Ruby の会

シニアライフ~能楽・ボランティア・旅行・食べ歩き・演劇などを綴っています

瑞龍寺「燭光能」 ’20

2020-05-20 | 能楽

 今週初め頃から、東京方面からたよりが届くようになった。三鷹の義妹からは「まだバスに乗れない」と、川越の友人からは「早く電車に乗りたい」と、杉並に住む友人からは「孫に頼まれた急ぎの用事で、千葉の自宅に今戻って来たところ」など、まだまだ外出自粛の不便な生活を送っている様子が伺われる。

 5/20日は、毎年、加賀藩2代藩主の前田利長をしのぶ「利長忌」が瑞龍寺で行われ、「燭光能(しょっこうのう)」が奉納される。今年は、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため無観客で行われると聞いていた。が、私の謡の先生、山崎健先生が少人数なら見に来てもいい、と言ってくださったので、MAさんと出かけた。

 追善法要の後、演目「融(とおる)」が披露された。月明かりの夜、風雅を愛した源融(みなもとのとおる)の亡霊が現われ、華麗に舞うという物語。シテを佐野由於師、ワキを苗加登久治師、大鼓を飯島六之佐師、小鼓を住駒幸英師、太鼓を徳田宗久師、笛を瀬賀尚義師が務められた。地謡に山崎先生も出演された。
 源融は光源氏のモデルとも言われており、屋敷跡が東本願寺別邸「渉成園」として公開されている。蒼山会の旅行でも見学したし、友人達ともゆっくり回って来た。

 👇は法堂、隣り合う席の間隔を約1メートル開け、換気をよくするため戸は開け放されていた。(K新聞webより) 

 👇 蝋燭の灯りの中で舞われる「早舞」。実際にはもっと暗い。が、融の面をこんな間近で見るのは初めて。風流を嗜む優雅な大臣の面だなぁと、つくづく実感する。 
 それにしても、何か月ぶりのお能だろう。笛の音も太鼓の響きも快く、ようやく日常に戻ったと言う嬉しさがこみ上げて来た。瀬賀先生のお笛がいつもに増して澄み渡って聞こえた。帰りにおけそくをいただき、新聞社のインタビューまで受けた。 まだしばらくは我慢の毎日が続くだろうが、少し明るい見通しが見えてきた気持ちになる。 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