世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

TPPと云う名の「仙谷ウィルス」ただちに国民生活に影響なしと云う虚偽

2011年10月13日 | 日記
世界を壊す金融資本主義
ジャン ペイルルヴァッド,宇野 彰洋
NTT出版



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TPPと云う名の「仙谷ウィルス」ただちに国民生活に影響なしと云う虚偽


 筆者としてみれば、TPPに関して書き過ぎかな?と疑問を持つことも多い。最近だけでも、*「米国の焦りがTPP推進 ドル基軸圏の死守と覇権国家維持は同義だ」、*「小泉の構造改革の百倍の威力を持つTPP 日本はアメリカ国内市場と化す」、*「いつまで、米国の尻にへばりつくのか TPPは年次改革要望書の総仕上げ」と執拗に、その協定の問題点を指摘してきた。

 今さら付足す事もないのだが、このTPP推進の日本側エージェントが仙谷由人であるらしい事を聞きつけた以上、更にもう一言いわざるを得なくなった。(笑)仙谷はそもそも左翼運動家でありながら、暴力団や米国金融資本“シティグループ”と良好な関係を構築していると言われている。その子分と云うか、同じ穴のムジナ前原誠司が軍産複合体のエージェントと云う、鬼に金棒のようなタッグを組んでいる。この米国金融資本であるシティグループ(D・ロックフェラー)と軍産複合体(チェイニーとラムズフェルドら)の日本側“橋渡し役”が、仙谷由人であり、前原誠司である事は確実なようである。  

 この構図を見ただけで、もう解説は要らない。野田総理が仙谷・前原の傀儡で、尚且つ財務省の傀儡であったとすると、もう最悪な事態に突入すると云う事だろう。ただ、財務省がTPPに関して、どのようなスタンスなのかは微妙だと思うのだが、復興増税、消費税増税でポイントを稼いだ財務省にしてみれば、TPPは外務省・経産省とのバーター取引であると推測することが可能なのだ。日本の内需拡大を希望していた米国財務省の要求を撥ねつけた関係上、TPPで農産物くらい米国のモノを輸入させても良いだろう位の軽い考えに違いない。なにせ、彼等は中身も判らずに交渉に参加しないと、と思っているのだから。  

 本来、直ちに日本国民の生活に与える影響は農業部門だ。しかし、彼らの多くは、日本の農業は既に斜陽、特に維持しなければならない意味合いはない、と思っているのだろう。折しも福島原発で放射能汚染された食品を、国民が好んで選択するとは思えない千載一遇のチャンス。日本の食市場に遺伝子組み換え食品、狂牛病騒ぎの牛肉をフリーで輸出する最適な時期だと云う帰結に至るのは、市場原理主義者の当然の行動である。  

 米国財務省が希求した日本市場の内需拡大には財政出動が必須であり、それを阻んだ日本の財務省としては、農産物くらい米国の顔を立てないとイカンと思っただろうし、外務省・経産省の顔も立てる一挙両得の為に、国民生活の一部を米国に売ることにしたと云うのが実情だろう。酷く短絡的で無茶苦茶な話である。彼等霞が関の官僚は、“直ちに”の部分さえクリアすれば、後は天下りするだけなので、責任の“せ”の字もついてこない。  

 最近の日本永田町では、米国のエージェント的ロビーストの活動が目立ち始めている。特に民主党政権になってからの米国ロビーストの動きは激しい。つまり、与党政権のヨチヨチ舵取りを手玉にとり、自分達の利益誘導をヨチヨチの政権に擦り寄りながら、政治家を手玉に、思うがままに動かそうとしているのだろう。米国ロビーストの働きかけは多種多様だが、最終的には仙谷と前原に集約される状況になっているようだ。  

 売国奴と呼ぶに相応しい、仙谷や前原・玄葉・安住に野田が加われば、もう鬼が金棒を持ち、米軍・マスメディアに守られながらヨチヨチの民主政権内を闊歩するのだから、堪らないわけである。そこで、昨夜のコラムの最後の方で、「小沢さん、これで良いのか?」と書いたわけだが、後々「交渉参加」が不参加可能なら良いのだろうが、オバマが漸く手に入れた獲物・日本市場を「やっぱりやめます」とは言い難いだろう。  

 結局、農業問題に限らず様々な分野における障壁の撤廃なのだから、長い目で見ると、日本と云う国家の体質そのものが変質するわけで、臨時総理のような野田内閣が推し進める協定のレベルでは断じてないのだ。仮に、このTPPの交渉参加の決定を、国会が閉じている間隙をついて強行されるなら、俄かに政局と云う臭いまでしてくる。国家の生き様まで変えてしまうような重大な協定は、民主党議員に限らず、日本の国会議員全体の体質を見極める問題にまで発展するかもしれない。  

 福島原発の放射能汚染もジワジワと真実が現れ、大増税路線も喧伝され、小沢裁判も大騒ぎ。このような中で、どさくさに紛れたTPP検討会など、充分な議論も、国民的周知も何もなしに、国家の市場を他人に売ってしまう。こんな事を唯々諾々と許す政治家であれば、筆者は小沢一郎でも指示しない。来年の秋に、代表総理となり、その参加を仕切り直しする展望があるなら別の話だ。  

 TPPは日本のデフレを加速化し、労働力の自由化で更なる労働賃金の低下を招き、あっという間に1%の富裕層と99%の貧困層。完璧に米国化するだけだ。農家は離農し農地を手放し米国資本の大規模農業が展開、幾らでもデフレは加速する。今ウォール街で起きている米国の労働環境のソックリさんが日本に現れる。おそらく10年以内に失業率は10%を超えるだろう。医療の崩壊も凄まじく、混合診療が当たり前、平均寿命短縮の国家的陰謀までみえてくる。意外に「野田内閣不信任案」と云うシーンが早々に見られるかもしれない。


策謀家チェイニー 副大統領が創った「ブッシュのアメリカ」 (朝日選書)
バートン・ゲルマン
朝日新聞出版


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