世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

TPPは一種の“鎖国型自由貿易圏”! 地域に名を借りた鎖国だ!

2011年11月14日 | 日記
日本人とは何か。―神話の世界から近代まで、その行動原理を探る (NON SELECT)
山本 七平
祥伝社



応援感謝です!
人気ブログランキング



TPPは一種の“鎖国型自由貿易圏”! 地域に名を借りた鎖国だ!




 米・国会議員(日米貿易摩擦で活躍済み)らが、「日本をTPPなんかに入られたらエライことになる。断固拒否すべき」等と勿体ぶった言説も海の向こうから聞こえてくるが、おそらくTPP推進派のプロパガンダに利用されているのだ。米国が日本市場に思い通り参入するチャンスであり、米国企業の市場拡大と雇用の創設が一気に解決出来る“打ちでの小槌”だと、米国政府及び、それらを支持乃至はコントロールしている勢力の人々は盲信しているに違いない。米国が日本のTPP入りに諸手を挙げての歓迎は、日本のTPP警戒勢力の追い風になると心配して起こしている風と読むべきだ。

 筆者の多くのTPP反対に関するコラムで述べたように、TPPによって日本が得るべき直接的な経済恩恵は微々たるものになるだろう。米倉経団連会長は公私の区別が曖昧なまま過激に推進の旗を振るが、経済界全体が彼のように過激に推進なのかどうか相当に怪しい。なぜなら、九つのTPP参加国の参入障壁を撤廃されたとして、日本の企業全体にプラスなのかマイナスなのか、判断がつかないと考えるのが正常な神経の持ち主だからである。悪と云うか、誤った資本主義の拡大が齎したグローバル経済は、個人や国家の意志を反映しないパワーで何処までも進んでしまうシステムであり、原発同様、人類の制御が利かない、抗生物質が効かないウィルスのようなものである。しかし、善悪の別なくグロ―バル経済が世界を覆っている現実も直視しなければならない。

 グローバル経済は簡単に言うと、経済合理性の飽くなき追求の結果 “人モノ金” が国家とか国境とかの概念を乗り越え自由気ままに蔓延る経済と云う事だ。筆者のように、生物的に、或いは思想信条の観点から、これ以上の成長を期待していない人間にとって、特に日米の飽くなき資本主義の発展など意味不明だ。利便の追求とか、情報が得やすいとか、コンサバティブだが、そのようなことと、人間の文化の向上は土俵が異なると理解している。

 グローバル経済が人類に未知の世界を提供するリスクを包含する点を重視して、個人的に拒否反応を示すわけだ。故に、もっともっと成長したがる人々にとって、“鎖国的発想による国家の独立”なんてのは、愚かでしかないだろう。時には、論理的に考えて、現状の生活を維持する為にでも最低限の成長がないと、国家が破綻すると云う言説にこだわる人々も多くいるだろう。所謂生活主義に毒された人々だ。衣食住が概ね満ちたりた人間は礼節を知るべきなのだ。しかし、現実は礼節も礼儀もヘッタくれもない世界が好きだと云う。今の生活を維持したいと云う。人間としての哲学を失った、ただの生き物と化している日米の支配者たち、そしてその連中にグタグタと文句言う人々。しかし、その文句を聞いていると、やはり生活に関してだ。勿論衣食住がないのなら、主張する権利はある。しかし現実を見ると、多くの人々、70%の人々は充分過ぎる、不必要なほどの贅沢な生活と利便を共有している。

 おそらく筆者の “鎖国的発想による国家の独立” が仮に実現した時は、現在の日本人の生活レベルは維持できない。“そんなバカな!”と云う異論がほとんどを占めるのは承知で言っている。しかし、そもそも現状を維持したいと云う人間の心理こそが、既存の権力者にとって好都合な被支配者の心理状態であることを自覚すべきだ。民衆は隠しているつもりの腹を読まれた上で支配されるのだから、支配者にとって、その心理を程々に擽り、脅し、煽り等々操作する事は容易いのである。民衆が、物質的富へのこだわりを持つ限り、本来の民主主義とか自由主義と云うものは、虚構の範囲でしか入手できないと云う事である。“身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ”、“皮を切らせて肉を切り、肉を切らせて骨を切る”、“He that fears death lives not.”と云う事だ。

  “フザケルナ!新興宗教にでも被れれば救われるとでも言うつもりか!”と怒りの言葉が聞こえてくる。(笑)最近、筆者は欲求不満の所為か極論を語る快感に酔いしれている傾向はあるが、物欲に満たされた国民に、物欲基準で物事を考えてばかりいると狩猟民族たちの餌食になるぞ、と言っているだけなのだ。宗教ではなく、魂の問題である。民族の歴史から生まれ、共生の知恵から身につけた、日本民族の魂の貴重さを見直せ、と言っているのだ。

 小沢一郎支持の人々も口々に“小沢は自由貿易論者だ!TPPに反対ではないがセーフティ・ネットの準備が不十分だ”と言っている。筆者も政治的には、そのように語っている。小沢一郎の政治的立場における、そのような発言は尤もだろう。しかし、同時に彼の政治理念の根底にある“縄文の心”の意味する部分への配慮が少なすぎる。彼は政治家であり、政治権力闘争をしている真っ最中なのだから、幾分靄に隠された部分があるわけで、小沢一郎の根底にある、教育と云う言葉には、魂の問題が隠されている点、支持者はあらためて考えるべきである。

 中央から地方への主権の移行は、なにも予算が削減出来るからだけではない。地方が自立する意識を育てる為でもある。所謂、顔の見える範囲の自治意識の集合体(共生)が国家として成り立つ事に根差している。民主主義国家の政治家である以上、その言動には選挙と票がつきまとう。この選挙と有権者の意識を、民族の共生と云うレベルまで昇華させるのは容易ではない。時には実現不可能なユートピアであるかもしれない。しかし、理想と云う地図も持たずに、欧米民主主義、資本主義を目標に、追いつき追い越せは愚行である。筆者は、それは日本民族の滅びを意味していると思う。

 原敬、鳩山一郎、石橋湛山。彼らの保守政治には、日本民族の原点回帰を夢見ていた部分がある。故に、年月を経ても、そこはかとない哀愁のようなものが感じられる。農耕民族で、海に囲まれ、自然からの恵みと試練を友として生きてきた民族には、その民族の体質にあった国家体制があるだろうし、それを生みだす知恵もあると信じている。一神教の世界観で動く欧米の文化とは相いれないものが日本には数限りなく存在する。融通無碍でいい加減な考え方と云うものは、そこに抗い難い日本の自然があったからに相違ない。故に、何でも神様なのだ。その意味で、キリスト様も神に入れても良いと簡単に取り入れる。しかし、おそらく日本民族の唯一神的存在は自然そのものなのだろう。その意味で、宗教上の神や仏はセカンドに位置する敬う存在なので、少々有耶無耶なのかもしれない。

  話を急に時代の寵児TPPに移すが、TPPってのは社会哲学的に観察すると、“鎖国”の一種だ。囲い込んだ地域で自由貿易を愉しもうぜ!それも10カ国でだ。そんな自由貿易なんてあるわけがない。本日の見出しのような事を言われるリスクに配慮し、後々発展的にAPEC加盟国で合意されているFTAAP(アジア太平洋諸国自由貿易協定)等も視野としている等と詭弁を弄している。自由貿易の理念を押し通すなら、世界中の国家が関税障壁を撤廃、自由に好き勝手やろうぜと云うのが基本だ。つまり、TPPは米国の囲い込み鎖国地域の確立に過ぎない。きっと、10年、20年後、歴史の評価に耐えられない愚策と、世界中が腹を抱えて笑うに違いない。異なる視点で見れば、このEUを含む地域囲い込み経済圏構想は、仲間集めの闘いが発生し、最終的には地域の拡大を夢見る。そう世界を巻き込む争いを誘発するに違いない。目先の損得で国家の行先を選択するとは、呆れてモノが言えない。



成熟ニッポン、もう経済成長はいらない それでも豊かになれる新しい生き方 (朝日新書)
橘木俊詔,浜 矩子
朝日新聞出版



応援感謝です!
人気ブログランキング


 


オバマが11年一般教書演説で “世界の雇用は米国の一人占め” と言った意味

2011年11月13日 | 日記
外交〈上〉
クリエーター情報なし
日本経済新聞社



応援感謝です!
人気ブログランキング



オバマが11年一般教書演説で “世界の雇用は米国の一人占め” と言った意味



  “覆水盆にかえらず” と云う言葉があるが、TPP参加交渉の事前協議の位置づけが、盆から既に水がこぼれたのか、傾いて今にもこぼれそうなのか、その辺の解釈は明確ではない。受け取る側の立場により、その解釈は変わるのだろう。首相と鹿野農水相、輿石幹事長が会談した際、鹿野氏が首相に、参加を前提としたものではないと確認したと云う情報もある。その辺は、山田正彦前農相が自分の名誉の為にも、来週の両院議員懇談会で直接質すべきである。いずれにせよ、野田佳彦は輸出企業のタダ塾で、世界観を学んだのだから、政商的であることは当然だ。また、実父が自衛隊員であったことから、親米である点も疑いようがない。このような短絡的人物評価は忌避すべきは充分承知だが、口アングリなほどに当て嵌まると、短絡も然り、と思うわけである。

 10月10日付の拙コラム「いつまで、米国の尻にへばりつくのか TPPは年次改革要望書の総仕上げ」において、≪ 筆者は、TPPは明らかに日本市場の米国化であり、既に破綻したとも見られるグローバル市場原理主義経済の更なる拡大に過ぎないと主張している。早い話、 短絡的に表現すると、「日本のすべての市場を占領したい」と云う、米国の意志と云う事だと思う。つまり、小泉政権時代にあった「年次改革要望書」が「日米経済調和対話」に名前を変え、日本市場の全面的開放を要求している。 この米国大使館の公式HPに掲載されている「日米経済調和対話」を読む事で、TPPの実体は明確になるのだろう。≫と述べたが、早速米国は、事前協議だといって、米通商代表部(USTR)が“直ちに枝野経産相”に誘い玉を投げつけてきた。(笑)


≪「牛肉・車・日本郵政」 米、二国間協議で見直し提起へ
 米通商代表部(USTR)のカーク代表は11日(日本時間12日)の記者会見で、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加方針を決めた日本との事前協議では、米国産牛肉の輸入規制撤廃や自動車市場の規制の改善、日本郵政の優遇措置見直しを重点3分野として話し合う意向を示した。
 カーク代表は、日本の交渉参加方針について「我々は大変歓迎している」とする一方で、「3分野はこれまでも日本と多くの協議をしてきたが、2国間の場で協議を続ける」と表明。また、「これらは我々が取り上げる課題の一部にすぎない」とも話し、3分野に限らず、幅広いテーマを協議する考えを示した。TPP をテコにして市場開放の要求を強める構えだ。
 この日、枝野幸男経済産業相はカーク代表と会談。枝野氏は会談後、記者団に対し「米国からいくつかの関心事項について話があった」と述べたが、具体的な内容の説明は避けた。枝野氏は「USTRは強力な態勢を作るだろう。経産省の通商部局の総力を挙げて、しっかりとした議論をしていきたい」と話した。(ホ ノルル=尾形聡彦、福田直之)≫(朝日新聞)

 “日本郵政の優遇措置見直し” これは面白い、日本の政局を引っかき回す戦術まで繰り出してきたようだ。国民新党の与党離脱に繋がる時限爆弾を仕掛けた。直感的だが、「国民新党、新党日本」は厄介だ、「みんなの党」と選手交代させろ!と内政干渉してきた、と見ることも出来そうだ。野田佳彦と云うか、民主党Bにとっては、渡りに船かもしれない。日本郵政を“米国側関心事項”とするのなら、福島原発事故を起こし電力供給や電力料金に独占企業として、参入障壁となっているのに鑑み、電力企業の地域独占の問題も参入障壁として取り上げるのがフェアではないか。米国大使館には、早急にフェアが命であるなら、電力地域独占問題も追加関心事項に早々に追加すべきである。

