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放射能関連に関するメモ(改訂版)

2011年03月28日 00時39分59秒 | 福島の犠牲の上に胡坐をかくな
 福島原発事故のニュースを聞くにつれて、次第に放射能に関する知識の無さを痛感させられるようになりました。そこで、ここは「急がば回れ」で、遅まきながら「最低限これだけは知っておかねば」と思うものを、主に「よくわかる原子力」というサイトから、メモ代わりに抜書きしておく事にします。
(注)
(1)実は、この原文は子供向けの文章という事もあって(だから説明が分かりやすい)、平仮名が多用されています。そのまま引用したのでは読みにくいので、引用の際に、ある程度平仮名を漢字に直したり、句読点を挿入したりしました。
(2)昨日アップしたウィキペディアからの抜書きは、説明が分かりにくいので削除の上、こちらの改訂版に差し替えました。
 
■放射線ってどんなもの?

 放射線というのは、目には見えないし、においも味もしない。(中略)放射線とは、(核分裂反応の際に原子核から放出される)とても大きなエネルギーをもった小さな粒の流れで、生き物の身体を簡単につき抜けてしまうので、これを感じることができないのです。

 

■放射線と放射性物質とはどう違うの?

 放射能は放射線を出す能力という意味です。放射性物質は自然に壊れながら放射線を出す物質で、放射能ともいわれます。(注:例えて言えば、放射性物質がランプだとすると、放射能はランプの光に当たる。但し、放射能の場合は、光とは違い、浴びれば身体が傷つけられる)
 
■放射線の種類

●エックス(X)線:
 ウイルヘルム・コンラート・レントゲン博士は実験しているときに、自分の手の骨の影が紙の上に写っていることに気づきました。これがエックス線の発見です。博士は「身体を通り抜ける不思議な線」という意味でエックス線と名付けました。1895年のことです。発見した博士の名前をとってレントゲン線といわれることもあります。
 この放射線は左図[省略]のように筋肉や皮膚などをとおりぬけ、身体を透かして見ることができる性質のため、発見されるとすぐに医学の分野でさかんに使われるようになりました。技術が進み身体を輪切りにして見る「CT検査」も行われるようになりましたが、これもエックス線です。しかし、生き物には害があることは、あまり知られていませんでした。
 日本は世界で一番エックス線検査の回数が多いそうです。このためガンなどがふえるといわれています。これを医療被曝(ひばく)といいます。

●ガンマ(γ)線:
 ガンマ線の性質はエックス線とほとんど同じです。これは光の速さでとぶ光の粒で、原子核が壊れるときに飛び出してきます。目に見える光とちがうところは、エックス線と同じように身体や木や紙などを通り抜けることです。身体を通り抜ける性質を利用して医療の検査に使ったり、細胞を殺す性質を利用してガンの治療にも使われます。
 ガンマ線は厚いコンクリートや鉛などは通り抜けることができないので、これらはガンマ線を防ぐ防ぐために使われます。

●ベーター(β)線:
 これはとてもはやい速度でとぶ電子で、やはり原子核が壊れるときに飛び出してきます。マイナスの電気を帯びていますが、アルファ線よりもずっと小さいのでこれよりは長く飛べます。体の中では数ミリメートルから数十ミリメートル飛ぶだけですが、その通り道にある細胞を傷つけるのはエックス線やガンマ線と同じです。

●アルファ(α)線:
 アルファ線は裸のヘリウムの原子核そのものです。これもプルトニウムのように大きな原子核が壊れるときにものすごい勢いで飛び出します。図のように二つの中性子と陽子からできています。粒が大きく、プラスの電気を帯びているため遠くに飛ぶことができないので、ふだんはあまり心配はありません。
 でも、プルトニウムのようにアルファ線を出す物質がいちど体の中に入ると近くにある細胞を傷つけます。このように体の中から放射線を浴びることを内部被曝といいます。細胞が傷つくとガンなどの原因になります。
 アルファ線が細胞を傷つける力は、同じ量のエックス線やガンマ線の20倍くらいあります。

●中性子線:
 中性子の粒がはやいスピードで飛ぶ線です。原子力発電所の原子炉や原爆のような核兵器に使われる原子の原子核が壊れるときに飛び出してきます。
 1999年9月30日、原子力発電に使う核燃料を作っていた会社で起きたJCO事故のとき、工場で働いていた二人はこの中性子線をたくさん浴びてなくなりました。
 名前があらわすように中性で電気を帯びていませんから体の中をたやすく通り抜け、細胞を傷つけます。その害はエックス線やガンマ線よりも5倍から20倍高くなります。

●重粒子線:
 これは炭素やネオンなど、普通の状態ではほとんど止まっているような原子核を、加速器といわれる大がかりな装置を使って、無理やりものすごい速さで走らせた線です。エックス線やガンマ線とちがって、止まるときに細胞を傷つける力が最大になる特長を生かして、ガンの治療に使われています。

 

■半減期って何のこと?

