世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●イベントに反応する世論 次の安倍内閣の祭りは超円高?

2016年06月04日 | 日記

 

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●イベントに反応する世論 次の安倍内閣の祭りは超円高?

本日は、馬鹿々々しいとも思うが、7月10投開票の参議院のお話もしておこう。日本の国民の希望は、ステレオタイプ的に見れば、経済政策が順調に推移して、幻想の経済成長が実現し、企業の輸出が拡大し、好況感が世の中を埋め尽くせば好いのにね、と云うことだろう。新聞各社、NHK含み民放各局も、「潜在成長力はある。構造改革だ」と、如何にも正しいことのように報じているので、メディア・リテラシーの偏差値が、世界の中の下にランキングされている国民が、こう云う言説基準で、選挙と関わりあっていることが多いだろう。

まあ、自ら勝ち得た「デモクラシー」ではないので、永遠に、自分達の力で、政治を左右しようと云う考えに至ることはなさそうだ。たま、官僚制社会主義体制であることを、ロジックでは知らないが、政治と云うもの、その程度に、国民の為になることはするに違いない、と思い込んでいるフシがある。本気で、国民が怒るような事は、きっとしないに違いない、そう思おうとしているフシがある。良く言えば、人間性善説を固く信じている、何とも扱いやすい国民なのだ。デモを実行しても、“暴力はイカン、ゴミは自分で持ち帰ろう”と公共心一杯なのだ。これじゃ、悪魔の政治家がいれば、このマインドは、利用してしまいたい誘惑にかられるのも理解出来る。

なにか、イベント的に、政府がらみで良いことがあれば、支持率は急激に上がる。そのイベントの価値観などまで深く追求しない。原因と結果、そして副作用に関して、興味を持つの国民は、ごく僅かだ。輸出が実質増えていなくても、突きつけられた金額が最高益なんて聞かされたら、“安倍さん、黒田さんお見事!円安バンザイ、株高バンザイ”持ち株が数千株にも満たない連中も、まったくもっていない連中も、何だか好景気だね、金持ちになった気分となる。浮かれやすい国民性が如実なのだ。

熊本地震が起きれば、被災者を「必死で私はサポートする」と安倍さんがテレビ画面で雄叫びを上げればそうだ、安倍は良くやっているとなる。真面目で真摯な態度となる。災害が起きて困るのは、被災地だけで、政権も国民もイベントだから、浮かれる。酷い悲惨だと言いながら、ドラマを眺めるようにテレビ画面を眺めている。G7なんて、立派な国の代表が集まる会議で、安倍さんは議長なのだから、安倍さんは頑張っているじゃないか。わざわざ、きめ細かく、出席国と根回しまで忘れない。その上、オバマ米大統領を、初めて被爆地広島に導いた功績は大きい。

翌日から。円安株高も追い打ちをかけたので、祭り好きの、浮足立った国民が、祭りだ祭りだ、踊らにゃ損損とばかりに、内閣支持率に反応した。それが、共同通信の28,29日の世論調査で、あっと驚く、安倍内閣支持率55%なんて数値を叩きだす。ところが、翌月1,2日から、同じ共同通信で「参議院選第一回トレンド調査」が始まったが、内閣支持率は49%台に落ち込んだ。7%上昇して、数日後には6%落ち込んだ。この原因は、主に2つある。一つは、安倍首相が、どうも世界中の笑い者になっているようだ、と云う情報がある程度拡散した。2番目が、円高株安の波が来た。午前零時、NYでは106円台に突入している。相当に、為替はパニクッている。

*この調子で円高が続けば、105円台も覗くだろうから、週明けの東京市場は狼狽売りが出る可能性はかなりある。対ドル105円、104円となれば、株価も1万5千円台死守の、政府日銀の官製相場がさらにヒートアップと云うことになりそうだ。企業の対ドル想定値は110円だから、えらい話だ。すでに、年金基金の投資損は10兆円に近い段階のようだが、発表は参議院選後とわざわざ決めるのだから、余程酷い惨状なのだろう。参議院選勝利後は、原資不足は国民が痛みを分かち合うなんちゃって、「年金支給一律3~5%カット法案」なんてのが出てきたら驚きだが、事実は小説より奇なりだからね、ないとは言えない。

以上述べたように、安倍さんの内閣の支持率は、目玉イベントに、有権者が浮かれておつき合いする傾向がある。筆者の記憶では、今後、これといった目につくイベントはないので、内閣支持率55%は最高地点だろう。6月半ばには、40%ギリギリが精々ではないのだろろうか。7月10日1週間前には、38%維持がやっとのような気がする。

まあ、有権者が、その雰囲気に浮かれて貰うためにも、「参議院比例区・統一名簿」の採用は有効だが、動きが鈍く。岡田は、連合からの薦めもあり「参議院比例区・統一名簿」を検討してしているようだが、おそらく時間切れで駄目だろう。こうなると、野党の頼りは、政権のアクシデントになる。悪い奴ほど運転上手、円が100円切るとか、株価が1万2千を切るような僥倖に頼ることになりそうだ。筆者が主張する官僚機構の弱体化と地域主権(藩区分復活)は、到底無理になる。筆者も、もう少し若ければ、「辻説法」でもしたいのだが、体力がね(笑)。



 


≪ アベノミクス「見直し必要」58% 比例投票先は自民28%、民進10%

共同通信社は一、二両日、来月の参院選での有権者動向を探るため全国電話世論調査(第一回トレンド調査)を実施した。比例代表の投票先は自民党が28・9%と最多で、民進党の10・9%が続いた。安倍政権の経済政策「アベノミクス」について「見直すべきだ」「完全に方向転換すべきだ」を合わせた否定的な回答が58・0%に上り、拡充や現状維持は計34・6%にとどまった。安倍晋三首相の下での憲法改正には、半数を超える53・6%が反対と答えた。賛成は30・9%。 
 内閣支持率は49・4%で不支持率は41・3%。
 比例投票先では自民党が他党をリードしたものの、37・3%は「まだ決めていない」としており、情勢は変化する可能性がある。投票先は、民進党に 続き公明党6・3%、共産党5・3%、おおさか維新2・4%、社民党1・6%、生活の党0・7%、日本のこころ0・1%。新党改革は回答がなかった。
 参院選の選挙区の投票先では「与党系候補」が32・1%に対して「野党系候補」は19・4%。
 投票先を判断する政策課題では、景気や雇用など経済政策を挙げた人が33・9%でトップ。次いで年金・医療・介護保険制度への取り組み(30・5%)が多かった。
 アベノミクスに関する否定的な回答は「見直すべきだ」が46・5%、「完全に方向転換すべきだ」は11・5%。
 来年四月に予定していた消費税増税を巡り、首相が再延期を表明したことについて「政権の経済政策の失敗ではないと思う」が47・5%、「失敗だと思う」は43・1%で、意見が分かれた。
 支持政党が「ある」との回答は38・2%。内訳は自民党58・9%、民進党15・2%、公明党10・8%、共産党7・3%、おおさか維新3・ 1%、社民党3・0%、生活の党0・6%。日本のこころと新党改革は回答がなかった。「ない」とした無党派層は59・0%で、「あえて支持すればどこか」 と聞いた結果、自民党が30・5%に上った。
 参院選への関心では、69・1%が「ある」とし、「ない」は30・8%。  調査は選挙権年齢が「十八歳以上」に引き下げられることを踏まえ、十八、十九歳も対象に加えた。  ≫(東京新聞:共同)

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