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放射能やけどだけの問題ではないだろう

2011年03月28日 23時48分08秒 | 福島の犠牲の上に胡坐をかくな
・作業員3人被ばく、2人搬送=建屋地下で放射線やけど-復旧作業中・福島第1原発(時事通信)
 東京電力は24日、東日本大震災で被災した福島第1原発の3号機タービン建屋内で、作業員3人が170~180ミリシーベルトの放射線を浴びたと発表した。累積被ばく量は、特例として認められた250ミリシーベルト未満だが、一度に多量の放射線を浴びており、うち2人が放射線によるやけど「ベータ線熱傷」の可能性を否定できないとして福島県立医大病院に搬送された。手当ての後、25日朝にも千葉市の放射線医学総合研究所に移る。
 経済産業省原子力安全・保安院や東電によると、被ばくしたのはいずれも協力会社の男性社員で、30代2人に20代1人。3人は24日午前10時半ごろから仮設電源のケーブル敷設のため、原子炉建屋に隣接するタービン建屋地下1階の現場に入り、放射性物質が含まれるとみられる水たまりに足を踏み入れて作業した。
 作業を終え、午後0時10分ごろに個人線量計の数値を確認するとそれぞれ180.07、179.37、173.00ミリシーベルトを示していたことが判明。3人は体調は良好だが、うち被ばく量の多い30代と20代の計2人が搬送された。
 水たまりは深さ約15センチ。3人はフィルター付マスクを着け、上下つなぎの作業服に上着、ヘルメットにゴム手袋をしていたが、病院に運ばれた2人は長靴を履いておらず、くるぶしまで水に漬かった。3人の線量計は20ミリシーベルトでアラームが鳴るが、実際に鳴ったかは不明という。
 被ばく後に東電が現場を調べたところ、水たまりの表面は毎時約400ミリシーベルト、空間線量は同約200ミリシーベルトだった。実際に水に漬かって作業したのは、40~50分間とみられる。(以上転載)
 http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2011032400673

 上記記事については、本当はもっと早くブログで取り上げたかったのですが、その時にはまだ「ベータ線熱傷」や許容被ばく線量の知識がなくて、取り上げる事が出来ませんでした。その為もあって、「急がば回れ」で放射能関連の予備知識を仕入れていました。
 その為に記事の更新が遅くなってしまいましたが、お陰さまで、この記事の問題点を見抜く事が出来るようになりました。

 この記事の最大の問題点は、事故を「ベータ線熱傷」という放射能やけどの問題のみに矮小化している事です。事故原因を暗に「長靴を履かなかった従業員の不注意」に求め、汚染水に漬かった二人の従業員のみ病院搬送され、残りの一人はそのまま放置された事について一切不問に付しているのも、全てはその矮小化によるものです。
 しかし、核分裂によって原子核から放出されるのは、何もベータ線だけではありません。アルファ線やガンマ線、中性子線などの他の放射線も、一杯放出されます。そのなかで、たまたま最初に現れた障害が「ベータ線熱傷」だったので、それだけがクローズアップされてしまったのです。寧ろ、後に現れるであろうアルファ線やガンマ線などによる放射能の影響のほうが、より重篤な症状を呼び起こす可能性が高いにも関わらず。

 しかも、この3号機については、問題はそれだけに止まりません。この3号機では、ウランにプルトニウムを混ぜたMOX燃料が使われていましたが、プルトニウムの毒性はウランをも遥かに上回ります。何せ放射能量が半減するのに2万4千年も要するような、そんな「死の灰」を燃料に使っていたのですから。
 そんな環境下で事故が起こり、「水たまりの表面は毎時約400ミリシーベルト、空間線量は同約200ミリシーベルト」と、やけどなどの外部被曝だけでなく、大気吸引による内部被曝で白血病発症の可能性も充分考えられるのに、記事からはその視点がすっぽり抜け落ちてしまっています。

