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円高下のTPPでは輸出企業の追風にならず 屁理屈の環境整備で為替介入
まったくもって姑息としか思えない31日の財務省・日銀の為替介入だ。75円台前半から、79円台へと急落の為替介入。おそらく5兆~7兆円規模の腐れ通貨ドルを、また又貯め込む愚挙に出た。日本政府は1兆ドル以上の外貨準備金を抱えている。このドル外貨を獲得する為に、財務省・日銀は110ドルの平均為替レートで入手している。大雑把な捉え方だが、貯め込んでいる1兆ドルの外貨ドルは25~28兆円くらいは目減りしているのだから、言う事はない。
円高是正の為替介入で、1週間の程度の円安効果は見られるだろうが、欧米の財政出動は極限に達しているので、ユーロ、ドル安で経済的に息をつく以外選択肢がないのが現実。世界の為替のファンダメンタルが、ユーロ、ドルに対し、実態の伴う金融政策を行わない円が円高なのは通貨の基本原則だ。もうNY市場では、せせら笑うように、78円台前半に戻っている。国民の金を、海外に出て行くよ~と威張り腐る、外国人株主が40~70%占める輸出企業の為に注ぎ込むのだから、笑ってしまう。結局、米国債も外貨準備金も、米国の財政破綻と云うリスクを睨みながらの日米関係、たしかに米国を助けないとマズイかも?と云う現状認識と現状追認、ことなかれ主義、先送り主義、つまり役人根性丸出しの政策が行われることになる。
外資が半分を占める輸出企業を支援しなければ、日本経済が滅びると云うトラウマが政府にも霞が関にも学者の世界にもあるのだろう。貿易立国に拘泥することは、成功体験への妄執のようなもの、悪女の深情けに過ぎない(笑)31日の野田佳彦の所信表明に対する質疑で、官僚作成答弁書をまる読み、もう国会を馬鹿にする始末。谷垣も復興債の発行は日銀引き受けで、と質問すれば、支持率が野田民主を逆転するかもしれないのに、腰が引けている。それでも償還期限を10年から引き延ばせ、とインパクトのない発言。野田は「長い償還期間は若い世代に負担を先送りすることに ほかならない。野党の意見も真摯に伺いながら柔軟に対応したい。」と自らの考えはなくステレオ思考を述べるにとどまった。
TPPに参加する気か?の質問にも、「引き続きしっかり議論し、できる限り早い時期に結論を出したい。」と党の責任にしている。円高対策に至っては完全な財務省作文、「先般閣議決定した円高への総合的対応策に基づき、日銀とも連携してあらゆる政策手段を講じる。最近は為替市場で短時間に急激な変動が生じ、円高が急速に進む局面が見られた。投機的、無秩序な動きへの対応に万全を期し、日本経済への下振れリスクを具現化させないため、為替介入を開始した。引き続き今後の為替市場の動向を注視する。」と無知無能無責任を表明した。
ところがだ、この男海外メディアや海を渡ると、強気と云うか、何でもかんでもハッキリものを言う。菅もそうだったが仙谷の薫陶によるものだろうか?たしかG20に行った時「消費税上げるぞ!」、APECでTPP交渉参加を表明すると何処か海外メディアのインタビューに答えたし、英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューに応じ、「運転停止中の原発について「(安全評価を原子力安全委員会などがチェックする)一 連の プロセスを踏み、再稼働できるものは再稼働していく」と自己主張。この男、海の中に投げ出してしまった方が歓ぶのではないのだろうか。
いいぞ良いぞ、韓国議会で米韓FTA奴隷協定が糞詰まっている。ハンナラ党は31日、批准案の採決に向け委員会を開こうとしたが、野党の激しい抵抗に遭い、失敗。韓国人だって、奴隷的と判っていても、奴隷だよ!と米国に言われたのでは、流石に怒るだろう。日本の愚民は、それでも怒らないかもしれない、此処が日本人の平和ボケとプチブルジュア意識から脱却出来ない愚かさなのだろう。せめて、愚民よりは政治的な国会議員に強力な抵抗をして貰いたいものだ。野田首相もハワイで短い脚を披露し、まさか女房殿と海水浴はしないだろうが、短パンは履くなよ!
TPP慎重派だと云う国会議員400人前後の奮闘に期待しているのだが、動きがパワフルではないな~と心配していたが、山田正彦前農林水産相らが、行動を起こした。前原の講演会で仙谷が「自分の信念か宗教的な関心か知らないが、党内合意を形成させないことを自己目的化している」と党内議論をしてくれと、党の代表が指示したことをしている民主党議員に対し、相当ヤバイ発言をしたわけで、辞任は当然だろう。野田首相の判断次第だが「党員資格停止」くらいの暴言である。山田正彦、篠原孝、川内博史、小林興起、梶原康弘、石田三示、中後淳、福島伸享、中野渡詔子、京野公子、大河原雅子、徳永エリ以上12名。選挙区事情に応じた対応かもしれないが、離党を視野に徹底抗戦と云う勢い。さて輿石の爺さんの匙加減は如何なるものだろう。
この動きは、特に親小沢と云う印象はないので、離党されたら、事は重大だろう。党内野党から、本当の野党になられてでも、野田首相はオバマにエールを送りに行くのだろうか?この12人の議員の離党が本当に実現すると、APEC帰国後に一気に政局と云う展開もゼロではなくなる。小沢や鳩山は動かずに、一定の分党行動が起これば、野田政権は一気に崩壊と云うことになるような気がする。少し愉しみだ。
おぉ、米国の大手のニューヨーク連邦準備銀行と直接、米政府証券の取引ができる「プライマリー・ディーラー」の有力会社・MFグローバル・ホールディングスが倒産した!欧州危機の米国金融機関の破綻だが、今後も他の金融機関への波及が懸念されるそうだ。この状況もおおいに愉しみだ。米国金融資本の更なる疲弊崩壊は、世界の経済にとって朗報なのだから、悲しむ必要はない。パナソニックなどが、テレビ製造からの撤退とリストラを表明したが、野田に経済政策をやらないと、空洞化とクビ切りが加速するからね、と恫喝したようなものである。大量生産と輸出で儲けると云う輸出産業は終わったのだ。ドイツ企業並みに、付加価値をつけた製品や、誰も作れない製品に特化して行くことしか、先進諸国の製造業は成立しない事実を再確認すべき時なのだ。無駄な抵抗をして、新規産業が芽を出す時期を遅らせるくらいなら、一旦リセット、国内に失業者の山が出来る程の大不況を味わうのも、一つの選択だ。実行できる政治家は居ないだろうが。
異常な契約-TPPの仮面を剥ぐ | |
ジェーン・ケルシー(Jane Kelsey) | |
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