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財務省VS朝日新聞 俄かに対立勃発とは言い難いが異常な事件、注目!
財務省が異様に興奮している。朝日の記事のどこが逆鱗に触れたのか?兎に角、ことの成り行きが非常に興味深い。親財務省で、財政赤字克服こそ、日本の喫緊の課題キャンペーンを繰り広げる中。なにが財務省を逆撫でしたのか?緊急の掲載なので、内容は後日シッカリ検証しようと思うが、事実関係だけでも、事実は小説よりも奇なりである。皆様も、聡明クールな頭脳で分析される事をお薦めする。
先ずは異例の財務省HPに公表された、朝日新聞4月5日付の抗議文をご覧ください。何を興奮したのでしょうね。まぁ、人脈への誤解があると云うことが、先ずは言いたいようです。
≪ 朝日新聞(平成24年4月5日付け朝刊)の「民主党政権 失敗の本質1」と題する記事への抗議 朝日新聞(平成24年4月5日付け朝刊)において、「民主党政権 失敗の本質1」と題する記事が掲載されています。 当該報道に関しては、当省幹部の氏名が引用されていますが、当該関係者は一切取材を受けておりません。記事の記載内容には、明らかに事実と異なる点等が認められます。 本件記事に関して、財務省から朝日新聞に対し、読者に誤解を与えたことにつき、厳重に抗議するとともに、内容の訂正など然るべき対応を求めました。
■抗議文1
平成24年4月5日 朝日新聞報道局長 福地献一 殿
財務省大臣官房文書課広報室長 瀧波 宏文
貴紙(平成24年4月5日付け朝刊)において、「民主党政権 失敗の本質①」と題する記事が掲載されています。 当該報道に関しては、当省幹部の氏名を引用されていますが、当該関係者は一切取材を受けておりません。
記事の記載内容には、多くの事実誤認が散見されますが、とりわけ以下の点は明らかに事実と異なると考えられます。 「鳩山は総選挙直前、実は財務省の事務次官だった丹呉泰健や、主計局長だった勝栄二郎らとひそかに接触を重ねていた。」との記載がありますが、接触を重ねていたという事実はありません。
「野田佳彦は菅内閣で3代目財務相に昇格すると、財務官僚の仲介で自民党の財務相経験者と会合を重ねて政界屈指の『財務族』となり、11年の党代表選で消費増税に言及して勝利。」との記載がありますが、野田前財務相と自民党の財務相経験者との会合を、財務省職員が仲介したとの事実はありません。
「東大在学中から勝の友人である前国交事務次官の竹歳誠が就任。」との記載がありますが、勝財務事務次官と竹歳官房副長官は、卒業年次も3年異なり、学生時代全く面識がありません。
「消費増税と社会保障改革をまとめる内閣府の事務次官には、財務省で勝の1期後輩の松元崇が就いた。(略)異例の人事で、野田内閣は『財務省支配』と揶揄されるようになった。」という旨の記載がありますが、内閣府事務次官の人事については、内閣総理大臣の所管であり、財務省は全く関与しておりません。
なお、これまでも各省庁出身者が大臣官房長等を歴任して就任していることからすれば、異例とは考えられません。
「政権交代直後の09 年9 月末、国家戦略相の菅直人はいらだっていた。マニフェストを実行するための財源確保にメドが立たず、予算の基本方針の作成が大幅に遅れそうだった。そこへ、財務省主計局長の勝栄二郎が現れた。菅が『いつまでに基本方針をまとめれば、年内に予算編成できるのか』と尋ねると、勝は『民主党にはマニフェストという立派なものがあります。これに沿って予算を作れ、という紙を一枚出していただければ、やりますよ』とささやいた。」との記載がありますが、鳩山政権発足時に既に自公政権時の概算要求が提出されていることについて、当時の菅国家戦略相に呼ばれて説明を求められた際、マニフェストに基づき年内に予算編成を行うのであれば、各省庁から一定の時期までに追加要求を出してもらう必要があるとの説明を行ったものであり、事実と異なります。
なお、記事中に「担当記者の私はまったく予想しなかった。」との記載がありますが、客観報道を旨とする新聞報道の記載としては如何なものかと思われます。 本件記事に関して、当省として貴紙に対し、読者に誤解を与えたことにつき、厳重に抗議するとともに、内容の訂正など然るべき対応を求めます。(財務省HPより)
■抗議文2
平成24年4月13日 朝日新聞報道局長 福地献一 殿
財務省大臣官房文書課広報室長 瀧波 宏文
貴紙(平成24年4月5日付け朝刊)において掲載された「民主党政権 失敗の本質①」と題する記事について、多くの事実誤認が散見されることから、とりわけ明らかに事実と異なる点を具体的に指摘した上で、当省から貴殿宛てに、4月5日付けで、内容の訂正など然るべき対応を求める抗議文を送付致しました。
