アメリカに潰される!日本の食―自給率を上げるのはたやすい! | |
山田 正彦 | |
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日本は世界5位の農業国、食糧安全保障は充分だ! 自給自足充分可能
日本の鎖国的自主独立と云うイメージを何度か拙ブログで書いてみたが、その都度「馬鹿言うな」と云う類のコメントが多くなるのを興味深く読んでいる。自給率40%を切るかもしれない日本に、輸入食料品が入らなくなったらどうするのだ?と云う疑問と云うか意見が多い。 次に、エネルギー、特に電力は再生可能エネルギーで賄えたとして、化石燃料を元に作られる、化学製品はどうなるのだ、という意見が多い。今回は食料の自給について述べることとし、追々化石燃料と科学薬品の検証も行う事にする。
常識的に考えて欲しい。「世界の車窓の旅」ではないが、あらゆる国々の景色を見ていると判ることだが、森の緑より、赤茶けた大地が拡がる風景が目を引く。努力し、工夫し、そこにブドウやオリーブ畑、トウモロコシ畑等々を作っている現実に直面するだろう。
それに比して、「日本の車窓の旅」をしてみれば、一目瞭然だ。 大都市を除けば、地方都市を15分も列車で走れば、もうそこは田畑の連鎖地帯である。その田畑の間には川が流れ、その後方には丘陵が拡がり、大小様々な連山が見える。つまり、日本の景色は緑の連続なのである。こんな国家は滅多にはない。また、反対側の車窓を覗けば、大海原。太平洋だ、日本海だ。挙句に、これらの景色は四季折々に色を変え、人々の目を愉しませる。否、愉しむだけでなく、それが肥沃な大地の恵みを、我々日本人に与えているのである。
国連食料農業機関(FAO)が公表しているデータによれば、日本の森林率は68.5%。つまり国土の7割近くは森林ということになっている。森林率で言うなら、日本はフィンランドに次ぐ世界第二位の緑豊かな国家なのだ。この森林率の算出方法を充分検討していないが、列車の車窓から見える、平地の田畑は含まれないだろうから、目に見える緑の量は8~90%になるのではないだろうか。
つまり、人間の感覚と云うものは結構正しいもので、このような緑の占有国家が食糧で自給自足出来ないと云う話を鵜呑みに出来る人は、目が節穴状態になっているとしか思えない。緑に飽きたら、流れる川の水を眺め、淡水魚を食することもあるし、でっかい海の海産物を手に入れているのだから、食糧自給率が40%を切るかもしれない等と云う話に、耳を傾ける必要は皆無だ。
単に経済効率から、食料を輸入する方が得だと云う次元の問題であり、鎖国的自給自足に、何の支障も来さないのは自明だ。 化学肥料や農薬問題も、経済効率の追求故に生まれた問題であり、国家の自立自尊の中においては、瑣末な要因でしかない。不揃いな生産物が出来たからどうだと云うのだ?生き物とは、すべからく不揃いなもので、まったく同じ奴等いない。植物、魚類も同じだと受け入れれば良いだけの話だ。
ちなみに、既に日本は農業生産額では、世界5位。中国、アメリカ、インド、ブラジルの次である。上位4カ国は国土面積がベラボーに違うのに、そう云う事だ。つまり、肥沃な大地を端から抱えているのが日本だ。日本は食料の輸入でも世界4位だが、輸入食料の方が安くて簡便だから自作せず、輸入しているものや、贅沢嗜好の為に輸入が行われているのが実態で、食糧自給安全保障を論ずる上で、俎上に乗せる統計数字ではない。
だいぶ前に、日本の食料自給率に関する、統計の嘘を書いたが、40%と云う数字は作為的計算方法なだけで、カロリーベース等と云うマヤカシの数字に意味はない。また、外食産業やコンビニの廃棄食料(年間2000万トン)が含まれたカロリー計算をしているので、需要の見せかけが横行している。供給力の産出も、自給自足農家や副業的農家、家庭菜園で生産する大量の米や野菜を含めていない。勿論、生産調整で畑で廃棄してしまうキャベツなども、含まれない。おそらく、供給に含まれない我が国の農産物の公表数は30%ほどネグられている。
結論とまでは言わないが、日本の食糧自給率は、食の安全保障において、充分であるし、開発可能な緑の大地は残されている。放射能汚染問題が引っ掛かるが、汚染地域で減少するなら、その分未開拓な部分に手を加える事で、最終的には解決するだろう。まさか、今後次々原発が事故を起こし、日本中が汚染されるとは思いたくもない。その節には、日本の食糧自給率問題は、筆者の論を根っ子から覆す。
日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 (講談社プラスアルファ新書) | |
浅川 芳裕 | |
講談社 |
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