルコート野郎が、ここまで白を切るなんて許せるか!虚偽記載を知らないとかなんとかじゃなくてさ、そもそもの“小沢捜査”は何だったかの検証をしろよ。朝日は社長交替で幾分論調がリベラルに傾いてきているようだが、船橋、若宮ラインの編集権に変わりがあるかどうか、今後に注目だ。

 笠間検事総長よ!身内の疑惑を、身内で聞き及んだだけで、始末をつけるようだと、国民は検察と云う組織を永遠に信じないと云う国民的コンセンサスを助長するぞ!これは嘘でも煽りでもない、それが世の中の流れだ。現在の20代、30代が50、60になる頃には、法の秩序そのものが根底から崩壊している事実を知ることになりそうだ。国会議員も、“三猿”のように“知らぬ存ぜぬ”で頬かむりするようだと、法治国家の国会議員である事を放棄するようなものである。

 ≪国政調査権は、国政に関して調査を行う議院に 与えられた権能。日本国憲法第62条に「両議院は、各々国政に関する調査を行い、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる」という明文の規定がある。≫(ウィキペディア抜粋)検察機構は行政の範疇、充分調査は可能だ。小沢一郎の証人喚問云々なんてクダラヌ話ではなく、こう云う喚問をするのが骨太の政治家じゃないのかね?腑抜けの腰抜けどもめ!

≪ 報告書「虚偽と知らず提出」 陸山会事件で元特捜部長ら  
石川知裕衆院議員を取り調べた東京地検特捜部の検事が虚偽の捜査報告書を作成した問題で、佐久間達哉・元特捜部長(55)ら当時の特捜部の幹部が検察当 局の調べに対し、「事実と異なる内容が記載されているとは知らないまま、検察審査会に提出した」と説明していることがわかった。
 審査会にこの報告書を提出した理由については、「特捜部の捜査結果をわかりやすく説明するためだった」という趣旨の説明をしているという。
 捜査報告書を作成したのは、田代政弘検事(45)=現・法務総合研究所教官。民主党の小沢一郎元代表について検察審査会が「起訴相当」と議決したのを受けた再捜査で、小沢氏の秘書だった石川議員を2010年5月17日に取り調べた。
 田代検事は、「検事から『11万人の選挙民の支持で議員になったのに、うそをつけば選挙民を裏切ることになる』と言われたのが効いた」と石川議員が語った――などの実際にはなかったやりとりを記載した佐久間元部長あての捜査報告書を作成。報告書は、検察審査会による2度目の審査に提出され、小沢氏の強制起訴を決める材料になった。
 関係者によると、佐久間元部長をはじめ当時の特捜部幹部は検察当局の調べに対し、いずれも「事実と異なる内容の捜査報告書だとは知らなかった」と説明。 審査会に報告書を提出したのは、審査員を務める市民に対してわかりやすく説明するためだった、などと話しているという。≫ (朝日新聞)



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米国と霞が関を束ねて葬る方策なんてあるのか 先ずは“隗よりはじめよ”

2012年05月04日 | 日記

 

地熱エネルギー―地球からの贈りもの―
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米国と霞が関を束ねて葬る方策なんてあるのか 先ずは“隗よりはじめよ”


 5月1日の拙コラム「“霞が関解体”を進めるためには、当面、市場原理主義導入も致し方ない」では、多くの反論コメントをいただいた。筆者も一時は、小泉・竹中の野放図な改革路線が市場原理主義的であり、一層の格差社会を生みだす元凶と思ってきた。おそらく、好き勝手に市場原理主義を導入すれば、1%の富裕層と99%の貧困と云う現象が強く惹起されるだろう。その欠点を踏まえて、市場原理主義は取り扱わなければならない代物だが、競争を全面的に排除する思考経路にも重大な欠陥があることを認識するべきである。  たまたま昨日の長谷川幸洋氏のツイッターを読んでいたら、似通ったことをつぶやいていたので、以下に掲載しておく。

≪ 長谷川幸洋のツイッターまとめ
*私を新自由主義者とか。こういうレッテル貼りは本当にくだらない。新自由主義とか、しっかりした定義があるのか。レッテル貼りでしか議論出来ない人は信用しないね。私は学生時代はマルクス勉強してた。といって、自分がマルクス主義者だなんて思ったことは一度もない。