また、この抗議文を、鳩山元総理大臣、菅前総理大臣にもご報告したところ、両氏とも、当該記事は事実と異なるなどとして、記事を執筆した記者に不快感を伝え、抗議した旨確認しております。
一週間経っても、貴紙におかれては内容の訂正などは行われていないほか、貴紙から当省に対して何ら回答を頂いておりません。当該記事が読者に誤解を与え、関係者及び当省の信頼を大きく損ねた状態が続いていることは、誠に遺憾であります。
このため、当該記事については、関係者への取材や十分な事実関係の確認を行わず、一記者の想像や見解に基づく個人的な見立てを朝刊第1面等に大きく掲載し、関係者及び当省について事実に基づかない誤ったイメージを世論に与えた記事であることを認めた訂正記事を早急に掲載することを強く求めます。(財務省HPより)
この問題を東京新聞論説委員の長谷川幸洋氏は、ツイッターで以下のように“つぶやいて”いる。
■長谷川幸洋ツイッター
*これは面白い!!がんばれ朝日新聞!→ 朝日新聞(平成24年4月5日付け朝刊)の「民主党政権 失敗の本質1」と題する記事への抗議
*財務省は4月5日、13日に2度にわたって抗議文を出し、5月1日にサイトに公開。その間、朝日は何をしていたのだろうか。読売によれば「財務省に説明し ていた」というが、それに納得せず、財務省はサイトで公表したということ?:(注:此処はアドレス表記のため筆者が記事抜粋)読売新聞記事 ≪ 朝日新聞記事に事実誤認、財務省が異例の抗議文――朝日新聞が先月5日に掲載した民主党政権に関する記事に複数の事実誤認があったとして、財務省は1日、同社への抗議文をホームページ(HP)に掲載した。同省が報道機関への抗議をHP上で表明するのは初めて。同省は、これまで2回、同社に抗議して謝罪・訂正を求めたが、納得のいく回答が得られず、掲載に踏み切ったとしている。 同省が問題としているのは、朝日新聞が先月5日の朝刊1、2面に掲載した連載「民主党政権 失敗の本質」の1回目。記事では「鳩山(元首相)は (政権交代前の)総選挙直前、同省幹部とひそかに接触を重ねていた」「野田(首相)は財務相に昇格すると、財務官僚の仲介で自民党の財務相経験者と会合を 重ねた」「野田内閣になると、官房副長官に、東大在学中から財務次官の友人である前国土交通次官が就任」などとしている。 これに対し、同省広報室は「『接触を重ね』た事実も、『仲介』した事実もない。財務次官と前国交次官は学生時代全く面識はない。そもそも財務次官に取材がなかった」と話しており、HPでは「記事には明らかに事実と異なる点が認められ、厳重に抗議するとともに、内容の訂正などしかるべき対応を求めた」 などとしている。 同省が、記事の内容について新聞社に抗議文を送るのも1998年以来という。 朝日新聞社広報部は「当社の取材で得られた情報と認識の違いがあり、その点について財務省に説明しているところです」としている。≫
*どうも不思議な展開。財務省がそれまで水面下でやっていた抗議を1日に表に出したというのは、朝日とのケンカを表沙汰にしたっていうこと。それは普通に考えれば、財務省はケンカに勝つ自信があるんだろうな。負けるケンカを表に出したって、みっともないだけなんだから。
*あの記事はたしかに目を引いた。それまで財務省の増税路線に賛成した記事や論評が多かったけど、あれは財務省に反旗を翻した感じ。筆者が異なると、あれほど記事のスタンスが変わるのか、とびっくりした覚えがある。経済部と政治部の違いかな。いや、そうではなく、あくまで記者の個性だろう。
*財務省は当然、そういう記者のスタンスの違いをよ〜く分かってるはず。みんながみんな親財務省でも反財務省でもないってことを。だから報道局長に抗議文を出すと、受け取る報道局長も困惑するだろうってことを。
*朝日としては当然、取材ソースを明かせないだろうから、事実が違うって言われると、ソースを明かさないまま、どう反論するか。「意見が違う」ってのは当然、ありだけど「事実が違う」ってのは、意見とはまた別の対応になるだろうな。
*(高橋洋一リツイート) 他紙にも送っている模様 RT: @smith796000: 朝日新聞(平成24年4月5日付け朝刊)への抗議 http://ow.ly/aCHYZ →こういうことは抗議するくせに、国家破産とかそいういうデタラメは抗議しないの?これではよほど痛いところを突かれた
*「他紙にも送っているもよう」となると、これから他紙への抗議文も財務省はサイトで公表するのか。それとも、そっちは話がついたから公表しないのか。おいおい、大変な話になってきたな。財務省と新聞が記事をめぐって裏と表でケンカしてるのか??。前代未聞だ。