 ≪郵政
 保険と銀行サービスにおける対等な競争条件: 市場における活発な競争を通して消費者の選択肢の拡大を推進するため、日本郵政グループ の競争上の優位性を完全に撤廃し、規制面ですべてのサプライヤーに同一の待遇と執行を確保することにより、保険と銀行サービスにおいて日本のWTO上の義務と整合する対等な競争条件を確立する。
 郵政改革:日本政府や関連する審議会などが、競争条件に影響を及ぼす日本郵政グループ関連の施策の変更を検討・実施する際には、完全な透明性を確保し、利害関係者が意見を提供する有意義な機会を提供する。日本が将来的な改革を検討する際には、対等な競争条件に関する長年の懸案事項に対処し、日本郵政グループに追加的な競争上の優位性を与えないようにする。
 日本郵政グループの金融会社の業務範囲:かんぽ生命保険とゆうちょ銀行の業務範囲の拡大を認める前に、日本郵政グループと民間金融機関の間に対等な競争条件が整備されていることを確保する。
 国際エクスプレス輸送における対等な競争条件: 競合するサービスにおいて他の国際エクスプレス輸送サービス業者が課されるものと同様の通関手続きとコストを日本郵便に課すことや、独占的な郵便事業の収益が日本郵便のEMS(国際スピード郵便)の補助金となるのを防ぐ措置を取ること等により、国際エクスプレス輸送分野において効率的な競争と対等な競争条件を促進する。≫(米国大使館:東京・日本の公式サイト)

 まぁ、そう簡単にTPPが合意に至るとも思えないし、国会で批准出来る日が何時来るのか?“アノ騒ぎは何だった?”と云う日が来るかもしれない。当面は米国との事前協議の顛末を愉しんでいても良いのだろう。その内、USTRのカーク代表と経産省の“直ちに枝野大臣”のバトルも愉しみ。“直ちに枝野”は早々に経産省役人の実力が試されるみたいな言い草をしたが、オマエが矢面に立つべきだ。グチャグチャと“直ちに枝野”が頑張っている間に、野田政権が消えてなくなるし、オバマ政権も多分なくなる。事ここに及んで“ドル基軸通貨のジレンマ”から抜け出さずに、何とか都合よく切り抜けようなどと云う妄想的オバマ思考は明らかに破綻しか待っていない。英国を見よ!さばさばと肩のに降ろし、貧乏を愉しんでいるぜ!“ポンドはボンド、ジェームス・ボンド”なんちゃって、ユーロ大変だよね、だってさ。

  だいたいが、2011年からのオバマと云う男は、ほんの少し前に“ノーベル平和賞”なんてのを授与された事実が嘘のような変心ぶりとあいなっている。最近も米韓FTAの合意の際「これで7万人の雇用が創出された~!」とアピールする始末。つまり、逆に考えれば「これで韓国の雇用を7万人減らしたぞ~!」と同義である。(笑)その変心の兆候は2010年の一般教書演説に始まった。オバマは苦し紛れに「向こう5年間でアメリカの輸出を増大させる」と高らかに宣言したのだ。

 イヤイヤ、そんな程度で驚いてはイケない!2011年の同演説で、ついには平和賞を返還すべきレベルの演説をしている。殆どヒトラー並の過激さである。「本年以降、世界で誕生する新たな雇用機会は全部アメリカで産まれるものでなければいけない」???なんじゃこの演説は?更に調子づいたオバマ大統領は「今後、起きる新たなイノベーションは全部アメリカで起こるものでなければいけない」(通貨を知れば世界が読める:浜 矩子参照)幾ら大統領選に勝ちたいからといって、此処まで言って“委員かい?”とも思うが、結構本気で言っているから怖い。

 どうもアメリカの民主党も日本の民主党も、酷く安定感に欠けている。初めに言い出した事と、苦しくなって言い出す事がコロコロ変わる。もう言っている本人達もコロコロ変心するものだから、自分が詭弁の罠に嵌っていることさえ気づかない。このような世界的傾向に深く関与している世界勢力が本当にあるようだ。すべてが全てではないかもしれないが、アメリカ国務省・国防省を牛耳り、米国政治全体を支配するデビット・ロックフェラーの意志が未だに健在で動いているのが不思議でたまらない。日本の”最期の晩餐”に出席するが如く官邸にキッシンジャーが現れたのは象徴的だ。D・ロックフェラー、H・キッシンジャー、J・ナイ、アーミテージ、ハレム、キャンベル、M・グリーン等々。共和党保守勢力と目されるが、どうもそんな単純に色分けできる勢力ではない。これに国際金融組織が折にふれ絡んでくるのだから、やれやれの世界だ。中曽根が、小泉が、そして野田が、売国政策に精を出す事になるらしい。今になってみると、09年の日本の政権交代なんて屁のようなものと云う見方も出来てしまう。今日はネガティブに(笑)



成熟ニッポン、もう経済成長はいらない それでも豊かになれる新しい生き方 (朝日新書)
橘木俊詔,浜 矩子
朝日新聞出版



応援感謝です!
人気ブログランキング



実質TPP交渉参加表明 野田は“とらぬ狸の皮算用”性善説の罠

2011年11月12日 | 日記
世界同時不況がすでに始っている! (2時間で未来がわかる!)
榊原英資
アスコム



応援感謝です!
人気ブログランキング



実質TPP交渉参加表明 野田は“とらぬ狸の皮算用”性善説の罠


 今日の見出しは、いかにも野田佳彦が善い人、だから相手も善い人と思う“お人好し”として扱っていると云う誤解を受けそうで、書いた筆者も不満である。(笑)

 今回のTPPへの、野田首相の参加交渉表明に至るプロセスをみていると、思惑外れが随所に見られ、苦戦を強いられていた。仙谷・前原の党内政調機能がまったく働かず、逆に反対派の団結力を強くする起爆剤になっていた点だ。このような状況に業を煮やした米国は、戦争前夜の事前交渉でもするような慌ただしさで、ペリー元米国防長官、ハムレ米戦略研究所所長、シーファー前駐日大使、アーミテージ元国務副長官が大挙官邸に押し掛け、野田に表明しなかった場合の、中国威嚇をこんこんと説いてみせた。最後には、大御所登場と云う事で、キッシンジャー元米国務長官が官邸に現れる念の入れようには、明らかに違和感がある。

 ただ、彼らがマスメディアに姿を晒すかたちで官邸に現れ、邸内をうろうろした事実は、野田佳彦を脅していたと云うよりも、日本国家を運営している、あらゆる組織、人々への米国威嚇プレゼンスだったと解釈する方が妥当だ。このプレゼンスにより、国会議員への圧力も充分であったろうし、理解できる国民への圧力も、それなりにあったと認識する。皮肉な立場で考えると、官邸側が、彼らの土壇場での登場を米国に依頼していたと云う仮説も成り立つ。野田首相はやむに止まれず決断せざるを得なかった、と。

 まぁ賽は投げられてしまった。筆者は、TPPの基本理念から考えて、“とらぬ狸の皮算用”が通用する協定だとは認識していないので、朝日や読売のいうように、シッカリ交渉、と云うレールがほとんどないものと考えている。朝日もホッとして、以下のような甘い見通しの社説を載せている。

≪TPP交渉へ―何もかも、これからだ
 野田首相がきのう、環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉への参加に向けて、関係国との協議に入る考えを表明した。  首相の方針そのものは、良かったと評価する。
 だが、民主党内の強い慎重論を受けて方針決定が遅れ、きのうの衆参両院の審議で議論を深められなかったのは国会軽視そのものだった。
 首相はもっと早く自身の考えを示し、みずから説得にあたるべきだった。ほとんど国民の理解が広がらないままの見切り発車は残念だ。
 首相はきのうの記者会見で、「アジア太平洋地域の成長力を取り入れなければならない。十分な国民的議論を経たうえで、国益の視点に立ってTPPについて結論を得たい」と述べた。
 ヒトもモノもカネも国境を越えて行き交う時代に、輪に加わらずにいるのは難しい。これからも国を開いていくのは当然のことだ。
 一方で、すでに問題点や疑問が山ほど指摘されている。農業と地方の衰退に拍車がかかる。公的保険や金融などの制度見直しを強いられる、などだ。  さまざまな懸念は、杞憂(きゆう)とも言い切れない。疑問に誠実に答えつつ、日本の経済成長につなげられるか。成否を分けるのは、今後の政府の対応である。
 まず、他の参加国に強い姿勢を貫くことだ。交渉に加わるには9カ国すべての同意が要る。交渉に入りたいなら、この分野で譲歩せよと米国などに求められても、安易に請け負ってはならない。不透明な「密約」が明らかになれば、国内の逆風がさらに強まるのは必至だ。
 同時に、国内の合意づくりにもっと汗をかかねばならない。民主党国会議員の半数が、現時点での交渉参加表明に反対する署名に名を連ねた。野党も、みんなの党を除けば軒並み反対だ。このままでは交渉に妥結できても、国会での承認に行き詰まりかねない。
 首相は、国民の不安を解きほぐす努力をするしかない。交渉で何を勝ち取るのか。「医療制度や伝統文化、美しい農村は守り抜く」というが、どう守るのか。 明確にするためにも、国民との対話の場として、東日本大震災で中断したシンポジウム「開国フォーラム」を再開してはどうか。  農業対策をはじめ、しわ寄せを受ける分野へのテコ入れも急がねばならない。
 首相は、対外交渉と国内の合意づくりという難しい二正面作戦を、どう指揮するのか。何もかも、これからだ。≫( 朝日新聞:社説)

 ≪ほとんど国民の理解が広がらないままの見切り発車は残念だ。≫

 *“残念”等と云う言葉で矮小化する協定ではあるまい。国家の社会制度全般を変質させるものであり、国民の理解を得ようと議論し始めたら、それこそ1カ月で消滅する協定内容なのだから、“見切り発車は合理的な選択だった”と朝日らは賞賛すべきだ。

 ≪「アジア太平洋地域の成長力を取り入れなければならない。十分な国民的議論を経たうえで、国益の視点に立ってTPPについて結論を得たい」と述べた。  ヒトもモノもカネも国境を越えて行き交う時代に、輪に加わらずにいるのは難しい。これからも国を開いていくのは当然のことだ。≫

 *日本のマスメディア独特の、国民洗脳プロパガンダが語られている。“子供達に借金を残さず、現役世代で解決する”、“除染、除染で福島を蘇らせよう”、“アジア太平洋地域の成長を取り入れ”、“輪に加わり”、“国を開く”まったく同質の欺瞞が満ちた言葉だ。肝心要の米国は成長地域なのか?中国もインドもインドネシアも台湾も加入の気配すらないアジア太平洋地域なんて糞みたいなものだろう。“輪”なんて何処にある?ふざけたことを言うものではない!

  ≪まず、他の参加国に強い姿勢を貫くことだ。交渉に加わるには9カ国すべての同意が要る。交渉に入りたいなら、この分野で譲歩せよと米国などに求められても、安易に請け負ってはならない。≫

 *またまた、交渉なんて出来ない事を承知の上で、“強い姿勢を貫く”、“安易に請け負ってはならない”。などと校長先生のような型どおりの言を弄する。強い姿勢を貫けないのが判っているから、参加のテーブルにつくことが過ちなのだ。譲歩なしで外交交渉が成り立つか?本当に事実を歪曲して、美辞を並べたてる糞のような社説だ。

 ≪ 首相は、国民の不安を解きほぐす努力をするしかない。交渉で何を勝ち取るのか。「医療制度や伝統文化、美しい農村は守り抜く」というが、どう守るのか。≫

 *それが米国の目的なのだから、守り抜ける筈もなし。十二分に承知の上で、朝日は野田の言葉を借りて、責任を押しつけている。米国が日本市場をアメリカーナにスッポリ変えようとう云うのが戦略なのだから、無理難題である。今さら、それを主張するなら、交渉参加に慎重であるべきと主張すべきだった。ただ、この朝日の社説を読むと、医療・農業問題は追々にするとして、輸出輸入関連を先頭に立て、国民に安くモノが買える甘い蜜で洗脳しようと云う意図も見えてくる。

  ≪農業対策をはじめ、しわ寄せを受ける分野へのテコ入れも急がねばならない。≫

 *農業へのセーフガードは更なる財政を圧迫する材料を提供。徐々に国民の意識下に農民嫌いを植えつけ、一気に潰す戦略だろう。悪いのは農家だ!プロパガンダとしてはうってつけだ。

 読売の社説においても、頭は≪自由貿易を推進し、経済成長を実現していく必要がある。人口減少などで内需が縮小する日本経済を活性化させるには、成長センターであるアジアの活力を取り込むことが欠かせない。≫だ。此処が明らかなプロパガンダだ。誰の為のプロパガンダか耳を疑う。経済成長著しいアジアを取り込みたいのは米国だろう。(笑)なにも日本がTPPでアジアを取り込む必要はゼロだ。なぜなら、日本はまさしく正真正銘のアジアの一員だからである。読売が社説に着け足した≪TPP参加は、日米同盟関係も深化させる。経済・軍事大国として存在感を強める中国への牽制という点でも重要だ。≫の点は別途検証する。

