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安倍政権への審判が下された東京都議選

2017年07月05日 18時27分17秒 | モリカケも忖度もない公平な社会を

 

 7月2日に投票が行われた東京都議選の結果は次の通りです。小池都知事与党の都民ファーストが予想通り第一党に躍り出て、自民党は史上最低の23議席と、予想を上回る大惨敗に終わりました。自民・民進両党の減少分がそのまま都民ファーストの増加につながった事が分かります。

 自民59→23(▲36)、公明23→23(±0)、共産17→19(+2)、民進15→5(▲10)、都民0→55(+55)、生活者ネット3→1(▲2)、維新2→1(▲1)、無所属1→0(▲1)。いずれも前回との比較。選挙区の一部で定数変更による増減はあったが総定数は変わらず。その4年間に、民主党は民進党に改称し、都民ファーストへの鞍替え続出で、既に公示前に7議席にまで後退していました。(上記画像はNHKの開票速報)

 この時、ちょうど国政では自民党の安倍政権が、共謀罪法案の強行採決や森友・加計学園疑惑で、国民から強い批判にさらされていました。それが選挙戦にも影響し、自民党陣営が「安倍隠し」に追われるようになりました。安倍首相ポスターの顔写真の部分をわざと覆い隠すように、演説会の告知ビラを貼り、ビラを配布する時も、安倍首相の顔が印刷されたページを一番下にして撒いていました。身内であるはずの運動員からも、ここまで安倍首相が嫌われるようになるとは、私もさすがに思いませんでした。しかし、それも所詮は悪あがきに終わり、自民党は史上最大の惨敗を喫し、下村博文・前文科相や荻生田光一・官房副長官が自民都連の会長や総務会長を辞職する事態になりました。

 “首相載っているから自民ビラ配られない”(しんぶん赤旗)
 「森友と加計が悪い印象」 落選した自民ベテラン現職(朝日新聞)
 都議選の「安倍やめろ!」は尋常ではなかった(東洋経済オンライン)

 但し、得票数で見ると、議席差ほどの開きは見られません。確かに、投票率が前回の43.50%から51.28%に7.78%も跳ね上がり、その多くが都民ファーストに流れ、自民党は大きく得票を減らしたのは事実です。しかし、それでも自民党は依然として2割以上の得票率を維持し、議席数が肉薄した公明・共産両党よりも、まだはるかに多くの得票を得ています。自民党が惨敗したのは、国政への批判が急速に強まる中で、安倍一強体制の上に胡坐(あぐら)をかき、候補者を絞らなかった為に、複数区で共倒れが続出した選挙戦術のまずさが原因です。

 自民163万(36%)→126万(22%)、公明63万(14%)→73万(13%)、共産61万(13%)→77万(13%)、民進69万(15%)→38万(6%)、都民188万(33%)。いずれも前回との比較票数。但し千以下の票数は切り捨て。カッコ内は得票率。同じく小数点以下の%は切り捨て。

 実際、自民党候補が複数出馬した選挙区のうち、品川・目黒・板橋の各区では2人とも共倒れしてしまい、港・新宿・墨田・大田・練馬・足立・葛飾・江戸川の各区と八王子・町田の両市でも1人ずつ取りこぼしてしまいました。目黒区では、その間隙を縫って共産党の新人が滑り込み当選を果たしています(下記、朝日新聞の開票速報参照)。これらの選挙区は、いずれも候補者を1人に絞り込んでおれば楽に当選できたはずです。しかし、その一方で、三多摩地域を中心に、現職1人しか擁立していないにも関わらず、落選している選挙区も目立ちます。

 では、自民惨敗とは対照的に今回ボロ勝ちした都民ファーストが安泰かと言えば、それも違います。小池都知事は、安倍首相とも親密で、思想的にも同じ極右団体の「日本会議」に属しています。新たに都民ファースト幹事長に就任した野田数も、大日本帝国憲法の復活を説くゴリゴリの右翼です。自民党本部がなかなか小池知事の離党届を受理しなかったのも、その辺の事情を考慮に入れて、将来の復党に含みを持たせていたからかも知れません。野田数のスキャンダルについても、六本木のキャバクラ豪遊疑惑など、自民党に負けず劣らず凄まじいものがあります。その他の都民ファースト議員も、大半が初当選の小池チルドレンで占められています。この調子では、早晩、今の維新・橋下チルドレン議員のように、政治資金流用疑惑にまみれた議員連中による政治私物化が横行する事になるでしょう。

 小池知事と都民ファーストでいいのか? 仕切っているのは国民主権否定を公言する極右、安倍政権に全面協力の密約も(リテラ)
 小池都知事の最側近 横領疑惑の最中に六本木で豪遊か(ライブドア・ニュース)

 これではとても、今回の都議選結果を手放しで礼賛する訳にはいきません。下手すれば、自民党以上に右翼でスキャンダルまみれの都民ファーストが、かつての石原慎太郎のように、都政を私物化する恐れは十分にあります。しかし、その一方で、都民ファーストの躍進が、単なる都議会自民党や官僚支配に対する批判に留まらず、安倍政治への批判を伴ったものである事も確かです。実際に、都民ファーストに流れた票の中には、自民批判票や民進・生活者ネットの票も少なくありません。

 都民ファーストの躍進を、かつての維新躍進になぞらえ、新たな右派の台頭を警戒する気持ちは、当然私も持っています。しかし、今更それを嘆いた所で、一体何になるのでしょう?そんな事で悲嘆に暮れている暇があるなら、一刻も早く次の行動に出なければならないと思います。少なくとも、都政においては自民党の支配は崩れたのですから、後は都民ファーストが国政に進出する前に、同党に流れた安倍批判票をいかに呼び戻すかを考えなくてはなりません。

 これだけ安倍政権が森友・加計学園の問題で好き勝手に振る舞っても、なかなか内閣支持率が下がらなかったのは何故か?ひとえに野党第一党の民進党が頼りないからです。今回の都議選でも、せっかく自民党を追い詰めるチャンスだったのに、自民党に負ける前に都民ファーストに負けてしまうからと、多くの議員が「寄らば大樹の陰」と、都民ファーストに鞍替えしてしまいました。そんな節操のない事で、一体誰が民進党を支持しようという気になりますか?それが証拠に、逃げずに民進党の旗を降ろさなかった議員は、今回、意外と踏ん張ったじゃないですか。そして、安倍政権への対決姿勢をもっとも鮮明にした共産党が、都民ファーストに飲み込まれず、逆に議席を伸ばしたじゃないですか。

 ほらっ、小説「蟹工船」の漫画にもあるでしょう。労働者が最初のストライキに立ち上がった時、鎮圧にやって来た海軍兵士を、逆にスト支援部隊と勘違いして、歓迎する愚を労働者は犯してしまいました。しかし、軍隊にストライキが鎮圧された後も、労働者は諦めずに再び立ち上がります。今度は海軍なぞ当てにせず、船内の労働者全員が立ち上がる事で、ストライキは見事成功を収めました、と。

 都議選 共産 無党派層で第2党(しんぶん赤旗)
 米・仏・英と同様の「左翼バネ」が都議選でも働くのか(五十嵐仁の転成仁語)

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