少し前のことですが、福島に行ってきました。
「きょうされん全国大会inふくしま」という大会に。
「きょうされん」は略で、「共同作業所全国連絡会」というものです。
日本中にある障害者が働いている小さな作業所。皆が集まれば国にも声が届くんだと、連絡会ができたのですね。
ですんで、「福島に行ってきた」と言っても、以前のように被災地支援というより、被災した作業所の人達が、どのようなことになったか、今どのようにしているかを聴きに行ったというところです。
津波で直接亡くなったケースは発表されませんでしたが、原発による避難で所在不明になった人。遠くの施設に行かざるを得なくなり、親友と別れてしまった人など、個人の意志ではどうしようもない状況に置かれてしまった人達の中で、更に障害を持っていることで、家族と別れなければならなかったという話を聴きました。
施設の職員さんたちは、少しでも早く作業所を復旧させて、みんながバラバラにならないようにと奮闘されたそうです。そんな施設が複数ありました、。
そして、今迄は働いて得た<工賃>の少なさに家族から軽く見られ、弟なども兄を軽視していたそうです。が、作業所が復旧して家族の誰よりもはやく仕事に戻れて<工賃>を得た彼が、家族に「生活費にして」と袋ごと渡し、親も弟も胸が熱くなったという話もありました。
今回の大震災はとてつもない悲惨なものです。
施設の復興の報告をしながら、当時の惨状を思い出したのでしょう、涙で詰まって言葉が出なくなった職員さんもおいででした。
でも。
そんな中からでも、働くことの尊さを肌で感じた人達が(言葉では出なくても)力を出し合うようになって前進していく姿はまぶしかったですね。
大会の最後の日、実行委員長が会場に向かって挨拶をされたのですが、忘れられない言葉がありました。
「福島の原発でつくられた電気は、福島のひとはこれっぽっちも使っていません。みんな東京にいくからです。どうか、福島を忘れないでください。」