*もし、朝日が財務省となんらかのやりとりをしているのなら、ぜひ、まるごと公開してほしい。水面下、舞台裏で決着というのはやめてほしい。
*普通、役所が記事について新聞に抗議するときは、いきなり抗議の事実を公開なんてしない。まず水面下。それで、うやむや決着となるはずだけど、財務省はなんで公開したのかな。なにが狙い??朝日に頭を下げさせるため?それだと、仮に朝日はいったん頭を下げても、それだけじゃ終わらないだろう。
*それとも朝日が謝罪してそれで終わりっていう完勝パターンが確実に見えているから??どうも、よく分からない。 *いずれにせよ、財務省は抗議の弾を3発撃った。で、それを公開した。そこまでやっておいて、結末はなにもなしってのはなしよ。「言うべきことは言ったのでおしまい」だなんて結末はやめてほしい。朝日だって、撃たれっぱなしでおしまいっていうわけにはいかないでしょ。 *長谷川ツイッター引用此処まで
朝日新聞:デジタル版の問題記事。件の朝日の記事は大友涼介氏のサイトから拝借し、以下の通り。
≪ 野田政権を取り巻く「財務省網」
「脱官僚」をうたう民主党は政権交代前夜、二つに割れていた。財務省は無駄遣いをなくす「味方」なのか、官僚の既得権益を擁護する「敵」なのか。
2009年6月、のちに民主党の初代首相となる鳩山由紀夫と2代目首相の菅直人は、みんなの党結成に動いていた渡辺喜美、江田憲司と極秘で会った。旧通商産業省OBの江田が「霞が関の本丸は財務省だ」と言うと、菅は「わかっている。官僚主導の打破に協力して欲しい」と応じた。
だが、渡辺は民主党の「脱官僚」を疑っていた。野田佳彦や前原誠司ら民主党の中堅議員を交えた当時の会合で、次のような会話を耳にしたからだ。「国土交通省や農林 水産省などのできの悪い官僚はたたく。財務省とは握るけどね」 政権交代から2年半。3代目首相の野田は今、消費増税法案の成立に「政治生命をかける」と明言する。
民主党の事前審査がこじれていた3月25日夜、野田は旧大蔵省OBで党税調会長の藤井裕久に「絶対ぶれるな」と励まされ、大きくうなずいた。79歳の藤井は民主党の初代財務相で、野田を財務副大臣に引っ張った「恩人」だ。野田は野党時代の著書「民主の敵」で無駄遣いの削減や天下り根絶を訴える一方、消費増税には触れていない。それが財務副大臣になると、一転して前向きになった。
民主党 は「4年間は消費増税しない」と宣言し、09年総選挙に勝った。消費増税に「命をかける」という首相の登場を、担当記者の私はまったく予想しなかった。だが、鳩山は総選挙直前、実は財務省の事務次官だった丹呉泰健や、主計局長だった勝栄二郎らとひそかに接触を重ねていた。無駄遣いをなくし、子ども手当など 看板政策の財源をつくる必要があったからだ。
鳩山は今、「歳出を減らしてくれるのなら、財務省と協力してもいいと判断した。財務省の 最大の使命は歳出削減だと見誤った」と後悔する。財務省の本性は官僚機構の守護神で、最大の狙いは自らの権益を拡大するための消費増税にあったというの だ。=敬称略
◇
この連載で問いたいのは、消費増税の是非ではない。官僚主導を打破して統治のあり方を根本から変えるという、民主党が描いた「政権交代の物語」が失敗したということだ。09年総選挙で集めた国民の期待は「統治機構の変革」を叫ぶ橋下徹・大阪市長にさらわれつつある。「失敗の本質」は何か。野党時代から民主党を見てきた記者として、反省を踏まえながら考えたい。(村松真次)≫(朝日新聞:「民主党政権 失敗の本質1」)
PS:今回の財務省VS朝日新聞のつばぜり合いだが、政治マターにおける「見解の相違」なら、朝日も闘うツールがあるのだろうが、「事実誤認」という土俵の闘いとなると、分が悪そうだ。 「民主党政権 失敗の本質1」と云う以上、本来であれば時間的に「2」が出ても良さそうな時間が経過しているので、伝聞情報による”飛ばし記事”に近かった感じもする。「民主党政権 失敗の本質1」の記事の内容自体、どちらかと云えば”週刊誌的”な記事で、人脈云々に焦点が集中している。たしかに、財務省の勝次官人脈と民主党政権への、口先介入以上の関与は存在するようだが、政治家側に、それを突き放すパワーがあれば、必ずしも財務省の関与で、現在のような民主党の失敗が顕著になることはなかったであろう。休み明けに、朝日が紙面上で何らかのアクションを行うのか?村松真次記者をけん責し小さな訂正記事を出すのか。それとも、大逆襲の材料収集に励んでいるのか、答えは近々判明するだろう。長谷川氏ではないが、有耶無耶の”頬被り”は勘弁願いたい。
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