世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

一晩で変わる考えなら、初めからするな野田! 二者択一、米国vs財務省

2011年11月11日 | 日記
国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策 (講談社現代新書)
中野 剛志
講談社



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一晩で変わる考えなら、初めからするな野田! 二者択一、米国vs財務省


 野田がTPP交渉参加表明の国内記者会見を10日から11日に日延べした。表向きの理由は、党の提言に熟慮・配慮した姿勢を出したいと云う事だ。まぁ、ハワイAPECの飛行機に飛び乗る直前に「失われた日本経済20年を回復する絶好のチャンスと判断した」とトンデモナイ熟慮の結果を表明する可能性は60%だ。10日の表明延期には、11日衆参両院予算委員会で行われるTPP集中審議において、“参加表明”と云う旗幟鮮明な状況で迎えたくないテクニック的も考慮されたに違いない。予算委員会で徹底追及の積りだった野党は肩透かしを喰らい苛立っている。

 亀井も怒っているし、閣僚にも動揺は拡がる。参加表明にせよ、先送りにせよ、どちらを選択しても、野田佳彦の決断力のなさが表面化する。小沢の「政府にちゃんと米国と交渉できるやつはいるのか? しっかりと交渉できるヤツがいなければ駄目だ…」と云う事だ。交渉能力なしに交渉のテーブルにつく決断は決断と言わない。真紀子様ではないが自殺行為である。“決断しない政治人生”を歩んできた野田にとって、初めての決断が“進むも地獄、留まるも地獄”なのだから、それこそ地獄に違いない。ハワイで歓迎されれば、帰国後には倒閣の火種が永田町の彼方此方に点在、安定政権運営は望めない状況が待っている。苦心の党内融和頓服人事も胡散霧消する。3次補正の審議中に4次補正に言及する始末になっている。12月には訪中が待っている。訪印も待っている。米国依存の旗幟を鮮明にして、中国、インドとニコニコ外交は虫が良過ぎるだろう。しかし、米国の脅しは半端ではない。交渉参加表明しなければ、ハワイから無事に帰国できない恐怖さえあるのだろう。まぁ、望んで総理になったのだから、己の裁量で判断するしかないのだ。好きにしてくれ。   

 野田政権の周辺から流れてくる情報、多くは官邸記者クラブだろうが、悉く外れ記事を書いて平気の平左だ。「誰が言ったとは言えないけど、たしかに言ったんだよ。だから、どの社も一緒に間違っているでしょう?僕らの仕事は社会の木鐸じゃなくて、通信社に徹していますから。ヘヘヘ」と云う状況だろう。その場その場、官邸にとって都合のいいシナリオが描かれ、悉く外れると云う茶番政権になっている。   

 考えてみたら、直ぐに判ることだが、TPP交渉参加表明でAPECを乗り切れば、帰国後には倒閣の嵐に遭遇する。来年の通常国会で消費税増税なんて話は、“おととい来やがれ”って按配だ。今の野田君の決断はTPP、つまりアメリカを選択し、最大のバックボーン・財務省をコケにする選択でもあるのだ。見出しのように、日本の総理とは思えない苦渋の選択で悩んでいるのだ。米国か財務省?本当に考えたらトンデモナイ総理と云う事だ。民主党自体への心配でもなく、国民への心配でもなく、国家への心配でもなく、米国か財務省?呆れ果てる限度を超えている。

 とまぁ、国内政治も混沌としているが、野田のTPP交渉参加がどちらに転ぼうと瑣末な出来事。小沢一郎が暫く表立って動かないのを良いことに、民主党Bも戦略を練ったのだろうが、明らかに小沢一郎の繰り出す糸が見えている。流石に、今までの教訓が生きているのだろう、正々堂々と云うものではないが、“蛇の道はヘビ”弘中弁護士に諭されたかもしれない。(笑)今後は、小沢一郎が民主党内での復権を考えるか、面倒だが新党含みで“仕切り直し”を決意するか、その考え如何で、選択は変わるのだろう。筆者個人は、“民主党”の看板を背負って次期国政選挙で勝てる可能性は限りなくゼロに近くなっているような気がする。まぁ小沢一郎は粘り強いから、筆者のように短絡な考えに落ち着かないだろうが、ぐるぐる考えた末に、そのようになって貰いたいものだ。

  今日の何時に野田君が会見をするかどうか判らんが、取り敢えず、その第一声を愉しみにしようではないか!


イスラエル (岩波新書)
臼杵 陽
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