*なんとか主義とかんとか主義とか。人をそういうどっかの陣営にレッテル貼りしてしか議論できない人は、ものごとをレッテルでしか議論できない、っていうか考えられない単純な人よ。生身の現実はレッテルなんか、とっくに超えてる。それすら理解できない。

*日本の論壇は、残念ながら、いまだに新自由主義だのマルクス主義だの、なんだのかんだの、わけわからないなんだの主義で議論しようとしてる人が多すぎる。バカだね。話にならない。

*勝手にやってればいい。マスコミの世界でも、そんななんとか主義がどうたらこうたらとか「お前はなんとか主義だろ」とか。身の回りでもいまだにある。そんな馬鹿馬鹿しい議論につきあってる暇もエネルギーもない。はっきり言って、自分の勉強不足と知性の劣化を暴露してるだけ。

*だいたい、そういう人に限って、まず日本語の本しか読んでない。それはそうだ。世界の議論でなんとか主義だのかんだの主義だなんて議論はマイナーもいいところ。そんな話で政策論議ができるわけない。50年遅れ。

*若い人には、とにかく日本語の文献だけで勉強するな!と言いたい。そんな狭い世界で勉強してたら、世界で通用しない。もっとも、なんとか主義の議論が好きな人は、初めから世界で通用したいと思ってるわけじゃないだろうから、次元が違うだろうけど。そういう人に教わってる若い人は、本当に気の毒だ。

*訳本ではダメです。理由は原文を読めば分かります。原文を読まない理由はなんですか。読む根気がないというなら、勉強するつもりがないという話です。

*私の知る限り、ちゃんと中身で議論する人が「私はなんとか主義です」だなんて言うのを聞いたことがない。当たり前です。中身で議論していて、レッテルで議論してるんじゃないから。逆に「あれは、かんとか主義」とか言う人は例外なく、中身で議論できない人。

*中身で議論できない人が「あれは、かんとか主義」と人をレッテル貼りして、なんかモノを語ったような気持ちになってるだけ。中身で議論する人が「私は、なんとか主義」だなんて、恥ずかしくてばかばかしくて、するわけがない。なんで自分にレッテル貼るの?そんな必然性はどこにもないでしょ。

*ようするに「なんとか、かんとか主義」がどうたらこうたらっていうのは、自分に中身がない人が勉強不足を隠すために、人にレッテル貼って、ものごとをお手軽に理解しようっていうだけの話。ばかばかしくてお話にならないね。

*私は議論してる相手が「それは新自由主義」なんて言葉を使った瞬間から、これはバカだと思って、まともに相手にしない。時間のムダ。「それは市場主義」だの「競争主義」だのって言っても同じ。原理で議論せず、主義で議論しようとするのは、原理で物事を考えられない証拠。そういうのはバカです。≫(長谷川幸洋ツイッターより抜粋)


 少々言葉が辛辣だが(笑)、正論だ。筆者が「“霞が関解体”を進めるためには、当面、市場原理主義導入も致し方ない」の見出しは長谷川氏からバカ呼ばわりされそうだが、小泉・竹中ラインとか、ブッシュ政権とか、リーダーの選択した政策や行動を、我々はいつの間にか、アイツらは市場原理主義者だからと毛嫌いした傾向はあるだろう。

 この辺のことを反省しながら、あらためて日本の現状を見つめ直すのも大切なことだと思う。永田町も休みだ。議員連中は、選挙区回りで多忙を極めているに違いない。政局が動かない連休中だから、気づくこともあると云うことだ。社会政治の問題を総体的見地から見過ぎると、なんとか主義とかついつい言いたくなる。あまりにも個別の問題を根掘り葉掘りやると、オタクとかストーカーのようなコラムになるので、この按配が難しい。

 野田のまったく意味不明の米国公式訪問など、論じる中身がゼロなのは驚きだ。同盟の深化と云う言葉使わせて貰えなかったようだが、表面的にオバマに対し恭順の意を表しに行っただけの出来事だったようだ。水面下での話は判らないが、表向き新味ゼロの訪米だった。野田を呼びつけておきながら、オバマ政権幹部は中国の米国大使館に保護を求めた「盲目の人権活動家」陳光誠氏の処理問題で頭が一杯、早々に終わらせたい態度が見え見えだった。

