世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

衆議院解散のニオイ漂う永田町に暗雲 既存政党は危機に瀕しているのか?

2011年11月28日 | 日記
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衆議院解散のニオイ漂う永田町に暗雲 既存政党は危機に瀕しているのか? 


 予想通り、大阪府知事・大阪市長のW選挙は橋下徹率いる「大阪維新の会」がW勝利を得た。Wスコアーとはならなかったが、20時投票締め切りと同時に橋下の当確が打たれた。最終結果をみると、大阪市長選は「平松現職市長+市役所職員+民主・自民と云う既得権勢力」対「橋下維新の会」の戦いだけにWスコアーとはいかなかった。新人同士の戦いだった府知事選の方がWスコアーに近い結果だった。

 大阪府と云うところは、横山ノック知事を輩出した独特のノリと云うものもある地域だけに、この結果を持って既存政党へのアンチテーゼと決めつけるのは早計だろう。ただ、横山ノックの場合、府行政に殆ど口出しもせず府の職員にお任せ行政を行っていたから、無事二期目に再選されたのだが、例の女子大生強制わいせつ事件で辞職に追い込まれた。この真偽の程は、最近では司法の腐敗度から考え、必ずしも横山が有罪なのかどうか怪しくさえ思えてくる。

 それに引きかえ、橋下の場合は府政への取り組みが異なっていた。府の役人と対峙し、大阪市長・大阪市役所とも対峙する政治姿勢を貫き、初志貫徹のために、“身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあり”を地でいったのだから、横山ノックを選んだ府民のノリとは峻別する必要もある。仮に既存の政党、特に与党である民主党野田豚彦政権が、例の岡田克也の脳構造と同じ手順で、今回の大阪秋の政変を分析する事は、トンデモナイ結果を招くだろう。

 筆者は府民と云うよりも、国民の多くが、既存政党が選挙と政策の重大なる矛盾を抱えている事実に気づき始めたのではないかと分析する。筆者は既に現在の民主党は隷米小泉政権以上に隷米で、尚且つ隷官まで追加された政権であると認識している。米国の植民地化政策の“ド壺”に嵌っているわけで、修復が可能な段階は既に過ぎている。亀井静香も、それは当然感じていたから、石原新党等と云う戯言を言ってしまった。名前を挙げられた全員から総スカンを喰らったようだが、少々気の毒でさえある。小沢一郎とタイマン張るのを躊躇したのが亀井静香のミスジャッチだった。石原・平沼の名前を出さず、あらゆる地域政党とか、国を憂う心ある議員とでも言っておけば取り繕いようもあったのだが、残念なことになりそうだ。

 ただし、亀井の言っている事は方向性として正しい。民主・自民の既存政党の枠組みを取り払い、取り払うことで、霞が関に混乱を生じさせ、閉塞と国難を乗り切る知恵ある政治勢力を第三局として立ち上げると云う点は正しい。ただ、誰がどのように考えても、第三局のリーダーは小沢一郎しか考えられない。小沢一郎が、橋下の保守右派と河村らの保守中道をシンボルに上手にミックスさえすれば、一気に日本の政治を変える可能性はあるだろう。

 いずれにせよ、この大阪秋の陣の変革は、否応なく永田町の国会議員の心に波風を立て、あたふたさせる効果は抜群だ。このような政局の風を頬に感じた小沢一郎が、どのような権力闘争の賽を投げるか、非常に愉しみ。政局を意味もなく望むものではないが、野田政権の隷米・隷官は度が過ぎ、とても国民の民意を具現化する政治家とは思えない、彼の国益など信じる気にはなれない。故に右であれ左であれ、独立国としての政治家としてのアイデンティティとアジアへの貢献が問われる状況が迫っているのだ。オマケだが、橋下が脱原発論者なのも好都合だろう。