  TPPと云う協定の先には「アジア太平洋自由貿易圏」(FTAAP)と云う中国まで囲い込む構想があるようだが、もうここまで来ると妄想の世界だ。(笑) そもそも、この米国の死に物狂いの慌ただしさは、鳩山由紀夫の「東アジア共同体構想」に端を発している。その具体的流れとして、東南アジア諸国連合(ASEAN)に日本、中国、韓国を加えたASEANプラス3があった。その上、これにロシア・インドが加わる流れさえあったのだ。ASEAN諸国に、日中韓が加わり、それに呼応してロシア・インドが加わったら、もうアメリカ・オーストラリアは行き場を失う。それがTPPの本質に過ぎない。地図を観て、アジアだと思うのが何処か?小学生に聞くことが、最も正しいアジアであり、太平洋?え~~~~?????である。だったら、欧州も入れてあげたら?(笑)


異常な契約-TPPの仮面を剥ぐ
ジェーン・ケルシー(Jane Kelsey)
農山漁村文化協会



応援感謝です!
人気ブログランキング



一晩で変わる考えなら、初めからするな野田! 二者択一、米国vs財務省

2011年11月11日 | 日記
国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策 (講談社現代新書)
中野 剛志
講談社



応援感謝です!
人気ブログランキング



一晩で変わる考えなら、初めからするな野田! 二者択一、米国vs財務省


 野田がTPP交渉参加表明の国内記者会見を10日から11日に日延べした。表向きの理由は、党の提言に熟慮・配慮した姿勢を出したいと云う事だ。まぁ、ハワイAPECの飛行機に飛び乗る直前に「失われた日本経済20年を回復する絶好のチャンスと判断した」とトンデモナイ熟慮の結果を表明する可能性は60%だ。10日の表明延期には、11日衆参両院予算委員会で行われるTPP集中審議において、“参加表明”と云う旗幟鮮明な状況で迎えたくないテクニック的も考慮されたに違いない。予算委員会で徹底追及の積りだった野党は肩透かしを喰らい苛立っている。

 亀井も怒っているし、閣僚にも動揺は拡がる。参加表明にせよ、先送りにせよ、どちらを選択しても、野田佳彦の決断力のなさが表面化する。小沢の「政府にちゃんと米国と交渉できるやつはいるのか? しっかりと交渉できるヤツがいなければ駄目だ…」と云う事だ。交渉能力なしに交渉のテーブルにつく決断は決断と言わない。真紀子様ではないが自殺行為である。“決断しない政治人生”を歩んできた野田にとって、初めての決断が“進むも地獄、留まるも地獄”なのだから、それこそ地獄に違いない。ハワイで歓迎されれば、帰国後には倒閣の火種が永田町の彼方此方に点在、安定政権運営は望めない状況が待っている。苦心の党内融和頓服人事も胡散霧消する。3次補正の審議中に4次補正に言及する始末になっている。12月には訪中が待っている。訪印も待っている。米国依存の旗幟を鮮明にして、中国、インドとニコニコ外交は虫が良過ぎるだろう。しかし、米国の脅しは半端ではない。交渉参加表明しなければ、ハワイから無事に帰国できない恐怖さえあるのだろう。まぁ、望んで総理になったのだから、己の裁量で判断するしかないのだ。好きにしてくれ。   

 野田政権の周辺から流れてくる情報、多くは官邸記者クラブだろうが、悉く外れ記事を書いて平気の平左だ。「誰が言ったとは言えないけど、たしかに言ったんだよ。だから、どの社も一緒に間違っているでしょう?僕らの仕事は社会の木鐸じゃなくて、通信社に徹していますから。ヘヘヘ」と云う状況だろう。その場その場、官邸にとって都合のいいシナリオが描かれ、悉く外れると云う茶番政権になっている。   

 考えてみたら、直ぐに判ることだが、TPP交渉参加表明でAPECを乗り切れば、帰国後には倒閣の嵐に遭遇する。来年の通常国会で消費税増税なんて話は、“おととい来やがれ”って按配だ。今の野田君の決断はTPP、つまりアメリカを選択し、最大のバックボーン・財務省をコケにする選択でもあるのだ。見出しのように、日本の総理とは思えない苦渋の選択で悩んでいるのだ。米国か財務省?本当に考えたらトンデモナイ総理と云う事だ。民主党自体への心配でもなく、国民への心配でもなく、国家への心配でもなく、米国か財務省?呆れ果てる限度を超えている。

 とまぁ、国内政治も混沌としているが、野田のTPP交渉参加がどちらに転ぼうと瑣末な出来事。小沢一郎が暫く表立って動かないのを良いことに、民主党Bも戦略を練ったのだろうが、明らかに小沢一郎の繰り出す糸が見えている。流石に、今までの教訓が生きているのだろう、正々堂々と云うものではないが、“蛇の道はヘビ”弘中弁護士に諭されたかもしれない。(笑)今後は、小沢一郎が民主党内での復権を考えるか、面倒だが新党含みで“仕切り直し”を決意するか、その考え如何で、選択は変わるのだろう。筆者個人は、“民主党”の看板を背負って次期国政選挙で勝てる可能性は限りなくゼロに近くなっているような気がする。まぁ小沢一郎は粘り強いから、筆者のように短絡な考えに落ち着かないだろうが、ぐるぐる考えた末に、そのようになって貰いたいものだ。

  今日の何時に野田君が会見をするかどうか判らんが、取り敢えず、その第一声を愉しみにしようではないか!


イスラエル (岩波新書)
臼杵 陽
岩波書店



応援感謝です!
人気ブログランキング



低姿勢、新種のファシズム野田政権 小沢は判決前に動くか?黙認か?

2011年11月10日 | 日記
日本人が知らないアメリカの本音
藤井 厳喜
PHP研究所


応援感謝です!
人気ブログランキング



低姿勢、新種のファシズム野田政権 小沢は判決前に動くか?黙認か?   


 NYダウが一時300ドル超の安値を付けた。ギリシャに続きイタリアの国債利率も7%に達した。国家が発行する国債のデフォルト危険水域が利率7%なのだから、世界的国家財政破綻の恐怖が近づいている。野田首相がTPP参加表明でオバマの大統領再選の側面支援など焼け石に水のような世界の経済情勢だ。ギリシャ・イタリア国債を大量に抱えるフランスへの飛び火はユーロ圏の崩壊にも直結している。いくらドイツ経済が好調だからといって、予断は許さない。   

 APECの話題がTPPどころではない程に世界同時の“国債安”や“株安”が起きる可能性も出てきた。逆な見方をすると、オバマ再選のプロパガンダとしてAPECが利用されるのを忌避する勢力が、激しく相場を操っているのかもしれない。一時、APEC開催時に世界恐慌の兆しでも出てくれば、米国もTPP云々に費やす余裕はなくなるかもしれない。自由貿易どうこうで誤魔化す政策は隔靴掻痒と断じて貰いたいものである。   

 現時点では、野田首相は慇懃無礼、平身低頭な美辞麗句を並べたて予算委員会を乗り切っているが、TPPに関して、交渉参加を表明してテーブルにつけば“交渉する余地あり”と国会で嘘をついているようだ。或いは、本当に交渉の余地があるものだとブリーフィングを受けているのかもしれない。マスメディアの報道は総じて意味が不明である。ただ、10日の表明に際し、マスコミ憶測記事が全面的に捏造だった、と云う可能性もゼロではないと思っている。

≪ TPP交渉参加「慎重に」判断を…民主提言決定
 民主党は9日、経済連携プロジェクトチーム(PT、鉢呂吉雄座長)の総会を国会内で開き、環太平洋経済連携協定(TPP)の日本の交渉参加に関する提言 を決めた。 提言は、党内に慎重論が多いことを指摘したうえで、野田首相に「慎重に判断することを提言する」とした。首相は交渉参加に踏み切る方針を変えず、12、13の両日に米ハワイで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議への出発を前に、10日の記者会見で参加を表明する方針だ。
 提言は「より幅広い国々と高いレベルでの経済連携を戦略的かつ多角的に進めていく」と経済連携の必要性を強調する一方、「PTの議論では『時期尚 早・表明すべきではない』と『表明すべき』の両論があったが、前者の立場に立つ発言が多かった」と慎重派に配慮する表現が盛り込まれた。≫(読売新聞)   

 民主党PTの意見は交渉参加に慎重論が優勢だったので、その辺を考慮した首相の判断を待ちたい、としたようだが、野田首相は交渉参加を表明すると、何処のメディアも断じている。党の意見集約を無視しても交渉参加だ、と云うのが野田佳彦の答えだと云うのだ。議院内閣制のメカニズムが日本の政治から失われた瞬間かもしれない。党所属議員の多くが反対だが、内閣総理大臣の独断で協定に参加すると云う事だ。これでは政党の意味すら半分消えている。逆に見れば、もう野田・仙谷・前原・岡田等は民主党など、どうでも良いと思いはじめたのかもしれない。どうせ、選挙を経ていずれ野党になるのだから?   

 野田は予算委員会において「不安や懸念に応えるため、これまでも情報収集に努め、必要な説明をしてきた。さらに説明責任を果たしたい」、「日本の誇るべき公的医療制度を壊すようなことまでして何かを進めようという気持ちは全くない」等々と、何か交渉余力がタップリの発言に終始したが、それなりの確信があるのだろう。おそらく、米国との“TPPに関する日米密約”が野田政権とオバマ政権の間に存在すると考えるのが妥当だ。   

 “TPPに関する日米密約”なしに、野田首相が党内の提言無視で、確信的に“交渉参加”に突っ走る姿は不自然だ。自民党政権時であれば「政権が持たない」と云う表現で辞退する政治状況だ。或いは死ぬほどアメリカが大好きで、国富も国民も犠牲にしてでも、“アメリカについてゆきます、捨てないで!”と縋りつく小太り醜女と云う事だろう。 あきらめ切ったギリギリで、参加交渉をもう一度熟議の上でと表明して、支持率アップなら、高度な政治力ありと云う事になるのだが、望む薄だろう。  

 この小太り醜女が万が一にも“心がわり”しない為に、アメリカ様も念には念を入れている。保守右派新聞・産経だけが報じているが、それがアーミテージの野田訪問だ。ジャパン・ハンドラーズと呼ばれる連中の頭目アーミテージ、安保マフィア、経済マフィア、CIAが勢揃いで、直接官邸に乗り込み、野田に「フラフラするんじゃないぞ!決められたように行動するのが身のためだ」と釘を差されたとしか思えないタイミングだ。TPPは話題にも上らなかった、と云う事はTPPが話題だったのだろう。(笑)   

 野田政権と云うもの、菅政権同様に政治基盤虚弱政権だけに、政治力以外のものに縋ろうとする政権なのだ。故に、官僚であり、経団連であり、米国と云う事になる。おそらく“TPPに関する日米密約”の中身を想像すると、米国は農業分野以外は、数年話題にも上らぬ状況を提供するので、その間に政治基盤を盤石にして欲しい。農業以外の分野は、出来る限り日本側が改革したい分野から優先的にTPP俎上に乗せてやる。多分、その密約があるので、反対派・慎重派の議員達を「お化けに怖れている」とか「宗教のようになっている」等とニヤツキながら評論するのだろう。野田にしてみれば、TPPと云う外圧を利用して、改革が進むなら、最終的に国民を裏切る事にはならない、と信じているのだろう。   

 そして、その“TPPに関する日米密約”は見事なまでに反故にされる。密約を反故にされても、公式な抗議の道はない。小沢が動きにくい状況に追い込んでいる内に、すべてを片づけるが民主党Bの戦略のようだし、アメリカの戦略と合致している。ただ、小沢一郎が動きにくいのは、野田が内閣総理大臣で裁判所への裏指揮権が使える行政の長であるが故なのだから、野田が総理でなくなる状況があるなら、その時は一気に動けるとも言える。   

 年内にそのような政治状況が生まれる可能性は低いが、足場となる新党を年内に立ちあげる可能性は大いにある。APECで野田がTPP交渉参加表明で凱旋気分で帰国時に、小沢勢力と気脈を通じる10から20人程度が大義を持って新党立ち上げに動く可能性はある。筆者は、新党だと過激なので、“国民新党”入りなんてのもお洒落な戦略だと思っている。その為だと思うのだが、『自由民主党・無所属の会、公明党、社会民主党・市民連合、国民新党・新党日本、国益と国民の生活を守る会、無所属の6会派の議員提出議案として、APEC の場での「TPP交渉協議への参加表明」に反対する決議案』に小沢派がこぞって署名をしていない点が意味深だ。ワクワクするね。(笑)


国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策 (講談社現代新書)
中野 剛志
講談社



応援感謝です!
人気ブログランキング



銭ゲバがTPPで悶着している間に、世界は第三次世界大戦、東西冷戦構造再構築

2011年11月09日 | 日記
ルポ 貧困大国アメリカ II (岩波新書)
堤 未果
岩波書店



応援感謝です!
人気ブログランキング



銭ゲバがTPPで悶着している間に、世界は第三次世界大戦、東西冷戦構造再構築


どうも野田君のハワイAPECにおけるオバマ大統領へのゴマスリ戦術が宙に浮いてきたようだ。あのNHK大越のTPPに関する解説トーンダウンしてた。朝日新聞の社説での煽りにも関わらず、仙谷の喧嘩腰に関わらず、前原の口先三寸に関わらず、経団連の倫理観欠如の米倉爺の「TPPノーなんてあり得ない」キーキー発言等々を総合すると、国会や世論における情勢は推進派敗北濃厚だ。しかし、それでも野田君が政治的決断だと言って、オバマに交渉参加を伝えるかもしれない。

 そう米倉経団連会長と云うか、住友化学会長である銭ゲバはオリンパス粉飾隠し問題で、「経営トップが高い理念をもってあたるのが企業経営の本質。トップの倫理観がそれほど高くなかったのではないか」と、ぬけぬけと言い放った。最も企業倫理、否、人間としての倫理に欠けた銭ゲバ爺に「倫理に欠けている」と言われたら、こりゃオシマイだ。(笑)己の企業は何様だ!ベトナム戦争で枯れ葉剤を撒き散らし、ベトナム国民を奇形児の誕生など、黄色人種人権無視戦略の米軍に貢献した悪の枢軸・遺伝子組み換え食品製造のボス、米国グローバル企業モンサント社と長期提携契約を結び、大規模農法とヘリコプターでベトナムで枯れ葉剤を撒いた要領で、農薬バラマキ、農産物を工業生産化し、銭儲けを企てているのは住友化学ではないか!オマエの会社だよ!ボケ爺米倉!

