Ruby の会

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高岡定例能 ’21「黒塚」

2021-05-19 | 能楽

 高岡定例能は、年に一度高岡伝統芸能館の能舞台で演じられるお能である。 一部で会員謡曲大会、二部でプロの先生方の、仕舞、舞囃子、能が演じられる。 昨年はもちろん中止、今年は一部の会員の謡曲は中止になったが、二部は開かれると聞き楽しみにしていた。 会員のための演能なので無料だが、入場できる範囲で友人に声をかけてもいい。 早くからSAさんを誘っていた。 自分の出番がないので車で一緒に鑑賞する予定だった。 会場に入るとなはさんもおられ驚いた。 植木屋さんが早く終わられたので、一部がない事も知らず早めに着いたのだそうだ。

 👇は、二部の番組表。 上部が欠けているが、仕舞は「三山」、舞囃子が「氷室」、能は「黒塚」である。 三人とも若き能楽師(数年前の”若き能楽師のサラメシ”で登場した方達)、金井先生、金森先生の息子さん達である。 金森秀祥先生は高岡市出身、市内にご実家もありお母さまが住んでおられる。高岡開町410年記念で関野神社で奉納謡曲大会があった時、まだ学生だった次男さんの舞姿に目を見張ったのを覚えている。 そして今回は長男さんが「黒塚」のシテ役を務められる。

 3人とも素晴らしかった。 特に「黒塚」のシテ(前シテ:賤女、後シテ:鬼女)、金森良充師は声がよく通り、ワキカセ輪(糸繰車)を回す賤しく静かな女と鬼女に化し怒る姿を際立てて表現された。

 私のすぐ前の席に座られた白髪の美しい方が、時々ハンカチで目を拭っておられ、「もしや~」と思って終演後尋ねたら、やはり秀祥先生のお母さんだった。二人のお孫さんの舞台に感無量だったのだろう。
 👇は、4年前の私のブログ「富山薪能」での「黒塚」である。 この時は宝生流宗家宝生和英師のシテだった。

山薪能 ’17 - Ruby の会 (goo.ne.jp)

 お能の後、なはさん、SAさんと「トワイス」で食事をしたのだが、その時SAさんが、「蒼山会・会報」の山崎先生の解説がわかり易く、自然に興味が湧いてくる内容で真剣に観た、とコメントされた。
 👇は、「蒼山会・会報」です。 すでに3号まで発行されました。 先生にぜひお伝えしなければ。

 👆の「黒塚」の最後には、こう書いてある。

 「… 夜も更け寒くなったので女は薪を取りに出かけます。 この後のワキヅレ(能では間狂言)の演技が面白い、とくとご覧あれ。 ついに閨の内を見てしまい女の正体が鬼女だとわかり、逃げようとしましたが丁度そこへ鬼女が帰ってきます。 さあ大変、鬼女は怒って打ち杖を持って襲いかかります。 僧は数珠をもみ一心に呪文を唱え対抗します。 さてその結末は如何に、しっかりとお能をご覧ください。」

 鬼女は力尽き果て、自分を恥じながら夜嵐の中へ消えていく…。 


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