 後に判明した事実によれば、現場には放射線管理者などの資格を持った責任者も配置されずに、完全に下請け業者任せだったというではありませんか。如何に放射線管理区域外のタービン建屋といえども、原発構内には変わりありません。しかも、福島第一原発では、この間の水素爆発や注水作業によって、放射能の拡散がもはや避けられない状況に陥っているというのに、これでは東電は、従業員の安全配慮義務を蔑ろにしていると言われても当然でしょう。
 この東電の姿勢は、何も今に始まったものではありません。この東電に限らず、原発企業そのものが、自らは決して手を汚さず、汚れ仕事は全て下請け業者(その中には寄せ場の手配師や暴力団関係者も含まれる)に押し付け、「原発ジプシー」と呼ばれる下請けの従業員の犠牲の上によって、初めて成り立つダークな存在なのです。

 原発企業にとっては、下請け作業員なんて、所詮は使い捨てにしか過ぎません。山谷や釜ヶ崎、寿町・笹島といった全国各地の寄せ場から、身寄りのない労働者を集めてきて、原子炉内での除染・検査・部品交換などの業務に従事させるのです。表向きは、防護服に身を固めさせて、如何にも労働者の健康にも留意しているように見せかけながら。
 しかし、何故そんな身寄りのない人間を好んで雇うのか。それは、労働者が放射能障害によって使い物にならなくなっても、ろくに補償もせずに闇から闇に葬れるからです。防護服にも放射能防護機能は殆どありません。防護服を着せるのは、作業時に付着した放射性の塵や埃を外部に出させない為です。

 確かに、防護服着用中の暑苦しさ息苦しさを除けば、原発労働の作業自体は比較的楽です。力仕事は殆ど無く、30分交代で休憩に入るような作業ですから。実際には、5分も作業すればアラームメーターが鳴って作業を中断しなければいけない程の、高濃度の放射能汚染に晒されながら、それでは仕事にならないから無理やり30分交代にしているような、そんな危険作業に従事させられているのに、そんな事はおくびにも出さずに。
 今回の福島原発事故で、自衛隊員や消防団員による救援・復旧活動が華々しく伝えられています。しかし、その陰で、下請け作業員が、今まで何千人と原発で被曝し、白血病やガンで亡くなった事については、一切報じられる事はありません。原発大企業はマスコミの大口スポンサーですから。彼らは厳重に口止めされた上で、身よりもなく、ひっそりと亡くなって行きます。

 これが原発の実態です。彼ら下請け作業員は決して英雄なんかではありません。昨年8月に、会社の保安対策手抜きによって落盤で閉じ込められた、南米チリの33人の鉱夫たちと同じ、陋劣なる階級政策の犠牲者に他なりません。今必要な事は、彼らを英雄として崇め奉る事ではありません。再び同じ様な犠牲者を出さないよう、これまでの原発政策の転換を政府・企業に要求する事です。それが福島の被災住民に真に応える道でもあります。
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放射能関連に関するメモ(改訂版)

2011年03月28日 00時39分59秒 | 福島の犠牲の上に胡坐をかくな
 福島原発事故のニュースを聞くにつれて、次第に放射能に関する知識の無さを痛感させられるようになりました。そこで、ここは「急がば回れ」で、遅まきながら「最低限これだけは知っておかねば」と思うものを、主に「よくわかる原子力」というサイトから、メモ代わりに抜書きしておく事にします。
(注)
(1)実は、この原文は子供向けの文章という事もあって(だから説明が分かりやすい)、平仮名が多用されています。そのまま引用したのでは読みにくいので、引用の際に、ある程度平仮名を漢字に直したり、句読点を挿入したりしました。
(2)昨日アップしたウィキペディアからの抜書きは、説明が分かりにくいので削除の上、こちらの改訂版に差し替えました。
 
■放射線ってどんなもの?

 放射線というのは、目には見えないし、においも味もしない。(中略)放射線とは、(核分裂反応の際に原子核から放出される)とても大きなエネルギーをもった小さな粒の流れで、生き物の身体を簡単につき抜けてしまうので、これを感じることができないのです。

 

■放射線と放射性物質とはどう違うの?