 それでも、米国に隷属の姿勢を示さなければならない日本と云う国を思えば思うほど、なんか変だな~と思うわけである。ついつい、米国支配からの脱却!と元気に叫びたいところだが、尖閣の島一つ防衛できるかどうか怪しい政府に、独立宣言せよ!と尻を叩くのは簡単だが、それでは空威張りの石原都知事になってしまう。正直、野田君は気づいていないだろうが、傍から見ると日本の首相より「盲目の人権活動家」の方が重要な人物だと扱われている気分にさえなってしまう。

 専守防衛の枠組みは、いまやなし崩し的な方向に至り、集団的自衛権の方向が主流になりつつあるようだ。武器輸出三原則も、米軍と共同の飛行場建設も、すべてがその方向に向かっている。気がつくと、自衛隊がアフガン駐留みたいな時代が来るのかもしれない。そんなこんなを、解きほぐしていくと、日本にとって、すべてが米国との関わりでしか問題解決出来ない国家になっている、改革の総本山は日米関係だ、と云うことになる。しかし、現実には、何処から手をつけて良いのかさえ判らない程、総体的支配関係になっている。

 国民が米国と云う国を考え、21世紀、彼らとどのようにつき合うべきか、考えるのは非常に難儀だ。やはり、国民が一定程度考えられる範囲は、国内問題と云うことになる。それが霞が関改革なのではないかと、筆者は考えている。“隗より始めよ”と云う教えに従うのが妥当と考える。故に、直近の国民生活にチャチャを入れ、余計なお節介をしているようなフリをして、実は、実にクダラヌ、己たちの利権構造の拡大しか望まない、霞が関官僚組織の改革が“隗”となり得るわけである。その意味で、小沢の考えも、橋下の考えも正しいのだ。その先に「対米自立」があるのか、対米従属があるのか、それは次の段階の話である。

 今までの自民党政権を見てきても判るだろうし、現在の民主党政権をみても判る通り、米国と云う国家は凶暴にして狡猾な国家である。準備も背景もなく、主義主張を振りまわせば、どうにかなると云う代物ではない。鳩山の二の舞になるのがオチである。ここは、歴史的認識も踏まえ、隗よりはじめて、次なるステップを踏むのが対米問題の対処法なのだと思う。おそらく、米国は変わらざるを得ない。その時、米国にただ利用されない国家の外交戦略を持つ政治家が生まれてこないと、一段と厄介な支配構造が構築されそうだ。

注記:①コメントの中に昨日のコラムの見出しにおける「急遽の策」は「窮余の策」ではないかとの指摘を受けたが、あれは敢えて「急遽の策」と表現しています。②コラム「財務省VS朝日新聞 俄かに対立勃発とは言い難いが異常な事件、注目!」において、PSで≪ 「民主党政権 失敗の本質1」と云う以上、本来であれば時間的に「2」が出ても良さそうな時間が経過しているので、伝聞情報による”飛ばし記事”に近かった感じもする。≫と書いたが、民主党政権 失敗の本質2が同日紙の異なる紙面に掲載されていた模様なので、筆者の勘違いのようです。そこの部分はデジタル版では表示されないので、何が書いてあったか、判りません。




社会科学の方法―ヴェーバーとマルクス (岩波新書)
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岩波書店



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野田は“急遽の策”に着手 増税も通したいが解散も出来ない、選択肢は?

2012年05月03日 | 日記



この人の著書はタップリ考えさせてくれます

マスコミは、もはや政治を語れない 徹底検証:「民主党政権」で勃興する「ネット論壇」 (現代プレミアブック)
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講談社



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野田は“急遽の策”に着手 増税も通したいが解散も出来ない、選択肢は?


