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大川小学校の悲劇を職場で繰り返すな!

2021年03月17日 08時06分34秒 | 福島の犠牲の上に胡坐をかくな
 
津波の際は近隣の中学校だけでなく団地にも避難できるようにして下さい。
 
現在、スーパー〇〇の××物流センターに勤務する労働者は、南海トラフ巨大地震や東南海・南海地震などの大きな地震が発生した際は、〇〇さんの指示で、関連会社の従業員も含め、全員が近くの××中学校に避難する事になっています。しかし、同校の建物は2階までの高さしかありません。津波が来たらひとたまりもありません。同校だけでなく、その近隣の××団地にも避難できるようにして下さい。
 
××中学校が避難場所になっているのは、××区の防災マップで、同校が「災害時避難所」に指定されているからです。しかし、そんな形だけの施設に避難した所で、津波から逃れられる訳がありません。それに対し、団地の建物なら、高さが14階まであるので安心です。
 
防災マップには、同校の他に当該団地も、「津波避難ビル」に指定されています。地震と津波の両方の場合に避難できる「災害時避難所」とは違い、「津波避難ビル」は津波来襲時しか避難できません。しかし、避難しなければならないような巨大地震の際には、その後に津波も来襲します。巨大地震の場合は、地震だけでなく津波にも備えるべきです。
 
2011年の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)でも、三陸沿岸の市町村で多くの方が津波に呑まれて亡くなりました。その多くは、行政の指定した公民館や学校の避難所に逃れた人たちです。巨大地震の際には、絵に描いた防災マップなぞ何の役にも立たなかったのです。
 
地震発生から津波来襲までの時間は、およそ30分間しかありません。その30分間に出来る事と言えば、半径1キロ圏内に徒歩で避難する事ぐらいです。××物流センターの場合で言えば、避難場所は××中学校と××団地の2ヵ所に限られます。いざ地震が起こってから、どちらに逃げようか考えている余裕なぞありません。
 
「津波てんでんこ」という格言があります。「津波避難の場合は、他人の事なぞに構っておらず、各人がバラバラになっても構わないから、一刻も早く高台に逃げろ」という意味です。津波避難には、それだけの緊急性が求められます。「我々は下請けだから、〇〇さんや行政の言う事には逆らえない」なんて言っていたら死んでしまいます。従業員の命を守るためには何が今最も必要なのか?標記の件について、是非ご検討をお願いします。(以上、転載終了)
 
先日、上記のメールを勤務先企業の本社窓口に送りました。メール送付に至ったきっかけは、やはり東日本大震災の特集番組です。阪神淡路大震災、東日本大震災の時期になると、マスコミは必ず震災追悼番組を流します。例年なら、それを聞き流すだけでしたが、今年は少し勝手が違いました。
 
それまでは、東日本大震災の犠牲者と言えば、福島原発事故の被災者がまず頭に浮かんでいました。しかし、震災の犠牲は原発事故由来によるものだけではありません。避難の杜撰(ずさん)さによるものも多数含まれています。
 
 
杜撰な避難の最も有名な例が大川小学校の悲劇です。宮城県石巻市立大川小学校(現在は廃校、上図A地点)は河口からわずか5キロの北上川沿いにあり、学校のすぐ後ろには避難できる裏山(同B地点)もありました。ところが、地震発生から津波来襲まで50分余も時間がありながら、実際に避難が始まったのは40分も過ぎてからです。明確な避難先を決めてなかった為、避難先を巡って教師の意見が分かれ、避難開始に手間取ったのです。
 
しかも、地面がぬかるんで滑りやすいなどの理由で、すぐ後ろにある裏山へは避難せず、わざわざ危険な新北上大橋のたもとにある高台の三叉路(同C地点)に避難しようとしたのです。その為に、避難中に北上川から逆流した津波に呑まれ、児童・教職員のほとんどが亡くなりました。
 
何故、わざわざ危険な川沿いに避難しようとしたのか?ハザードマップでは、津波は小学校までは来ない想定になっていました。その為、小学校自体が津波の避難先に指定され、近くに住む高齢者も小学校に集まり始めていました。だから、高齢者も簡単に避難できる川沿いの高台を避難先に選んでしまったのです。川沿いとは言え、高い堤防で囲われた高台なら安心だろうと。
 
しかも、児童が教師に「裏山に避難しよう!」と泣いて頼んでいるのに、教師はその児童を叱りつけ、わざわざ裏山に逃げた児童を学校に連れ戻す事までしていました。そして、マニュアルに書いてあるからと、校庭に児童を集め、点呼まで取っていました。一刻も早く逃げなければならない緊急事態であるにも関わらず。
 
どこに避難するかという肝心な事を何も決めないまま、ハザードマップや高い堤防などの既存の施策に寄りかかり、点呼などの形式にばかりとらわれていたのです。これは何もこの事例だけに限った事ではないでしょう。現に私の職場でも、高い団地ではなく低層の中学校に避難所が設定されてしまっています。民間の団地よりも公共の中学校の方が、人を集めやすいし避難所の設営も楽だからです。
 
でも、津波から身を守る事を最優先で考えるなら、誰が考えても高い団地の方が安全です。行政や企業も、「上が決めた事だから」という理由だけで、形だけの避難計画にとらわれるのではなく、従業員の安全を守る事を最優先に考えて欲しいです。
 
震災特集番組では、避難所で辛抱強く配給を待つ行列を、「日本スゴイ!」と称える場面も多く流されましたが、それでは「ただ黙って規則に従え」という事にもなりません。本当は「黙って規則に従え」ではなく、「安全の為に今何が必要か、自分の頭で考えて最善を尽くせ」。これこそが「避難の鉄則」であるべきです。

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1 コメント

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Unknown (プレカリアート)
2021-03-20 00:39:27
面談報告

本日、本社からS部長が来られて、K所長も同席されて、会議室で15時から約15分間、津波避難の件で面談しました。

S部長が言うには、「確かにハザードマップの津波想定は甘いと思う。東日本大震災級の津波が来たら2メートル、3メートルの高さの波では済まない。しかし、避難先の校舎が3階までしかないなら、さすがに低すぎると言えるが、5階まであるなら何とか許容範囲かな(注:校舎が3階までしかないというのは私の思い違いでした)。それを覆してまで再考を求めるだけの根拠が当社には無い。だからと言って、命に関わる事なので、不安に思う従業員まで無理に引き止めて皆同じ場所に避難せよとまでは言えない。事前に避難先を申告するなら、個人で別の場所に避難しても構わない」との事でした。

後段の「事前に申告すれば個人での避難もOK」という部分を、面談の最後に再度、S部長に確認し、了承を得たので、私もこれで面談を終了する事にしました。私は、津波避難の際は、中学校ではなく団地に逃げます!
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