 最近は日毎夜毎怒りだす材料に事欠かないのだ、他人様の悪口ばかり言っていると池田信夫と間違われるのは恥なので、やめておこう。(笑)さて今夜の本題に入ろう。陰謀論ではないが、現在の米国の状況は、どうもすべてが閉塞に追い込まれつつあると観察せざるを得ない。野田君が、筆者が以下に述べるような問題まで理解した上で、TPP交渉参加に前のめりになったとは思わないが、野田君の事は別にして、米国の立場で世界情勢を観ておこう。 拙ブログ、2010.10.01「CIA 影の実力者ナイ教授の日中尖閣諸島問題インタビュー」 2010.10.10「米国は冷戦構造の再構築に向かっている 小沢の選択も変らざるを得ない」、 で既に触れた事だが、現在は当時の米国のスタンスとは世界情勢の変化に合わせ、若干変わってきているようだ。

 中国との直接的関わりは、あまりに米中の貿易依存が顕著になり、またEUユーロ圏の通貨財政問題も勃発、欧米の共同歩調に暗雲が立ち込めている情勢で、米国債引き受けのバックボーン中国経済を失う事は非現実的になってきた。しかし、米国内の閉塞はオバマの力量でどうこう出来る問題でもなくなってきている。TPP交渉で日本が参加したとして、その富を収奪するまでには、5年、10年それ以上長期の時間が必要であり、当面の財政問題の解決には貢献しない。大統領選の一つの材料に過ぎないのが事実だ。おそらく、オバマ政権時にTPPによる果実を米国人に実感させる事は出来ないだろう。

 アフガン、イラクと戦争に明け暮れ、米国の歴史は内政干渉的戦争の歴史でもあった。「アイゼンハワー大統領の退任演説」(哲野イサク氏のサイト参照)ではないが、 米国の20世紀における世界的台頭、パックス・ブリタニカ(英ポンド)からパックス・アメリカーナ(米ドル)へ移行、東西冷戦の終結により、米国一国覇権が一時的に成立した。その米国覇権国家成立の過程で、軍産複合体と云うシステム・メカニズムが極めて有効に戦略的に機能した事実は大きい。アイゼンハワー自身も、その有効性を利用して大統領の職務を遂行したのだが、大統領の職を去り、一市民に戻るに際し、その軍産複合体の存在が、米国の国家、社会に過剰な影響力を及ぼすリスクに言及した。

 実は裏話だが、“軍産複合体”と云う表現は正確ではなく、軍・産業・金融・学界・議会・マスコミ・労組等々を含む国家組織、つまり米国を支配する国家システムに注意せよと警告を発していたのだ。なんだか、何処かで何度となく聞いた言説だ。我が国日本の統治システムそのものではないか。軍の部分が駐留米軍に置き換えれば、すべてが当て嵌まる。原発開発、神話の発生もまったくソックリだ。

 そうそう、多少横路に逸れたが、米国オバマ大統領の立場として、米国内の「オキュパイ99デモ」に象徴される雇用問題をどうするか、財政規律と経済成長のマジック両立をどうするか、頭が痛いと云うレベルではなく、不可能なレベルなのである。そうなると、閉塞のブレイク・スル―、再び戦争の二文字が頭をよぎる。国内問題の目を逸らさせる特効薬、戦争。今度は何処で戦争の火蓋を切ろうか?日中戦争を仕掛けるのは得策ではない。となると、シリアかイランだ。米国内の戦費調達が困難となれば、頼みはイスラエルだ。イスラエルがイランを攻撃した場合の世界的リスクが世界の政治リーダーの頭をかすめている。

  野田君にも、もしかすると、そのような米国の破壊的行動を抑止できるなら、日本の国民の富の多くを奪われても、すべてを失うより良いのではと云う忖度があるかもしれない。故に、ここはオバマ大統領の口内問題、輸出の増加と雇用創設に寄与しよう、と云うことかもしれない。筆者は、それでも嫌だがね。(笑)巨象は巨象らしく、潔く衰退するのが美である。パックス・アメリカーナの座から降りる事を直言するのが真の友人である。小沢なら、堂々とその点を主張するかもしれない。米軍駐留の撤退と100兆の米国債棒引き、否移転費用等々に50兆、米国武器購入に100兆位の取引もあり得るだろう。1000兆の財政赤字が1250兆になるだけだ。財務省解体で何とかなるだろうよ(笑)

 このような世界規模のリスクを察知したが故の中国の軍拡であり、ロシアの軍拡であり、プーチンの復帰と読むべきだ。多少は自らのシー・レーン確保もあるが、近視眼的解釈だろう。つまり、米国の動きが東西構造を再び再構築させようとしている。今度の場合、イデオロギーによる東西ではないので複雑怪奇だ。EU圏も米国と一線を画す。ASEANも一線を画す。ロシア、中国、インド、ブラジルなども一線を画す、奇妙な東西構造が出現する。日韓だけがポチで許される国際情勢は終焉している。もっともっと、規模が大きい。野田君の米国への矜持、外務省のポチと云うレベルの話ではない筈だ。その国家間を幽霊のようにグローバルに金融資本が動きまわる。

 こんなカオスな地球を制御できるヤツがいるのか?多分、どの国家も、どの指導者も解決できない状況に世界は入り込んだと云う仮説が成り立つ。予定では後30年生きる予定の筆者なのだが(笑)、いつまでも観ていたい様な、もう良い幕を閉じろと叫びたいような、酩酊な気分である。たしかに少々ロックのグラスを傾け過ぎたようだ。グッド・ナイト!

*PS:産経新聞によると、知日派(暴力団の集団)が野田君を脅しに来たそうである。よほどジャパン・ハンドラーズにとって、日本TPP参加はケイマン諸島と云う事のようだ。
≪ 野田佳彦首相は8日、ペリー元米国防長官やハムレ米戦略国際問題研究所(CSIS)所長ら米国の有力な知日派識者と官邸で会談し、「日米同盟強化は私にとって最も重要な責務だ」と伝えた。ハムレ氏によると、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)問題は話題に出なかった。会談にはシーファー前駐日大使やアーミテージ元国務副長官らも同席した。≫(産経新聞)


恐るべきTPPの正体 アメリカの陰謀を暴く
浜田 和幸
角川マーケティング(角川グループパブリッシング)



応援感謝です!
人気ブログランキング



政治への無関心・無知が日本を滅ぼす 放射能と同じ、被害は5年、10年後だ

2011年11月08日 | 日記
新・現代思想講義 ナショナリズムは悪なのか (NHK出版新書 361)
萱野 稔人
NHK出版



応援感謝です!
人気ブログランキング



政治への無関心・無知が日本を滅ぼす 放射能と同じ、被害は5年、10年後だ


 マスメディア各社のTPPへの世論調査の数値にせよ、来年法案の通過を狙っている消費税増税にしても、仮にマスメディアの調査が正当に行われているとしたら、日本の国民が、その時、世論調査で問われたテーマについてどの程度の情報を得、その情報を踏まえて判断しているか、そこが問題なのだろう。

 TPPなどは、関係省庁の官僚でさえ不確かな情報しか持ちえず、国会議員も不確かな情報の下に動き、マスメディアも聞きかじりで実しやかな記事を書いている。早い話、筆者を含めて、推測の域を抜ける事ない状況でイエスノーだと言っているに過ぎない。トンデモナイ協定に入るプロセスだと云う点だけは明確だが、それ以上は“見てのお楽しみだよ!”と客引きに遭っている酔客同然なのだ。ハッキリしている事は、米国が日本の参加を強く希望している、と云う点だけだ。

 現時点で明確な点、歌舞伎町をそぞろ歩く酔っ払い野田に、羊の皮を被った客引きが“旦那、経済成長せにゃイカンでっせ!”、“な~に、覗くのも椅子に座るのもタダでっせ。嫌なら、出ちゃえば良いだけ!”、“旦那頼みますよ、ここは俺の顔立ててさ、入るだけ入ってよ!”そういう状況だと云う事だけは事実だ。中身については、色んな事が言われているが、推進派はTPPの縛りを矮小化し、反対派は過剰に評価している。つまり、判らないのだ。

 原発事故の放射能汚染状況、放射能による人体への影響の判断や、放射能に関する各種基準値等々も、原発推進派は過小評価しするし、反対派は大袈裟に語る。そのどちらが正しいかは、10年後には判明するだろう。勿論、その間被害を受けるかどうか、一定の範囲以上は自己判断に委ねられている。本来、そんな馬鹿げたことがあってはイケないのだが、それが我が国である。否、他の国であっても、似たような方針を国家が示す可能性はある。

 考えてみると、税金の問題にせよ、日米との関係にせよ、原発問題や放射能の影響にせよ、対象となる項目は社会保障、安全保障、電力、国民の生命等々異なるが、その問題の核心には経済的合理性であるとか、マネーの損得が常に鎮座している。資本主義の国に生きているのだから、一番大切なのはマネーだろう?何処が変だと言うのだ。変だと考えるオマエが変なだけだ、と云う理屈もあるのだろう。

 たしかに、資本主義であろうと、社会主義であろうと、人間が生きる為に必要な最低限のマネーは必要に違いない。所謂、衣食住の文化的最低限度生活の保障が国家の役割である事は判る。或る意味で、人間が動物と云う範疇で囲い込まれた場合の生命維持と云う事だろう。しかし、そこからの人間として、日本人として、アジア人として、人類として等々と考える場合の付加的マネーの思考の原点は何なのだろう?