 表向き野党自民党の攻め手の目的は“解散総選挙”だ。しかし谷垣が、“自民党対案丸呑み”で消費増税法案を通過させて、総選挙に突入したからと云って、確実に勝算があるわけではない。取り敢えず、マスメディアが憶測する、「消費増税法案と解散総選挙のバーター取引」そして、「民主・自民大連立」でメデタシ目出度し、と云う事のようだが、現実はそうではないだろう。

 その理由の原点は、解散総選挙をして、自民が第一党になり、民主が第二党になると云う確たる根拠がないからだ。既存政党だけでの総選挙と云うデータはあるが、「霞が関改革、消費増税反対、脱原発推進」等を旗印にする、まだ見ぬ“新党”を考慮に入れると、ベテラン選挙評論家連中も、実は皆目判らないのである。つまり、幻の敵の情勢分析は過去のデータがないので、非常に難しい。最悪の場合、「小沢・橋本新党」が立ちあがったら、民主と自民が束になっても、共に仲良く野党になるリスクまで考慮しなければいけなくなっている。

 誰も通過したことがない、“霞が関解体”等と云う政権公約は前代未聞だ。しかし、それが起こり得る日本の政党の政治的劣化なのだ。民主党と自民党が組めば“怖いものなし”だった政治シーンが、必ずしも絶対的ではないのが、今の日本の国民の意識だろう。世論調査はしていないが(笑)、筆者はそのように肌で感じる。何故このような事態を惹き起こしたかといえば、政党が政党としての機能を果たさず、“官僚丸投げ政治”に奔走した所為である。

 こういう状況はカオスの世界への入り口になるのは確実だ。それこそ、野田も谷垣も選挙で勝ち、永田町に戻って来られない恐怖まで抱えて、好き好んで財務省の走狗になる義理はないわけである。腹を抱えて笑うのが役人だけ、などと云う選択を敢えて選択する意味がない。つまり、解散総選挙もないし、大連立もマスメディアの憶測、財務省の夢物語と云う事である。 *事実関係に則して、解散総選挙もないし、大連立もない結論に至る点を検証してみよう。先ずは、東京新聞の記事を読んでいただこう。

≪ 民主方針 小沢元代表 要職復帰 当面させず
 民主党執行部は一日、無罪判決を受けた小沢一郎元代表に関し、党員資格停止処分を解除する一方、要職復帰には当面、応じない方針を決めた。輿石東幹事長はこうした方針を野田佳彦首相に伝え、首相も了承した。処分解除は八日の党常任幹事会で決定する見通し。
 消費税率を引き上げる法案に政治生命をかける首相に対し、小沢元代表は無罪判決後、増税反対を明言し、党内対立の深刻化が懸念されている。このため、元代表を要職には復帰させないが、処分は解除するという妥協案によって、党執行部は党内融和を図りたい考えだ。
 輿石氏は先月二十八日、甲府市内の集会で「心を一つにし、力合わせにつなげていくことが今、民主党に問われている」と指摘。周囲に「小沢さんの処分を解除したあとはノーサイドだ」と強調した。
 首相も消費増税法案の採決で元代表のグループが造反すれば、与党が多数を占める衆院の通過も危うくなりかねず、輿石氏ら党執行部の考えを了承した。  首相は一日午前、ワシントン市内での同行記者団との懇談で、元代表の処分解除に関し「党の役員会や常任幹事会で議論して決めることに尽きる」と、 党執行部の方針を尊重する考えを示した。 ≫(東京新聞)

 小沢一郎の謂われなき岡田による“党員資格停止”こそ糾弾されるべきで、指定弁護士が控訴しようしまいと、現時点では“無罪判決状態”である事が重要なのである。輿石は、野党が言いつのるアホ丸出しの“証人喚問!”も完全無視を決め込んでいる。現時点の流れは、小沢一郎が権力闘争で優位に立っている。党員資格停止”解除は、あまりにも当然だ。ただ、「要職復帰には当面、応じない」と云う選択も妥当だろう。当面の消費増税に反対している小沢一郎を要職に起用してしまえば、それはそれで小沢が手足を縛られるわけだから、要職などは、百害あって一利なしだ。

 現実問題、小沢が最近口にする「後1年半もある。やり直す時間は少ないが、やれる」が輿石の唯一の拠り所だ。橋下の新党構想も見えているような、見えていないような状況、現実に政権与党であるイニシアチブを有効に使わない手はないのである。極めて冷静で大人の判断だ。九分九厘、野田佳彦の心も揺れている。もう殆ど財務省に協力しようとした“消費増税法案”は幻になりそうだと予感している。ただ、“シロアリ退治発言”で、変節をこれ以上繰り返せない野田にしてみれば、投了するにしても“カタチ”を整えたいと願っている。