 放射能は放射線を出す能力という意味です。放射性物質は自然に壊れながら放射線を出す物質で、放射能ともいわれます。(注:例えて言えば、放射性物質がランプだとすると、放射能はランプの光に当たる。但し、放射能の場合は、光とは違い、浴びれば身体が傷つけられる)
 
■放射線の種類

●エックス(X)線:
 ウイルヘルム・コンラート・レントゲン博士は実験しているときに、自分の手の骨の影が紙の上に写っていることに気づきました。これがエックス線の発見です。博士は「身体を通り抜ける不思議な線」という意味でエックス線と名付けました。1895年のことです。発見した博士の名前をとってレントゲン線といわれることもあります。
 この放射線は左図[省略]のように筋肉や皮膚などをとおりぬけ、身体を透かして見ることができる性質のため、発見されるとすぐに医学の分野でさかんに使われるようになりました。技術が進み身体を輪切りにして見る「CT検査」も行われるようになりましたが、これもエックス線です。しかし、生き物には害があることは、あまり知られていませんでした。
 日本は世界で一番エックス線検査の回数が多いそうです。このためガンなどがふえるといわれています。これを医療被曝(ひばく)といいます。

●ガンマ(γ)線:
 ガンマ線の性質はエックス線とほとんど同じです。これは光の速さでとぶ光の粒で、原子核が壊れるときに飛び出してきます。目に見える光とちがうところは、エックス線と同じように身体や木や紙などを通り抜けることです。身体を通り抜ける性質を利用して医療の検査に使ったり、細胞を殺す性質を利用してガンの治療にも使われます。
 ガンマ線は厚いコンクリートや鉛などは通り抜けることができないので、これらはガンマ線を防ぐ防ぐために使われます。

●ベーター(β)線:
 これはとてもはやい速度でとぶ電子で、やはり原子核が壊れるときに飛び出してきます。マイナスの電気を帯びていますが、アルファ線よりもずっと小さいのでこれよりは長く飛べます。体の中では数ミリメートルから数十ミリメートル飛ぶだけですが、その通り道にある細胞を傷つけるのはエックス線やガンマ線と同じです。

●アルファ(α)線:
 アルファ線は裸のヘリウムの原子核そのものです。これもプルトニウムのように大きな原子核が壊れるときにものすごい勢いで飛び出します。図のように二つの中性子と陽子からできています。粒が大きく、プラスの電気を帯びているため遠くに飛ぶことができないので、ふだんはあまり心配はありません。
 でも、プルトニウムのようにアルファ線を出す物質がいちど体の中に入ると近くにある細胞を傷つけます。このように体の中から放射線を浴びることを内部被曝といいます。細胞が傷つくとガンなどの原因になります。
 アルファ線が細胞を傷つける力は、同じ量のエックス線やガンマ線の20倍くらいあります。

●中性子線:
 中性子の粒がはやいスピードで飛ぶ線です。原子力発電所の原子炉や原爆のような核兵器に使われる原子の原子核が壊れるときに飛び出してきます。
 1999年9月30日、原子力発電に使う核燃料を作っていた会社で起きたJCO事故のとき、工場で働いていた二人はこの中性子線をたくさん浴びてなくなりました。
 名前があらわすように中性で電気を帯びていませんから体の中をたやすく通り抜け、細胞を傷つけます。その害はエックス線やガンマ線よりも5倍から20倍高くなります。

●重粒子線:
 これは炭素やネオンなど、普通の状態ではほとんど止まっているような原子核を、加速器といわれる大がかりな装置を使って、無理やりものすごい速さで走らせた線です。エックス線やガンマ線とちがって、止まるときに細胞を傷つける力が最大になる特長を生かして、ガンの治療に使われています。

 

■半減期って何のこと?

 放射性物質は自然に放射線を出しながら壊れ、他の物質に変わってゆきます。元の物質の量が半分になるまでの時間を半減期といいます。半減期は放射性物質の種類によって違います。
 例えば原子力発電の燃料になる燃えるウランの半減期は約7億年、原爆の原料になるプルトニウムの半減期は24,000年、1986年に起きたチェルノブイリ原子力発電所事故の時に世界中にばらまかれたセシウムの半減期は30年などです。ということは、チェルノブイリ事故が原因でガンになる人が、まだまだ沢山出てくるということです。
 下の図は、原子力発電を続けるかぎり燃料の中にたまりつづける猛毒のプルトニウムの寿命と、人類の歴史を比べてみました。プルトニウムは24000年経ってようやくはじめの量の半分になります。キリストが生まれてからまだ2000年チョットしかたっていないのに・・・・。24000年後地球はどうなっているでしょう?人類はまだ滅びないでいるでしょうか?
 これまでに日本の原子力発電だけでたまったプルトニウムの量は、約170トンあまりです。プルトニウムは1グラムで約5000人に肺ガンをつくります。これが生き物に無害になるまでにはどの位の時間がかかるのでしょう?計算してみてください。

 

■放射線の強さをあらわす単位は?