 筆者が思うには、そこから始まる思考こそが、人間であるかどうかの分岐点なのではないかと考えている。そこから先を思考する為に、思想文化伝統、歴史、民族意識、哲学、宗教、社会学等々が思考の背景に存在するのだと思う。それら思考のバックボーンを端折って、得だ損だ、マネーだと口角泡を飛ばす日本の識者でありマスメディアだが、なんだかトテツモナク虚しい上滑りな議場で演説を聞かされている気分だ。

 筆者のコラムとて、生意気なことが言えないくらい損得が基準になっているが、たまには、そのような気分で、物事を考えてみる時間を持たないと、腐ったリンゴになって行きそうだ。思想文化伝統、歴史、民族意識、哲学、宗教、社会学等々の思考のバックボーンと真実に近い情報が並んで初めて、人間は一定の思考が可能なのだと思う。

 思考のバックボーンは個人の問題であり、トヤカクは言えない。そんな面倒な事は考えたくない、兎に角裕福に幸せに暮らしたいのだ、と云う人々もいる。このような人々を愚民と蔑んでも物事は解決しない。 思考のバックボーンは難しい事を抜きにすると、家庭の教育、教育機関における教育、そして社会自体の教育なのだが、此処を語り出すと、尽きる事がないと同時に、途中で脱力感に襲われる。流石の筆者も、この教育の部分には触れないようにしたいと思っている。(笑)それ程、あらゆる意味で教育とは容易な事ではないのだ。筆者としては、せめて情報だけでも、より正確なものを入手して、それぞれがそれなりに判断できる程度の民主主義における民意を表現して貰えたらな、思うわけだ。

 そのような努力が報われる時代になって来ているのだから、20年、50年前の一方的情報社会ではない。故に、知らなかったと云う言い訳は成り立たない。民主主義国家に生まれ育った以上、知る権利の前に、知ろうとする義務があり、主権者国民には常に、権利の前に、常に義務がある。政治や社会に無関心、乃至は無知である事は、結果的に文句を言う権利を放棄することであり、後日、くどくど泣言を言う事を恥じるべきである。

 法も無知を許さずと同様に、国民が政治に無知であったから、政治に対して責任を取らなくて良いと云うものではない。最終的には、政治的無知が国家を滅びの道に導くことになる。戦争に突入する場合もあれば、外国資本が自国の経済を牛耳る時代が来て泣きだしても、それはすべて、その国の国民が選択した事である。自由の結果は、常に自分で落とし前をつけるのが自由主義だ。

 税にせよ、TPPにせよ、放射能にせよ、最も考えなければならないのは、20、30、40代の国民だ。あなた方が政治に無関心でニヒルに言い捨てているうちに、あなた方の生きている国家が、何処に向かって走っているのか、考えるべきだ。考え行動すれば、世の中は変わる。日本を支配するシステムは論理的に堅固だ。しかし、その中で最も流動性と脆さを持つ部分が政治だ。筆者は正直、あなた方の奮起を促したい。多くの被害を受けるのは若い世代なのは間違いがない。奮闘を祈る。


政治無知が日本を滅ぼす
小室直樹
ビジネス社



応援感謝です!
人気ブログランキング


西岡議長の突然の死 小沢が朋友を失い、民主Bが利 、疑いたくもなる

2011年11月07日 | 日記
CIAと戦後日本 (平凡社新書)
有馬 哲夫
平凡社



応援感謝です!
人気ブログランキング



西岡議長の突然の死 小沢が朋友を失い、民主Bが利、疑いたくもなる



  党人派政治家の西岡参議院議長の突然の死を、筆者は心から惜しみ哀しむ。小沢一郎の朋友を失ったことも、哀しみ憂う理由でもある。筆者は特に陰謀論などに強く興味を持たないタイプだが、マスメディアが西岡武夫参議院議長の突然の死を、あまりにも坦々と伝える姿勢に、幾分違和感を憶えていた。その上、ネジレで国会運営が覚束ない参議院の後任議長に、直嶋正行元経済産業相と北沢俊美前防衛相の名が取り沙汰された事で俄かに気分が悪くなった。あまりにも、民主党B学級委員会に都合の良過ぎる西岡氏の死じゃないか!と云う気分である。

 党人派政治家とはウィキペディアによると 
≪官僚、軍人、皇族等の出身ではなく、生粋の政党員である政治家を指すカテゴリー。日本では、主に保守政党(現在では自民党)で、官僚出身者である官僚派と並ぶ二大勢力として扱われることが多い。  明治政府が成立した初期は、薩長の藩閥出身者が、政権の大半を占めていた。その後、藩閥の影響下にある官僚出身者と、自由民権運動に端を発する政党出身者が政権に加わるようになり、前者を官僚派、後者を党人派とする用語が生まれた。軍部が台頭すると、軍人政権が多数を占めたが、第二次世界大戦に敗北すると、軍そのものが解体され、さらに公職追放によりその他の人材も大量に追放された。吉田茂は、代わりの人材としてみずからの出身母体である官僚から大量に登用し、後に公職追放から復帰した鳩山一郎などの党人派と対置されるようになった。  前述のように、戦後の自民党では「党人派」の典型は、戦前の政党政治以来のキャリアを持つ、地方議会からの叩き上げ議員といったイメージだが、主として官僚派と対置されるカテゴリーであるため、官僚や財界ではなく、党組織で政治家としてのキャリアを築いてきた代議士を漠然と指すことが多く、60年代までの総裁選では党人派とされる政治家たちが、官僚系を中心とした勢力に対して連合し、総裁選に臨むことが多かった。なお、純粋な意味で党人と言える、党専従職員として自民党に採用され、その後に政治家となった者は極めて 稀である。  55年体制下の野党ではあまり使われない用語だが、かつての日本社会党や民社党などでは、地方議員出身者や、党職員出身者などを労働組合出身者と区別する意味で党人派と呼んだことがある(両党には、官僚出身者も少数存在した)。  また、日本共産党は、党職員から議員になる比率が高いが、彼らを指して党人派と呼ぶことはない。≫(ウィキペディア)と云う事だ。鳩山由紀夫、小沢一郎は完全な党人派政治家である。

 夕刊フジが或る程度詳しく西岡武夫参議院議長についての記事を配信しているので、参考に掲載する。
≪ 西岡参院議長が急死…75歳、肺炎で
 小沢一郎の盟友 西岡武夫参院議長が5日午前2時25分、肺炎のため、都内の病院で死去した。75歳だった。民主党の小沢一郎元代表(69)の盟友として知られ、 先月27日から産経新聞1面で「決断」というコラムをスタートさせ、野田佳彦首相(54)に国難に当たる覚悟を求めたばかりだった。
 西岡氏は口内にできた帯状疱疹(ほうしん)の影響で、先月21日召集の臨時国会の開会式に欠席。関係者によると、西岡氏は今月中旬以降の復帰に向けて、療養を続けていたが、帯状疱疹で食事が十分に取れず、体力が落ちていたという。 
 西岡氏は1936年、長崎市生まれ。早稲田大学では、雄弁会の代表幹事を務めた。在学中から、父・竹次郎氏が創刊した長崎民友新聞の経営に携わり、卒業後に長崎日日新聞社と合併させ、長崎新聞社を発足。論説委員などを務めた。
 63年の衆院選挙に無所属で出馬し初当選、自民党の追加公認を受ける。76年には、田中角栄元首相のロッキード事件を批判して、河野洋平氏(元衆 院議長)らと「保守政治の刷新」を掲げて新自由クラブを結党し、幹事長に就任。80年に自民党に復党し、88年発足の竹下内閣で文部大臣として初入閣した。 
 93年に「政治改革」を実現するため自民党を再び離党し、翌94年に小沢氏らとともに新進党結党に参画する。自由党を経て、2003年に民主党合流に参加するなど、後半生は小沢氏と行動をともにしてきた。 
 歯に衣着せぬ言動で知られ、昨年7月の参院議長就任後、西岡氏は史上初めて議長による記者会見を定例化させた。  今年6月には、記者会見で「所感」をまとめた文書を発表、東日本大震災の復旧や被災者救済より民主党の存立を優先させる菅直人首相(当時)に対し 「怒りを抑えることはできない」と糾弾、退陣論を展開した。 
 菅首相退陣後を受けた8月の民主党代表選では、小沢グループが「挙党態勢構築や政治の安定のためには、参院から代表を出すのが好ましい」として、 「西岡氏擁立」で最終調整を進めていた。記者会見でこの件を問われると、西岡氏は「うそ~? 本当? 私の耳にきませんね。届きませんね。ふ~ん。それは 初耳」と、記者団を煙に巻いていた。≫(夕刊フジ)

≪ 西岡氏が残した“野田政権への遺言”
 5日、死去した西岡武夫氏は10月27日付の産経新聞で、1面コラム「決断」を執筆。日本が抱える政治的問題を明確にまとめ、現政権に対して“遺言”のように覚悟を促していた。
 「福島第1原発で起こった出来事は、現政権が考えているような生易しいものではない」 厳しい言葉に続き、複雑な税制に関する話では、焦点を絞って問題点をはっきりあぶり出した。
 「今、税の問題で論ずべきは、年金給付の財源をいかに確保するか。そして基礎的財政収支をとったとしても、なおそこに残る付加的年金をどう確保するか。さらに年金基金に余裕を持たせるための手当てをどこまでできるのか。これがすべてであって、このことのみに尽きる」
 首相の果たすべき責任に対する考えは厳格で、国の重要政策を議論する国家戦略会議の設置を閣議決定したことを「首相の孤独な決断を民間の有識者に責任分担させるべきではない」と痛烈批判し、「閣議決定の取り消しを求める」と迫った。
 「首相のトップリーダーとしての明快な姿勢がある限り、日本の未来はいかなる局面においても閉ざされることはない」 野田佳彦首相はこの“遺言”をどのように受け止めるか。≫(夕刊フジ)

 筆者は西岡の死が小沢に与える影響を僅かながらに心配している。小沢が自由党結党以降、政治人生の後半を共に過ごした中である。党人保守本流民族派と云う意味でも、同志を失ったことになる。政治権力闘争における歯車の一つが抜け落ちた点も見逃す事は出来ない。ただ、打たれ強く、危機対応に優れた政治家と云う点で、小沢一郎は西岡の死を乗り切るに違いない。

  ただ、あくまで筆者の妄想だが、西岡氏の死が、あまりにも民主党B学級委員会に都合のいい議長交代のチャンスが訪れたと思わざるを得ない。7、8日には北沢、直嶋のいずれに決まるのだろうが、これで野田の人事は一段と強化された。勿論、この民主党Bの連中に、高度な工作をする器量などないわけだし、勇気もない。そうなると、野田政権がTPP推進や消費税増税を推進し易いように偶然的側面支援に動いた勢力がないとは断言できない。西岡氏は野田にとっても、決して協力的政治家とは言えないからである。菅直人もぼろ糞に言われていた。

 西岡氏の普段の体調がどのような状態にあったか知る由もないのだが、菅直人を糾弾していた7,8月までの様子を知る限り、明らかに体力的に衰えていたとは言い難い。たしかに、帯状疱疹が口中に出来てしまったのはついてなかった。まして、その帯状疱疹が三叉神経の第2枝・上顎神経にまで影響し、目の下-頬-上唇-上顎の口腔内の知覚神経を冒したとなると、それは死ぬほどの痛みだったろうし、飲食などあり得ない話だ。過激な痛みで知られる病気が二つ重なる悲劇は滅多に起きるものではないだろう。幾ら帯状疱疹がウィルスによる悪戯だとしても、免疫も関係しているので、ウィルスを意図的に罹患させるのも相当無理な話なので、陰謀説に傾くことは避ける。

 おそらく、激烈な痛みで咀嚼も嚥下も不可能に近い状態で、何らかの食事を頑張って取ろうとしたのだろうか。筆者はそこに重大な選択ミスがあったような気がする。そのような咀嚼嚥下障害が出たら、本来医者は栄養剤の点滴で当面の処置をするものと考える。帯状疱疹に起因する三叉神経痛なので、帯状疱疹の痛みの鎮静により、多くは三叉神経の痛みも消失する。長くても1カ月の間、点滴で凌ぐべきであった。

 嚥下障害は、70歳を超えた人間では、気管への誤飲が多発し、肺炎を起こす事は常識化している筈だ。事前の抗生剤投与も医者の務めのような気もする。虎ノ門病院に入院したのは、いつなのか知らないが、病院に入院中に肺炎を起こしたと云うより、肺炎の症状が出てから急遽入院したのだろうか。だとすると、その間誰が参議院議長公邸で西岡を診ていたのだろうか?仮に、入院中にそのような症状の患者に口から食事をとらせたとすると、病院の責任も出てくるだろう。筆者なら、西岡氏の状態まで至っていたら、55歳でも口から飯など食わない。「点滴しろ!」と叫ぶ。高齢者の多くが、その栄養補給方式で1、2年生かすのが今の医療なのだから、1カ月で死ぬ事はあり得ない。まして西岡氏は未だ75歳で、充分体力がある。ただ、間違いなく死ぬほど痛いだけだ。筆者の疑問を氷解させてくれる、西岡病状の詳細はまったく伝わってこないのは、嫌な気分だ。


テロとインテリジェンス―覇権国家アメリカのジレンマ
福田 充
慶應義塾大学出版会



応援感謝です!
人気ブログランキング



来年の今頃 民主・自民分裂、第三の政党が出来ていないと日本沈没

2011年11月06日 | 日記
ドル終焉 -グローバル恐慌は、ドルの最後の舞台となる!
浜 矩子
ビジネス社



応援感謝です!
人気ブログランキング



来年の今頃 民主・自民分裂、第三の政党が出来ていないと日本沈没



 今日は総体的に日本の政治勢力図を考えてみようと思う。勿論、ざっくりとした印象ということだ。今もっとも政治課題でヒートアップしているのが“TPP”への交渉参加問題だ。最終的には無知蒙昧な野田君の“政治決断”だと云うのだから、なんとも怖ろしい話である。

 とは言うものの、野田君が内閣総理大臣である限り、その“政治決断”は総理の権限なので如何ともし難い。“TPP”への交渉参加は、小泉政権時代の米国からの“年次改革要望書”の強圧版と云う事だが、筆者を含む“反TPP派”が考えている事は、“日本の社会制度が外国の意向で、本質的に変えられてしまう”、“日本が独立国としての自主権を失う”、“自由貿易だと言うが、米国が自由で日本は不自由な協定だ”、“米国支配を強化する何ものでもない、隷米強化か”等々なのだ。