 放射性物質は自然に放射線を出しながら壊れ、他の物質に変わってゆきます。元の物質の量が半分になるまでの時間を半減期といいます。半減期は放射性物質の種類によって違います。
 例えば原子力発電の燃料になる燃えるウランの半減期は約7億年、原爆の原料になるプルトニウムの半減期は24,000年、1986年に起きたチェルノブイリ原子力発電所事故の時に世界中にばらまかれたセシウムの半減期は30年などです。ということは、チェルノブイリ事故が原因でガンになる人が、まだまだ沢山出てくるということです。
 下の図は、原子力発電を続けるかぎり燃料の中にたまりつづける猛毒のプルトニウムの寿命と、人類の歴史を比べてみました。プルトニウムは24000年経ってようやくはじめの量の半分になります。キリストが生まれてからまだ2000年チョットしかたっていないのに・・・・。24000年後地球はどうなっているでしょう?人類はまだ滅びないでいるでしょうか?
 これまでに日本の原子力発電だけでたまったプルトニウムの量は、約170トンあまりです。プルトニウムは1グラムで約5000人に肺ガンをつくります。これが生き物に無害になるまでにはどの位の時間がかかるのでしょう?計算してみてください。

 

■放射線の強さをあらわす単位は?

●ベクレル(Bq):
 放射性物質は一回壊れるたびにアルファ線かベーター線が原子核から一個飛び出し、同時にガンマ線もでます。
 1秒間に1回壊れる放射性物質の量を1ベクレル(1Bq)といいます。
 放射性物質によって飛び出してくる放射線の種類がちがいます。例えばプルトニウムは壊れるときにアルファ線を出し、セシウムはベーター線を出します。

●グレイ(Gy):
 放射性物質や放射線を発生させる装置から飛び出す放射線のエネルギーが、生き物の身体にどれだけ吸収されたかをあらわす単位です。生き物の身体1キログラム当たりが吸収したエネルギーの全体量を1グレイ(1Gy )といいます。
 エネルギーを吸収するということは、体の中で放射線が何かにぶつかって速さが遅くなるか、止まるかして変化することです。吸収したエネルギーが大きければ細胞が受ける傷の程度も大きくなります。

●シーベルト(Sv):
 同じ量の放射線が身体に当たっても放射線の種類によってあたえる影響はちがいます。その影響の大きさを考えに入れた放射線の単位をシーベルト(Sv)といいます。
 例えば、同じ重さの生き物が1グレイのエックス線かまたはアルファ線を浴びたとすると、アルファ線の方が20倍も害をあたえるので、アルファ線1Gyは20Svにあたります。
 しかし、アルファ線はプラスの電気を帯びているため、長い距離は飛べません。したがって、身体の外にある場合にはそれほど心配しなくても良いのですが、食べ物や水や空気といっしょにいったん身体の中に入ってしまうと、傷をつける作用は大きくなりますから危険です(このように放射線を身体の中から浴びることを内部被曝といいます。)
 エックス線やガンマ線の1グレイは1シーベルトです。

■外部被曝と内部被曝

 図で示すように放射線を身体の外からあびることを外部被曝といい、放射性物質を身体の中に取り込んでしまい内側から放射線を浴びることを内部被曝といいます。
 外部被ばくで危険な放射線は、図に示すように、エックス線、ガンマ線、中性子線、です。
 ベーター線は服を着ていればそれ程心配はないでしょう。
 アルファ線のように遠くに飛べない放射線でも、アルファ線を出す放射性物質が身体の中に入ってしまうと、すぐまわりには細胞がたくさんありますから、細胞は傷つけられます(内部被曝)。その程度はエックス線やガンマ線の20倍にもなります。

 

■放射線を浴びるとどうなるの?

 せっかく放射線の量をはかる単位を覚えたのですから、どの位の量の放射線で何が起きるのかみてみましょう。
 ここでミリシーベルト( mSv )という単位がでてきますが、これは1000分の1シーベルト( Sv )のことです。
 放射線の単位では、マイクロシーベルト(μSv)というものも使われます。これは、1000分の1ミリシーベルト(mSv)のことです。1(Sv)=1,000(mSv)=1,000,000(μSv)
 それでは放射線が身体の中を通るとどんなことが起きるのでしょうか。次の図は放射線の通った量とそれによって人間がうける傷害の関係を表しています。ここに書かれた放射線の量とそれによる傷害の程度は、おもに広島・長崎の被爆者や事故で被曝した人の記録からわかったことです。

 

※以下、携帯からも上記の相関図が見れるように、放射線量の数値(単位ミリシーベルト)を抜書きしておきます。
 1.7~2万 JCO事故で死亡の大内・篠原さんが浴びたと推定される量
 6~7千 99.9%以上が死亡 
 3~4千 急性障害(出血・脱毛・嘔吐・下痢・発熱等)の重症化で約半分の人が死亡
 100~250 リンパ球・白血球の一時的減少が見られる 
 100  5年間の職業被曝限度
 10   CT検査    
 2.4   人間一人が浴びる年間自然放射線量(これ以上は人為的な被曝)
 1    公衆の年間線量限度(少ないほど良い)
 0.15  マンモグラフィー
 0.05  胸のX線集団検診  
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