世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

輿石仲介の「小沢・野田会談」の成果ありやなしや 唯一妥協点があるとすれば…

2012年05月12日 | 日記

 

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輿石仲介の「小沢・野田会談」の成果ありやなしや 唯一妥協点があるとすれば…


 消費増税法案のゆくえ、イコール野田内閣の運命と云うのが現在の世間相場だ。あれだけ大袈裟な発言をすれば、引っ込めるにも“相当の言い訳”が必要になる。この“相当の言い訳”を模索するのが、輿石幹事長の小沢一郎と野田佳彦の会談の仲介だ。野田は「誰とでも、必要があれば話し合うのにやぶさかでない」等と一人前の口を利いているが、こと小沢一郎が相手では、説得するなんてレベルの話ではないのは自明だ。

 どれ程反小沢に徹しているバカ共でも、両者の政治的力量、理念、キャリア、見識の差がどれほどのものか、理解している。野田が内閣総理大臣、小沢が一党員と云うハンデを貰っても“月とスッポン”以上の差がある。あまりの差に愕然とする、米国だか、霞が関だか、仙谷・江田だか知らないが、更なるハンデが必要とばかり、控訴による被告人のレッテルまで、ご丁寧に貼りつけた。それでも、野田は会談でビビるだろう(笑)。推薦に20人も集めるのに汲々とした田舎政治家と150人を擁する日本政界最大の派閥の領袖との対決、ビビらないのが不思議なくらいだ。

 財務省・IMF主導による消費増税の喫緊の必要性を滔々と述べること程度は先日の迷子のインコ程度の事は可能だろうが、チョイと応用問題を出された時点でアウトだろう。財務省も官邸も、間違っても「小沢、野田会談」など持っての他と考え、如何に回避するか、その算段に汲々となっている事だろう。12日放映の田原・長谷川の「激論!クロスファイア」に登場した、民主・前原誠司と自民茂木敏充の意見が一致したと、長谷川幸洋がつぶやいていた。

 どんな風に意見が一致したか、少々ぼかしているが「増税成立、解散なし」と云う一致点だろう。長谷川氏つぶやきには、番組への宣伝臭も籠められているので、両党の政調会長同士の一致が民主、自民の一致になると云う結論は早計過ぎるだろう。茂木はある程度野党自民の意志を代表するかもしれないが、前原が与党民主党の意志を代表していると云う評価はいただけない(笑)。今や野田からも疎まれている存在であり、仙谷共々野田政権の傍流に置かれている事実を“さておき”過ぎている。

 現勢力の力関係は、あきらかに野田、輿石、小沢の三者である。一人は内閣総理大臣、一人は最大与党幹事長、一人は無罪被告の一党員である。しかし、一党員は150人の国会議員を擁する永田町最大派閥のボスである。前原、仙谷が食い入る処は、ダークな闇の部分だけなのが事実である。しかし、そのダークパワーは見逃すには、バックが暴力装置のような連中ばかりなので、細心の注意を払うべき程度の闇軍団である。既に、輿石・野田の権力闘争が顕在化した。

≪ 首相、増税法案修正に柔軟 幹事長「ダブル選望ましい」
 野田佳彦首相は11日の内閣記者会のインタビューで、この日審議入りした消費増税法案について「あくまで全力で通す」と強調し、法案修正にも柔軟に応じる考えも示した。一方、民主党の輿石東幹事長は衆院解散の時期について「ダブルが望ましい」と述べ、来年夏の参院選との同日選挙を実施すべきだとの考えを明らかにした。
 輿石氏は民主党所属国会議員の会合で「ダブル選挙」を持ち出した。今国会での「話し合い解散」を模索する自民党と、ダブル選挙を嫌う公明党を牽制(けん せい)する一方で、消費増税法案への反対姿勢を鮮明にする小沢一郎民主党元代表との融和を優先して採決の先送りを図る狙いだ。
 この発言に対し、首相は「大事なテーマをあれこれ言わない」と言及を避けた。藤村修官房長官は11日の会見で「解散権は首相にある。時期を(輿石氏と) 共有するような案件ではない」と不快感を示した。≫(朝日新聞)