 ところが、TPP推進派は、「だから良いんじゃないか!米国の外圧を利用して、手を焼いていた、国内の制度改革が出来る。米国に寄り添って、夫唱婦随のように生きるのが日本の宿命じゃないか。オバマに恩を売り、自国の改革も出来るのだから一挙両得、ウィンウィンなんだよ。」と云うのが本音だろう。つまり、民主党Bは政治主導を完全に放棄し、他人の所為(外圧)で、出来なかった国内の改革に手をつけようと、本気で考えているようだ。官僚もと云うか、官僚が菅や野田君に、そのように知恵を授けたと云う事だ。

 たしかに、日本の政治主導の欠如を補うために“外圧”(米国の意向)で国内の制度を改革してきた歴史が我が国にはある。それは明治以降連続的に続いていきた、政治行政の性癖である。その“外圧改革手法”は時に上手く行き、時に改悪になっている。ただ、そこに携わってきた政治家にせよ、官僚にせよ、日本の国家国民と云う一定の概念が備わり、弱腰であっても矜持を持ちながら、交渉に当たる知恵と勇気が最低限あったという面がある。ところが、野田民主党政権、及び現在の官僚組織に、そのような気概が存在するかと問われれば、まったく欠片さえもない。だから駄目なのだ。

  彼等に交渉能力が欠片でもあるのなら、“外圧を利用し、国益に沿う改革”もゼロとは言わないが、とても交渉能力があると思える実績も言動も器量の片鱗も見たことがない。彼らが交渉のテーブルにつけば、想像外の参入障壁問題を突きつけられ、金魚のように口パクパクの風情で、首を縦に振り続けるだけだろう。玄葉の目玉などは二度と眼孔に戻らない程飛び出すに違いない。自らのビジョンと意志と行動力で、自国を改革出来ない政治集団に政治を任せる事は出来ない。学級委員会政権に国家の命運を任せる程、日本の国家が劣化したとは思いたくない。せめてその位の希望は残しておきたいものだ。

  “TPP交渉参加”、“社会保障と税の一体改革”この二つの重大な国家の方向性の誤りだけで、充分倒閣に値する。しかし、単に内閣の倒閣だけで問題は解決しない。民主党を構成する半分の政治家が血の出る様な政治主導から逃れる道を選んでいる。そして、官僚との蜜月と米国への追随で、日本は生きるしかない、と戦意喪失の体なのだ。今や、“政権交代”の意義はすべて焼失した。自公政権以上に、隷米で隷官な政党が政権の座に居るに過ぎない。

 我が国の政治選択は相当煮詰っている。それを大雑把に括れば、「対米従属派VS対米自立派」の権力闘争の時代に突入したのだろうと考える。このような機運が生まれた要因は、小泉構造改革により隷米で日本人の格差社会が顕著になり、大企業、それも輸出関連企業と大手金融だけが甘い汁を吸い、国民の生活は置き去られた。そのような政権は長持ちした。米国の闇のチャチャが入らなかったからだ。しかし、そのことで、我々も多少学習をした。当然、政治家も学習くらいしているだろう。小泉以外の政権が短命に終わった原因の多くは、対米姿勢だけに集約されているのは事実だ。

  あくまで筆者の勘に過ぎないが、ここ一年が我が国の将来を決定する正念場なのだと思う。対米従属で我が国が平和と繁栄が得られるのか、アジアと共存し、アングロサクソン・キリスト教文化圏に一定の距離を置くのか、重大な選択が迫られている。その選択の為には、現在の政党の枠組みは、時代錯誤と言っても構わない。民主党は完全にAとBに分離している。自民党も3っくらいに分離している。そのたの政党も、この二大政党の分離の中に集約は可能だ。分離出来ないのは政党の性格上、共産党と公明党だけだ。

 もう状況は充分に煮詰まった。野田内閣の、TPP交渉参加と消費税増税法案が、政界再編のターニングポイントにならざるを得ない。否、そのポイントを見逃すと、米国追随から抜け出せず、ズルズルと日本は米国資本の食い物なになり、ケツの毛まで毟り取られ、吐き捨てられるだろう。そして、50年、100年後には中国に売り渡される最悪の結果も見えてくる。米国の凋落が、ここまで見えているのに、愚かな選択を嬉々として選択する政治家や企業人は、明らかに国賊、売国的である。



人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか
水野 和夫
日本経済新聞出版社



応援感謝です!
人気ブログランキング



野田は逆撫でがお好き 既得権益が好物で“世代間闘争”の火種撒く

2011年11月05日 | 日記
さらば財務省! 政権交代を嗤う官僚たちとの訣別 (講談社プラスアルファ文庫)
高橋 洋一
講談社



応援感謝です!
人気ブログランキング



野田は逆撫でがお好き 既得権益が好物で“世代間闘争”の火種撒く


  昨日のコラムで野田佳彦のことを“ 売国行為にフルスロットル、まるで国家破壊工作員の如し”と表現したが、どうも間違いではないようだ。それにしても、相当に変だと思わざるを得ない点が多々ある。やっている事、原発再稼働、原発輸出、TPP交渉参加、消費税増税…。これらすべては、国会議員の命運を決定する民主主義の原点、選挙に負けることを意味している。つまり、政権交代を漸く成し遂げた小沢・鳩山民主党を消滅させようと行動している、と分析しても間違いではないだろう。

 昨日も推測したことだが、戦争の体験等による日本の苦節を知っている60歳以上の政治家を排除し、敗戦による日本人の苦しみ、挫折、悔しさ、怨念等々を肌で知らない「戦争を知らない、記憶もない世代」世代に政治家たちで、日本の政治をやり直そうと画策しているようにさえ思える。政治世界で「世代間闘争」を演じようとしているらしい。米国文化を身体の芯からエンドロゲン・シャワー(テストステロン)を浴びた世代に任せてくれと言っているようだ。

 ここ数日、多少説明不足のコラムを連続的に書いているが、そういう意味で、民主も自民も既存政党の枠組みでは御しがたい重大な出来事が、今の日本で起きている予感を感じると言う事だ。その世代間闘争の政策は、音もなく臭いもなく、当然姿も見せずに放射能の如く、我々に迫っている。筆者も団塊世代の最期の方に位置している世代なので、実は他人事ではないのだ。

 たしかに、我が国の人口構成を眺めていると、悪魔の囁きが耳に届く。“この真ん中のデッパリが削れれば良いんだよな” “殺すわけにはいかないけど、永く生かさない手はあるだろう”。当然、そのような事を考える連中は、“俺達には国家公務員共済会があるからさ”とか“金あるからさ、混合診療で高度医療を受け、綺麗なネイチャンに看護して貰おう”と云った具合なわけで、痛くも痒くもないのである。団塊世代の国民を長生きさせたら、国家は破綻する。これは官僚達なら、戦略的に考えるに違いない。

 彼等は、このような戦略の存在を、真っ向否定するのは当然だ。まさかTPPで医療崩壊と60歳上が有する資産を、国家財政に循環させる方策で、目に見えないように老いた国民を疲弊させるとは、語る筈もない。しかし、野田民主党は意図してか、結果的にか、そちらに向かっている。そこに、世界金融資本が介在し、米国と日本政府が国民の富を収奪しようとしているのかもしれない。その富の収奪の過程においては、国民から金は取るが、長生き医療は剥奪する“姥捨て山”構想があるに違いない。*筆者も現在の医療が、延命治療のし過ぎじゃないの?と云う疑問は持っているが、生命倫理と国家財政を一緒くたに考えるのは悪魔だと思う。

 筆者の杞憂であれば良いのだが、最近の何事につけ、一方通行思考(ファッショ)の流行は、霞が関と云う歪んだエリート集団の、世代間交代で一層鮮明になっているのかもしれない。この点は、ただの市民であっても、世の中の支配層に、そのような考えを持つ人々が結構多く存在している事実を、頭の片隅に置いておく必要はあるだろう。年金の支給年齢70歳等と云う冗談話も、世代間闘争の火種として官僚が提供した観がある。正直、小沢・鳩山の地方分権が民主党のコアであった気がする。この部分(霞が関から予算を奪え)だけでも、乱暴に切り刻んでおけば、多少の変化もあったのだろうが、後悔先に立たずと言う事だ。

 そのような推測を踏まえて、現在の野田政権の動きを見るのも一興だ。野田がTPP交渉参加をAPECで表明する意味合いがないと判明しても強行するのか。野党のみならず、与党内の半分の議員の意見を無視して強行するのか、ここは野田佳彦の素性を観察する上で、非常に重要な“踏み絵”なのだと思う。また、海外に出ると口が滑らかになる性癖も菅直人譲りで、消費税10%増税法案のヘラヘラと語り、法案通してから、信を問うと言い放つ開き直りぶり。法案がすんなり衆議院、参議院で通過すると思っているのも不自然だが、外人には日本の政治状況なんて判らんから、その場凌ぎでヘイッチャラと云う事で例によって財務官僚が言わせたのだろう。IMFの勧告と同じ図式。

 だいたいが、消費税増税する話、何処の誰が決めたのだ?財務省と菅直人と与謝野馨らが決めただけ。民主党の決も採っていないし、勿論与野党の結論も出ていない。景気が改善したならば行うと言う一文は、何処に行った?それとも、財務省の見解は、景気が改善していると言う事か?どこに、それを示す数値があるのだろう。野田君って、こう云う点にも気づかぬ、見た目通りのメタボ中年男と云う事のようだ。TPPの交渉参加で、筆者は我が国の国民に“嫌米”の機運が盛り上がるのも悪くないと思っている。イッソ、日米安保にまで国論が盛り上がるなら、必要悪と云う見方も出来るだろう。石原慎太郎が「TPP、ふざけるな!」と叫んだ途端、似非右翼も「TPP反対!」と叫び出した。ぷっと笑ったけどさ。

 このような野田政権を、延命させるのは国家的損失になるだろう。直近のTPPや原発再稼働や消費税増税路線を民主党Aが看過するのであれば、売国、国賊政党の誹りを免れる事は出来ないだろう。おそらく、筆者の推測では、小沢一郎が一審公判の結果を見るまでは、野田佳彦の政権運営を見逃すだろう、と云う仙谷や霞が関の読みで、民主党の崩壊と日本の崩壊を加速するものと思われる。まさか、民主党Aの議員らが、小沢一郎が動かないと何も出来ない腰抜けでもないだろうから、その辺に期待するしかなさそうだ。


日本をダメにしたこの民主党議員たち
松木 謙公
日本文芸社



応援感謝です!
人気ブログランキング


野田佳彦、売国行為にフルスロットル まるで国家破壊工作員の如し

2011年11月04日 | 日記
アメリカを支配するパワーエリート解体新書
中田 安彦
PHP研究所


応援感謝です!
人気ブログランキング



野田佳彦、売国行為にフルスロットル まるで国家破壊工作員の如し



 現在の野田民主党政権は、菅民主党政権の隷米と官僚との融和をバージョンアップし、隷米であり、隷官と云う方向性を鮮明にしている。その結果、筆者からみれば、国家を売り払う魂胆にしか思えないのだが、野田君は日本を救うと思っている。

 最近筆者は、09年の政権交代は米国の“罠”だったのではないのか?と疑うようになっている。永年政権の座にいる自民党では、癒着が強くなった政治主導と官僚主導がミックスされ、日本が米国の思い通り属国として機能していない、と業を煮やした米国の陰謀だったのではないか疑うようになってきている。

 小泉純一郎時代の自民党は多少上手くいったが、それ以外のリーダーは曲がりなりに主権意識や戦争乃至は敗戦体験の意識が強く、扱いにくくなっていた。菅直人が繰り返し「若い世代にバトンタッチ」と言っていた言葉が妙に引っ掛かっていた。マスメディアも、全面的に菅の「世代交代論」に好感を示していた。筆者は当時、単純に小沢一郎飛ばしを暗に語っているのかと思ったが、今になると“言わされていた”ことも考えられる。

 主権国家意識の希薄な政治家、戦争体験のない政治家。これを宗主国アメリカは望んでいたに違いない。この仮説が正しいとして、政権交代時の民主党はアメリカと同等の立場、アジアとの友好を重視する、小沢一郎・鳩山由紀夫ラインだったのに変ではないか、と云う疑問がある。しかし、この時点で、この両者から権力を奪う司法上のトラップは準備が整っていた、と見ることが出来る。小沢一郎を完全に排除した民主党で、政権を自民党から奪取する事は不可能だった。

  しかし、小沢に内閣総理大臣になられたのでは、一気呵成に物事が進み、アメリカの思惑が何ひとつ実現出来なくなる。ウッカリすると、東アジア共同体構想に中国が参加を表明する危機さえあった。そこで、アメリカは小沢一郎を内閣総理大臣にはさせないが、衆議院選挙の指揮は執らせるが総理にはさせない戦略を選んだ。それが西松建設事件である。