●ベクレル(Bq):
 放射性物質は一回壊れるたびにアルファ線かベーター線が原子核から一個飛び出し、同時にガンマ線もでます。
 1秒間に1回壊れる放射性物質の量を1ベクレル(1Bq)といいます。
 放射性物質によって飛び出してくる放射線の種類がちがいます。例えばプルトニウムは壊れるときにアルファ線を出し、セシウムはベーター線を出します。

●グレイ(Gy):
 放射性物質や放射線を発生させる装置から飛び出す放射線のエネルギーが、生き物の身体にどれだけ吸収されたかをあらわす単位です。生き物の身体1キログラム当たりが吸収したエネルギーの全体量を1グレイ(1Gy )といいます。
 エネルギーを吸収するということは、体の中で放射線が何かにぶつかって速さが遅くなるか、止まるかして変化することです。吸収したエネルギーが大きければ細胞が受ける傷の程度も大きくなります。

●シーベルト(Sv):
 同じ量の放射線が身体に当たっても放射線の種類によってあたえる影響はちがいます。その影響の大きさを考えに入れた放射線の単位をシーベルト(Sv)といいます。
 例えば、同じ重さの生き物が1グレイのエックス線かまたはアルファ線を浴びたとすると、アルファ線の方が20倍も害をあたえるので、アルファ線1Gyは20Svにあたります。
 しかし、アルファ線はプラスの電気を帯びているため、長い距離は飛べません。したがって、身体の外にある場合にはそれほど心配しなくても良いのですが、食べ物や水や空気といっしょにいったん身体の中に入ってしまうと、傷をつける作用は大きくなりますから危険です(このように放射線を身体の中から浴びることを内部被曝といいます。)
 エックス線やガンマ線の1グレイは1シーベルトです。

■外部被曝と内部被曝

 図で示すように放射線を身体の外からあびることを外部被曝といい、放射性物質を身体の中に取り込んでしまい内側から放射線を浴びることを内部被曝といいます。
 外部被ばくで危険な放射線は、図に示すように、エックス線、ガンマ線、中性子線、です。
 ベーター線は服を着ていればそれ程心配はないでしょう。
 アルファ線のように遠くに飛べない放射線でも、アルファ線を出す放射性物質が身体の中に入ってしまうと、すぐまわりには細胞がたくさんありますから、細胞は傷つけられます(内部被曝)。その程度はエックス線やガンマ線の20倍にもなります。

 

■放射線を浴びるとどうなるの?

 せっかく放射線の量をはかる単位を覚えたのですから、どの位の量の放射線で何が起きるのかみてみましょう。
 ここでミリシーベルト( mSv )という単位がでてきますが、これは1000分の1シーベルト( Sv )のことです。
 放射線の単位では、マイクロシーベルト(μSv)というものも使われます。これは、1000分の1ミリシーベルト(mSv)のことです。1(Sv)=1,000(mSv)=1,000,000(μSv)
 それでは放射線が身体の中を通るとどんなことが起きるのでしょうか。次の図は放射線の通った量とそれによって人間がうける傷害の関係を表しています。ここに書かれた放射線の量とそれによる傷害の程度は、おもに広島・長崎の被爆者や事故で被曝した人の記録からわかったことです。

 

※以下、携帯からも上記の相関図が見れるように、放射線量の数値(単位ミリシーベルト)を抜書きしておきます。
 1.7~2万 JCO事故で死亡の大内・篠原さんが浴びたと推定される量
 6~7千 99.9%以上が死亡 
 3~4千 急性障害(出血・脱毛・嘔吐・下痢・発熱等)の重症化で約半分の人が死亡
 100~250 リンパ球・白血球の一時的減少が見られる 
 100  5年間の職業被曝限度
 10   CT検査    
 2.4   人間一人が浴びる年間自然放射線量(これ以上は人為的な被曝)
 1    公衆の年間線量限度(少ないほど良い)
 0.15  マンモグラフィー
 0.05  胸のX線集団検診  
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