 以上のような具合である。ガマガエルのような藤村官房長官が輿石に噛みついたようだが、格が違う。陽炎のような虎紛いの威光を嵩にきた田舎侍、何をか況やだ(笑)。石原の揺さぶりに「尖閣、国が買うことも…」等と外交戦略のイロハも判らぬ発言をするような男である。尖閣は個人所有故に、有利な対中外交カードを保持すると云う理屈が判っていない。是非、石原も慎太郎新党、否“新島”として個人的に所有して欲しいものだ。

 また横路に逸れたが(笑)、拙コラムを読む以上、脱線がつきもの、我慢していただこう。本題に戻るが、仮に「小沢・野田会談」が成立したとして、輿石も同席するだろう。案外、心配なので俺も、俺もで、収拾がつかなくなり、最後には勝栄二郎までが出席したい(笑)と言い出すかも判らぬ。仮に会談が行われた場合でも、野田が小沢を説得出来る事はあり得ないだろう。説得ではなく、09年マニュフェストの正論に戻る話なら、小沢にも聞く耳はあるだろう。その肝は、政権交代時の目玉中の目玉「国家戦略室」と「行政刷新会議」の有効的機能問題だろう。岡田に預けた民間有識者による「行政構造改革会議」と云う懇親会などゴミ会議のようなものである。岡田の私的会議の位置づけ。稲盛氏も無礼な扱いを受けたものである。

 つまり、“増税をする前にするべき事がある”を現実に死に物狂いで実行し、国民が中身のある行政改革に民主党が挑み、現実に効果を観察できるようになったと云う証明が必要と云う法案を急遽作成し、法案を消費増税抱き合わせて出すのであれば、小沢一郎が是認する可能性は僅かに残されている。この抜本的行財政改革法案の具体的中身までは検証していないが、霞が関改革・中央集権からの脱却が約束されるものと、消費増税法案がセットなら是認すると云う原則路線だ。つまり、野田などに出来る芸当ではないので、会談は行われても物別れと云うことなのだろう。

 そうなると、野田に残された道は、来月早々にでも谷垣自民党と連立を組み、公明排除で大連立ということかもしれない。小沢一郎が控訴され、次善の策を打ち出す前に、鼻をあかしてしまおうと思っているのかもしれない。その場合の、小沢一郎の選択は如何に?公明党の選択も興味深い。勿論橋下の政治力も試される。案外面白い展開かもしれない。民主党も自民党も夫々割れる。どのような勢力で衆議院の勢力図が構成されるのか?近々の検討課題にしておくとして、今夜は眠ることにする。おやすみなさい!


PS: なるほど、以下の読売記事で、茂木政調会長の発言が自民党の主たる方向性になったと云う確認が可能だ。自民党の消費増税賛成は決まったようだ。問題は、どのような手順で連携するかで、解散無しなら公明党も依存なしかもしれない。大政翼賛政権樹立かな?凄いですね。しかし、その大政翼賛政権が短命なのも見えているわけですね。さて、このような流れになると、日本の政治はどうなるのだろう?小沢が一番嫌っていた、カオスの日本政治に突入するのかもしれない。

≪ 消費増税審議入り自民「我々はむしろ推進勢力」

社会保障・税一体改革の柱で、野田首相が今国会での成立を目指す消費税率引き上げ関連法案は、11日の衆院本会議で趣旨説明と質疑が行われ、審議入りした。

 関連法案は、現在5%の消費税率を2014年4月に8%、15年10月に10%へ段階的に引き上げる内容。自民党の野田毅税制調査会長は「我々は税制改革の足を引っ張るつもりは全くない。むしろ推進勢力だ」と述べ、消費増税に理解を示した。そのうえで、民主党の小沢一郎元代表グループら増税反対派の説得や、社会保障改革に関する自民党の対案の受け入れなどを協力の条件にあげた。増税に伴う低所得者対策として導入する「給付付き税額控除」については、不正申告で給付を受ける可能性があるとして見直しを求めた。≫(読売新聞)


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