 次に鳩山に対しては「故人献金問題」と外務・防衛官僚による普天間移設先問題で、その海外県外候補地を悉く潰しにかかり、「抑止力の大切さを知った」と言わせ、退陣に追い込んだ。小沢もつき合う破目になったのだが、菅直人があそこまでの裏切り者だとは、流石の小沢一郎も読み切れなかったものと見られる。

 考えてみれば、小沢・鳩山の根底には、党人派保守の流れがあり、宗主国アメリカからの真の独立と云う精神があった。その点では、政治的テクニックを駆使する自民党と変わりないのである。それはアメリカにとって望む政権交代ではないわけで、意図した政権交代は、続く菅直人と野田佳彦でほぼ戦略成功となる。野田が前原でも良かったわけだが、偶然野田になっただけの事である。

 こうして、野田政権の誕生により、アメリカの思惑が達成されかけているわけだ。つまり、これで戦争体験を持つ屈折した政治家や政治的テクニックを弄する事が出来る政治家を日本から消しさる戦略が功を奏する按配になっている。もう自民党のタヌキ政治家を抜き、小沢・鳩山を抜いた日本の政治なんてものは「スズメの学校」どんな脅しでもオチャノコサイサイと云う事だろう。

 ただ、今日のコラムで言うところの「アメリカ」が米国政府そのものであるかどうかは定かではない。日本の政治に民主党・自民党・公明党があり、その中の政治勢力もバラバラな思惑を持つわけで、米国の政治勢力も似たりよったりなのである。おそらく、暴力装置のような国家だけに、米国の方が数段危険な状況下での政治的駆け引きがあるはずである。

 故に此処で云う「アメリカ」が米国政府であるとは言い切れない。俗に言うところのジャパン・ハンドラーズと呼ばれる勢力。戦争屋、知日派の学者外交官、CIAらの勢力が、対日戦略に対して一定の範囲の権益を保持しており、オバマ民主党政権だから、彼等を排除すると云う単純な図式ではないのだと思う。米国政府自体が、これら勢力と全面対決するほど強固だとは言い切れない。否、逆に彼ら戦争屋グループの勢力の方が、生命力があり、暴力的で、政治力まであるのかもしれない。そうであれば、日本のことは、彼等に任せておいた方が得策と、どのような米国政府も思うのかもしれない。

  東京新聞のスクープで、TPPの日本参加には、米議会の承認が必要。その協議期間は6カ月かかると米国通商代表部が述べていた、と政府の内部文書でわかった。官邸の誰かが、東京新聞にリークしたようだ。この情報はほぼ正しいので野田君が泥縄で、APECで交渉参加表明しないわけにはいかないと云う屁理屈は通用しなくなっている。仮にTPPが日本に有利な協定であるとしても(何ひとつ有利な条件はない)、特に今さら慌てても手遅れなわけで、民主党内もまとまらない話で突っ走って、オバマの大統領選の援護射撃になる状況ではなくなったようだ。

 案外、最終的に野田君は10日のAPEC前の国内表明で、もう少し党内、国会で議論する方が良いのかもしれない、と言う可能性もゼロではないような気がしてきた。仮に、このまま突っ走ると、本当に2,30人単位で離党もあり得るし、そこから大きな政局の始まりと云う事もある。とても来年9月まで総理で居られる可能性は限りなく低下する。そこまで野田君は米国の一部勢力の命令に従わざるを得ない状況にいるのだろうか?


ユーロ――危機の中の統一通貨 (岩波新書)
田中 素香
岩波書店


応援感謝です!
人気ブログランキング


既存政党枠内で日本の政治を語たる愚 地球を覆うグローバル経済の終焉

2011年11月03日 | 日記
日本人のための宗教原論―あなたを宗教はどう助けてくれるのか
小室 直樹
徳間書店


応援感謝です!
人気ブログランキング



既存政党枠内で日本の政治を語たる愚 地球を覆うグローバル経済の終焉


 政府・日銀の7兆とも10兆とも言われる為替介入の効果は対ドル:75円―79円―77円と推移、早晩75円から70円方向に向かう事になりそうだ。米国は容認と云うより不快感さえ見せている。まぁ米国のご機嫌は別にして、社会経済全体のファンダメンタルを俯瞰した場合、パラダイム・シフトの余地を大いに残している日本国家は見た目の成長率はゼロだが、世界全体からみると成長余力が充分にあり、且つ社会的に安定した国家と評価されているのだろう。

  それはそうだ、富裕層と呼ばれる国民に限らず、中間層の国民もこっそり相当の小金を貯めている。ワーキング・プワーと呼ばれる人々も存在するが、総体的評価の範囲ではデータに入らない。また、日本が高度成長期に残した親の蓄積は一定の範囲で子子孫孫に受け継がれ、親自体がその先祖から受け継いだ資産も残っているのだ。また、統計に出てこない隠れ資産も存在する。円が安定通貨として買われるのには、それなりの意味があるのだ。借金より資産の方が多い国民を抱える国なんて、そうそうないことを日本人は肝に命ずべきだ。

 ただ、そのような現状と今後は別の話で、経済成長率が殆ど見込めない国家が、どのようにして拡大する社会制度を賄って行くか、それは別の議論だ。何も経済成長しないのが先進国としては日本だけだとの嘆きが聞かれるが、欧米のように無理繰りの成長数値を弾き出すより真っ当だともいえる。グローバル経済自体が、先進各国のマーケット疲弊を表し、資本主義自体の限界を露呈していると判断すべきだ。発表される経済指標が良好であっても、実体経済はどっちみち同じことになる。国民資産が残っている日本の方が良好なくらいだ。

 社会制度は、国体の伝統文化も含めた総合的問題であり、例えば税金をどれだけ取るかと云う議論は、単なる財務関係行政の都合である。民主党は国家的社会体制次元と徴税の都合の次元を誤魔化し繋ぎ合わせ、「一体改革」等と云うプロパガンダ語彙で、国民その他を騙している。役人の知能は高いから、政治家やマスメディアの馬鹿を騙すなど、朝飯前に違いない。勿論、愚民は言うに及ばない。

 ただ、役人の知能が高くて、テクニカルに有能であっても、撒いた餌に喰らいつく国民が存在しなければ、そのテクニカルは成立しない。逆に言うなら、役人の餌に喰らいつく国民の趨勢こそが、日本の政治行政を腐れ切ったものにしているとも言える。もっと深い病巣を抉ろうと思うと、国民は政治行政にどの程度関わりたいと思っているかと云う問題に行き着く。個人主義の台頭が一気に生活主義に至り、都会では家族主義と云うコミュニティで完結させたがる国民が増えている。

 時々、そのよう国民は衝撃的事件や事故・災害などに見舞われると、コミュニティの大切さを口にし、時に大切なのかもな~、と気づきかけるのだが一過性に過ぎず、喉元過ぎれば熱さ忘れる風情と云うことだ。いまだ終息の入り口さえ見えない原発事故への話題も、一般の国民は過ぎ去った出来ごとのように捉えている。玄海原発で、佐賀県知事と九州電力が癒着構造を露呈し、世間の糾弾は当然かなと思いきや、両者ともに第三者委員会の結論などシカトで、何事もなかったように振舞う白々しさ。地震津波に襲われた人々のことも、関係者でない限り、日常的生活とは切り離した関係におかれる。このような現象を、国民の精神的劣化と捉えるか、そもそも人間と云うものは、その身の丈の問題しか興味を示さない存在なのか、と云う問題でもある。

  筆者はどちらかと云うと後者ではないかと思っている。生活への興味がない事には通常の市民生活が送れない以上、生活重視にならざるを得ない。乱暴な帰結だが、キリスト教文化圏においては、その生活重視にも関わらず、ゴッドと云う存在があり、その救世主メシヤとしてイエスまでが存在し、ピンからキリまで一神教のゴッドという共通項がある。この共通のゴッドが自治能力を高める一因になっているのだろう。自治能力のない国民はコミュニティを作る能力に欠け、民主主義を実際には有効に実施できないと云う悩ましさを抱えている。筆者は日本における民主主義の定着は、マダマダなのだろうと思う。

 これは封建社会以前からの、日本民族の持ちうる特性であるかもしれない。農耕民族的だとも言えるし、侵略の少ない島国だと云う事もあるし、あるがままを受け入れる民族の美でもある。明確な四季があり、豊かで人に試練を与える山河あり、洪水で民は死ぬが、肥沃な土壌も作ってくれる。“ゴンベイが種を撒けばカラスがつつく”それも受け入れるのが日本民族なのだ。海辺では豊かな海藻が取れ、チョイと潜ればアワビにサザエだ。沿海でも魚は取れ、食卓を豊かに彩る。時に海は荒れ狂い人を呑み込む、それでも災難が去れば、また豊饒の海は、何事もなく鎮まりかえる。まさに自然の鎮魂である。

 筆者の勝手な想像だが、このような自然との共生で生きてきた民族には、あるがままを受け入れる素地がある。それが民族の原点であるわけだから、自然からの統治に従順であった。その延長線で、時の権力にも従順である方が馴染みやすい。ただ強かな被統治の民は、心の奥底や魂において不従順な生活様式を構築してきた観がある。このような民族が、キリスト教文化圏で発展してきた民主主義を、そのまま受け入れることが可能なのか、甚だ疑問だ。

 日本の国家体制は「わが国は近代的な意味の憲法を持っており、その憲法に従って政治を行う国家である以上、立憲君主制と言って差しつかえない」とし、「もっとも、大日本帝国憲法(明治憲法)下におけるような統治権の総攬者としての天皇をいただくという意味での立憲君主制でないことも、また明らかである」と云う事で、同じ国家体制の名称でありながら、中身が違うと云う曖昧模糊なものである。占領国アメリカの思惑も含まれるだろうが、近代国家としての民主主義が簡単に馴染む素地がないと考えた傾向が窺える。

 その読みは正しいわけで、元首として“お上”の存在は消し難い歴史的背景があり、ただ統治の主権は国民にあると云う、ダブル・スタンダードの典型国家体制を構築している。悪い意味のWスタンダードではなく、民族に似合う体制だとも言える。上記のような問題を議論せずに、(議論しても答えは出ないのだが)キリスト教文化圏の経済構造の中で生きることは、常に違和感と同居する運命の民族だ。単純なようで、とても複雑で、一筋縄では統治できない民族なのである。大人しくてズルイ民族とも言える。(笑)アメリカのような歴史のない単細胞国家が理解できる筈もない。

 昨日のコラムで書いたのだが、現在の日本の政党には、この民族について充分な意識を持った政党がない。故に、合理的に考えるとウンザリするような日本と云う国を操縦する政党は、民主党も自民党も失格と云うことだ。民族の根源的特性に着眼し、その特性が合理的に発揮できる政治的ビジョンを詳らかにしない限り、今後政党に期待することは難しいのだろう。そして、国家ビジョンと同時に政治権力能力が求められるのだから、既存の政党に期待することは不可である。
 少なくとも、現状の二大政党、民主vs自民の構図では、何事も始まらない点だけは断言しても構わない。その他の党を論ずる必要はないだろう。野田君は、10日に国内でTPPへの意志表示を行い、逃げるようにハワイに飛び、12日に「魔のTPP」交渉参加をAPECで表明する腹積もりのようだが、そのことで政権の余命を半年で終わらせる可能性は高まった。日本の首相として生き永らえる積りなら、断る選択もあるのだろうが、「僕は良いことしてるよね」と確信犯なだけに突っ走りそうである。ご愁傷様。(笑)亀井静香の刺し違えではインパクトが少ないし、小沢一郎は判決が出るまで意志表示し難いとなると、当分日本の政治はモラトリアムになりそうだ。出来る事なら、来年の4月以降まで滅茶苦茶にしないでおいて欲しいものである。


政治無知が日本を滅ぼす
小室直樹
ビジネス社


応援感謝です!
人気ブログランキング


世の中これ以上悪くしたくなければ ”民主も自民も” 選択しないことだ

2011年11月02日 | 日記
人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか
水野 和夫
日本経済新聞出版社



応援感謝です!
人気ブログランキング



世の中これ以上悪くしたくなければ ”民主も自民も” 選択しないことだ


 多くの日本人が聞くのも嫌だと忌避するのだが、日本経済がまだまだ成長すると云う妄想は捨てるのが正論だ。勿論、日本に限らず、EUも米国も成長の糊代はあるかないか程度だと諦めることだ。だからと言って、不幸になるわけではない。「不景気な話はするな!聞きたくもない!」お気持ちはお察しいたしますが、末期の癌ですのでモルヒネにてホスピスが最良の診察と心得ます。