  ≪ 大阪ダブル選:「橋下維新」が制覇 都構想推進へ
 大阪府知事・大阪市長のダブル選は27日投開票され、市長選は大阪維新の会代表で前知事、橋下徹氏(42)が、現職の平松邦夫氏(63)=民主府 連支援、自民府連支持=を破り、初当選した。知事選は大阪維新の会幹事長、松井一郎氏(47)が、前同府池田市長、倉田薫氏(63)=同=と弁護士、梅田章二氏(61)=共産推薦=ら6人を破って初当選した。「大阪都構想」を掲げる維新が大差で両選挙を制したことで、府市は15年4月の都制移行に向けた制度設計に入る。実現には法改正が必要なため、維新は国政進出も視野に既成政党への攻勢を強める。
 ◇既成政党との対決制す
 ダブル選は40年ぶりで、大阪都構想の是非が最大の争点となった。橋下氏の政治手法や教育への政治関与を打ち出した教育基本条例案なども問われた。投票率は市長選が60.92%(前回43.61%)、知事選が52.88%(同48.95%)だった。
 維新公認の橋下、松井両氏に対し、民主、自民は平松、倉田両氏を支援。共産は市長選で公認・推薦候補の擁立を見送り、自主的に平松氏の支援に回った。自主投票の公明を除く既成政党と維新が対決する構図になった。
 橋下氏と松井氏は27日夜、そろって大阪市内で記者会見。橋下氏は「都構想が信任された。ゴールではなく、次のステップのスタートだ」と語った。 戦後の大阪市長では最年少となる。知事から政令市長になるのは全国初。
 大阪都構想は、府と大阪、堺両市を解体して「都」と「特別自治区」に再編する構想で、人口約267万人の大阪市の場合、8か9の区に分割される。
 選挙戦で、橋下氏は「今のままの大阪ではじり貧。明治から続くさびついた統治機構を平成の世にふさわしい形に変えよう」と訴えた。また、既成政党が平松氏を支援したことを「大政翼賛会的だ」と批判し、維新支持層だけでなく、無党派層の支持も集めた。
 平松氏は「大阪市から権限と財源をむしり取り、地図上から消そうとしている」と、都構想に真っ向から反対し、橋下氏の政治手法を「独裁」と批判。 反維新勢力の結集を図ったが、民主、自民の支持層を固め切れなかった。
 橋下氏は08年1月の知事選で初当選。10年1月に都構想を提唱し、同4月に大阪維新の会を結成。今年4月の統一地方選では、維新が府議会で過半数、市議会では第1党になった。しかし、平松氏や市議会多数を占める既成政党が都構想に反発。橋下氏は「民意を問う」として、10月末に知事を辞職し、ダブル選に持ち込んだ。
 一方、松井氏は会見で「大阪が一体化して、二重行政を根本から変えていく」と語った。選挙結果を受けて、府議会で過半数を占める維新は、教育基本条例案と職員基本条例案の成立に向けて動き出す。
 松井氏は03年に自民党公認で府議選に初当選。10年4月に橋下氏とともに維新を結成し、後に自民党を離党した。選挙戦では、橋下氏と二人三脚で 「大阪を今のままでいいのか、変えていきたいのか決めてほしい」と、都構想の必要性を訴えた。
 倉田氏は府内の首長の支援を受け、「卒維新」を掲げたが、民主、自民の支持層を含め支持が広がらなかった。梅田氏は共産系労組などを中心に支持拡 大を図ったが、及ばなかった。【小林慎、高山祐】≫(毎日新聞)


 橋下維新勝利会見ライブ抜粋
≪……大阪市長選で初当選した橋下徹氏(42)は共同会見で「大阪市役所の職員は政治に踏み込みすぎだ」として、市職員の給与体系の見直しや意識改革の必要性を改めて強調した。 橋下氏「大阪市職員の給与体系はしっかり見直しをかける。市職員は政治というものを軽く見ている。選挙で選ばれた市長に対する配慮が、市役所には欠けている。その意識を改めないといけない」 職員批判はさらに続く。橋下氏の言葉にも次第に力がこもった。 橋下氏「今回の選挙は市役所の主張と、我々の主張が真っ向から対立して、民意が我々を選んだ。職員にはそのあたりをしっかり認識してもらう。政治に踏み込みすぎの職員がたくさんいる。職員が政治家しすぎなんです。大阪市役所は260万人の民意を得ているだけ。大阪府全体に口を出すのはおかしい。大阪市役所や市長の権限は政令市制度のもとで過剰だ」……≫

≪…… --大阪市から大阪府に 広域行政を移管するのか
 橋下氏「まず府市統合本部を作る。統合本部の中で広域行政については府知事の判断が重いということを、市役所の職員にも徹底して認識させる」
 --市議会のリコールについては
 橋下氏「今の段階では考えていない。今回の選挙結果をどう受け止めるかだ。これまでの選挙戦については、いったんここでノーサイド。大阪全体のことを考え、今回の選挙結果を受けて(各党と)話し合いをさせていただく。話し合いで解決できなければ、民意を問うこともありえる」
 --選挙は完全勝利だった
 橋下氏「反対者の数も数十万人いる。反対意見をしっかり受け止めないといけない」 -選挙結果では大阪都構想を選択した形。何年でやる 橋下氏「4年でやるように、法改正を迫っていく」
 --国政への動きが注目されているが 「僕は市長なのでわきまえないといけない。国会議員を擁立したとしても、国のことは国会議員 に考えてもらえばいい」
 --国民から期待されているが 「今は期待されているかもしれないが、明日や明後日はわからない。 このまま失政やスキャンダルもなくいけるとはかぎらない。とにかく今は市長の仕事に邁進したい」……≫(産経新聞)



橋下徹 改革者か壊し屋か―大阪都構想のゆくえ (中公新書ラクレ)
吉富 有治
中央公論新社



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