 その辺は、米国における記者会見のインタビューへの答えに籠められている。「根本的に消費増税に反対している人はいない」と云う発言だ。その通り、小沢一郎も、「やるべきことを実行して、それでも足りない場合には、国民の皆様ないお願いするのが筋である」と発言している。最終的には、消費増税を容認しているとも言えるわけだから、野田は発言で“嘘”は言っていない。問題は「やるべきことをやる」と云う部分に尽きる。

 それでは、“やるべきことは何なのか?”と云う問題だ。行財政改革、中央集権からの脱却、地方主権の確立が本来の“やるべきこと”だが、これは一朝一夕にはいくまい。相当のビジョンと政治権力を掌握しない事には、困難である。なにせ、100年以上続いた官僚統治機構を激変させるのだから、行く手は権力だらけの敵のオンパレードだ。直近の問題解決にはタイムリーな妥協策とはならない。それでは、何を持って妥協の産物を作り出すかだ。

 野田の消費増税への不退転の姿勢を保ちながら、小沢の理解を得る方法は経済政策だろう。それ以外に、野田の打てる手は残されていない。それが、自民党が次期総選挙のマニュフェストにしようとしている、目玉政策の借用だ(笑)。 主たるところを拾い読みしてみると、良いことを書いている。これを民主党・「国民の生活が第一」バージョンにチェンジすることだ。①デフレ脱却策として、政府と日銀の政策協定により欧米並みの2%のインフレ目標を導入し、 実質成長率3%、名目成長率4%を目指し、大胆な金融緩和措置を実行する。②経済・災害に強い日本を構築する。③その為には、大胆な社会整備は不可欠。10年間で200兆の公共投資を行う等々だ。

 パクるべきポイントは、10年間で200兆円の公共投資である。それも出来る限り前倒しして、野田や財務省が望んでいる2014年から2016年に集中的に投資するビジョンだ。ただ、この投資が既存の勢力を太らせる方面への投資は控え、21世紀の少子高齢化する成熟国家の姿に見合った、将来的リスクヘッジと世界に類を見ない新産業育成の方向性を持たせる事である。現時点で、モッタリ頭脳の筆者には明確なビジョンを書くまでには至らないが、幾つかヒントはあるだろう。この辺は聡明な皆様も、夢を描いて頂きたい。

 先ず浮かぶのは“再生可能エネルギー大国の構築”である。国策として、原発・石油に頼らない国家の構築を宣言することだ。現在取り上げられている再生可能エネルギー分野は当然、それ以外の研究にも国策を注入する。一大産業の創出である。震災に強い国家作りは、何も新たな道路や鉄道を作ることにあらず。少子化は今後も進むとみるのが妥当である以上、新規のコンクリートではなく、免震構造修復工事がメインストリームになるような方向性を出すことだ。高齢者介護問題も、夫婦で4人の老人の介護をするような、無茶な福祉政策は見直すべきだ。

 資産を多く所有する現役高齢者の希望に沿う介護環境と医療は、望まれている事実である。あまり熱病に浮かれたように、震災復興だからと云って、疲弊する市町村にコンクリート工事を増やすのは得策ではない。(非難もあるだろうが、復旧は必要だが無闇な復興投資は今までの公共投資に繋がる)フラットな人口構成になる時代も来るだろうから、一人当たりのGDPが世界一になる国家形成を目指すべきである。この件は、筆者も改めて考えてみようと思う。

 上述したように、極めて前向きな景気浮揚の経済政策を消費増税法案と同時並行的に行う案が浮上すれば、野田君の不退転の決意も、顔が立つことになり、小沢の主張の一部も実現する。今やるべき時ではない、の立場を具体的に充分にケアした妥協案になる可能性はある。逆にこのような方向で、政権与党である事の方が、多くの面で得策であり、財務省の“鼻を明かす”ことが可能である(笑)。




市場原理的傾向はあるが、著書の官僚への厳しい観察眼は痛快でさえある

田原総一朗責任編集 決別!日本の病根 (オフレコ!BOOKS)
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