 「クソ~この野郎、経済が成長しなかったら、どうなると思う!馬鹿も休み休み言うものだ」まぁあらためて、お気持ちはお察し申し上げます。もう役人天国のギリシャは救いようもなくなっている。財政を縮小することで生き残ろうと思えば暴動が起きる。暴動が怖くて、財政緊縮を棚上げすれば国家がデフォルトする。このギリシャ連鎖で、欧州の金融機関は危機的状況、1日は世界中が株安の連鎖、NYにも当然波及、一時290ドル安、31日の270ドル程下げている。現時点は300ドル安だから、二日で570ドル安だ。今度のG20は荒れ模様だ、カンヌじゃなくノルマンディーで開いた方がピッタリだったかも。

 MFグローバル・ホールディングスと云う米国のFXが得意の金融機関の倒産の影響は軽微だと、金融危機第二波の米政府、FRBは打ち消しに必死なようだが、無理だろう。欧州金融機関の信用不安を緩和する材料は、ほとんど出尽くし、処方箋も底をついた感じだ。そろそろ、世界同時金融危機への備えに入るべき時期が来たようである。経済危機が起きようとする時、どうしても金融証券保険関係者の観測を記事化せざるを得ないのだが、彼等は金融が崩壊すれば生きていけない人種、どうしても見込みは楽観的にならざるを得ない事を忘れないようにしよう。丁度、原子力や電力に関わる連中に、今後の原発の安全とか、エネルギー政策とか、電力供給システムを議論させるのと同じことである。

 そもそも、グローバル経済なんてものは、先進諸国のマーケットが満杯になった為に、“人モノ金”が“安い土地”、“安い労働力”、“未開のマーケット”に大移動した結果論に過ぎない。飽和の解消。つまりトコロテン方式経済なわけで、最後の最後はどん詰まりになることは自明だ。地球外のマーケットにモノを売りに行くわけにはいかない。まさに筆者などは「ネズミ講」を見ているような錯覚に陥る。それでも、貧困ビジネスまで手を染めるハイエナ資本主義は死に物狂いで生きようとするから、簡単に死なないのも事実。ミネラル・ウォーター1本を10円で売るビジネスまで考えるのだから畏れいる。(笑)ただ、そもそも市場の窮鼠に陥った資本主義に金融資本主義が加わった為に、人類の英知を集めても制御が不能になっていると見るのが妥当なのだろう。まるで原発事故のデジャブの観がある。多分、それでも何とかダマシ騙し、今までの方式を持続できるのではないかと思う辺りまでソックリだ。  

 3,4日にカンヌでG20が開かれる。時事によると
≪ 米大統領、欧州に迅速行動要請=「包括戦略」説明を-G20で 【ワシントン時事】ブレイナード米財務次官ら同国政府高官は31日、フランス南部カンヌで11月3、4の両日開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議を前に会見し、債務・金融危機収拾のため欧州がまとめた「包括戦略」について、オバマ大統領が会議でより詳細な情報や導入に関する説明を求めると語った。 大統領は先に危機が米国に波及する危険に懸念を示しており、改めて迅速な行動を呼び掛ける見通しだ。 ホワイトハウスによると、オバマ大統領は3日午前にフランスのサルコジ大統領、ドイツのメルケル首相とそれぞれ会談。サルコジ大統領についてはG20終了後の再会談も調整中だという。≫と云うことらしい。

 オバマ米国も偉そうな事言えた義理でもあるまいに、武闘派暴力団は理屈抜きに強面のようだ。サルコジにはストロスカーン逮捕の貸しがあるので、しっかり落とし前をつけろと念を押すのだろう。金融機関の混乱は死んでも回避せよ!ユダヤ金融の怒りを抑えきれない。サルコジの命運も、この処理如何だと脅かされるに違いない。日本もフランスも同じだね、被害者同士、野田とサルコジは愚痴が言える間柄かも?ところがだ、「野田君って誰だっけ?」てな調子で、何処の国の、どの首脳が時間を割いて野田君と会ってくれるか、外務省お願いしまくっているようだ。まだ会える人は見つかっていないという。(笑)メルケル首相に脱原発の極意でも聞いてきたらどうじゃろう?  

 オバマが怪しげな経済指標で何とか死んだ経済を生きているように見せていると云うのに、EUはどうなっているのだ!怒る狂ってG20に乗り込むオバマを迎え撃つ、独仏首脳・メルケルとサルコジだけど、ギリシャ首相の能天気な国民投票発言で、助けるつもりのフランス金融機関の尻に火がついた。冗談じゃねえって事で、2日二人は急遽ギリシャ首脳と会談することに。仏金融のソシエテ・ジェネラルやBNPパリバの株価は異様に下がり続けている。助ける方がクタバルカモしれない事態なのだ。頼みの米国オバマも、半分EUに一銭の銭を注ぎ込む気持ちなし。否、注ぎ込む金もないし、余計なことすれば大統領選の芽が消える。中国に頼めよ、と暗に示唆したとか。米国はTPPで日本市場食べるから、EUは中国が食べろよ、と嗾けて(ケシカケテ)いるようだ。昔噂で、「米中で世界を二分して統治しようぜ」と米中の軍幹部が話し合ったと云うのを思い出した。  

 まぁ、3日からのG20、その事で一杯。とても野田君の相手してくれる首脳は居ないのではないだろうか。まぁ、誰かは義理で会うだろうけどね。例によって廊下立ち話かな?菅とか言う人もそうだったね。そうそう、無駄話をしていたら、見出しの話を書く時間がなくなった!申し訳ない、明日にでも話はあらためて!


閉塞経済―金融資本主義のゆくえ (ちくま新書)
金子 勝
筑摩書房



応援感謝です!
人気ブログランキング


円高下のTPPでは輸出企業の追風にならず 屁理屈の環境整備で為替介入

2011年11月01日 | 日記
「通貨」を知れば世界が読める (PHPビジネス新書)
浜 矩子
PHP研究所


応援感謝です!
人気ブログランキング


円高下のTPPでは輸出企業の追風にならず 屁理屈の環境整備で為替介入


  まったくもって姑息としか思えない31日の財務省・日銀の為替介入だ。75円台前半から、79円台へと急落の為替介入。おそらく5兆~7兆円規模の腐れ通貨ドルを、また又貯め込む愚挙に出た。日本政府は1兆ドル以上の外貨準備金を抱えている。このドル外貨を獲得する為に、財務省・日銀は110ドルの平均為替レートで入手している。大雑把な捉え方だが、貯め込んでいる1兆ドルの外貨ドルは25~28兆円くらいは目減りしているのだから、言う事はない。

  円高是正の為替介入で、1週間の程度の円安効果は見られるだろうが、欧米の財政出動は極限に達しているので、ユーロ、ドル安で経済的に息をつく以外選択肢がないのが現実。世界の為替のファンダメンタルが、ユーロ、ドルに対し、実態の伴う金融政策を行わない円が円高なのは通貨の基本原則だ。もうNY市場では、せせら笑うように、78円台前半に戻っている。国民の金を、海外に出て行くよ~と威張り腐る、外国人株主が40~70%占める輸出企業の為に注ぎ込むのだから、笑ってしまう。結局、米国債も外貨準備金も、米国の財政破綻と云うリスクを睨みながらの日米関係、たしかに米国を助けないとマズイかも?と云う現状認識と現状追認、ことなかれ主義、先送り主義、つまり役人根性丸出しの政策が行われることになる。

 外資が半分を占める輸出企業を支援しなければ、日本経済が滅びると云うトラウマが政府にも霞が関にも学者の世界にもあるのだろう。貿易立国に拘泥することは、成功体験への妄執のようなもの、悪女の深情けに過ぎない(笑)31日の野田佳彦の所信表明に対する質疑で、官僚作成答弁書をまる読み、もう国会を馬鹿にする始末。谷垣も復興債の発行は日銀引き受けで、と質問すれば、支持率が野田民主を逆転するかもしれないのに、腰が引けている。それでも償還期限を10年から引き延ばせ、とインパクトのない発言。野田は「長い償還期間は若い世代に負担を先送りすることに ほかならない。野党の意見も真摯に伺いながら柔軟に対応したい。」と自らの考えはなくステレオ思考を述べるにとどまった。

 TPPに参加する気か?の質問にも、「引き続きしっかり議論し、できる限り早い時期に結論を出したい。」と党の責任にしている。円高対策に至っては完全な財務省作文、「先般閣議決定した円高への総合的対応策に基づき、日銀とも連携してあらゆる政策手段を講じる。最近は為替市場で短時間に急激な変動が生じ、円高が急速に進む局面が見られた。投機的、無秩序な動きへの対応に万全を期し、日本経済への下振れリスクを具現化させないため、為替介入を開始した。引き続き今後の為替市場の動向を注視する。」と無知無能無責任を表明した。

 ところがだ、この男海外メディアや海を渡ると、強気と云うか、何でもかんでもハッキリものを言う。菅もそうだったが仙谷の薫陶によるものだろうか?たしかG20に行った時「消費税上げるぞ!」、APECでTPP交渉参加を表明すると何処か海外メディアのインタビューに答えたし、英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューに応じ、「運転停止中の原発について「(安全評価を原子力安全委員会などがチェックする)一 連の プロセスを踏み、再稼働できるものは再稼働していく」と自己主張。この男、海の中に投げ出してしまった方が歓ぶのではないのだろうか。

 いいぞ良いぞ、韓国議会で米韓FTA奴隷協定が糞詰まっている。ハンナラ党は31日、批准案の採決に向け委員会を開こうとしたが、野党の激しい抵抗に遭い、失敗。韓国人だって、奴隷的と判っていても、奴隷だよ!と米国に言われたのでは、流石に怒るだろう。日本の愚民は、それでも怒らないかもしれない、此処が日本人の平和ボケとプチブルジュア意識から脱却出来ない愚かさなのだろう。せめて、愚民よりは政治的な国会議員に強力な抵抗をして貰いたいものだ。野田首相もハワイで短い脚を披露し、まさか女房殿と海水浴はしないだろうが、短パンは履くなよ!

 TPP慎重派だと云う国会議員400人前後の奮闘に期待しているのだが、動きがパワフルではないな~と心配していたが、山田正彦前農林水産相らが、行動を起こした。前原の講演会で仙谷が「自分の信念か宗教的な関心か知らないが、党内合意を形成させないことを自己目的化している」と党内議論をしてくれと、党の代表が指示したことをしている民主党議員に対し、相当ヤバイ発言をしたわけで、辞任は当然だろう。野田首相の判断次第だが「党員資格停止」くらいの暴言である。山田正彦、篠原孝、川内博史、小林興起、梶原康弘、石田三示、中後淳、福島伸享、中野渡詔子、京野公子、大河原雅子、徳永エリ以上12名。選挙区事情に応じた対応かもしれないが、離党を視野に徹底抗戦と云う勢い。さて輿石の爺さんの匙加減は如何なるものだろう。

 この動きは、特に親小沢と云う印象はないので、離党されたら、事は重大だろう。党内野党から、本当の野党になられてでも、野田首相はオバマにエールを送りに行くのだろうか?この12人の議員の離党が本当に実現すると、APEC帰国後に一気に政局と云う展開もゼロではなくなる。小沢や鳩山は動かずに、一定の分党行動が起これば、野田政権は一気に崩壊と云うことになるような気がする。少し愉しみだ。

 おぉ、米国の大手のニューヨーク連邦準備銀行と直接、米政府証券の取引ができる「プライマリー・ディーラー」の有力会社・MFグローバル・ホールディングスが倒産した!欧州危機の米国金融機関の破綻だが、今後も他の金融機関への波及が懸念されるそうだ。この状況もおおいに愉しみだ。米国金融資本の更なる疲弊崩壊は、世界の経済にとって朗報なのだから、悲しむ必要はない。パナソニックなどが、テレビ製造からの撤退とリストラを表明したが、野田に経済政策をやらないと、空洞化とクビ切りが加速するからね、と恫喝したようなものである。大量生産と輸出で儲けると云う輸出産業は終わったのだ。ドイツ企業並みに、付加価値をつけた製品や、誰も作れない製品に特化して行くことしか、先進諸国の製造業は成立しない事実を再確認すべき時なのだ。無駄な抵抗をして、新規産業が芽を出す時期を遅らせるくらいなら、一旦リセット、国内に失業者の山が出来る程の大不況を味わうのも、一つの選択だ。実行できる政治家は居ないだろうが。

異常な契約-TPPの仮面を剥ぐ
ジェーン・ケルシー(Jane Kelsey)
農山漁村文化協会



応援感謝です!
人気ブログランキング


よろしくお願い

https://blogimg.goo.ne.jp/img/static/admin/top/bnr_blogmura_w108.gif